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睡蓮の過去
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琥珀と睡蓮の出会いは、3年前だ。まだ蘇芳が御嶽山の総大将であった頃。その年の山は少しだけ荒れていた。いや、荒れていたと言っても里ではない。里は里でも人里である。
その頃、どうやら近くの山を追われた獣達が、揃って御嶽山に移動してきたのだ。鹿や熊、猪は勿論、狸まで。隣のおやまに暮らしていた者たちが、住処を追われてはるばる来たのだ。飛べるものは空を駆け、陸路のものは頭数を減らし、随分時間をかけて逃げてきた。
ゴルフ場とやらができるそうだ。それは宅地開発同様に山を削り、住まう獣共の生活を奪う。そうして行き場を失った獣の中でも、やけになったものが人里に降りてきた。この出来事は、無論蘇芳も知るところであった。あの頃は兎に角忙しなかった。獣に転化出来るものはこぞって説得を試みる。そんな具合に、力をふるえる者たちは、各々が蘇芳のために率先して動いた。
「人間たちは身勝手だ。己の暮らしを維持するために、我らの住処を奪うのだ。こんな身勝手が許されるのなら、我らとて身勝手は許されるはず。」
そう言って、群れを削りながら這々の体で辿り着いた雄鹿は宣った。
理知的な瞳だった。自然に生を受け、しかしながら神気のようなものを纏う。住処であったお山の主である雄鹿は、説得を試みた睡蓮を穏やかな眼差しで見つめたのだ。
「お前は兎の妖かしだね。我も、この肉体が朽ちたらそちら側に向かうのだろう。どうだ。永久に近い魂を受けた誉れというのは。」
「永久なんかではないさ。僕達は忘れ去られたら消えるんだ。こうして寿命持つということが、一体どれだけ贅沢なことか!」
妖かしであることを誉れといった。妖かしは妖かしであって、神ではない。御使いにはなれても、雄鹿の言う永久の魂などはない。睡蓮は、ちんまい体の四肢を揃えて、赤いお目々で雄鹿を見上げた。
「お前さんの名前はなんていうんだい、僕は睡蓮。なあ、話を聞くから馬鹿な考えはおやめよ。」
「おや、妖かしが我の話を聞くと。これはいい、ならばその恵まれた能力で、人を説得してみせよ。我の群れを奪った人間たちに、この理不尽を説いてみせよ。」
知っているよ、獣の妖かしは人型になれるのだろう。そういって、雄鹿は笑った。
「どうせ死ぬのさ。名前なんてあってないようなもの。我は死んで、朽ち果てて、召し上げられて妖かしにでも転じたら、その時は名前を教えてやるよ。」
雄鹿はゆっくりと空を見上げた。赤く染まった夕焼けはひどく美しく、このちんまい兎の瞳と同じ色だなあと思った。
「少ない群れさ、それでも幸せだった。皆助け合って子を育んでいた。」
「うん、」
雄鹿はゆっくりと語りだした。お前を見下ろしているのは首が疲れる。そう言って、四肢を折りたたんで目線を合わせてくれた。
「鉄の化け物が山を削り、そうして人が蔓延った。我らはただ穏やかに暮らしていただけさ。それなのに、彼奴等は恐ろしい音を立てて追いやった。」
「恐ろしい音?」
「お前は何も知らないのだね。黒い筒さ。そこから僅かな煙を上げて、大きな音を出すのさ。」
「雷よりも大きな音かい?」
「ああ、そうだね。あれは雷よりも鋭い音さ。」
人からしたら、ただの脅しだ。空気を破裂させる音を立てて、獣たちを追い立てた。自然の音では無いものは怖い。何が起こるかわからないから、尚更だ。
木が削られるようなものでは無かった。何も傷はつかないただの破裂音。それに目が慣れた一頭が、死んだ。
「こわいよ。こわい、すごくこわい。」
「空気なら、死なないでしょう?なんで仲間は死んでしまったんだ。」
「同じ物でも違うのさ。」
次に来たのは、肉を破裂させる恐ろしいものだった。
何だあんなもの、ただの鹿威しさ!そう言って、雄鹿の兄弟は跳ねるように近づいて、彼岸花のような赤い肉を散らした。
「あれを合図に、駆けてしまったんだ。」
雄鹿は、まるでそれを思い出して悔いるかのように呟いた。
「本能がね、逃げろというのさ。仲間の死に目を背けるように、我らは飛んで逃げた。無様さ、油断したのさ。所詮空気だと分かったつもりでいた。愚かだった。」
「同じものなのに、なんでちがうの。」
