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番外編【卒業シーズン】1春と言えば
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「バレンタインが終わって、残るはひな祭りにホワイトデー。もう春一直線ですね」
「イベント事はそうですけど、飛躍しすぎじゃないですか?だから、コミュ障の地味女は常識がないって言うんですよ」
「どうして、そんなにぼろくそ言われなくちゃいけないんですか?そもそも、私は河合さんに話しかけていたんですよ」
もう、三人でのお昼休憩が日常となってしまった。なぜ、今までこの組み合わせでの休憩がなかったのか不思議なくらいに、私たち三人(私、河合さん、梨々花さん)での昼休憩が続いている。
「イベント事で言うと、これからもっと大事なものが控えているじゃないですか?毎年来る、人生の分かれ道となるものが」
『卒業シーズンですね(ですよね)』
「わお、梨々花ちゃん、だいぶ先輩の影響を受けて来たんじゃないの?見事にハモってるけど」
いつもは河合さんと梨々花さんがハモリを見せるのに、今回は私と梨々花さんが河合さんも感心するほどのハモリを見せた。とはいえ、今回については大抵の人が同じ答えを口にするだろう。たまたま梨々花さんが近くにいたからハモってしまっただけで、他の人、例えば安藤さんや平野さんに聞いても私たちと同じ答えを口にしたはずだ。
「べ、別にこれくらいは常識じゃないですか?く、倉敷さんもたまたま、普通の人と同じことを言っただけで」
「そ、そうですよ。今時期が卒業シーズンで、ネタの宝庫だということは、誰もが知る一般常識です!」
『ネタの宝庫?』
おっと、言葉を間違えてしまった。この言葉は一般人には難しすぎたようだ。今度は河合さんと梨々花さんの二人が見事なハモリを見せた。
「いえ、これはこちらの話しでした。それで、皆さんは卒業で何か思い出深い出来事とかありますか?」
ここでネタについて言及されても困る。そこでとっさに思いついたことを口にする。河合さんたちの卒業についての思い出は何だろうか。もし、それで私がビビッと来たものがあったら、個人情報がバレない程度に修正して小説のネタにしよう。
「卒業、ですかあ?ああ、私、わかっちゃいました。倉敷さん、私たちが羨ましいのでしょう?どうせ、高校も大学も【卒業旅行】なるものを経験していないから」
「嘘でしょう?先輩、そんなに寂しい人だったんですか?いえ、薄々気づいてはいましたが」
「さっきから、梨々花さん、ひどくないですか?河合さんもどうして、笑っているんですか?ああそうですよ、私はコミュ障ボッチで、友達と一度も旅行など行ったことないです」
三人で過ごす時間が長かったせいか、だいぶ彼女らに対して、物が言えるようになってきた。とはいえ、彼女達もそれは同じだ。こうして、私の事をからかってくることがある。
「友達と一度も旅行をしたことがないとは、驚きです。そういえば、旦那さんとは旅行はしたことはありますか?」
ぼろくそ言ってきた梨々花さんだが急に真面目な顔になった。当たり前だが、大鷹さんとは旅行に行ったことがある。しかし、長期の旅行はないことを思い出す。
「そういえば、日帰りや一泊二日の旅行は何度かありますけど、一週間とかの長期間の旅行はない、ですね」
「じゃあ、【新婚旅行】もまだ、ということですか?」
「おや、梨々花さん、彼らのことが気になるのかい?」
「いえ、ただ倉敷さんは既婚者なので、今後のことを考えて、ご参考までに、と。ご、誤解しないで欲しいのは、い、今のところ、そのような相手は、い、いませんから、あ、安心してください」
何が安心なのかわからないが、梨々花さんは必死に河合さんに弁解していた。
「新婚旅行……」
結婚したら、新婚旅行にいく人も多いらしい。それは知っているが、考えたこともなかった。大鷹さんはこれについてどう思っているのか。
「なんだか、真剣に悩み始めましたけど、私、余計なこと、言っちゃいました?」
「いいんじゃない?もしかしたら、新婚旅行なんて考えたこともありませんでしたあ、ってことかもしれないし。そうなれば、梨々花ちゃんは、先輩に新婚旅行について教えたことになり、おおたかっちに感謝される立場になるでしょ」
