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24章 王都はいつも
屋敷に戻れば
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王太子妃との会話で得られた物は、大きかった。オユキとしてはそう判断しているものであり、こうして今ようやく屋敷にたどり着いて少し身支度をした後に同席している公爵夫妻にしても、それぞれに得るものがあったには違いない。
「さて、この状況を、どうするか。」
「なかなかに、厄介ではありますからね。」
互いにという訳ではなく、数の多かった者達からの情報共有が終われば食事をしている手を止めずに、しかし公爵は重々しくそう言葉を漏らす。返すオユキにしても、未だ己の中で固まらぬ思考を弄んでいる最中。料理人としてアルノーが今回の事についてくるのかと言えば、今回は彼にしても始まりの町に残り色々と増え始めた新しい食材を前にあれやこれやと技法を駆使して後進の育成をしっかりと行いたいとの事で、今は借り受けた人員に頼んでいる。
オユキの好みを細かく知っている相手という訳でもなく、出てくる料理は公爵がいるからだろうしっかりとフルコースとなっている。このあたりはナザレアかシェリアが料理人たちに話をするかと思えば、生憎とその両名とも色々と忙しくしていると言えばいいのか、他の使用人を監督するよりもトモエとオユキの身の回りの世話に忙しくしているためやはりそんな余裕が無いというのが実情ではある。
「さて、本当に。どう捌いてくれましょうか。」
「オユキさん、それよりも。」
「王太子妃様の要望の事ですか。」
トモエから、今後の話をする前に確認したいことがあると、そうオユキは声を掛けられ忘れていたという訳では無いのだが、優先順位を下げていたことについて。
「オユキさんは、何か確証がある様に思えましたから。」
「はい。それに関しては確かに。」
トモエは、やはりオユキの細かな感情を見過ごしはしない。
「トモエさんも気が付いているように、確かに意図しての物ではありませんでした。しかし、一度体感した流れがある以上は、やはり可能となるでしょう。」
「オユキさん。」
「ですが、今回に関しては覚えのないものが流れただけです。私自身が負担しようと思えば、かなりの負荷となるでしょう。」
そればかりは、確信として。加えて、トモエがそれを望まぬと既に分かっているからこそ、どうにもできぬだろうと。文字通りオユキのみを食いつぶすような所業であり、それを求めるのかどうかという話になってくる。
「それこそ、トモエさんが認めて下さるのであれば、私としても良しとしたい思いはあります。」
あの子は、次代の王になるのだ。そこに不安があれば今後この国がどうなるか分かったものではない。万一、それが無いと分かっていても、王城内に汚染された者達がある程度以上いたという話は既に明言こそされていないが聞いている。ならば、今後もいないとは限らず、それがなされる可能性などいくらでもある。
その時に、己が一応は救った相手を処断させる可能性を残しても良いのかと言えば、そんなはずもない。
「オユキさんは、どの程度と。」
「身動きが取れなくなるでしょう。今後移動の予定も多いわけですし、そこで、そうですね、既にやってしまった者による疲労も重なります。では、それが無かったとしてと言われたところで、やはり負荷は甚大です。」
今日の事は、既に内にあったほかが使われただけ。もしオユキだけにその負荷が向かっていれば、今頃こうして座っているのも負担だと感じていたことだろう。
「それほど、ですか。」
今はというよりも、事が起こった時に余裕があったからだろう。オユキに負担が向かったときにどういった状態にあるか、それを散々に側で見てきたトモエだからこそ今のオユキの様子を見て軽度な物だと判断したには違いない。
「ふむ。しかし、オユキ。その方は一応折に触れてあれば構わぬと、そうした話を既にしてきたのではなかったか。」
「ええ。それこそ半年に一度、そうですね、こうした報告の折や闘技大会の後に等機会に触れてと考えての事です。正直、それ以外で王都に足を向けるのもなかなか気が進みません。」
今となっては、オユキが王都に来てしまえば色々と面倒が起こる事等分かり切っている。それを避けたいとオユキが考えたとして、此処にいる者達の中で責める者もいない。こうした面倒を避けるために、一応は姿を変える魔道具などというのも用意されていたのだが。
「その事については、我の確認不足としか言いようもないな。」