「知らんよ、だってあれは、同じ風体だったのに仲間を殺した。」
だから、人間は怖いのさ。そう言って、雄鹿は柔らかな声で言葉を紡ぐ。
「死ぬよ、どうせ己の死を見つめるなら、最後に奴らに報いたっていいだろう。」
「だめだよ、人里にもいい人間はいる!きっと、そんな理不尽なものばかりじゃないはずだよ!」
「ああ、いるだろうよ。生き物だもの。だけどね、」
身勝手に刈り取られたもの達は、ずっと閉口することはできない。
そう言って、雄鹿は睡蓮を見下ろした。山がざわめく。強い風が木々の合間を塗って吹き去ったのだ。睡蓮は、小さな体でゆるゆると首を振った。きっとこの報いは、誰も幸せになることはないだろう。
ぎゃあぎゃあと山鳥が姦しい。睡蓮はくるりと振り向いて、その声の行方を探った。
「ああ、あの唐変木が捕まった。ほうら、こうしてまた人間は作業として我らを脅かす。」
さくりと音がして、雄鹿が立ち上がった。睡蓮の長いお耳に、けたたましい猪の鳴き声が聞こえてくる。
痛い!痛い!悲鳴混じりの声が恐ろしくて、小さくその身を震わした。
「なあ兎、我ら獣が恨みながら死ぬと、何になるのだろうなあ。」
「え、」
「どうせ立ち向かっても殺されるのなら、考えを改めるのもよかろうと話したのだ。あやつに」
黒い濡れたような瞳が、優しく睡蓮を見つめる。言っている意味がわからなくて、睡蓮はゆるゆると首を振る。まってほしい、だって、そんなの。
「ああ、お上手。」
「ひ、っ!」
ぽつんと雄鹿が呟いた途端、ずっと遠くで恐ろしい何かが膨らんだ。人には知覚はできぬ、しかし山で説得にあたっていた妖かし達は、その異形さが恐ろしいものだと理解していた。睡蓮の身のうちから沸き立つような恐怖に身を膨らますと、次いで声を震わして叫んだのは人間だった。
「やったね、彼奴は一矢報いたようだ。そうだよ、これがうまく通ったのなら、はなからそうすればよかったのだ。」
「だ、だめだよ!なにがあったかは知らないけど、それはだめだ!」
「知らないのなら口を挟むな。知らないのなら、知ればいい。」
「わ、っ!」
雄鹿に咥えられ、睡蓮は連れ去られた。もの知らぬ愚かな妖かしに、理不尽を被った同族がどうやって報復をするのかを教えるためにだ。木々が流れるように避けていく。早すぎる、道中横切るかのように、何匹かの妖かしが逃げるように離れていく。空を飛べるものは空を駆け、地を這うものは全力でだ。その原因の中心に向かっている。睡蓮は雄鹿によって語られた理由をなぞるように、己の意図せぬままに身を任す。動かないのではない、動けなかったのだ。
「あぁ!!」
そこには、一頭の大きな猪が倒れていた。罠にかかり、体に穴を開け、物言わぬ瞳は真っ直ぐに辿り着いた睡蓮たちを見つめていた。雄鹿が優しく地に下ろす。まるで、ご覧と促すように、睡蓮のちんまい尾を鼻先で押して踏み出すように促した。
「な、なんだああ!!体が、体がうごかねえ!!」
仕留めたのはこの男なのだろう。猟銃を持ち、情けなく喚いた男は、唐突な金縛りに恐慌していた。大きな猪の亡骸が原因だとは思わないだろう。まるでその生を終えた体を苗床にするかのように、真っ黒な何かが人間を見下ろす。あれはなんだ、入れ物を求めている?睡蓮はブルブルと震えながら、逃げたくて仕方がなかった。
「ご覧よ兎、あれはね、我らの中でも特段に人への恨みのこもったものだった。生きながら、身のうちに呪いを宿したのさ。理不尽によって育まれたそれが、生を終えたことで吹き上げた。我らはああやって、報復の方法を得たのだ。」
美しいだろう、まるで蜜蜂のように儚く生きる。
「せ、生を終えて、人を呪うだなんて!そんなの禍津神のようなことを!」
「そうだよ、我らは死して禍津神になる。人間のあの筒と同じだろう。似ているが違う。そんな歪なものでも構わない、だってそれをさせたのは彼奴等なのだから。」
報われない、痛い、嫌だ、辛い、悲しい、会いたい。そんな感情の奔流が、睡蓮の赤い目にはしっかりと見えた。やがて、人間はこちらを見た。肩で呼吸をしながら、口から唾液を垂らして、人の目に写ったのはただの野ウサギと大きな雄鹿だった。
「な、なにみてんだよおおおおおお!!!」
カチリと音がした。雄鹿は蹄を鳴らして一歩踏み出した。長い足で囲うように、睡蓮の上に立つ。
「我も、蜜蜂のようになろうか。」
