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番外編【恒例行事になりそうです】11バレンタイン当日
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「おはようございます。江子先輩。これ、私たちで作ったマカロンです。あと、それとは別に先輩のためにチョコを用意しました」
「おはよう、梨々花ちゃん。マカロンは自分たち用に各自、もらっているからいらないよ。チョコはありがたくいただくね」
「遠慮しないでください。うまくできたと思いません?なので、せっかくだから、ラッピングもしておいたんです。もらっていただけないですかあ?」
今日は2月14日。バレンタイン当日である。朝はいつも通りに家を出たのだが、出勤して更衣室に入ると、すでに河合さんと梨々花さんがいた。梨々花さんは河合さんに私たちが作ったマカロンと自分で購入したチョコを河合さんにあげようとしていた。
「おはようございます。河合さん、梨々花さん」
「おはようございます、先輩!私も梨々花ちゃんみたいに先輩にチョコを準備してきたんですよ。ぜひ、おおたかっちと一緒に夕食後にでも食べてください!」
「ええええ!ずるいですう。江子先輩にチョコをあげたのは私ですよお。私の分はないんですかあ?」
河合さんは私に気付くと、すぐに挨拶してきた。しかし、梨々花さんは完全無視で、河合さんにべったりである。慣れてきた光景ではあるので、こちらも注意はしない。
「アリガトウゴザイマス。私も河合さんと梨々花さんにチョコを買ってきました。お昼に一緒に食べましょう」
『お昼に?一緒に?』
私だって、友チョコの存在くらい知っている。河合さんと梨々花さんにはマカロンを一緒に作ってもらった恩がある。そのお礼も兼ねてチョコを購入した。家に持ち帰る用に二人分の個包装のものを買っても良かったが、お昼に三人でわいわい話しながら食べるのもアリかと思って、ちょっと大きめのサイズの箱のものを購入した。
私の発言がおかしかったのだろうか。二人はきれいなハモリを見せて驚いた表情をした。まるで示し合わせたかのようなハモリと驚き具合がおかしくて思わず笑ってしまう。
「倉敷さんのそういうところがずれているんですよ。江子先輩もそうおもわな」
「アハハハハ。みんなで一緒に食べる、ね。いいんじゃないですか?高校の頃を思い出して、懐かしいです。お昼休みが楽しみですね」
梨々花さんは私の事をバカにしていたが、河合さんは腹を抱えて笑いだした。確かに高校生の頃に友達同士でお菓子を交換して、楽しく話しているグループがあった。私はひとり寂しくボッチ飯だったので羨ましかった。それが今、大人になって同じような場面に遭遇することになるとは。
「私も、お昼が楽しみ、です」
「うわ、これがコミュ障女の魔の笑顔」
「梨々花ちゃん、これでわかった?先輩の魅力がわかるようになったら、あなたもこっち側の人間に仲間入りだ」
「わ、わかりたくありません。でも、江子先輩と一緒というのなら、わ、わからなくもない、かもしれません」
私のつぶやきはばっちりと二人に聞かれていた。しかし、その後の反応が何やらおかしい。私の魅力とはいったい何なのか。私はただ、彼女達とのお昼のお菓子タイムを楽しみにしているだけだ。よくわからないが、あまり良くないことだけはわかった。
「おはよう、倉敷さんに河合さん、それと梨々花さん」
話していたら、安藤さんや平野さんたちが更衣室にやってきた。そろそろ始業時間の時間だ。私たちは慌てて着替えを済ませて、朝礼場所にむかった。
「それで、河合さんたちとチョコを交換し合ったんですよ。チョコの交換なんて、高校生以来、いえ、私はクラスメイトのそれを見ているだけだったので、実質は初めての経験です」
家に帰ると、すでに大鷹さんは帰宅していた。これで私より給料が高いのだから、ずいぶんと優良なホワイト企業である。
