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28章 事も無く
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明けて翌日。
昨夜のうちに、一先ずの事を話したからだろうか。それとも、少しは他に仕事を任せようと、側に居る者たちに、任せられるところはやはり任せようと考えたからだろうか。寝覚めについては、珍しく非常に気分が良い物ではあった。こちらに来てから暫く、特にこうした状態になってからは本当に久しぶりに、気持ちの良い目覚めではあった。勿論、少し任せていこうと、少しは先々に何があるかを考えてそれらを任せる事を良しとして。ただし、これまでは抱え込んでいたもの、それらを渡した結果として空いた時間に何があるのかと他の者たちが警戒を示すのも、実によく分かる。
「よもや、あそこまでとは」
「これまで、オユキさんが抱えていたものはやはり過剰だと周囲から見えていたのですよ」
「生前の経験もありますし、どうにかこなしていたように思うのですが」
「こうして、一人で歩けないような状況を得て、ですか」
目覚めが良いのは事実。しかし、しっかりと体調に問題を抱えているのも事実。
目を覚まして、益体も無い事をこうしてトモエにつらつらと話せる程度には気力が回復はしているのだが、やはり必要な物を身につけなければ歩き回ることもできはしない。特に今回は、色々と繋ぐと言う意味でオユキにもはっきりと自覚があったからだろう。その前に、戦と武技を実に都合よく、かの神の冠が許さぬものにまで頼んだこともあるのだろう。王妃から与えられている護符、それをトモエに改めて首からかけられても、自力で上体を起こすのが限界と言ったありさまだ。
「タルヤ様が補充できる、それが分かったのは一つ良い事でしょう」
「オユキさん」
少しおどけて見せれば、体調の事でそうするものでは無いと。トモエが名を呼ぶだけではなく、少し強めに、注意の時にするのとは違って、軽く頬をつねりながら。
「そうは言われましても」
「何も言ってはいませんが」
「慣用表現ですから」
つねられながら、それでももごもごと口答えなどしてみれば。はっきりと、トモエが不機嫌を隠そうとしない。
「では、改めて言葉にしますが、神殿を見て回りたいとそう考えているのは事実です。ですが、やはりオユキさんが体調を崩していては、本末転倒ですから」
そう、口にしなければ伝わらないこともあるだろうと。トモエにしても、考えを改めた。
「オユキさんが、健康であることが、オユキさんも楽しめる状況であることが第一です。それは、今も、昔も」
「それは、そうなのでしょうが」
「時間がない、それは確かに事実なのでしょう。ですが、オユキさんも気が付いていることはあるのでしょう」
「ええと、はい。一応は」
トモエが気が付くことは、トモエが何かに気が付いたのだとオユキに伝われば。そこから、オユキはオユキで色々と推測を重ねたうえで、正解にたどり着いて見せる。
「昨晩のうちに、口にしても良かったのでは、私はそう考えています」
「それは、どうなのでしょうか。その、異邦人たちは総体として」
「その印象を変えるのは、私達だけの責ではありません」
そう。神々は、離れようとする二つの世界を離さぬ様にと動いている。それには、確かに互いに気が付いた。
「オユキさん、代表などという物は選出によってのほうが良い物かと。もしくは、ミズキリさんに任せてしまえば良いのではないでしょうか」
「それは、あまりに無責任では」
「既に散々にそうした振る舞いをしてきた方々、その責任までを背負うのは過剰だと、そう言っているのです」
自身の両親が、確かにそうした世界を作っていた者たちだと知らされて。そこで、オユキが考えていることと言うのは、それにどうしても引きずられる。それ以上の物を、トモエから見ればあまりに過剰だと言うほどに。
「十分でしょう、私たちの事としては」
「それは、一体」
