204 / 816
霧の魔
要塞機とヴィニア
しおりを挟む
「だそうですよ。フウアさん」
「この忙しい時にいい度胸ですね。あ・な・た」
建物の陰に隠れていたフウアさんが詰所の中に入ってきた。実は会議室から一緒に来ていたのだ。
シフさんの物言いに激怒した彼女の表情はまるで般若、頭には鬼の角が見える。
それを見たシフさんは酷く狼狽している。
「フウア!違うんだ!話を聞いてくれ」
「言い訳は結構です!」
隊員たちは見て見ぬ振りをしているが、それは許されなかった。
彼を匿っていた彼らも同罪だからだ。怒りの矛先は彼らにも向いた。
全員から助けを求める視線を感じたが、巻き込まれるのは御免。
無視して、詰所の外に出た。
女の人って怒ったら怖いよね。
僕のお母さんもお婆ちゃんも怒ったらとても怖い。それはユラさんも同じ。
危険な実験をして何度も怒られている。
フウアさんの怒りは心配の気持ちから出ている怒りだから、彼らは甘んじて受け入れるべきだ。
その後、シフさん達怪我人は医務室に縛り付けられ、脱走に協力していた隊員は二度と協力出来ないように、医務室から離れた場所に配置されることになった。自業自得だ。
シフさんのことを済ませたから、次はマカラさんに会いに行く。
そろそろデータの解析が終わっているだろう。
研究員たちがいる建物を訪れたが、マカラさんはいなかった。
席を外しているようだ。
研究員は他にもいるので、手が空いてそうな人を捕まえて話を聞いた。
データの分析は終了しており、今はそれをまとめる作業をしているそうだ。
結果を軽く聞いてみると、事態の打開の目処が立ったらしい。
作業の邪魔しちゃ悪い。大人しく報告を待とう。
そろそろガーディフォースで最前線に向かうことにした。
霧の侵食によって、最前線は港の近くまで下がっているため、到着に時間は掛からなかった。
最前線には多くのファルシュがいた。
飛行不能のためどの機体も砲戦仕様に変更されており、霧の中から飛び出してくるモンスターを討伐している。
レーダーを頼りに紅霞がいる場所まで行く。
ユラさんたちがいるのは、砲戦仕様の機体よりも霧に近い場所。
そこに行くと、ユラさんは戦闘中だった。
敵はオークだ。一人で三体のオークを同時に相手していた。
斧持ちが二体と棍棒と盾持ちが一体だ。
多対一でも心配はない。
ユラさんはオークを完全に翻弄している。
ユラさんは斧の一撃を紙一重で躱すと、一体のオークの片足を斬り落とした。
片足を失ったオークは地面に倒れた。あとはトドメを刺すだけだった。
残りの二体のオークがそれを妨害しようと、紅霞の前に立ち塞がった。
彼女一人でも大丈夫だけど、援護する。
援護を試みようとしたら、盾持ちのオークが吹き飛んだ。
盾は大穴が開き、盾としてはもう使えそうになかった。オークはまだ辛うじて生きているが、瀕死だ。
紅霞の武装にそんなことが出来る物はない。
射線を辿るとそこにはシルフフォートレスがいた。
あれの砲撃だろう。
「援護は必要ないかな?」
あの二機ならこの状況を簡単に切り抜けれるだろう。
でも、何もしないのは気が引ける。
シザーアームズを射出し、ダメージが少ないオークを攻撃する。
首を狙ったが、逸れてしまい、ハサミが肩に掠った。
シザーアームズは掠っただけだが、肩に大きな裂傷できた。
オークは悲鳴を上げると、斧を落とした。
その隙をユラさんは見逃さない。
背後から近づき、オークの首を落とした。
後は手負いのオークだけ。一体はユラさんが、もう一体はフォートレスが倒した。
『ありがとう。助かったよ』
「二人でも大丈夫だったでしょ」
『当たり前だもん』
ユラさんと通信していると、ヴィニアさんが割り込んできた。
『ヴィニアちゃん。そんなこと言ったら駄目よ』
『だって、事実だもん』
『怒るよ。謝りなさい』
『……ごめんなさい』
ユラさんとヴィニアさんがいつの間にか仲良くなっていた。
さっきの戦闘の連携は中々様になっていた 何度も共闘してそれで仲良くなったんだろう。
生命力レーダーに反応。新しい敵だ。
「気にしてないからいいよ。それより敵だよ。多いから気を付けて」
『ラジャー』
『こっちには反応がないけど』
「この機体のレーダーは特別なんだ。早く態勢を整えて」
ヴィニアさんは異議を唱えたが、ユラさんの説得によって、彼女も態勢を整えた。
僕もアシュラの中から可変アサルトユニットを取り出し、大剣に変形させた。
これだけなのはガンユニットは残弾に、シールドは強度に不安があるからだ。
霧の中から現れたのはゴブリンだった。
雑魚だけど、数は多く、30体以上いる。
ちゃんとした武装をしているタイプで、ボロボロだが剣や斧などを持っていた。
霧から現れた瞬間、フォートレスが先制攻撃が仕掛けた。
それにより先頭にいたゴブリンは全滅。後ろにいたゴブリンの一部にも被害が出ている。
紅霞と共に突撃。
残ったゴブリンたちを始末していった。
「この忙しい時にいい度胸ですね。あ・な・た」