玄関で今日の出来事を話すと、大鷹さんは私の話を嬉しそうに聞いてくれる。河合さんの名前を出したときは一瞬、負のオーラが出かけたが、すぐに消えた。まあ、河合さんのことは常に気にしているので問題はないだろう。
「ああ、それで、河合さんからチョコをもらいました。大鷹さんと夕食後に食べてくださいと」
「それはまあ……。嫌な予感がしますが、毒ではないと思いますので、ありがたくいただきましょう」
玄関をあがると、リビングから甘い匂いが広がってきた。大鷹さんの後に続いてリビングに入ると、テーブルに可愛らしいピンクのラッピングがされた箱が置かれていた。
「夕食前ですけど、先に交換しますか?それとも夕食後にしましょうか」
「先に交換して、夕食後に食べましょう!」
どうやらお菓子を準備して私の帰りを待っていたようだ。私も自室に行き、着替えを済ませてラッピングされた箱を持ってリビングに戻る。
「せーので、渡しましょう!せーの」
私たちはテーブルの椅子に座り、お互いの箱を交換する。箱には大鷹さんの字で「いつもありがとう」というメッセージが箱のリボンにくくり付けられていた。
「じゃあ、開けましょうか」
私たちは交換した箱の開封作業に取り掛かる。ピンクの箱を開けて中から見えたものに思わず声が出てしまう。
「まさか、お菓子が被るなんて!大鷹さんもマカロン、作ったんですね」
「僕も驚きです。いろいろなお菓子がある中で、同じお菓子を交換することなんてあるんですね」
箱の中にはピンクのマカロンが入っていた。色も私と同じだった。こんな偶然があるとは驚きだ。
「マカロンには【あなたは特別な存在】って意味があるみたいですよ。ピンク色のマカロンには【永遠の愛】という意味があるとか」
僕も紗々さんも同じ気持ちってことでいいですよね?
にっこりと優しく微笑まれたら、イケメン過ぎて言葉を失ってしまう。何か気の利いた言葉を返すべきだが、大鷹さんのイケメンスマイルに脳みそが思考停止してしまった。
「永遠の愛、いい響きです。これからも末永くよろしくお願いしますね」
私が言葉を失っている間に、大鷹さんは私があげた赤い箱からピンクのマカロンを一つ取り出す。手に取って私の顔に近付けてきた。
「むぐ、な、なにするんですか?」
「いえ、ただ何となくこうしてみたかった、だけです」
口に押し付けられてきたマカロンはすぐに離れていく。そして、なんとそのまま大鷹さんの口の中に消えていく。これは俗にいう【間接キス】ではないだろうか。
「お、大鷹さん、今のはか、間接、き、きききき」
「今更だと思いますけど。鍋とかで箸は同じ時もあるし、そもそも毎日一緒に食事をしていたら、それくらいの事は当たり前だと思いますけど」
大鷹さんの笑顔が悪い顔に変化していく。これはいたずらを仕掛ける子供と同じ表情だ。そして、いたずらに成功したときの嬉しそうな表情。
「ま、まあ、そ、そうかも、しれない、ですね」
このままやられっぱなしではなんだか悔しい。大鷹さんは私の作ったマカロンにおいしいと言ってくれたが、今は感想を嬉しがっている場合ではない。
「えい」
それなら、私も大鷹さんに同じことをするまでだ。もらったピンクの箱から同じくピンク色のマカロンを取り出し、大鷹さんの口に押し付ける。一瞬、目を丸くしていた大鷹さんだが、すぐに目を細めて、私の手を掴んで引き寄せる。
「本当は、マカロン越しにではないほうがいいんですが、嫌われたくないのでこれであきらめます」
なんと、自分の口を私に近付けてきた。そして、私と大鷹さんの唇はマカロン越しに合わさった。
「いや、これは卑怯で、むぐ」
「おいしいですか?これ、とてもうまくいって、守が絶賛していました。僕も味見しましたがよくできたでしょう?」
「おいひいです」
お互いに視線が絡み合う。去年も甘々なバレンタインだったが、今年も糖度が高いバレンタインとなったのだった。