一応、オユキとしても今回王都に来るにあたって事前に試してみたりなどはしているのだ。しかし、トモエも、オユキも、何一つ効果が無かった。どのように姿が変わるのか、使う側としてもどこか楽しみにしていたのだが、それはもう実に見事なまでに機能しなかったのだ。よもや不良品かと考えて、カナリアの意見を求めてみれば正常に動作しているという事であり、他に、始まりの町の屋敷で働いている者達の幾人か、カレンを含めて使って貰えば確かに事前に設定されていたのだと分かる姿に見事に変わっていた。ともえようとされていた物は、金の髪を持つ華美な印象を与える優男と言えばいいのだろうか。貴族らしい貴族に。オユキ様の物は、メイによく似た雰囲気を持つ貴族令嬢と見える様に。では、そこに如何なる差があるのかと言えば、種族であろうと、カナリアからはそうした結論が下った。
「まさか、異邦人が別の区分とは私も考えていませんでしたから。」
人としてこちらに来たはずだというのに。では、他の異邦人はどうかと言えば、やはりそちらの姿も変わらなかった。
「報告を受けた我としても、事前に試しておけばよかったとそう反省しているとも。」
「その、他の異邦人の方は。」
「姿を変えようと考えるものも、やはり少ない。後は、出来るものも居る故な。また説明も難しいのだが、技術としての物であって、魔道具を使う様な物ではない。」
「となると、綿を嚙んで、髪色を変えて等ですか。」
トモエが、然も当然とばかりにそんな事を口にする。オユキとしても、意外なことこの上ない為思わずトモエに視線を向けてしまう。
「いえ、流派の中にはそうした変装術も一応はありますから。」
「あの、初耳なのですが。」
「みだりに伝えるものでもありませんし、目録を得た先には必ずお伝えしますが。」
トモエの言い分としては、まぁそうなる。流派の全てを掌中に収めており、それを伝える事が出来る身として。流派として確立するまでにあった、凡そ全ての工夫であったり余技であったり、それらも全て流派の内と。
「いえ、話が逸れましたね。王太子妃様からの要望を退けたのは、私への負担が間違いなく過剰になるからです。」
「そうですか。ある程度話は分かりましたが。」
「加えて、王太子妃様の件をお受けした時に、他を受けないという事が間違いなく無理になる、そういった事ですね。その時には、ええ、皆さんがトモエさんが私に向けるだけの物を、我が子の為にと訴える事になるでしょう。」
その感情は、オユキよりもよくわかるだろうと。
元々の性別が逆であり、オユキも生前はそうであったのだが、トモエはより一層子供を大事にしていた。そこに他の感情も確かに持っていたには違いないのだが、やはりはっきりと自分が生んだのだと実感があればこそ。
「それは、はい、確かに。」
「我が子の事、それがあれば人がどれほどの事を行えるのか、私は正直そこを過小評価しようとは思いません。」
恐ろしい、ただその事実を知っている。かつての自分自身にしても、我が子の事でさてどれだけの事をしてきた物か。病で失われた、孫の事でどれほどの感情を抱えていた物か。
失われることには、とにかく慣れない。そんな機会など、無いほうがいいとどれだけオユキは感じた事か。それを恐れる他の物たちを、どうして責める事が出来るものか。恐れるななどと言えるものか。だからこそ、妥協が出来ると言えばいいのか、譲歩が出来る点としてあの場で珍しく公爵その人からの許可を得ることなく決めたのだ。
「既に、私達に恨みつらみを向ける人もいる、その理解はあります。それが筋違いでない限り、ええ、私は正しく向き合いましょう。しかし、そうでは無い類のものにまで向き合う気がありません。」
既に切り捨てた人間、その係累からの恨みつらみがあればオユキは向き合う。しかし、そうでは無い部分に関しては放置する。オユキは、基本的にそうした考えのもとに生きている。
向き合うべき者には、向き合うのだとして。
仕事の場では、当然として。
「分かりました。私が、そう勧めた事もありますからね。」
「トモエさんのせいばかり、という訳もありませんが。」
しかし、オユキがそう言いはするが、トモエがそれを許さぬだろうといった前提が思考にある事に間違いはない。
先の頃までであれば、己の身を粉にして、己が犠牲になってこの世界が改善するなら良しとそうしただろう。トモエが納得したのは、背景にある物、どのような意図があったのか、それに対して一つの納得を。
オユキの方も、トモエとの問答で意識がやはり多少なりとも変わっている。それが分かったのであれば、一先ず良しとするのがトモエ。他の誰かよりも、当然己の伴侶をこちらも優先する。実のところ、オユキが今回そういった選択をしなかったことを誰よりも喜んでいる。驚いたのは、オユキが自分から言い出したことに。誤解があったというのは流石に理解しているのだが、別にそれを訂正する気もなくただ、何を考えてそうした結論に達したのかを聞ければ良いのだ。この場にいる相手に対して、何もそれをいちいち言う必要もない。既に警告は繰り返し行った相手だ。公爵の方も、公爵夫人も。何やらオユキが常と違う判断を行ったと、それを理解しているからこそ今こうして場を持っている。
「ええと、それでは一先ずそこは解決として、王太子妃様から伺った部分ですね。テトラポダからの客人に加えて、武国からも王兄殿下が向かっているとか。」
