1001部隊 ~幻の最強部隊、異世界にて~

鮪鱚鰈

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ゲルマン皇帝ヨハイネバルグ

グリフィン航空師団登場

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国境を突破したシラクは連戦連勝であった、進行した部隊数はベルドア軍3000に対し
クモン兵は6000はいるが、剣や弓で対抗する部隊に対し、ベルドア軍はマスケット銃を使用し、親衛隊はMP40をしている
地上部隊では全く歯が立たなかった

町や村が襲われ、男共は皆殺しに会い、生き残った女は連行されていく

王都クモンは大混乱に襲われていた

「グリフィン部隊を展開しろ」

王都防衛にあたっていたグリフィン空中師団

幼獣グリフィンとそれに乗った射手による空中部隊である

王のグリフィン部隊の導入が遅れた様に思えるが
それほどにベルドアの進行は速かった

国境を突破された報告と同時に各町が襲われ壊滅した報告が次々とくる
昼夜問わずにベルドア軍は進軍している

「クモリニアの町が襲われました!」

「クモリニア壊滅!」

王がグリフィン部隊に指示を出したとたんにも町が壊滅した報告が来る

「は!早くしろ、ヴァルハラに救援要請はどうなっている」

「昨日すでに向かっています」

「クリス兵師団壊滅、襲ったのはマルノ地域の住民です!」

「どういうことだ?なぜクモン国民が味方を襲う?」

「わかりませぬ、だが間違いないそうです」

この味方だった者が敵に代わる、このため進行速度は更に上がっている

答えは簡単であるベルドアは魔人神官も帯同していて、現地で教信者を量産している、洗脳にかからなければ死か奴隷である

侵攻が始まると同時に降参する街も後を絶たない
その為神官も簡単に洗脳行為ができ、現地で新たな狂信者を作り出す

「ヴァルハラだ!ヴァルハラに逃げるぞ」

「王!それではこの国は?」

「この国はもう終わりじゃ・・・」

クモン王のヘキサは隣国ヴァルハラへの亡命を決意するのであった

**********

「シラク様、エナンの町ですが降参の使者が来ています」

「またか?つまらぬ・・・連れてまいれ」


**

「ベルドアの司令官のシラク様・・我が町エナンは守る兵も少なくベルドアに恭順致します・・カハ」
使者に訪れたエナン町長であったがシラクの一突きで心臓を抜き取られた

シラクの手の上にある心臓は1.2回鼓動を繰り返し止まった
それを見ながら町長は倒れていく

「ひぃ!」

他の使者が一斉に逃げ始めた

しかしシラク配下の魔人がものすごい速さで取り囲み皆殺しにした

「お前ら、狩りだ!ここは女も子供もみんな殺していい!たまにはいいだろ」

「はい」

「ひゃっはー」

シラク配下の魔人は喜び勇み町に走り出す

シラク配下の魔人が殺しをするとシラクも魔力が上がっていく、ねずみ講のように、ヨハイネに近い洗礼を受けたものほど、殺しによる魔力恩恵は高い

町からは阿鼻叫喚が聞こえる
いい響きだ・・・シラクはそう思いながら汚れた手を拭く

「シラク様?」

「どうしたエミーナ?」

エミーナは元遊撃師団の女魔法士である、シラク自らの手で洗礼を行い、現在はシラクの右腕となっている

「強い魔力が接近しています、」

「そのようだな、それも早い」

シラクとエミーナは西の空を見る

グリフィン隊20人からなる空中師団である

「先に行ったバカ共は空に対する手段がありませんが、いかがいたします?」
エミーナは微笑みながらシラクに尋ねた

「行きたいのか?エミーナ」

「ふふふ、おいしそうで身もだえしてましたの」

「ふん、美しいなエミーナ・・・私を楽しませてくれ」

「ふふふ、おまかせ下さい」

そういいエミーナは黒い霧を発生させ身を包み消えていく


-----

「隊長!前方の町に大きな魔力が感じられます」

「ああ!エナンにあれほどの能力者はいないはずだ、ベルドアの軍だろう」

「もうエナンまで・・・あまりに早すぎます」

「くそ!母ちゃんどうなった?ブルンの町の情報は入らないのか?」

グリフィンに乗りながら隊員たちはつぶやく

ミンティ・・・エドワードはフィアンセであるミンティの事を考えた

幼馴染であるミンティは共に剣士となり俺は国軍花形のグリフィン部隊に配属された、ミンティは国境警備隊として部署が違うが、離れられない仲というのだろう、部署が変わったせいで結婚が遅れたが、ミンティの国境警備の任は後1か月でその後にミンティは軍属を離れ俺と結婚する予定だった・・・