ちなみに河合さんからもらったチョコは洋酒入りだった。大鷹さんは嫌な顔をしたが、一粒だけ夕食後に食べて、残りは後日、少しずつ消費することになり、悪酔いすることはなかった。
「おはよう、梨々花ちゃん。マカロンは自分たち用に各自、もらっているからいらないよ。チョコはありがたくいただくね」
「遠慮しないでください。うまくできたと思いません?なので、せっかくだから、ラッピングもしておいたんです。もらっていただけないですかあ?」
今日は2月14日。バレンタイン当日である。朝はいつも通りに家を出たのだが、出勤して更衣室に入ると、すでに河合さんと梨々花さんがいた。梨々花さんは河合さんに私たちが作ったマカロンと自分で購入したチョコを河合さんにあげようとしていた。
「おはようございます。河合さん、梨々花さん」
「おはようございます、先輩!私も梨々花ちゃんみたいに先輩にチョコを準備してきたんですよ。ぜひ、おおたかっちと一緒に夕食後にでも食べてください!」
「ええええ!ずるいですう。江子先輩にチョコをあげたのは私ですよお。私の分はないんですかあ?」
河合さんは私に気付くと、すぐに挨拶してきた。しかし、梨々花さんは完全無視で、河合さんにべったりである。慣れてきた光景ではあるので、こちらも注意はしない。
「アリガトウゴザイマス。私も河合さんと梨々花さんにチョコを買ってきました。お昼に一緒に食べましょう」
『お昼に?一緒に?』
私だって、友チョコの存在くらい知っている。河合さんと梨々花さんにはマカロンを一緒に作ってもらった恩がある。そのお礼も兼ねてチョコを購入した。家に持ち帰る用に二人分の個包装のものを買っても良かったが、お昼に三人でわいわい話しながら食べるのもアリかと思って、ちょっと大きめのサイズの箱のものを購入した。
私の発言がおかしかったのだろうか。二人はきれいなハモリを見せて驚いた表情をした。まるで示し合わせたかのようなハモリと驚き具合がおかしくて思わず笑ってしまう。
「倉敷さんのそういうところがずれているんですよ。江子先輩もそうおもわな」
「アハハハハ。みんなで一緒に食べる、ね。いいんじゃないですか?高校の頃を思い出して、懐かしいです。お昼休みが楽しみですね」
梨々花さんは私の事をバカにしていたが、河合さんは腹を抱えて笑いだした。確かに高校生の頃に友達同士でお菓子を交換して、楽しく話しているグループがあった。私はひとり寂しくボッチ飯だったので羨ましかった。それが今、大人になって同じような場面に遭遇することになるとは。
「私も、お昼が楽しみ、です」
「うわ、これがコミュ障女の魔の笑顔」
「梨々花ちゃん、これでわかった?先輩の魅力がわかるようになったら、あなたもこっち側の人間に仲間入りだ」
「わ、わかりたくありません。でも、江子先輩と一緒というのなら、わ、わからなくもない、かもしれません」
私のつぶやきはばっちりと二人に聞かれていた。しかし、その後の反応が何やらおかしい。私の魅力とはいったい何なのか。私はただ、彼女達とのお昼のお菓子タイムを楽しみにしているだけだ。よくわからないが、あまり良くないことだけはわかった。
「おはよう、倉敷さんに河合さん、それと梨々花さん」
話していたら、安藤さんや平野さんたちが更衣室にやってきた。そろそろ始業時間の時間だ。私たちは慌てて着替えを済ませて、朝礼場所にむかった。
「それで、河合さんたちとチョコを交換し合ったんですよ。チョコの交換なんて、高校生以来、いえ、私はクラスメイトのそれを見ているだけだったので、実質は初めての経験です」
家に帰ると、すでに大鷹さんは帰宅していた。これで私より給料が高いのだから、ずいぶんと優良なホワイト企業である。
玄関で今日の出来事を話すと、大鷹さんは私の話を嬉しそうに聞いてくれる。河合さんの名前を出したときは一瞬、負のオーラが出かけたが、すぐに消えた。まあ、河合さんのことは常に気にしているので問題はないだろう。