「うむ。それは事実だな。明日には最寄りの宿場町にて、一度身支度を整えて明後日には王都に入るだろうな。」
「それはまた、騒がしくなりそうですね。」
トモエの感想に、オユキも公爵も揃って重たいため息をつくしかないのが、この現状だ。
「さて、この状況を、どうするか。」
「なかなかに、厄介ではありますからね。」
互いにという訳ではなく、数の多かった者達からの情報共有が終われば食事をしている手を止めずに、しかし公爵は重々しくそう言葉を漏らす。返すオユキにしても、未だ己の中で固まらぬ思考を弄んでいる最中。料理人としてアルノーが今回の事についてくるのかと言えば、今回は彼にしても始まりの町に残り色々と増え始めた新しい食材を前にあれやこれやと技法を駆使して後進の育成をしっかりと行いたいとの事で、今は借り受けた人員に頼んでいる。
オユキの好みを細かく知っている相手という訳でもなく、出てくる料理は公爵がいるからだろうしっかりとフルコースとなっている。このあたりはナザレアかシェリアが料理人たちに話をするかと思えば、生憎とその両名とも色々と忙しくしていると言えばいいのか、他の使用人を監督するよりもトモエとオユキの身の回りの世話に忙しくしているためやはりそんな余裕が無いというのが実情ではある。
「さて、本当に。どう捌いてくれましょうか。」
「オユキさん、それよりも。」
「王太子妃様の要望の事ですか。」
トモエから、今後の話をする前に確認したいことがあると、そうオユキは声を掛けられ忘れていたという訳では無いのだが、優先順位を下げていたことについて。
「オユキさんは、何か確証がある様に思えましたから。」
「はい。それに関しては確かに。」
トモエは、やはりオユキの細かな感情を見過ごしはしない。
「トモエさんも気が付いているように、確かに意図しての物ではありませんでした。しかし、一度体感した流れがある以上は、やはり可能となるでしょう。」
「オユキさん。」
「ですが、今回に関しては覚えのないものが流れただけです。私自身が負担しようと思えば、かなりの負荷となるでしょう。」
そればかりは、確信として。加えて、トモエがそれを望まぬと既に分かっているからこそ、どうにもできぬだろうと。文字通りオユキのみを食いつぶすような所業であり、それを求めるのかどうかという話になってくる。
「それこそ、トモエさんが認めて下さるのであれば、私としても良しとしたい思いはあります。」
あの子は、次代の王になるのだ。そこに不安があれば今後この国がどうなるか分かったものではない。万一、それが無いと分かっていても、王城内に汚染された者達がある程度以上いたという話は既に明言こそされていないが聞いている。ならば、今後もいないとは限らず、それがなされる可能性などいくらでもある。
その時に、己が一応は救った相手を処断させる可能性を残しても良いのかと言えば、そんなはずもない。
「オユキさんは、どの程度と。」
「身動きが取れなくなるでしょう。今後移動の予定も多いわけですし、そこで、そうですね、既にやってしまった者による疲労も重なります。では、それが無かったとしてと言われたところで、やはり負荷は甚大です。」
今日の事は、既に内にあったほかが使われただけ。もしオユキだけにその負荷が向かっていれば、今頃こうして座っているのも負担だと感じていたことだろう。
「それほど、ですか。」
今はというよりも、事が起こった時に余裕があったからだろう。オユキに負担が向かったときにどういった状態にあるか、それを散々に側で見てきたトモエだからこそ今のオユキの様子を見て軽度な物だと判断したには違いない。
「ふむ。しかし、オユキ。その方は一応折に触れてあれば構わぬと、そうした話を既にしてきたのではなかったか。」
「ええ。それこそ半年に一度、そうですね、こうした報告の折や闘技大会の後に等機会に触れてと考えての事です。正直、それ以外で王都に足を向けるのもなかなか気が進みません。」
今となっては、オユキが王都に来てしまえば色々と面倒が起こる事等分かり切っている。それを避けたいとオユキが考えたとして、此処にいる者達の中で責める者もいない。こうした面倒を避けるために、一応は姿を変える魔道具などというのも用意されていたのだが。
「その事については、我の確認不足としか言いようもないな。」
一応、オユキとしても今回王都に来るにあたって事前に試してみたりなどはしているのだ。しかし、トモエも、オユキも、何一つ効果が無かった。どのように姿が変わるのか、使う側としてもどこか楽しみにしていたのだが、それはもう実に見事なまでに機能しなかったのだ。よもや不良品かと考えて、カナリアの意見を求めてみれば正常に動作しているという事であり、他に、始まりの町の屋敷で働いている者達の幾人か、カレンを含めて使って貰えば確かに事前に設定されていたのだと分かる姿に見事に変わっていた。ともえようとされていた物は、金の髪を持つ華美な印象を与える優男と言えばいいのだろうか。貴族らしい貴族に。オユキ様の物は、メイによく似た雰囲気を持つ貴族令嬢と見える様に。では、そこに如何なる差があるのかと言えば、種族であろうと、カナリアからはそうした結論が下った。
