甘々にすっ転べ全集

mimimi456/都古

文字の大きさ
上 下
37 / 57

37 イブの夜

しおりを挟む
「なにしてん。」

ちゃっかちゃっか音がするから
ケーキでも作るんかと風呂場のドアを出ると

廊下に座り込んだ彼女がひとり

床に粉振るってた。

「あ、早い!早過ぎるよ!戻って!」

「お、おぅ。」

思わず後ずさってドアを閉めたけど
ちょっと待て

「なぁ、ドア開けるのは良い?」

「ダメ!あとちょっとだから待って。」

ちゃっか
ちゃっか ザザっ

紙か。床に紙敷いて粉振るって何なん。
小麦粉不良品やったんか。
なんか入ってたんか?

「終わったよー!良いよー!」

なんか入ってたんなら一緒に探そうと思ってたんやけど。
なぁ。やばいで。
目の前にサンタ帽子握り締めた彼女がおる。

「どしたんそれっ。」

「見て!さっきサンタさんが来てプレゼント置いて行ってくれたんだよ!証拠に帽子もくれた!」

「ほぉん。」

「足跡も真っ白なんだよ!」

「土足やな。」

「サンタさんは良いのっ!」

「入る足跡しか無いけど、帰りはどうしたんやろな」

「ば、ックトラックしてた!」

「そうかっ。」

「そうだよ!」

とんだ可愛い茶番に彼女を抱き上げて攫う。
今度はこっちの茶番にも付き合って貰おうな。

「あんたサンタさん帽子持ってるって事は、サンタさんやんな?」

「えっ!?」

「俺、あんたみたいな可愛い彼女が欲しかったんよ。ありがとうな。」

わざとらしく寝室に駆け込み、途中自室に荷物も取りに行った。
彼女になったサンタをベッドに座らせ握ったままのサンタ帽子を被せる。

「これ、俺の可愛い彼女にプレゼント。」

「ありがとうっ!」

「どういたしましてサンタさん。」

安っぽいぺらつぺらのサンタ帽子のくせに
恐るべし威力を発揮してる。

因みに玄関に置きっぱの俺へのプレゼントは
帽子とネックウォーマーだった。
俺はもっこもこパジャマ。
ネットで一目惚れ。クマの耳が付いとる。
速攻ポチッたぞ。

今、風呂入ってるから上がる時バレるやろな。
そんで恥ずかしがって着てくれるやろ。

最高やん。

クリスマス有難う。イブ最高。
明日は仕事やけど給料日やしな。

お、風呂上がったぞ?

しおりを挟む

処理中です...