「ああ、それで、河合さんからチョコをもらいました。大鷹さんと夕食後に食べてくださいと」
「それはまあ……。嫌な予感がしますが、毒ではないと思いますので、ありがたくいただきましょう」
玄関をあがると、リビングから甘い匂いが広がってきた。大鷹さんの後に続いてリビングに入ると、テーブルに可愛らしいピンクのラッピングがされた箱が置かれていた。
「夕食前ですけど、先に交換しますか?それとも夕食後にしましょうか」
「先に交換して、夕食後に食べましょう!」
どうやらお菓子を準備して私の帰りを待っていたようだ。私も自室に行き、着替えを済ませてラッピングされた箱を持ってリビングに戻る。
「せーので、渡しましょう!せーの」
私たちはテーブルの椅子に座り、お互いの箱を交換する。箱には大鷹さんの字で「いつもありがとう」というメッセージが箱のリボンにくくり付けられていた。
「じゃあ、開けましょうか」
私たちは交換した箱の開封作業に取り掛かる。ピンクの箱を開けて中から見えたものに思わず声が出てしまう。
「まさか、お菓子が被るなんて!大鷹さんもマカロン、作ったんですね」
「僕も驚きです。いろいろなお菓子がある中で、同じお菓子を交換することなんてあるんですね」
箱の中にはピンクのマカロンが入っていた。色も私と同じだった。こんな偶然があるとは驚きだ。
「マカロンには【あなたは特別な存在】って意味があるみたいですよ。ピンク色のマカロンには【永遠の愛】という意味があるとか」
僕も紗々さんも同じ気持ちってことでいいですよね?
にっこりと優しく微笑まれたら、イケメン過ぎて言葉を失ってしまう。何か気の利いた言葉を返すべきだが、大鷹さんのイケメンスマイルに脳みそが思考停止してしまった。
「永遠の愛、いい響きです。これからも末永くよろしくお願いしますね」
私が言葉を失っている間に、大鷹さんは私があげた赤い箱からピンクのマカロンを一つ取り出す。手に取って私の顔に近付けてきた。
「むぐ、な、なにするんですか?」
「いえ、ただ何となくこうしてみたかった、だけです」
口に押し付けられてきたマカロンはすぐに離れていく。そして、なんとそのまま大鷹さんの口の中に消えていく。これは俗にいう【間接キス】ではないだろうか。
「お、大鷹さん、今のはか、間接、き、きききき」
「今更だと思いますけど。鍋とかで箸は同じ時もあるし、そもそも毎日一緒に食事をしていたら、それくらいの事は当たり前だと思いますけど」
大鷹さんの笑顔が悪い顔に変化していく。これはいたずらを仕掛ける子供と同じ表情だ。そして、いたずらに成功したときの嬉しそうな表情。
「ま、まあ、そ、そうかも、しれない、ですね」
このままやられっぱなしではなんだか悔しい。大鷹さんは私の作ったマカロンにおいしいと言ってくれたが、今は感想を嬉しがっている場合ではない。
「えい」
それなら、私も大鷹さんに同じことをするまでだ。もらったピンクの箱から同じくピンク色のマカロンを取り出し、大鷹さんの口に押し付ける。一瞬、目を丸くしていた大鷹さんだが、すぐに目を細めて、私の手を掴んで引き寄せる。
「本当は、マカロン越しにではないほうがいいんですが、嫌われたくないのでこれであきらめます」
なんと、自分の口を私に近付けてきた。そして、私と大鷹さんの唇はマカロン越しに合わさった。
「いや、これは卑怯で、むぐ」
「おいしいですか?これ、とてもうまくいって、守が絶賛していました。僕も味見しましたがよくできたでしょう?」
「おいひいです」
お互いに視線が絡み合う。去年も甘々なバレンタインだったが、今年も糖度が高いバレンタインとなったのだった。
ちなみに河合さんからもらったチョコは洋酒入りだった。大鷹さんは嫌な顔をしたが、一粒だけ夕食後に食べて、残りは後日、少しずつ消費することになり、悪酔いすることはなかった。
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