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しおりを挟む玲央と桜子が付き合うことになったと知った瞬間、私は思わず呆然としてしまった。
あの優しく明るい玲央が、こんな形で私を裏切り、桜子のもとに行ったなんて。
でも、心のどこかで、私はそれを予感していたのかもしれない。
あの日々の中で、玲央の目に映る私の存在が薄れていくのを感じていたから。
私はしばらく、何もする気が起きなかった。部屋に閉じ込められたような気分で、時間が無駄に流れていくのをただ見ているしかなかった。
それでも、ふとした瞬間に、私の心に小さな希望が湧き上がることもあった。
「桜子と玲央は本当に幸せなのかな…?」
時折、そんな疑問が浮かび上がっては消える。私の心がまだ玲央に縛られている証拠だった。
だが、心のどこかで「それでも彼には幸せになってほしい」とも思っていた。
私がいなくなった今、彼は桜子と新たな人生を歩んでいるのだから。
ある日、私は玲央からの電話を受けた。おそらく桜子とのことで何か伝えたいことがあるのだろうと、最初はそう思った。
「凛花、今、話してもいいか?」
玲央の声は変わらず穏やかだったが、何かが違った。電話越しに、何とも言えない重い空気を感じ取った。
「どうしたの?」
「桜子とのことなんだ…実は、俺たち…」
玲央の言葉が止まる。
その沈黙に、私は一瞬、心臓が止まりそうになった。
「桜子とのこと…どうしたの?」
「実は、桜子と…もううまくいかなくなってきてるんだ。」
その一言に、私は驚きを隠せなかった。
桜子と玲央の関係が壊れかけている。それが今、目の前の現実なのか。
「どうして?」
「桜子は最初はすごく優しくて、気遣いもできたんだけど、最近は…なんて言うか、少し変わってきたんだ。」
玲央の声には、どこか疲れた響きがあった。何度も悩んでいたのだろう、彼も。
「変わった…どういう意味?」
「彼女の本当の姿を見せられるようになってきた気がする。それが、俺にとっては少し怖くなってきた。」
その言葉に、私は深い感慨を覚えた。桜子もまた、最初は完璧に見えたかもしれない。しかし、時間が経つにつれて、その裏側が見えてくるものだ。
「でも、どうして今さら…?」
「凛花、実は俺、未だに君のことを忘れられないんだ。」
その言葉に、私は耳を疑った。玲央が私に対してまだそんな気持ちを抱いているなんて。
「玲央…」
「俺たち、あの時どうして別れたのか、本当に悔やんでる。君が幸せになる姿を見たかったけど、結局俺が君を傷つけてしまった。今、気づいたんだ。君と一緒にいた時が、俺にとって本当に幸せだったって。」
その瞬間、私の胸に何とも言えない感情が込み上げてきた。
「あの時にはもう戻れないんだよ。」
私は静かに言った。心の中で、もう一度、玲央を受け入れることができるだろうか?それとも、彼との過去を完全に断ち切らなければならないのだろうか?
玲央の声はしばらくの間、沈黙に包まれた。彼もまた、私に何を伝えるべきか迷っていたのだろう。
「でも、凛花、君が今、どうしているのか気になるんだ。幸せになってるのか?」
その言葉に、私は深いため息をついた。
「幸せかどうかはわからない。でも、あなたのように過去に縛られて生きるのはもうやめたの。」
その言葉が、私の心に新たな一歩を踏み出す力をくれた。
玲央と桜子の間に何があったのか、それはもう関係ない。私が自分の人生をどう生きるかが大事だった。
電話を切ると、私はしばらくその場に座り込んだ。
過去を振り返ることなく、前を向いて進む。玲央が何をしていようとも、私の人生は私のもの。
それが、私がようやく掴んだ答えだった。
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