オユキがそうあると決めて、トモエのほうはオユキが望むからとこれまでとさして変わらぬ振る舞いではあったのだが。それを続けて来た結果として、確かな成果と呼べるものが既にある。少なくとも、トモエは十分と思えるものを見出している。
「私達では、それぞれに違うのだと、それを示せた以上の成果を求めるのは過剰でしょう」
そして、こちらであまりに畏まった振る舞いを続けて、それ以上の物としてしまえば。たとえ、この後世界の接続が維持されたとして互いにまた色々と問題が起こることになる。トモエとオユキ、等と言う異邦人の中でもかなり極まった者たちを基軸としてしまえば、後から来る者たちに対してやはり過剰な期待が向いてしまう。それは、オユキも望むようなものではないだろうと。トモエとしては、そうして言葉を費やしてどうにかと。実際には、それでオユキが、トモエ以外の誰かがそうして同じ言葉を並べたてたところで、いくらでもそれに対して不足はこれだと示すのだが。
「トモエさんが、それでも良いと考えるのであれば」
「それが良いのです。しばらくこちらで暮らして、そうであれば先々もと」
「わかりました」
トモエが、その方が良いと言うのならば、やはりオユキに否は無い。もとより、そのためにと。
「では、改めて、少しお話ししましょうか」
「ええ、そうですね。朝食は、皆さんとは一緒にせずこちらで、ゆっくりと話しながら」
「はい。かつてそうであったように」
そう、やはり互いの望みはそこにまずはあるのだと。なんだかんだと、こちらでは、こちらでも。食事の席と言うのは、何処まで行っても会食の場でしかない。雑談に見える物、それを行う事もあるにはあるのだが、それにしても結局は情報交換の意味合いが強い。要は、それを行わねばならぬほど、誰も彼もが忙しなさを抱えているという証左でもある。
だが、だからこそ。
トモエとしては、かつてそうであったように。ゆっくりとした時間を、当然として他の者たちに対して求めても良いだろうと。何も、こちらばかりが積極的に負担を背負う必要などないのだと。
オユキは、確かに過去の経験がある。こちらにいる者たちの中では、なんとなれば先代アルゼオ公爵に比肩するほどに齢を既に重ねている。そこにあった経験と言うのも、僅か半世紀ほどで世界的な企業に成長させると言うまさに激動と呼んでも良い濃い経験が背景として存在している。だからこそ、多くの者たちと会って、話。そこで、実にあれこれと調整をするといったことに対して、確かすぎる経験がある。
「こちらに来た、その目的はもはやほとんど果たせたのでしょう」
「そう、でもありません」
「そうですね、知識と魔の神殿、そちらにはまだ向かえていませんね」
トモエが、ほとんどなすべきは終えたのだろうとそういえば、オユキは最も大切なものが残っているのだと、ただそう返す。
「トモエさん」
「試したと言う事はありません、こう、前回来た時にですね」
知識と魔の神殿と言うのは、どういえばいいのだろうか。トモエにとって、訪れて来歴をねだってみたい場所ではなかったのだ。確かに、中には入っていない。だが、外観からでも分かる機能と言えばいいのだろうか。トモエの眼には、過去によく見た図書館とその様にしか見えなかった。
「トモエさんは、読書が好きだと考えていましたが」
「私が好むのは、やはり物語の類ですから」
「探せば、ありそうにも思いますが」
つまりは、凡その事を記憶として持っているオユキからしても探さねば見つからぬようなもの。そして、かつて聞いた話では魔道具の開発者たちが、己の成果物と共にそれにまつわる話を散々に書き連ねた、言ってしまえば論文を運んでいく場所であったのだと。要は、オユキの好むものが多く納められている場所となる。そして、トモエの好みからは、実に遠い場所となる。
「オユキさんとしては、色々とこちらで求めてみるのも良いのでしょうが」
「ええと、トモエさんが好みそうなものも、探してみますけど」
「探さねば見つからぬ、つまり分量としてはそれほどに差があると言う事なのでしょう」