「うわあ、彼らの応援などしたくないんですけど」
またもや失礼なことを言っている二人の言葉は私の耳に入らなかった。
「イベント事はそうですけど、飛躍しすぎじゃないですか?だから、コミュ障の地味女は常識がないって言うんですよ」
「どうして、そんなにぼろくそ言われなくちゃいけないんですか?そもそも、私は河合さんに話しかけていたんですよ」
もう、三人でのお昼休憩が日常となってしまった。なぜ、今までこの組み合わせでの休憩がなかったのか不思議なくらいに、私たち三人(私、河合さん、梨々花さん)での昼休憩が続いている。
「イベント事で言うと、これからもっと大事なものが控えているじゃないですか?毎年来る、人生の分かれ道となるものが」
『卒業シーズンですね(ですよね)』
「わお、梨々花ちゃん、だいぶ先輩の影響を受けて来たんじゃないの?見事にハモってるけど」
いつもは河合さんと梨々花さんがハモリを見せるのに、今回は私と梨々花さんが河合さんも感心するほどのハモリを見せた。とはいえ、今回については大抵の人が同じ答えを口にするだろう。たまたま梨々花さんが近くにいたからハモってしまっただけで、他の人、例えば安藤さんや平野さんに聞いても私たちと同じ答えを口にしたはずだ。
「べ、別にこれくらいは常識じゃないですか?く、倉敷さんもたまたま、普通の人と同じことを言っただけで」
「そ、そうですよ。今時期が卒業シーズンで、ネタの宝庫だということは、誰もが知る一般常識です!」
『ネタの宝庫?』
おっと、言葉を間違えてしまった。この言葉は一般人には難しすぎたようだ。今度は河合さんと梨々花さんの二人が見事なハモリを見せた。
「いえ、これはこちらの話しでした。それで、皆さんは卒業で何か思い出深い出来事とかありますか?」
ここでネタについて言及されても困る。そこでとっさに思いついたことを口にする。河合さんたちの卒業についての思い出は何だろうか。もし、それで私がビビッと来たものがあったら、個人情報がバレない程度に修正して小説のネタにしよう。
「卒業、ですかあ?ああ、私、わかっちゃいました。倉敷さん、私たちが羨ましいのでしょう?どうせ、高校も大学も【卒業旅行】なるものを経験していないから」
「嘘でしょう?先輩、そんなに寂しい人だったんですか?いえ、薄々気づいてはいましたが」
「さっきから、梨々花さん、ひどくないですか?河合さんもどうして、笑っているんですか?ああそうですよ、私はコミュ障ボッチで、友達と一度も旅行など行ったことないです」
三人で過ごす時間が長かったせいか、だいぶ彼女らに対して、物が言えるようになってきた。とはいえ、彼女達もそれは同じだ。こうして、私の事をからかってくることがある。
「友達と一度も旅行をしたことがないとは、驚きです。そういえば、旦那さんとは旅行はしたことはありますか?」
ぼろくそ言ってきた梨々花さんだが急に真面目な顔になった。当たり前だが、大鷹さんとは旅行に行ったことがある。しかし、長期の旅行はないことを思い出す。
「そういえば、日帰りや一泊二日の旅行は何度かありますけど、一週間とかの長期間の旅行はない、ですね」
「じゃあ、【新婚旅行】もまだ、ということですか?」
「おや、梨々花さん、彼らのことが気になるのかい?」
「いえ、ただ倉敷さんは既婚者なので、今後のことを考えて、ご参考までに、と。ご、誤解しないで欲しいのは、い、今のところ、そのような相手は、い、いませんから、あ、安心してください」
何が安心なのかわからないが、梨々花さんは必死に河合さんに弁解していた。
「新婚旅行……」
結婚したら、新婚旅行にいく人も多いらしい。それは知っているが、考えたこともなかった。大鷹さんはこれについてどう思っているのか。
「なんだか、真剣に悩み始めましたけど、私、余計なこと、言っちゃいました?」
「いいんじゃない?もしかしたら、新婚旅行なんて考えたこともありませんでしたあ、ってことかもしれないし。そうなれば、梨々花ちゃんは、先輩に新婚旅行について教えたことになり、おおたかっちに感謝される立場になるでしょ」
「うわあ、彼らの応援などしたくないんですけど」
またもや失礼なことを言っている二人の言葉は私の耳に入らなかった。
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