届かぬ温もり

HARUKA

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凛花が家を出た翌日から、玲央と桜子の関係は急速に変化していった。

最初はお互いに気を使い、仕事の話に集中していたが、次第に玲央が桜子に対して以前よりも多くの時間を割くようになった。

彼女が会社に来てからのことを思い出す。あの時、桜子が転職してきた理由が何かを隠しているように感じたけれど、その後の出来事で、それがすぐに明らかになった。

玲央は、私が出て行ってからはほぼ毎日桜子と過ごすようになった。

仕事を終えた後、彼女と二人で食事に行き、家に帰るとまた桜子が待っていた。

その日常は、私がいた時には考えられなかったことだった。

桜子が玲央の家に来るのは、最初は仕事の延長だと思っていたが、次第にその距離は縮まり、玲央の目の前で彼女が手料理を振る舞ったり、二人で映画を観る時間が増えていった。

ある日、私がカフェの仕事をしていると、ふと、玲央から電話がかかってきた。

「凛花、元気か?」

あの時の、あの優しげな声が少しだけ、変わったように聞こえた。胸の中で何かが引っかかるのを感じた。

「元気だよ。玲央は?」

「元気だよ、うん…実は、ちょっと桜子と話してたんだ。」

その言葉が、私の胸を締め付けた。桜子と話していた。何を話していたのか、気になった。

その夜、玲央が帰ってきた時、私は一度もそのことについて触れなかった。

だが、内心ではすべてを感じ取っていた。桜子と玲央はおそらく、もう私がいない間に何かが芽生え始めていたのだろうと。

その後、玲央と桜子の関係は次第に、隠す必要もなくなっていった。

私がいなくなって、玲央が自分を取り戻したように思えた。彼が桜子を選んだ理由が、私にはもう分からなくなった。

桜子の明るく、無邪気な笑顔が、玲央を引きつけていったのだろう。私にはもう、それに抗う力はなかった。

玲央と桜子が関係を深め始めたのは、私が家を出てからしばらく経った後だった。

最初は、桜子が仕事の面で玲央に近づいたに過ぎないと思っていた。だが、ある日、彼らが二人で出かける姿を偶然目撃してしまった。

その瞬間、私の胸の奥に刺さるような痛みが走った。あの頃の玲央の笑顔、あの明るさが、今は桜子と一緒に過ごしている。

私の知らないところで、二人の距離はどんどん縮まっていた。

「桜子と玲央は…どうして、あんな風に?」

自分でもよくわからない気持ちが絡み合って、胸が苦しくなる。

そして、二人がどのように過ごしているのか、気になって仕方がない自分がいた。

夜、寝室に入る前に、つい携帯電話を手に取った。玲央からのメッセージを開く。

そこには、以前のようなあたたかい言葉はなく、ただ事務的なやり取りが続いていた。彼からの愛情を感じることは、もうなかった。

その時、ふと桜子と玲央が付き合い始めたことを噂で耳にした。

「桜子が玲央に告白したらしい。」

「でも、それはあくまで仕事の延長線上じゃないの?」

と自分を納得させようとしたが、心の中でその疑念は消えなかった。

私の手元にある玲央との過去の思い出と、桜子との現在。二つが交錯して、ますます混乱が深まる。

その頃、玲央と桜子の関係はますます明確になり、二人は一緒に過ごす時間を大切にしていた。

やがて、桜子が玲央に真剣な気持ちを伝え、二人は正式に付き合うことになった。

「玲央…あなた、もう私のことを愛していないの?」

何度も自分に問いかけたが、その答えはいつも見つからなかった。

私の心の中で、過去に無かったはずの冷たさが広がっていった。

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