ただ、やはりそうしてトモエを少しでも説得しようというのならば、トモエとしても、思う所はあるのだ。これまで、散々にオユキがトモエにそうしてくれたように。勿論、トモエも己の伴侶が楽しめる場所、そこで時間を使う姿を見るというのは、やはり楽しい時間ではあるのだから。
「ですから、今度は私がお付き合いしましょう。これまで、オユキさんがしてくれていたように」
「その」
「来歴を、細かい話を好むのはやはり私ですから」
「その、先々には」
「ええ、順番に」
互いに、約束を順番だと、そう話すようになったのはそうした流れもある。互いに、互いの好きが違う。だからこそ、譲り合う流れが自然と生まれて、いつからかそれが一つの約束事のように。
「あの、トモエさん」
「今日は、ゆっくりするのでしょう」
そして、話している間に、トモエが先ほどオユキの首からかけた護符を取り上げる。不思議な事にと、そういえばいいのだろうか。シェリアと王妃の時には、オユキからなかなか離れなかった護符なのだが、トモエが行えばそれが当然とばかりにトモエに従うのだ。中の文字は、かろうじて抵抗するようにオユキのほうに動いたりもするのだが、張り付いて等と言う事も無い。そうした振る舞いを見て、カナリアにしてもシェリアにしても実に不思議だと言わんばかりに首をかしげていたりもしたものだ。
「まずは、今日も外で待っている方を」
「そう、ですね。これからしばらくはこうするのだと、そうした話をせねばなりませんし」
「理解は、間違いなく得られると思いますよ」
それこそ、昨夜にしても。
こちらには基本として療養できたのではないのかと、そうした時間を取る心算ではなかったのかと、しっかりと釘を刺されたのだから。そうして、婉曲にタルヤに言われ、シェリアからは随分とはっきりとした言葉で言われて。そうしていくうちに、ついついお酒に手が伸びてしまった結果お開きになったのが昨夜の事。
仕方のない事だと、トモエとしては本当に昔から変わらないと思えるものなのだが、他からはそうした姿を見せるようになったことに、ようやく少しは甘える気構えが出来たのかと安心も得られてと。結果として、悪くはない時間ではあったのだ。
昨夜のうちに、一先ずの事を話したからだろうか。それとも、少しは他に仕事を任せようと、側に居る者たちに、任せられるところはやはり任せようと考えたからだろうか。寝覚めについては、珍しく非常に気分が良い物ではあった。こちらに来てから暫く、特にこうした状態になってからは本当に久しぶりに、気持ちの良い目覚めではあった。勿論、少し任せていこうと、少しは先々に何があるかを考えてそれらを任せる事を良しとして。ただし、これまでは抱え込んでいたもの、それらを渡した結果として空いた時間に何があるのかと他の者たちが警戒を示すのも、実によく分かる。
「よもや、あそこまでとは」
「これまで、オユキさんが抱えていたものはやはり過剰だと周囲から見えていたのですよ」
「生前の経験もありますし、どうにかこなしていたように思うのですが」
「こうして、一人で歩けないような状況を得て、ですか」
目覚めが良いのは事実。しかし、しっかりと体調に問題を抱えているのも事実。
目を覚まして、益体も無い事をこうしてトモエにつらつらと話せる程度には気力が回復はしているのだが、やはり必要な物を身につけなければ歩き回ることもできはしない。特に今回は、色々と繋ぐと言う意味でオユキにもはっきりと自覚があったからだろう。その前に、戦と武技を実に都合よく、かの神の冠が許さぬものにまで頼んだこともあるのだろう。王妃から与えられている護符、それをトモエに改めて首からかけられても、自力で上体を起こすのが限界と言ったありさまだ。
「タルヤ様が補充できる、それが分かったのは一つ良い事でしょう」
「オユキさん」
少しおどけて見せれば、体調の事でそうするものでは無いと。トモエが名を呼ぶだけではなく、少し強めに、注意の時にするのとは違って、軽く頬をつねりながら。
「そうは言われましても」
「何も言ってはいませんが」
「慣用表現ですから」
つねられながら、それでももごもごと口答えなどしてみれば。はっきりと、トモエが不機嫌を隠そうとしない。
