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ep66 晩御飯
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「どうぞめしあがれ!おにーちゃん」
俺は食卓に置かれた料理を見て固まっていた。
「こ、これが、晩御飯なの......?」
「そーだよ?さあ、たんとめしあがれ」
ウサは嬉しそうにニコニコしている。
が、俺は苦笑いしか出ない。
「すまない、フミヒロ。夕食当番をウサに代えてしまったせいだ」
トラエがこっそり謝ってきた。
「いや、トラエのせいじゃないよ。ウサが泣かないようにするために仕方なくだから」
俺も小声で返した。
「明日からはなんとかワタシがやるようにする」
「う、うん」
「んー?ふたりはなに話してるの?」
ウサがいぶかしげに割り込んできた。
「いや、なんでもないよ!」
「ああ!なんでもない!」
俺とトラエは息ぴったりで誤魔化した。
「ふーん。ま、いいや。じゃあはやくたべてたべて!」
ウサは俺の両肩に両手を添えてウキウキしながら食を勧めた。
(まあ、食べるけども......)
はちみつたっぷりホットケーキにチョコスコーンにスウィートポテトにミルクもち。
うん。全部甘いものなんですけどー!
スウィートポテトとミルクもちはまだギリ夕食としてアリだとしても......さすがにこのメニューは正直キツイ。
(白ごはんと肉とか魚とかが食べたい......)
それでも俺はむしゃむしゃと食べ始めた。
「おにーちゃん!おいしい??」
「ああ、うまいよ」
「やったぁー!」
ウサは蝶々のようにくるくると歓喜に舞った。
俺の言葉も決してウソではなかった。
実際、味も食感も外観もバッチリだった。
さすがはアンドロイド。
仕事自体は完璧だ。
「おいフミヒロ。食べ切れるのか?それ」
心配したトラエがひそひそと尋ねてきた。
「わからないけど頑張ってみる。味は本当に美味いし」
俺もひそひそと答えた。
「食べることに関してはアンドロイドのワタシには手伝えないからな」
「わかってるよ。とにかくウサが悲しまないようにしないと」
俺は必死に食べ続けた。
数十分後......。
「ご、ごちそうさまでした......(もう甘いものはいい......)」
俺はなんとか完食した。
ウサはえへへと満面の笑顔だった。
「フミヒロ、大丈夫か?」
俺を気づかってトラエが声をかけてくれた。
「あっ、うん、なんとか。......うぷっ」
「おいおい本当に大丈夫か?」
「だ、大丈夫だよ。時間を置けばお腹も落ち着くよ」
そんな俺とトラエのやり取りを、ウサが怪訝な顔で見つめてくる。
「ねえおにーちゃん」
「なに?」
「おにーちゃんとトラエおねーちゃんはせふれ?」
「えっ、は??」
「せふれなの??」
え?ウサのやつ、いきなり何を言い出しているんだ!?
俺とトラエが、せせせセフレだって!?
「ちょちょちょ!ウサの口からそんな言葉を聞きたくないんですがっ!」
「だってなんだかおにーちゃんとトラエおねーちゃん、あやしーんだもん」
「全然そんなことないから!」
「それとも妾って言ったほうがいいのかな?本妻はネーコおねーちゃんで」
「ますます違うから!」
「おいっ」
ここでトラエがウサの頭をコツンと叩いた。
「いたい!なにするのトラエおねーちゃん!」
「変なこと言ってないで洗い物するぞ」
トラエはそう言って俺へ軽く一瞥をくれた。
どうやらトラエが会話を終わらせてくれたようだ。
「もう~トラエおねーちゃんのばかぁ」
「グダグダ言ってないでやるぞ」
トラエとウサは食器を持って台所のほうへ流れていった。
俺はテーブルに肘をつき、満腹状態の苦しいため息をフゥーッとつく。
「トラエが残っていてくれて、本当に良かった......」
「どうぞめしあがれ!おにーちゃん」
俺は食卓に置かれた料理を見て固まっていた。
「こ、これが、晩御飯なの......?」
「そーだよ?さあ、たんとめしあがれ」
ウサは嬉しそうにニコニコしている。
が、俺は苦笑いしか出ない。
「すまない、フミヒロ。夕食当番をウサに代えてしまったせいだ」
トラエがこっそり謝ってきた。
「いや、トラエのせいじゃないよ。ウサが泣かないようにするために仕方なくだから」
俺も小声で返した。
「明日からはなんとかワタシがやるようにする」
「う、うん」
「んー?ふたりはなに話してるの?」
ウサがいぶかしげに割り込んできた。
「いや、なんでもないよ!」
「ああ!なんでもない!」
俺とトラエは息ぴったりで誤魔化した。
「ふーん。ま、いいや。じゃあはやくたべてたべて!」
ウサは俺の両肩に両手を添えてウキウキしながら食を勧めた。
(まあ、食べるけども......)
はちみつたっぷりホットケーキにチョコスコーンにスウィートポテトにミルクもち。
うん。全部甘いものなんですけどー!
スウィートポテトとミルクもちはまだギリ夕食としてアリだとしても......さすがにこのメニューは正直キツイ。
(白ごはんと肉とか魚とかが食べたい......)
それでも俺はむしゃむしゃと食べ始めた。
「おにーちゃん!おいしい??」
「ああ、うまいよ」
「やったぁー!」
ウサは蝶々のようにくるくると歓喜に舞った。
俺の言葉も決してウソではなかった。
実際、味も食感も外観もバッチリだった。
さすがはアンドロイド。
仕事自体は完璧だ。
「おいフミヒロ。食べ切れるのか?それ」
心配したトラエがひそひそと尋ねてきた。
「わからないけど頑張ってみる。味は本当に美味いし」
俺もひそひそと答えた。
「食べることに関してはアンドロイドのワタシには手伝えないからな」
「わかってるよ。とにかくウサが悲しまないようにしないと」
俺は必死に食べ続けた。
数十分後......。
「ご、ごちそうさまでした......(もう甘いものはいい......)」
俺はなんとか完食した。
ウサはえへへと満面の笑顔だった。
「フミヒロ、大丈夫か?」
俺を気づかってトラエが声をかけてくれた。
「あっ、うん、なんとか。......うぷっ」
「おいおい本当に大丈夫か?」
「だ、大丈夫だよ。時間を置けばお腹も落ち着くよ」
そんな俺とトラエのやり取りを、ウサが怪訝な顔で見つめてくる。
「ねえおにーちゃん」
「なに?」
「おにーちゃんとトラエおねーちゃんはせふれ?」
「えっ、は??」
「せふれなの??」
え?ウサのやつ、いきなり何を言い出しているんだ!?
俺とトラエが、せせせセフレだって!?
「ちょちょちょ!ウサの口からそんな言葉を聞きたくないんですがっ!」
「だってなんだかおにーちゃんとトラエおねーちゃん、あやしーんだもん」
「全然そんなことないから!」
「それとも妾って言ったほうがいいのかな?本妻はネーコおねーちゃんで」
「ますます違うから!」
「おいっ」
ここでトラエがウサの頭をコツンと叩いた。
「いたい!なにするのトラエおねーちゃん!」
「変なこと言ってないで洗い物するぞ」
トラエはそう言って俺へ軽く一瞥をくれた。
どうやらトラエが会話を終わらせてくれたようだ。
「もう~トラエおねーちゃんのばかぁ」
「グダグダ言ってないでやるぞ」
トラエとウサは食器を持って台所のほうへ流れていった。
俺はテーブルに肘をつき、満腹状態の苦しいため息をフゥーッとつく。
「トラエが残っていてくれて、本当に良かった......」
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