「ッだめだよ!!」
睡蓮が、悲鳴混じりに叫んだ。キュー、という空気を震わすような、そんな力のない悲鳴だった。それが、睡蓮の精一杯の大声だったのだ。
その頃、どうやら近くの山を追われた獣達が、揃って御嶽山に移動してきたのだ。鹿や熊、猪は勿論、狸まで。隣のおやまに暮らしていた者たちが、住処を追われてはるばる来たのだ。飛べるものは空を駆け、陸路のものは頭数を減らし、随分時間をかけて逃げてきた。
ゴルフ場とやらができるそうだ。それは宅地開発同様に山を削り、住まう獣共の生活を奪う。そうして行き場を失った獣の中でも、やけになったものが人里に降りてきた。この出来事は、無論蘇芳も知るところであった。あの頃は兎に角忙しなかった。獣に転化出来るものはこぞって説得を試みる。そんな具合に、力をふるえる者たちは、各々が蘇芳のために率先して動いた。
「人間たちは身勝手だ。己の暮らしを維持するために、我らの住処を奪うのだ。こんな身勝手が許されるのなら、我らとて身勝手は許されるはず。」
そう言って、群れを削りながら這々の体で辿り着いた雄鹿は宣った。
理知的な瞳だった。自然に生を受け、しかしながら神気のようなものを纏う。住処であったお山の主である雄鹿は、説得を試みた睡蓮を穏やかな眼差しで見つめたのだ。
「お前は兎の妖かしだね。我も、この肉体が朽ちたらそちら側に向かうのだろう。どうだ。永久に近い魂を受けた誉れというのは。」
「永久なんかではないさ。僕達は忘れ去られたら消えるんだ。こうして寿命持つということが、一体どれだけ贅沢なことか!」
妖かしであることを誉れといった。妖かしは妖かしであって、神ではない。御使いにはなれても、雄鹿の言う永久の魂などはない。睡蓮は、ちんまい体の四肢を揃えて、赤いお目々で雄鹿を見上げた。
「お前さんの名前はなんていうんだい、僕は睡蓮。なあ、話を聞くから馬鹿な考えはおやめよ。」
「おや、妖かしが我の話を聞くと。これはいい、ならばその恵まれた能力で、人を説得してみせよ。我の群れを奪った人間たちに、この理不尽を説いてみせよ。」
知っているよ、獣の妖かしは人型になれるのだろう。そういって、雄鹿は笑った。
「どうせ死ぬのさ。名前なんてあってないようなもの。我は死んで、朽ち果てて、召し上げられて妖かしにでも転じたら、その時は名前を教えてやるよ。」
雄鹿はゆっくりと空を見上げた。赤く染まった夕焼けはひどく美しく、このちんまい兎の瞳と同じ色だなあと思った。
「少ない群れさ、それでも幸せだった。皆助け合って子を育んでいた。」
「うん、」
雄鹿はゆっくりと語りだした。お前を見下ろしているのは首が疲れる。そう言って、四肢を折りたたんで目線を合わせてくれた。
「鉄の化け物が山を削り、そうして人が蔓延った。我らはただ穏やかに暮らしていただけさ。それなのに、彼奴等は恐ろしい音を立てて追いやった。」
「恐ろしい音?」
「お前は何も知らないのだね。黒い筒さ。そこから僅かな煙を上げて、大きな音を出すのさ。」
「雷よりも大きな音かい?」
「ああ、そうだね。あれは雷よりも鋭い音さ。」
人からしたら、ただの脅しだ。空気を破裂させる音を立てて、獣たちを追い立てた。自然の音では無いものは怖い。何が起こるかわからないから、尚更だ。
木が削られるようなものでは無かった。何も傷はつかないただの破裂音。それに目が慣れた一頭が、死んだ。
「こわいよ。こわい、すごくこわい。」
「空気なら、死なないでしょう?なんで仲間は死んでしまったんだ。」
「同じ物でも違うのさ。」
次に来たのは、肉を破裂させる恐ろしいものだった。
何だあんなもの、ただの鹿威しさ!そう言って、雄鹿の兄弟は跳ねるように近づいて、彼岸花のような赤い肉を散らした。
「あれを合図に、駆けてしまったんだ。」
雄鹿は、まるでそれを思い出して悔いるかのように呟いた。
「本能がね、逃げろというのさ。仲間の死に目を背けるように、我らは飛んで逃げた。無様さ、油断したのさ。所詮空気だと分かったつもりでいた。愚かだった。」
「同じものなのに、なんでちがうの。」
「知らんよ、だってあれは、同じ風体だったのに仲間を殺した。」
だから、人間は怖いのさ。そう言って、雄鹿は柔らかな声で言葉を紡ぐ。
「死ぬよ、どうせ己の死を見つめるなら、最後に奴らに報いたっていいだろう。」