「まさか、異邦人が別の区分とは私も考えていませんでしたから。」
人としてこちらに来たはずだというのに。では、他の異邦人はどうかと言えば、やはりそちらの姿も変わらなかった。
「報告を受けた我としても、事前に試しておけばよかったとそう反省しているとも。」
「その、他の異邦人の方は。」
「姿を変えようと考えるものも、やはり少ない。後は、出来るものも居る故な。また説明も難しいのだが、技術としての物であって、魔道具を使う様な物ではない。」
「となると、綿を嚙んで、髪色を変えて等ですか。」
トモエが、然も当然とばかりにそんな事を口にする。オユキとしても、意外なことこの上ない為思わずトモエに視線を向けてしまう。
「いえ、流派の中にはそうした変装術も一応はありますから。」
「あの、初耳なのですが。」
「みだりに伝えるものでもありませんし、目録を得た先には必ずお伝えしますが。」
トモエの言い分としては、まぁそうなる。流派の全てを掌中に収めており、それを伝える事が出来る身として。流派として確立するまでにあった、凡そ全ての工夫であったり余技であったり、それらも全て流派の内と。
「いえ、話が逸れましたね。王太子妃様からの要望を退けたのは、私への負担が間違いなく過剰になるからです。」
「そうですか。ある程度話は分かりましたが。」
「加えて、王太子妃様の件をお受けした時に、他を受けないという事が間違いなく無理になる、そういった事ですね。その時には、ええ、皆さんがトモエさんが私に向けるだけの物を、我が子の為にと訴える事になるでしょう。」
その感情は、オユキよりもよくわかるだろうと。
元々の性別が逆であり、オユキも生前はそうであったのだが、トモエはより一層子供を大事にしていた。そこに他の感情も確かに持っていたには違いないのだが、やはりはっきりと自分が生んだのだと実感があればこそ。
「それは、はい、確かに。」
「我が子の事、それがあれば人がどれほどの事を行えるのか、私は正直そこを過小評価しようとは思いません。」
恐ろしい、ただその事実を知っている。かつての自分自身にしても、我が子の事でさてどれだけの事をしてきた物か。病で失われた、孫の事でどれほどの感情を抱えていた物か。
失われることには、とにかく慣れない。そんな機会など、無いほうがいいとどれだけオユキは感じた事か。それを恐れる他の物たちを、どうして責める事が出来るものか。恐れるななどと言えるものか。だからこそ、妥協が出来ると言えばいいのか、譲歩が出来る点としてあの場で珍しく公爵その人からの許可を得ることなく決めたのだ。
「既に、私達に恨みつらみを向ける人もいる、その理解はあります。それが筋違いでない限り、ええ、私は正しく向き合いましょう。しかし、そうでは無い類のものにまで向き合う気がありません。」
既に切り捨てた人間、その係累からの恨みつらみがあればオユキは向き合う。しかし、そうでは無い部分に関しては放置する。オユキは、基本的にそうした考えのもとに生きている。
向き合うべき者には、向き合うのだとして。
仕事の場では、当然として。
「分かりました。私が、そう勧めた事もありますからね。」
「トモエさんのせいばかり、という訳もありませんが。」
しかし、オユキがそう言いはするが、トモエがそれを許さぬだろうといった前提が思考にある事に間違いはない。
先の頃までであれば、己の身を粉にして、己が犠牲になってこの世界が改善するなら良しとそうしただろう。トモエが納得したのは、背景にある物、どのような意図があったのか、それに対して一つの納得を。
オユキの方も、トモエとの問答で意識がやはり多少なりとも変わっている。それが分かったのであれば、一先ず良しとするのがトモエ。他の誰かよりも、当然己の伴侶をこちらも優先する。実のところ、オユキが今回そういった選択をしなかったことを誰よりも喜んでいる。驚いたのは、オユキが自分から言い出したことに。誤解があったというのは流石に理解しているのだが、別にそれを訂正する気もなくただ、何を考えてそうした結論に達したのかを聞ければ良いのだ。この場にいる相手に対して、何もそれをいちいち言う必要もない。既に警告は繰り返し行った相手だ。公爵の方も、公爵夫人も。何やらオユキが常と違う判断を行ったと、それを理解しているからこそ今こうして場を持っている。
「ええと、それでは一先ずそこは解決として、王太子妃様から伺った部分ですね。テトラポダからの客人に加えて、武国からも王兄殿下が向かっているとか。」
「うむ。それは事実だな。明日には最寄りの宿場町にて、一度身支度を整えて明後日には王都に入るだろうな。」
「それはまた、騒がしくなりそうですね。」
トモエの感想に、オユキも公爵も揃って重たいため息をつくしかないのが、この現状だ。
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