婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

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《143話》※アコロ王子Side7

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「そ、其方は何者だ!!!」

 その夜、アコロ王子の寝室のカーテンが風で揺れた。
 もう寝る用意をしていたアコロ王子は寝着で、心許ない恰好である。
 バルコニーに続く窓を閉めようと立ち上がった。
 刺客が入って来る可能性が0とは限らない。

 既に王太子の座は弟のアポロ王子に譲られたが、アコロ王子とて立派に王位継承権2位なのだ。
 いつかは王太子の座も取り戻そうと模索中でもある。

 そんなアコロ王子の身柄を狙うものは決して少なくない。
 なのでアコロ王子の寝室には結界が張ってある。
 扉に腕の立つ護衛も居る。

 刺客の1人如きに怯える昼用は無い。

 だが空いた窓から吹いてくる風が冷たくて、アコロ王子はぶるりと身を震わせた。

(何かが見ている?)

 視線を感じる。
 背筋に悪寒が走る。
 そして別の刺激が体中を這う。

 だが結界は破られた様子はないし、護衛達も騒いでいない。
 気のせいだと結論づけて、アコロ王子は窓に向かった。

 パタン

 アコロ王子は窓を閉めた。
 明日には窓の鍵が締まっていなかったことを部屋の支度担当のメイドに仕置きをくれてやらなければなるまい。
 アコロ王子はペロリと唇を舐めた。

 アコロ王子の部屋は王子自ら決定したメイドたちが管理している。
 勿論何かミスがあればアコロ王子自ら仕置きをする。

 明日はどんなことをしてやろうか?
 下着を1日中付けさせないのも良い。
 ノーパンノーブラで1日メイド業をさせてやるのだ。
 目にも良いし、羞恥で戸惑うメイドの姿は見ごたえがあるだろう。
 時折見えるかも知れないスカートの中に思いを馳せる。
 シャツの下から主張する乳首をたまに刺激してやっても良い。
 ミニ丈のメイド服から伸びた足に、愛液が垂れているのはさぞやそそるであろう。

 この時点でアコロ王子の小さな陰茎は臨戦態勢になっていた。
 臨戦態勢になっても弟のアポロ王子よりその陰茎が小さい事は言ってはならない。
 アコロ王子は父親である国王の女好きの部分は似たが、下についている男のシンボルの大きさは遺伝しなかったのだ。
 だが小さな陰茎でも立てば少しは先っちょが「こんにちは」する。
 淫汁も垂れてくる。
 下着をこのままでは汚してしまうと思い、アコロ王子は下腿の衣類を脱いだ。
 どうせ誰も見ていない。
 己の部屋で開放的になっても何1つ問題はあるまい。

「ほう、自分で用意をするとは良い心がけだ」

 中性的な甘いアルトの声。
 その声がアコロ王子の耳朶を犯す。

「だ、誰だ!?」

 部屋を見渡すと、いつの間にかソファに座りティータオルを楽しむ美形の少年が居た。
 どこから用意したか分からないが、湯気の立つ紅茶を口に含む仕草がやけに淫靡である。
 軽食迄テーブルに用意されている。
 先ほどまで何も存在しない筈だったのに。

 ちらり、と少年の翡翠色の切れ長の双眸がアコロ王子に向けられた。

「あ、あああああああああああああああああああ!!!」

 がくがくと足が震える。
 腹の奥がキュンキュンと切なくなる。
 乳首がたち寝着を押し上げて存在を主張していた。
 そこからジワリ、と母乳が溢れる。

 チョロチョロチョロ………

 下腿を伝い、尿が陰茎から流れ出す。
 そして後ろの孔が切なく疼いた。

「魂の雌化は消してやったはずなのだがな、体が覚えているのか?」

「ひぃ、た、す、け…………」

 結界が破られた形跡はない。
 そんなもので全能神の侵入を阻めるわけがないのだ。

「さてアコロ王子、私の愛し子に行ってきた仕打ちの対価を払う時が来たぞ」

 ニィ、と美貌の少年が笑う。
 空色の髪が夜の闇でも美しくその色を主張する。
 その圧倒的な存在感と圧に、アコロ王子は気を失った。
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