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《127話》アコロ王子side6

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 気が付いたら宰相の汚らしいおっさんに乳を吸われていたところだった。
 私の美しい胸があのような醜い男に吸われるなど吐き気がする。
 その日は天然に風呂で侍女たちに体を洗わせた。
 勿論体でだ。
 いつの間にか真性包茎も治っている。
 1年間の記憶は無いが、悪い事ばかりでもない。

 風呂で裸の女たちを鳴かせてやり(演技です)私は神殿に向かった。

 あぁ、愛しのミキティアはどしているだろうか!?
 ただでさえ美しかったのだ。
 聖女となり1年、美しさには磨きがかかっているだろう!

 そして次の日早速私は神殿に来た。
 司教かロマンスグレーのイケオジに変わっていた。
 代変わりしたのか?
 その割には名前は同じだな。
 後、司教の説法を聞きに来ているゴブリン共は何なんだろうか?
 まぁ大人しいから良しとしよう。

 そう、ゴブリンなどどうでも良い。
 ミキティアだ。

「ミキティア!会いに来たぞ!」

「アコロ王子!?私を迎えに来て下さったのですか!!」

 ソコにはセイウチが居た。
 いや、セイウチに悪い。
 彼らには可愛さがある。
 だがこれに可愛さはない。
 
 でっぷりと越えた身体。
 己で尻を拭くのも無理だろう。
 着れる服が無いので大きな布を繕っただけのひらひらの服。
 そのくせ布にはたんまり宝石が使われている。
 税の極みだ。

「う、うううううう噓だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 私の女神が!
 あんなに美しかったミキティアが!?
 やはり聖女など碌なものが居ない。
 こうして私はすごすごと王宮に帰ってきた。

 途中で女を買う気力すら湧かなかった。
 これは失恋と言うやつだろう。
 私は本気でミキティアを愛していたのだ。

 王宮に帰ると町医者とナースが来ていた。
 父の主治医らしい。
 町医者が主治医とは呆れる。
 王宮専属医師は何をしているんだ。
 今やすっかり医療の権利は町医者が握っている。
 何でも天才と呼べる才の持ち主らしい。
 専属医師たちも羨望の眼差しで見ている。

 どうせなら女医が良かったのに。

 だが連れは悪くない。
 ナースが1人と法術師が1人。

 ナースの方はピンクのミニのナース服だ。
 ボンッキュッボンッの我儘バディだ。
 垂涎モノだが、あの系統の阿婆擦れはもう飽きた。
 プライドも高そうだし相手をしてやる気にはならない。
 決して昔スタイルの良い女に租〇ンを馬鹿にされたトラウマではない!
 絶対に違う!!

 ならば法術師の方は?

 チョコレート色の髪に瞳。
 清楚で可憐な美少女。
 少しロリが入っているところも悪くない。
 体は華奢だな。
 だがささやかな胸は育てがいがありそうだ。

 よし、今晩はあの法術師を褥の相手を務めさせよう。

 そう決心して私は法術師に声をかけるべく、町医者の一行のほうへ足を進めた。
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