こんなことになるなら、無理やりにでも・・・くそ

国境警備隊との連絡は全くない、誰一人と逃げ出せた者はいない。

「お前たち!私語を慎め!敵は目の前だ」
副長のローウェンが隊員を戒める

「隊長!きっとミンティさんの事です、あの剣の腕前なら簡単にやられない、生きて戻ってきましょう、目の前の敵に集中してください」

「すまんローウェン」

「全隊、エナンの町を襲うベルドア軍を各個撃破!」

「了解」


エナンの上空に現れたグリフォン小隊エドワード隊はそれぞれに散る

だが想像していた戦場ではなくベルドア軍は10人ほどでエナンの町でただ虐殺を繰り広げている

「各2人態勢で撃破を試みよ!敵の能力は一人が剣聖級と思え」

「了解!」

グリフィンの首にくくりついている魔導通信を使い、各隊に指示を飛ばす

エドワードとローウェンは目先で殺戮を繰り返す男に目標を定める
「ローウェン援護を頼む」

「了解!」

エドワードは無数の矢を男に向かって放ち剣に持ち替えて男に向かって飛び降りる

男は矢を避け上を見るそこにはエドワードの一撃が待っていた、その一撃を後方に避けるが、もう一人のグリフィンが放つ矢がその男を襲う、魔力の込められた矢にその男は苦痛の表情を見せるがすぐさま地上のエドワードに剣を向けた

しかし、その隙を見逃すエドワードではない、エドワードに向いた男の胴体と首が切り離された

首と胴体が切り離された男は悶えている
その光景は流石にエドワードも戸惑う、いくら魔力が高い人間でも即死のはずの攻撃だ

「うがああ!ああ・・・ヨハイネ様・・・・・・」

そしてその死体は動かなくなると同時に赤黒く燃え始めた

ピー!

エドワードはグリフィンを呼び、風の魔法をまとい高くジャンプする
そしてグリフィンに飛び乗った

「奴らは人間ではないのかもしれない・・・」
ぼそっとつぶやく

「キンとリューのコンビがやられました、」
その報告を聞くとすぐにエドワードはキンとリューが飛んでいた方角を見る。
黒い霧が漂っている

「うわ!なんだ!うわ」

「くそ!霧魔法それも闇属性だ・・・こんな魔法士がいたなんて聞いてないぞ」

サンとベランも通信が途絶えた

「うげ!」

「うわ」

通信が断末魔と共に次々と途絶えていく

「隊長!退却です!奴らは魔人です」

ローウェンが叫ぶ!魔人?聞いたことがある人間が魔に落ちるとなる者で、すべての成長が止まるがその魔力は人間の頃の数倍に及ぶ、殺しをするごとにその成長が始まると・・・

ローウェンの周りを黒い霧が包む

「クソが!悪魔に落ちた者め」

ローウェンは弓を放つ、属性は氷である、鋭く威力の増したその矢は黒い霧を切り開く

ローウェンはその闇の空間から脱出する

「ふふふ!いいわ、そうよもっと怖がって頂戴」

エドワードは初めて敵を確認した
ローウェンのグリフィンに二人乗っている、それは若くて美しい女だった

だがそれに気が付いた瞬間ローウェンはグリフィンから崩れ落ち地上に落ちていく

「くそ!くそが!」
エドワードは風の結界を纏、女に突撃した

風の結界は黒い霧を吹き飛ばす

「ふふふ隊長さん、流石ね・・楽しくなっちゃう」
女は血の付いた手をなめ、微笑みながらエドワードの動きを妖艶なまなざしで見つめる。

女は黒い霧の球をエドワードに放つがエドワードはそれを剣ではじいたり、よけたりしながら女に近づく

「死ね!魔人!」

エドワードが女にとびかかるためにグリフィンから空中に飛び出し女に切りかかるその鋭い剣筋は女を捉えた・・・かのように見えたが、黒い霧の塊がかき消されただけだった

「単純ね・・・それ、ダークアイセコー」

無数の黒いツララがエドワードを突き刺す

避ける隙間などない、エドワードは死の空間に誘い込まれたのだ・・・

薄れゆく意識の中でエドワードは幼き頃のミンティを思い出す

「エドワード私を倒したら接吻してやるぞ」

「エドワード!なんだ!お!お化けなんか信じてないからな!」

「エドワードどこに行っていた・・・私を一人にするな!」

「もう・・エドワード!、私は結婚するまではミサを貫く、だが浮気したら殺す!」

「エドワード!剣士としてはもうエドワードにかなわない、でも最後のわがまま、剣士の務めを最後まで勤めたら一緒になりましょ」

「エドワード・・来月ね・・剣士をやめたら髪を伸ばすんだ・・私だって女だからな、えへへ」

ミンティ・・・・・

エドワードの意識はそこで途絶えた


エミーナは絶頂の世界に浸っていた
「恋人を思いながら死んでいく、あああ気持ちいい・・・・」

「この生き物は使えそうね」

エドワードが乗っていたグリフィンに乗り移り、洗礼を開始した


**********

戦いを見守っていた群衆は固唾をのんで見守っていた

恐ろしい程に強い男を一刀両断で叩き切ったグリフィン隊の男に歓喜したが
その男もいとも簡単に殺されてしまった

その場でへたり込むもの、我先に逃げ出すもの、そしてベルドアの恐ろしき男共はまだ他にもいるし上空には黒い霧の美女がいる・・逃げ場などないのだ

































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