婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

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《188話》

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「それではセブンさんが帰って来る前に女性と男性の体の仕組みを説明しますわね」

 ニッコリとマーガレットが笑った。

「女性の場合は、興奮すると骨盤が充血し、腟の壁からさらさらとした潤滑液が染み出てきて、いわゆる「濡れる」という状態となります。
サラさんが今朝起こったのはこの状態です。
女性なら皆にある事ですから恥ずかしがることではないんですよ。
勿論お漏らしとは全然違います。
その量は個人差があり、体質や体調によって大きく左右されるものですの。
 あまり濡れないとか摩擦で痛いなどの悩みを抱えたら、潤滑ゼリーを使うことも有効ですわ。
ただし、マッサージ用のものや粗悪なもの、体に合わないものを選ぶと炎症などの原因にもなるため、選ぶ時はオーガニックの製品など、口の中に入れても安全な成分でできたものを選ぶのがおすすめです。
お互いが気持ちよく、女性が苦痛なくセックスをするために、パートナー、この場合はセブンさんですね、とよく話し合っていろいろ試していくのもよいでしょうね。
また、クリトリスが大きく膨らんできます。
指や舌で刺激を与えると、さらに、外陰部が赤みを増し、腟口が広がり始めます。
ここまでの反応が見られたら、相手の同意を得た上でですが、指やペニスを腟内に挿入しても大丈夫だという目安となりますわ」

 サラは恥ずかしがることも無く、女性の身体のメカニズムを口にするマーガレットを見て、今日の事は恥ずかしい事ではない、誰にでもある現象だと知った。
 心の痞えが取れる。
 19歳で”お漏らし”なんて恥ずかしすぎる上にセブンに顔向けできない。

 まぁエッチな夢を見て愛液で下着を濡らすことはよく考えたら恥ずかしい事なのだが、マーガレットの優しい口調で説明されるとそれも気にならなくなる。

 後で恥ずかしくなるかもしれないが。

 取り合えずサラの目下の悩みであった”お漏らし”は解決された。
 安心してセブンの顔を見れる。
 多分。
 夢の内容が恥ずかしくて挙動不審になるかも知れないが。

「セックス=性行為として考えた時、その種類はさまざまです。腟性交のほかに、口腔性交(オーラルセックス=フェラチオ、クンニリングス、リミング)、肛門性交(アナルセックス)も含まれていますわ。
もし、パートナーの同意を得て、性器を使った性交をすることになった場合、大事なのは相手の体を気遣い、思いやることです。
いきなり性器に触れたり、挿入しようとするのは、痛みをともなうこともあるのでやめてくださいね。
 ハグやキスをしたり、耳や背中、乳首、お腹、太ももなど、体のさまざまなパーツに優しく触れたりと、お互いの心と体がリラックスできる状態に導いていきましょう。
この辺りはセブンさんのお仕事ですわね。
すると、次第に性的な興奮が生まれ、体にはさまざまな反応があらわれますの。
男性の場合は、ペニスに血流が充満し勃起します。
そこに手や舌などで刺激を与えると、普段は下がっている陰嚢が持ち上がり、尿道からカウパー腺液がにじみ出て、射精までのあいだずっと分泌され続けます。
これは、尿道をきれいにしたり、挿入時の摩擦を軽減する役割があります。
また、女性の腟の中は弱酸性に保たれていますが、そのままでは精子が死んでしまうため、腟の中を中和して受精しやすくするという働きも持っています。
そして、ペニスが射精の衝動を抑えられなくなると、膀胱の括約筋が 締まり、骨盤の底にある筋肉が収縮、そのリズムに合わせて尿道から精液が出ますわ。
その後、1分ほどでペニスから血が引き上げ、勃起がおさまり、ほどなくペニスは通常のサイズに戻っていきますのよ」

 マーガレットは男の正反応も説明してくれる。
 正直サラは恥ずかしい。
 セブンの身体をがっつり想像してしまった。
 よくマーガレットは恥ずかしくないものだ。
 中々に図太い神経をしているのかいないのか?
 流石はサイヒの実の姉と言ったところだろう。

「サラさん、最初は戸惑う事が多いかと思いますが、貴方のパートナーを信じて体と心を預けて下さいね。きっとセブンさんもそれに答えてくれるでしょうから
素敵な関係に進める様に私も応援していますわ」

 マーガレットは微笑みサラの手を握った。
 温もりが流れ込んできて安心する。
 それにしても綺麗な手である。
 男性が好むような小さく肌の肌理が細かく白い手だ。
 きっと家事に追われたりしたことが無いのだろう。
 マーガレットは王太子妃になる女性だ。
 上流階級の女性である。
 全ての者事は従者が行うのだろう。

 スラムで生まれて聖女として扱き使われて今は働きながら家事も手伝うサラの少々武骨な手とは大違いだ。

 セブンもこんな手の方が好みであろう。
 そう思いサラは少し凹んだ。
 生まれた環境が違い過ぎる。
 今更、手の形で悩んでも仕方がない。
 スキンクリームは真面目に塗ろう、そうサラは決心した。

「マーガレット様、有難う、ごさい、ます」

「頑張って下さいねサラさん」

 微笑むマーガレットはまさに聖女だ。
 自分もこんな綺麗な女性になりたいと、サラは初めて自分以外の女性を羨んだのだった。
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