「では、改めて言葉にしますが、神殿を見て回りたいとそう考えているのは事実です。ですが、やはりオユキさんが体調を崩していては、本末転倒ですから」
そう、口にしなければ伝わらないこともあるだろうと。トモエにしても、考えを改めた。
「オユキさんが、健康であることが、オユキさんも楽しめる状況であることが第一です。それは、今も、昔も」
「それは、そうなのでしょうが」
「時間がない、それは確かに事実なのでしょう。ですが、オユキさんも気が付いていることはあるのでしょう」
「ええと、はい。一応は」
トモエが気が付くことは、トモエが何かに気が付いたのだとオユキに伝われば。そこから、オユキはオユキで色々と推測を重ねたうえで、正解にたどり着いて見せる。
「昨晩のうちに、口にしても良かったのでは、私はそう考えています」
「それは、どうなのでしょうか。その、異邦人たちは総体として」
「その印象を変えるのは、私達だけの責ではありません」
そう。神々は、離れようとする二つの世界を離さぬ様にと動いている。それには、確かに互いに気が付いた。
「オユキさん、代表などという物は選出によってのほうが良い物かと。もしくは、ミズキリさんに任せてしまえば良いのではないでしょうか」
「それは、あまりに無責任では」
「既に散々にそうした振る舞いをしてきた方々、その責任までを背負うのは過剰だと、そう言っているのです」
自身の両親が、確かにそうした世界を作っていた者たちだと知らされて。そこで、オユキが考えていることと言うのは、それにどうしても引きずられる。それ以上の物を、トモエから見ればあまりに過剰だと言うほどに。
「十分でしょう、私たちの事としては」
「それは、一体」
オユキがそうあると決めて、トモエのほうはオユキが望むからとこれまでとさして変わらぬ振る舞いではあったのだが。それを続けて来た結果として、確かな成果と呼べるものが既にある。少なくとも、トモエは十分と思えるものを見出している。
「私達では、それぞれに違うのだと、それを示せた以上の成果を求めるのは過剰でしょう」
そして、こちらであまりに畏まった振る舞いを続けて、それ以上の物としてしまえば。たとえ、この後世界の接続が維持されたとして互いにまた色々と問題が起こることになる。トモエとオユキ、等と言う異邦人の中でもかなり極まった者たちを基軸としてしまえば、後から来る者たちに対してやはり過剰な期待が向いてしまう。それは、オユキも望むようなものではないだろうと。トモエとしては、そうして言葉を費やしてどうにかと。実際には、それでオユキが、トモエ以外の誰かがそうして同じ言葉を並べたてたところで、いくらでもそれに対して不足はこれだと示すのだが。
「トモエさんが、それでも良いと考えるのであれば」
「それが良いのです。しばらくこちらで暮らして、そうであれば先々もと」
「わかりました」
トモエが、その方が良いと言うのならば、やはりオユキに否は無い。もとより、そのためにと。
「では、改めて、少しお話ししましょうか」
「ええ、そうですね。朝食は、皆さんとは一緒にせずこちらで、ゆっくりと話しながら」
「はい。かつてそうであったように」
そう、やはり互いの望みはそこにまずはあるのだと。なんだかんだと、こちらでは、こちらでも。食事の席と言うのは、何処まで行っても会食の場でしかない。雑談に見える物、それを行う事もあるにはあるのだが、それにしても結局は情報交換の意味合いが強い。要は、それを行わねばならぬほど、誰も彼もが忙しなさを抱えているという証左でもある。
だが、だからこそ。
トモエとしては、かつてそうであったように。ゆっくりとした時間を、当然として他の者たちに対して求めても良いだろうと。何も、こちらばかりが積極的に負担を背負う必要などないのだと。
オユキは、確かに過去の経験がある。こちらにいる者たちの中では、なんとなれば先代アルゼオ公爵に比肩するほどに齢を既に重ねている。そこにあった経験と言うのも、僅か半世紀ほどで世界的な企業に成長させると言うまさに激動と呼んでも良い濃い経験が背景として存在している。だからこそ、多くの者たちと会って、話。そこで、実にあれこれと調整をするといったことに対して、確かすぎる経験がある。
