57 / 160
強さの形(ラヨネ視点)
しおりを挟む
どうすればこの状況をなんとか出来るのか。頭を巡らせながら立ち上がる。
眼下ではコタがサンダーバードの雷撃をなんとか交わしていた。サンダーバードの羽根が擦れる度に静電気が生まれ、集まり、雷撃へと変わっていく。
ー 静電気…。
感情の昂りに反応し、パチパチと静電気が身体から放出されている。この静電気をあのサンダーバードみたいに集めて放てないだろうか?
ー・ー 大切なのはイメージ。 ー・ー
白と黒の縞々の尻尾が視界で揺れる。
誰かの手が僕の両肩を掴み、想像してみて…と囁く。
ー・ー 指先に集中して。今、君の中から湯水のように溢れ出している力を指先に集めるイメージ。 ー・ー
目を瞑り、声の通りに指先の神経を研ぎ澄ます。
指先に集中すると指先がじんわりと温かくなり、静電気として溢れ出していた力がきちんと身体を巡り、指先へと集まっていくのを感じた。
ゆっくりと目を開けると指先にただの静電気だったものがパチパチと音を立てながら白い光の球を形成する。
それをみて、声の主がはにかみ、嬉しそうに縞々の尻尾を揺らしていた。
ー・ー 君はこれをどうしたい? ー・ー
「コタに群がってる敵を雷でコタから離したい。」
その隙に逃げようと一瞬考えた。
…が、チラリと未だ調子の悪そうなモモを一瞥して、山賊の頭から一切目を逸らさないコタを見やって、頭をフルフルと横に振った。
コタは絶対に引かない。
今のモモのこの状況を見たらモモを逃す為に結局、自分だけ残り「足止めしている間に逃げろ。」というだろう。
引くにしてもニ人がかりでも巨体のモモを抱えてあの強敵達から逃げるのは無理だから。
だから…。
「コタが喧嘩しやすいように山賊の頭と一対一になれる状況を作りたい。」
逃げる事が出来ないなら僕はコタが死なないように、これ以上傷付かないように守りたい。まだ隣で戦えなくてもせめて…。
ー・ー 援護…か。…なら、雷撃は適さないかな? ー・ー
雷撃は基本、全体攻撃だから精度はよくない。だから彼にも当たる可能性があると、そう青い光はアドバイスする。
ー・ー イメージして。狙い撃つ事のできるものを…。 ー・ー
「狙い撃つ…。」
そう耳元で囁かれて、最初に思い付いたのは弓だった。
遠くから敵を狙い撃つ。
矢を射る光景を想像して、弓を弾くように腕を引くと、光の球が弓の形に変形して、キリキリと引かれた弦が音を立てていた。
今度は射る為の矢を作ろうと意識を集中させると引いた弦が戻ろうとして腕が引っ張られ、体勢を崩しそうになった。
しかし、しょうがないなという声とともに添えられた手が弓を引くのを補助し、弦は自身が引いた時より更に張り詰め、作り上げた弓が放たれるのをそこで待っていた。
その光が手を貸してくれた瞬間、力がみなぎり、絶対にこの矢は狙い通りに当たるという自信が心に溢れる。
添えられた手は光とは思えない程力強く、誰だろうと顔を上げ、目を丸くした。
虎の耳に虎の尻尾。
金色に光る虎目。
しかし、肌は人族のようにツルツルでその人は半獣人の姿をしていた。
その人は驚く僕を見て、悪戯っぽく笑い、イメージして…と囁いた。
ー・ー 決して半獣人は劣ってないと。自分は強いんだと。…確かに人にはそれぞれ持って生まれたポテンシャルがある。経験から得る力もある。でもそれは結局は自身を守る武器の一つにしかすぎない。 ー・ー
その人の動きに身を任せて、矢を射る。
すると矢は幾重にも増え、敵だけを狙い雨のように降り注ぐ。矢に当たった敵は感電し、ヨタヨタと後退る。
ー・ー イメージして。その武器をどう使うか。…強い武器を持ってるから強いんじゃない。その武器を使いこなせる人が強いんだ ー・ー
イメージ通りにコタから敵が離れ、ブルリと歓喜のあまり身震いをして、その人を見た。
イメージして…と、もう一度囁くと僕の胸に手を当て、その人は青い光の粒になり、僕の胸の中に消えていった。
眼下ではコタがサンダーバードの雷撃をなんとか交わしていた。サンダーバードの羽根が擦れる度に静電気が生まれ、集まり、雷撃へと変わっていく。
ー 静電気…。
感情の昂りに反応し、パチパチと静電気が身体から放出されている。この静電気をあのサンダーバードみたいに集めて放てないだろうか?