建物の陰に隠れていたフウアさんが詰所の中に入ってきた。実は会議室から一緒に来ていたのだ。
シフさんの物言いに激怒した彼女の表情はまるで般若、頭には鬼の角が見える。
それを見たシフさんは酷く狼狽している。
「フウア!違うんだ!話を聞いてくれ」
「言い訳は結構です!」
隊員たちは見て見ぬ振りをしているが、それは許されなかった。
彼を匿っていた彼らも同罪だからだ。怒りの矛先は彼らにも向いた。
全員から助けを求める視線を感じたが、巻き込まれるのは御免。
無視して、詰所の外に出た。
女の人って怒ったら怖いよね。
僕のお母さんもお婆ちゃんも怒ったらとても怖い。それはユラさんも同じ。
危険な実験をして何度も怒られている。
フウアさんの怒りは心配の気持ちから出ている怒りだから、彼らは甘んじて受け入れるべきだ。
その後、シフさん達怪我人は医務室に縛り付けられ、脱走に協力していた隊員は二度と協力出来ないように、医務室から離れた場所に配置されることになった。自業自得だ。
シフさんのことを済ませたから、次はマカラさんに会いに行く。
そろそろデータの解析が終わっているだろう。
研究員たちがいる建物を訪れたが、マカラさんはいなかった。
席を外しているようだ。
研究員は他にもいるので、手が空いてそうな人を捕まえて話を聞いた。
データの分析は終了しており、今はそれをまとめる作業をしているそうだ。
結果を軽く聞いてみると、事態の打開の目処が立ったらしい。
作業の邪魔しちゃ悪い。大人しく報告を待とう。
そろそろガーディフォースで最前線に向かうことにした。
霧の侵食によって、最前線は港の近くまで下がっているため、到着に時間は掛からなかった。
最前線には多くのファルシュがいた。
飛行不能のためどの機体も砲戦仕様に変更されており、霧の中から飛び出してくるモンスターを討伐している。
レーダーを頼りに紅霞がいる場所まで行く。
ユラさんたちがいるのは、砲戦仕様の機体よりも霧に近い場所。
そこに行くと、ユラさんは戦闘中だった。
敵はオークだ。一人で三体のオークを同時に相手していた。
斧持ちが二体と棍棒と盾持ちが一体だ。
多対一でも心配はない。
ユラさんはオークを完全に翻弄している。
ユラさんは斧の一撃を紙一重で躱すと、一体のオークの片足を斬り落とした。
片足を失ったオークは地面に倒れた。あとはトドメを刺すだけだった。
残りの二体のオークがそれを妨害しようと、紅霞の前に立ち塞がった。
彼女一人でも大丈夫だけど、援護する。
援護を試みようとしたら、盾持ちのオークが吹き飛んだ。
盾は大穴が開き、盾としてはもう使えそうになかった。オークはまだ辛うじて生きているが、瀕死だ。
紅霞の武装にそんなことが出来る物はない。
射線を辿るとそこにはシルフフォートレスがいた。
あれの砲撃だろう。
「援護は必要ないかな?」
あの二機ならこの状況を簡単に切り抜けれるだろう。
でも、何もしないのは気が引ける。
シザーアームズを射出し、ダメージが少ないオークを攻撃する。
首を狙ったが、逸れてしまい、ハサミが肩に掠った。
シザーアームズは掠っただけだが、肩に大きな裂傷できた。
オークは悲鳴を上げると、斧を落とした。
その隙をユラさんは見逃さない。
背後から近づき、オークの首を落とした。
後は手負いのオークだけ。一体はユラさんが、もう一体はフォートレスが倒した。
『ありがとう。助かったよ』
「二人でも大丈夫だったでしょ」
『当たり前だもん』
ユラさんと通信していると、ヴィニアさんが割り込んできた。
『ヴィニアちゃん。そんなこと言ったら駄目よ』
『だって、事実だもん』
『怒るよ。謝りなさい』
『……ごめんなさい』
ユラさんとヴィニアさんがいつの間にか仲良くなっていた。
さっきの戦闘の連携は中々様になっていた 何度も共闘してそれで仲良くなったんだろう。
生命力レーダーに反応。新しい敵だ。
「気にしてないからいいよ。それより敵だよ。多いから気を付けて」
『ラジャー』
『こっちには反応がないけど』
「この機体のレーダーは特別なんだ。早く態勢を整えて」
ヴィニアさんは異議を唱えたが、ユラさんの説得によって、彼女も態勢を整えた。
僕もアシュラの中から可変アサルトユニットを取り出し、大剣に変形させた。
これだけなのはガンユニットは残弾に、シールドは強度に不安があるからだ。
霧の中から現れたのはゴブリンだった。
雑魚だけど、数は多く、30体以上いる。
ちゃんとした武装をしているタイプで、ボロボロだが剣や斧などを持っていた。
霧から現れた瞬間、フォートレスが先制攻撃が仕掛けた。
それにより先頭にいたゴブリンは全滅。後ろにいたゴブリンの一部にも被害が出ている。
紅霞と共に突撃。
残ったゴブリンたちを始末していった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,346
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる