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第四章
権力者は思うがままに命ずる⑤
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「‥え」
小さく声を漏らした真野先生と教頭はその場で立ち止まった。
「身体が‥」
唯一動かせるのは頭だけのようで、必死に前後に動かす。
これは、一体、何が。
「動かないのかね?」
「え、あ、はい。まるで金縛りにあったようで」
教頭の声が震えている。
真野先生も、何が起こったのか分からないようだ。
私はゆっくりと立ち上がり、二人のそばに寄った。
扉の前で手を伸ばす真野先生と、その少し後ろにいる教頭。
なんだ、この、高揚感は。
「校長は、何ともないので?」
教頭の額から一粒の汗が流れた。
「‥あ、あぁ。大丈夫だ」
「すみません、校長先生。誰か人を呼んでくれませんか?冗談ではなく、動けなくて」
真野先生は無理やりに笑顔を浮かべるも、教頭動揺困惑しているようだ。
「そ、そうだな。少し待っていなさい」
私は急いで扉を開ける。しかし、何かとぶつかった。
「‥大門くん」
「校長。どこへ?」
微笑を浮かべながら、私に問いかけてくる。
何故か、今の彼からは途方もないプレッシャーを感じる。
「あ、ちょ、丁度良かった。今、そこの二人が--」
「い、いや‥」
イヤぁぁ!!!
すぐ近くから悲鳴にも似た声が聞こえてくる。
「真野。お前は本当に上質な女だな。この催眠アプリのランク付けも信憑性に欠けてくるよ」
少し呆れながら大門君は真野先生に近づいていく。
「や、やめっ」
「【白衣の乱れ】」
その言葉で、真野先生の声が消えた。口を少し開けたまま固まっている。
クックック、と聞いたことがある不気味な笑い声。
「だ、だいもんくん。何が、起こっているのかね」
「何がって‥。あぁ、校長。貴方も中々上質な方ですね。すっかり催眠アプリの虜にしたと思ったのに。ランク1でその暗示のかかりにくさ。流石です」
「きみは、なにを」
「今から作品を撮るんですよ」
大門君は教頭に近づき【従順な傀儡】と耳元で呟いた。
教頭は、背筋を伸ばし、大門君へ向き直る。
「さぁ、回せ」
言われるがままに渡されたカメラを回す。
眼鏡の奥の虚ろな表情。まるで、意思のない人形のようだ。
「さて、校長。早速始めましょうか」
私は、恐怖で身を縮めていた。
大門入人は、とても優秀な教え子。
私の期待通りに、いつも動いてくれる。
宝物‥。
「ほら、早く、真野を犯してくださいよ」
「なっ」
何を言ってるんだ!
「あれ?どうしたんです」
「自分が何を言っているのか分かっているのかね!」
「分かってますよ。ですが校長。貴方の理性はもう崩壊寸前じゃないですか」
心底楽しそうに私の下半身を見ながら言う。
そう、おかしいのだ。
さっきから、何故か、収まらない。
「それが、貴方の本心。愛する奥さんから相手にされなくなってもう随分でしょう。ほら、あなたの目の前には、望む物がありますよ」
スマホの画面を見せられる。
これ、は‥。
意識が、ぼんやりとしてくる。
あなたは支配者。
思うがまま。
そう、だ。私は、支配者なのだ。
自分がやりたいことをすればいい。
私はズボンのベルトを外した。
小さく声を漏らした真野先生と教頭はその場で立ち止まった。
「身体が‥」
唯一動かせるのは頭だけのようで、必死に前後に動かす。
これは、一体、何が。
「動かないのかね?」
「え、あ、はい。まるで金縛りにあったようで」
教頭の声が震えている。
真野先生も、何が起こったのか分からないようだ。
私はゆっくりと立ち上がり、二人のそばに寄った。
扉の前で手を伸ばす真野先生と、その少し後ろにいる教頭。
なんだ、この、高揚感は。
「校長は、何ともないので?」
教頭の額から一粒の汗が流れた。
「‥あ、あぁ。大丈夫だ」
「すみません、校長先生。誰か人を呼んでくれませんか?冗談ではなく、動けなくて」
真野先生は無理やりに笑顔を浮かべるも、教頭動揺困惑しているようだ。
「そ、そうだな。少し待っていなさい」
私は急いで扉を開ける。しかし、何かとぶつかった。
「‥大門くん」
「校長。どこへ?」
微笑を浮かべながら、私に問いかけてくる。
何故か、今の彼からは途方もないプレッシャーを感じる。
「あ、ちょ、丁度良かった。今、そこの二人が--」
「い、いや‥」
イヤぁぁ!!!
すぐ近くから悲鳴にも似た声が聞こえてくる。
「真野。お前は本当に上質な女だな。この催眠アプリのランク付けも信憑性に欠けてくるよ」
少し呆れながら大門君は真野先生に近づいていく。
「や、やめっ」
「【白衣の乱れ】」
その言葉で、真野先生の声が消えた。口を少し開けたまま固まっている。
クックック、と聞いたことがある不気味な笑い声。
「だ、だいもんくん。何が、起こっているのかね」
「何がって‥。あぁ、校長。貴方も中々上質な方ですね。すっかり催眠アプリの虜にしたと思ったのに。ランク1でその暗示のかかりにくさ。流石です」
「きみは、なにを」
「今から作品を撮るんですよ」
大門君は教頭に近づき【従順な傀儡】と耳元で呟いた。
教頭は、背筋を伸ばし、大門君へ向き直る。
「さぁ、回せ」
言われるがままに渡されたカメラを回す。
眼鏡の奥の虚ろな表情。まるで、意思のない人形のようだ。
「さて、校長。早速始めましょうか」
私は、恐怖で身を縮めていた。
大門入人は、とても優秀な教え子。
私の期待通りに、いつも動いてくれる。
宝物‥。
「ほら、早く、真野を犯してくださいよ」
「なっ」
何を言ってるんだ!
「あれ?どうしたんです」
「自分が何を言っているのか分かっているのかね!」
「分かってますよ。ですが校長。貴方の理性はもう崩壊寸前じゃないですか」
心底楽しそうに私の下半身を見ながら言う。
そう、おかしいのだ。
さっきから、何故か、収まらない。
「それが、貴方の本心。愛する奥さんから相手にされなくなってもう随分でしょう。ほら、あなたの目の前には、望む物がありますよ」
スマホの画面を見せられる。
これ、は‥。
意識が、ぼんやりとしてくる。
あなたは支配者。
思うがまま。
そう、だ。私は、支配者なのだ。
自分がやりたいことをすればいい。
私はズボンのベルトを外した。
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