「だめだよ、人里にもいい人間はいる!きっと、そんな理不尽なものばかりじゃないはずだよ!」
「ああ、いるだろうよ。生き物だもの。だけどね、」
身勝手に刈り取られたもの達は、ずっと閉口することはできない。
そう言って、雄鹿は睡蓮を見下ろした。山がざわめく。強い風が木々の合間を塗って吹き去ったのだ。睡蓮は、小さな体でゆるゆると首を振った。きっとこの報いは、誰も幸せになることはないだろう。
ぎゃあぎゃあと山鳥が姦しい。睡蓮はくるりと振り向いて、その声の行方を探った。
「ああ、あの唐変木が捕まった。ほうら、こうしてまた人間は作業として我らを脅かす。」
さくりと音がして、雄鹿が立ち上がった。睡蓮の長いお耳に、けたたましい猪の鳴き声が聞こえてくる。
痛い!痛い!悲鳴混じりの声が恐ろしくて、小さくその身を震わした。
「なあ兎、我ら獣が恨みながら死ぬと、何になるのだろうなあ。」
「え、」
「どうせ立ち向かっても殺されるのなら、考えを改めるのもよかろうと話したのだ。あやつに」
黒い濡れたような瞳が、優しく睡蓮を見つめる。言っている意味がわからなくて、睡蓮はゆるゆると首を振る。まってほしい、だって、そんなの。
「ああ、お上手。」
「ひ、っ!」
ぽつんと雄鹿が呟いた途端、ずっと遠くで恐ろしい何かが膨らんだ。人には知覚はできぬ、しかし山で説得にあたっていた妖かし達は、その異形さが恐ろしいものだと理解していた。睡蓮の身のうちから沸き立つような恐怖に身を膨らますと、次いで声を震わして叫んだのは人間だった。
「やったね、彼奴は一矢報いたようだ。そうだよ、これがうまく通ったのなら、はなからそうすればよかったのだ。」
「だ、だめだよ!なにがあったかは知らないけど、それはだめだ!」
「知らないのなら口を挟むな。知らないのなら、知ればいい。」
「わ、っ!」
雄鹿に咥えられ、睡蓮は連れ去られた。もの知らぬ愚かな妖かしに、理不尽を被った同族がどうやって報復をするのかを教えるためにだ。木々が流れるように避けていく。早すぎる、道中横切るかのように、何匹かの妖かしが逃げるように離れていく。空を飛べるものは空を駆け、地を這うものは全力でだ。その原因の中心に向かっている。睡蓮は雄鹿によって語られた理由をなぞるように、己の意図せぬままに身を任す。動かないのではない、動けなかったのだ。
「あぁ!!」
そこには、一頭の大きな猪が倒れていた。罠にかかり、体に穴を開け、物言わぬ瞳は真っ直ぐに辿り着いた睡蓮たちを見つめていた。雄鹿が優しく地に下ろす。まるで、ご覧と促すように、睡蓮のちんまい尾を鼻先で押して踏み出すように促した。
「な、なんだああ!!体が、体がうごかねえ!!」
仕留めたのはこの男なのだろう。猟銃を持ち、情けなく喚いた男は、唐突な金縛りに恐慌していた。大きな猪の亡骸が原因だとは思わないだろう。まるでその生を終えた体を苗床にするかのように、真っ黒な何かが人間を見下ろす。あれはなんだ、入れ物を求めている?睡蓮はブルブルと震えながら、逃げたくて仕方がなかった。
「ご覧よ兎、あれはね、我らの中でも特段に人への恨みのこもったものだった。生きながら、身のうちに呪いを宿したのさ。理不尽によって育まれたそれが、生を終えたことで吹き上げた。我らはああやって、報復の方法を得たのだ。」
美しいだろう、まるで蜜蜂のように儚く生きる。
「せ、生を終えて、人を呪うだなんて!そんなの禍津神のようなことを!」
「そうだよ、我らは死して禍津神になる。人間のあの筒と同じだろう。似ているが違う。そんな歪なものでも構わない、だってそれをさせたのは彼奴等なのだから。」
報われない、痛い、嫌だ、辛い、悲しい、会いたい。そんな感情の奔流が、睡蓮の赤い目にはしっかりと見えた。やがて、人間はこちらを見た。肩で呼吸をしながら、口から唾液を垂らして、人の目に写ったのはただの野ウサギと大きな雄鹿だった。
「な、なにみてんだよおおおおおお!!!」
カチリと音がした。雄鹿は蹄を鳴らして一歩踏み出した。長い足で囲うように、睡蓮の上に立つ。
「我も、蜜蜂のようになろうか。」
「ッだめだよ!!」
睡蓮が、悲鳴混じりに叫んだ。キュー、という空気を震わすような、そんな力のない悲鳴だった。それが、睡蓮の精一杯の大声だったのだ。
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