「こちらに来た、その目的はもはやほとんど果たせたのでしょう」
「そう、でもありません」
「そうですね、知識と魔の神殿、そちらにはまだ向かえていませんね」
トモエが、ほとんどなすべきは終えたのだろうとそういえば、オユキは最も大切なものが残っているのだと、ただそう返す。
「トモエさん」
「試したと言う事はありません、こう、前回来た時にですね」
知識と魔の神殿と言うのは、どういえばいいのだろうか。トモエにとって、訪れて来歴をねだってみたい場所ではなかったのだ。確かに、中には入っていない。だが、外観からでも分かる機能と言えばいいのだろうか。トモエの眼には、過去によく見た図書館とその様にしか見えなかった。
「トモエさんは、読書が好きだと考えていましたが」
「私が好むのは、やはり物語の類ですから」
「探せば、ありそうにも思いますが」
つまりは、凡その事を記憶として持っているオユキからしても探さねば見つからぬようなもの。そして、かつて聞いた話では魔道具の開発者たちが、己の成果物と共にそれにまつわる話を散々に書き連ねた、言ってしまえば論文を運んでいく場所であったのだと。要は、オユキの好むものが多く納められている場所となる。そして、トモエの好みからは、実に遠い場所となる。
「オユキさんとしては、色々とこちらで求めてみるのも良いのでしょうが」
「ええと、トモエさんが好みそうなものも、探してみますけど」
「探さねば見つからぬ、つまり分量としてはそれほどに差があると言う事なのでしょう」
ただ、やはりそうしてトモエを少しでも説得しようというのならば、トモエとしても、思う所はあるのだ。これまで、散々にオユキがトモエにそうしてくれたように。勿論、トモエも己の伴侶が楽しめる場所、そこで時間を使う姿を見るというのは、やはり楽しい時間ではあるのだから。
「ですから、今度は私がお付き合いしましょう。これまで、オユキさんがしてくれていたように」
「その」
「来歴を、細かい話を好むのはやはり私ですから」
「その、先々には」
「ええ、順番に」
互いに、約束を順番だと、そう話すようになったのはそうした流れもある。互いに、互いの好きが違う。だからこそ、譲り合う流れが自然と生まれて、いつからかそれが一つの約束事のように。
「あの、トモエさん」
「今日は、ゆっくりするのでしょう」
そして、話している間に、トモエが先ほどオユキの首からかけた護符を取り上げる。不思議な事にと、そういえばいいのだろうか。シェリアと王妃の時には、オユキからなかなか離れなかった護符なのだが、トモエが行えばそれが当然とばかりにトモエに従うのだ。中の文字は、かろうじて抵抗するようにオユキのほうに動いたりもするのだが、張り付いて等と言う事も無い。そうした振る舞いを見て、カナリアにしてもシェリアにしても実に不思議だと言わんばかりに首をかしげていたりもしたものだ。
「まずは、今日も外で待っている方を」
「そう、ですね。これからしばらくはこうするのだと、そうした話をせねばなりませんし」
「理解は、間違いなく得られると思いますよ」
それこそ、昨夜にしても。
こちらには基本として療養できたのではないのかと、そうした時間を取る心算ではなかったのかと、しっかりと釘を刺されたのだから。そうして、婉曲にタルヤに言われ、シェリアからは随分とはっきりとした言葉で言われて。そうしていくうちに、ついついお酒に手が伸びてしまった結果お開きになったのが昨夜の事。
仕方のない事だと、トモエとしては本当に昔から変わらないと思えるものなのだが、他からはそうした姿を見せるようになったことに、ようやく少しは甘える気構えが出来たのかと安心も得られてと。結果として、悪くはない時間ではあったのだ。
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※別サイトにも掲載しています。
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