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第3章 大切なもの
玲華の狙い
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翌日、学校帰りに凛と待ち合わせして、玲華から指定された場所に行った。
というか、指定された場所はなんでもない、以前俺がうっかりと来てしまって玲華に見つかった場所だった。
愛梨の居酒屋情報によると、今回の撮影はこの鳴那町一体をロケ地として使用しており、平日には商店街なども利用しているという話だった。
おそらく、以前玲華と商店街で遭遇した時は、町中での撮影を行っていたのだろう。
凛と少しだけ顔を見合わせ、緊張した面持ちであの林道を登る。
すると、以前のように、ロケ車や照明機材などが並んでいた。
「あ、RINちゃん!」
俺達を見つけたマネージャーの田中が、小走りで来た。
「この前の学祭のこと、ほんとにごめんね。大丈夫だった?」
「えっと⋯⋯もういいですよ。過ぎた事ですし」
ぺこりと俺も頭を下げると、少し嫌そうに俺を見てから、頭を下げる。
まあ、凛はともかく俺は嫌だろうな。雑誌にも載せられたし。
「えっと⋯⋯私たちのことは⋯⋯」
「うん、REIKAちゃんから聞いてるよ。一応これ首から下げといて」
そう言って、俺たちにスタッフパスを渡した。
「ただ、もしかすると⋯⋯今日はあまり見学には向いてないかもよ」
田中が気まずそうに視線を向けた先から、怒声が聞こえてきた。
そして、一瞬見ただけで偉い人だとわかる、威厳のあるおっさんがキャストらしき女性に怒鳴っていた。女優さんだろうか。20前半くらいの女性が怒られていた。
「あれが犬飼監督だよ」
凛が小さな声で教えてくれた。
凛にしてみれば、枕営業を要求してきた人間だ。真意を知っていれば別だが、あまり会いたくはないだろう。
その犬飼監督はというと、よくもまあ女の子相手にそこまで、というくらい怒っていた。
「おいこらお前、昨日役作りしとけって言ったよな? なんで出来てねーんだ! もう何日無駄にしてるかわかってんのか? ああ?」
女性は黙ってうつむいていた。
恐い。
あんな怖そうな大人に、あんな風に怒鳴られるのか。
その光景は衝撃的だった。おそらく、凛にしても同じだろう。緊張した面持ちでその光景を眺めている。
彼女にしてみれば、その姿は他人事ではない。自分もこの撮影現場にいたかもしれないのだ。そして、おそらく玲華にも、同じような事が起こっている。昨日の玲華の様子を思い出すと、胸が傷んだ。
そんなことを考えていると、場の空気とは明らかに異なる陽気な挨拶が背後から聞こえてきた。
「ハーイ♪」
玲華だった。
「あ、玲華。ハーイ♪」
凛は、思った以上に普通⋯⋯っていうより、玲華と同じノリで挨拶を返していた。その光景にも俺は面食らった。
電話で謝られたと言われても、あの宣戦布告はおそらく有効なわけで⋯⋯彼女からすれば、やはり気まずいことには変わりないと思っていたのだが。
これは、どういうことだ?
というか、指定された場所はなんでもない、以前俺がうっかりと来てしまって玲華に見つかった場所だった。
愛梨の居酒屋情報によると、今回の撮影はこの鳴那町一体をロケ地として使用しており、平日には商店街なども利用しているという話だった。
おそらく、以前玲華と商店街で遭遇した時は、町中での撮影を行っていたのだろう。
凛と少しだけ顔を見合わせ、緊張した面持ちであの林道を登る。
すると、以前のように、ロケ車や照明機材などが並んでいた。
「あ、RINちゃん!」
俺達を見つけたマネージャーの田中が、小走りで来た。
「この前の学祭のこと、ほんとにごめんね。大丈夫だった?」
「えっと⋯⋯もういいですよ。過ぎた事ですし」
ぺこりと俺も頭を下げると、少し嫌そうに俺を見てから、頭を下げる。
まあ、凛はともかく俺は嫌だろうな。雑誌にも載せられたし。
「えっと⋯⋯私たちのことは⋯⋯」
「うん、REIKAちゃんから聞いてるよ。一応これ首から下げといて」
そう言って、俺たちにスタッフパスを渡した。
「ただ、もしかすると⋯⋯今日はあまり見学には向いてないかもよ」
田中が気まずそうに視線を向けた先から、怒声が聞こえてきた。
そして、一瞬見ただけで偉い人だとわかる、威厳のあるおっさんがキャストらしき女性に怒鳴っていた。女優さんだろうか。20前半くらいの女性が怒られていた。
「あれが犬飼監督だよ」
凛が小さな声で教えてくれた。
凛にしてみれば、枕営業を要求してきた人間だ。真意を知っていれば別だが、あまり会いたくはないだろう。
その犬飼監督はというと、よくもまあ女の子相手にそこまで、というくらい怒っていた。
「おいこらお前、昨日役作りしとけって言ったよな? なんで出来てねーんだ! もう何日無駄にしてるかわかってんのか? ああ?」
女性は黙ってうつむいていた。
恐い。
あんな怖そうな大人に、あんな風に怒鳴られるのか。
その光景は衝撃的だった。おそらく、凛にしても同じだろう。緊張した面持ちでその光景を眺めている。
彼女にしてみれば、その姿は他人事ではない。自分もこの撮影現場にいたかもしれないのだ。そして、おそらく玲華にも、同じような事が起こっている。昨日の玲華の様子を思い出すと、胸が傷んだ。
そんなことを考えていると、場の空気とは明らかに異なる陽気な挨拶が背後から聞こえてきた。
「ハーイ♪」
玲華だった。
「あ、玲華。ハーイ♪」
凛は、思った以上に普通⋯⋯っていうより、玲華と同じノリで挨拶を返していた。その光景にも俺は面食らった。
電話で謝られたと言われても、あの宣戦布告はおそらく有効なわけで⋯⋯彼女からすれば、やはり気まずいことには変わりないと思っていたのだが。
これは、どういうことだ?
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