ー・ー 大切なのはイメージ。 ー・ー
白と黒の縞々の尻尾が視界で揺れる。
誰かの手が僕の両肩を掴み、想像してみて…と囁く。
ー・ー 指先に集中して。今、君の中から湯水のように溢れ出している力を指先に集めるイメージ。 ー・ー
目を瞑り、声の通りに指先の神経を研ぎ澄ます。
指先に集中すると指先がじんわりと温かくなり、静電気として溢れ出していた力がきちんと身体を巡り、指先へと集まっていくのを感じた。
ゆっくりと目を開けると指先にただの静電気だったものがパチパチと音を立てながら白い光の球を形成する。
それをみて、声の主がはにかみ、嬉しそうに縞々の尻尾を揺らしていた。
ー・ー 君はこれをどうしたい? ー・ー
「コタに群がってる敵を雷でコタから離したい。」
その隙に逃げようと一瞬考えた。
…が、チラリと未だ調子の悪そうなモモを一瞥して、山賊の頭から一切目を逸らさないコタを見やって、頭をフルフルと横に振った。
コタは絶対に引かない。
今のモモのこの状況を見たらモモを逃す為に結局、自分だけ残り「足止めしている間に逃げろ。」というだろう。
引くにしてもニ人がかりでも巨体のモモを抱えてあの強敵達から逃げるのは無理だから。
だから…。
「コタが喧嘩しやすいように山賊の頭と一対一になれる状況を作りたい。」
逃げる事が出来ないなら僕はコタが死なないように、これ以上傷付かないように守りたい。まだ隣で戦えなくてもせめて…。
ー・ー 援護…か。…なら、雷撃は適さないかな? ー・ー
雷撃は基本、全体攻撃だから精度はよくない。だから彼にも当たる可能性があると、そう青い光はアドバイスする。
ー・ー イメージして。狙い撃つ事のできるものを…。 ー・ー
「狙い撃つ…。」
そう耳元で囁かれて、最初に思い付いたのは弓だった。
遠くから敵を狙い撃つ。
矢を射る光景を想像して、弓を弾くように腕を引くと、光の球が弓の形に変形して、キリキリと引かれた弦が音を立てていた。
今度は射る為の矢を作ろうと意識を集中させると引いた弦が戻ろうとして腕が引っ張られ、体勢を崩しそうになった。
しかし、しょうがないなという声とともに添えられた手が弓を引くのを補助し、弦は自身が引いた時より更に張り詰め、作り上げた弓が放たれるのをそこで待っていた。
その光が手を貸してくれた瞬間、力がみなぎり、絶対にこの矢は狙い通りに当たるという自信が心に溢れる。
添えられた手は光とは思えない程力強く、誰だろうと顔を上げ、目を丸くした。
虎の耳に虎の尻尾。
金色に光る虎目。
しかし、肌は人族のようにツルツルでその人は半獣人の姿をしていた。
その人は驚く僕を見て、悪戯っぽく笑い、イメージして…と囁いた。
ー・ー 決して半獣人は劣ってないと。自分は強いんだと。…確かに人にはそれぞれ持って生まれたポテンシャルがある。経験から得る力もある。でもそれは結局は自身を守る武器の一つにしかすぎない。 ー・ー
その人の動きに身を任せて、矢を射る。
すると矢は幾重にも増え、敵だけを狙い雨のように降り注ぐ。矢に当たった敵は感電し、ヨタヨタと後退る。
ー・ー イメージして。その武器をどう使うか。…強い武器を持ってるから強いんじゃない。その武器を使いこなせる人が強いんだ ー・ー
イメージ通りにコタから敵が離れ、ブルリと歓喜のあまり身震いをして、その人を見た。
イメージして…と、もう一度囁くと僕の胸に手を当て、その人は青い光の粒になり、僕の胸の中に消えていった。
0
あなたにおすすめの小説
毒を喰らわば皿まで
十河
BL
竜の齎らす恩恵に満ちた国、パルセミス。
ここが前世でやり込んだゲーム、【竜と生贄の巫女】の世界だと思い出した【俺】だったが、俺は悪役令嬢の娘・ジュリエッタと共に破滅の未来が待っている宰相アンドリムに転生してしまっていた。
だけど記憶を取り戻したからには、そう簡単に破滅などしてやらないつもりだ。
前世の知識をフルに活かし、娘と共に、正義の味方面をした攻略対象達に逆転劇を披露してみせよう。
※※※
【第7回BL小説大賞】にエントリーさせて頂きました。
宜しくお願い致します(*´꒳`*)
※※※
小説家になろうサイト様※ムーンライトノベル※でも公開をしております。
また、主人公相手ではないですがNLカプも登場してきます。
腐男子♥異世界転生
よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。
目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。
トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
逃げる銀狐に追う白竜~いいなずけ竜のアレがあんなに大きいなんて聞いてません!~
結城星乃
BL
【執着年下攻め🐲×逃げる年上受け🦊】
愚者の森に住む銀狐の一族には、ある掟がある。
──群れの長となる者は必ず真竜を娶って子を成し、真竜の加護を得ること──
長となる証である紋様を持って生まれてきた皓(こう)は、成竜となった番(つがい)の真竜と、婚儀の相談の為に顔合わせをすることになった。
番の真竜とは、幼竜の時に幾度か会っている。丸い目が綺羅綺羅していて、とても愛らしい白竜だった。この子が将来自分のお嫁さんになるんだと、胸が高鳴ったことを思い出す。
どんな美人になっているんだろう。
だが相談の場に現れたのは、冷たい灰銀の目した、自分よりも体格の良い雄竜で……。
──あ、これ、俺が……抱かれる方だ。
──あんな体格いいやつのあれ、挿入したら絶対壊れる!
──ごめんみんな、俺逃げる!
逃げる銀狐の行く末は……。
そして逃げる銀狐に竜は……。
白竜×銀狐の和風系異世界ファンタジー。
すべてはあなたを守るため
高菜あやめ
BL
【天然超絶美形な王太子×妾のフリした護衛】 Y国の次期国王セレスタン王太子殿下の妾になるため、はるばるX国からやってきたロキ。だが妾とは表向きの姿で、その正体はY国政府の依頼で派遣された『雇われ』護衛だ。戴冠式を一か月後に控え、殿下をあらゆる刺客から守りぬかなくてはならない。しかしこの任務、殿下に素性を知られないことが条件で、そのため武器も取り上げられ、丸腰で護衛をするとか無茶な注文をされる。ロキははたして殿下を守りぬけるのか……愛情深い王太子殿下とポンコツ護衛のほのぼの切ないラブコメディです
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない
Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。
かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。
後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。
群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って……
冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。
表紙は友人絵師kouma.作です♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる