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《128話》
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「ご苦労だな町医者」
傲岸不遜な態度の美青年がセブンに声をかけた。
そう美青年である。
アコロ王子は見栄えだけは良いのだ。
女2人も自分に見惚れているだろう。
そう思いアコロ王子はナナとサラを見た。
「!?」
ナナは溜息をついていた。
アコロ王子の租〇ンに本能で気付いたのだ。
サキュバスのナナはどうせ食べるなら生命力の強い男、または見事な物を持っている男が良い。
残念ながらアコロ王子はどちらにも当てはまらない。
冷めた目のナナを見てアコロ王子は戸惑った。
(私を見て欲情しないだと!?)
かなりの自信家である。
アコロ王子は己の美貌と性技に自信があるのだ。
抱いた女の人数は数知れず。
泣かせた女の人数も数知れず。
それが女の演技の上に成り立っているものだとは気付いていない。
ならば法術師の方はどうだと視線を向けた。
法術師ーサラはセブンの後ろに隠れていた。
少しプルプル震えてアコロ王子に目線を合わせないようにしている。
(ほう、こちらの女は男慣れしていないようだな。私を直視する勇気もないとは。初心な反応で嫌いではないぞ。普段からこのモヤシみたいな草臥れたオヤジと居るから、私のような美貌は見る勇気がないのだろう)
ニヤリとアコロ王子が笑う。
「そこの法術師、今晩私の相手を務めさせてやるぞ」
「ヒィッ」
サラがますますセブンの後ろに隠れる。
ギュ、と白衣を握る手に力が篭る。
アコロ王子の言った意味が分かったのだ。
それ故に恐怖に身を竦ませた。
何故自分を捨てたアコロ王子が今さらになって自分にそんな事を言うのだろうと。
サラにとってはアコロ王子の中で自分は女にカテゴリーされていない筈だったのだ。
確かに1年前はそうだった。
だが今は事情が違う。
サラは今は美少女に成長したのだ。
本人には自覚が無いが。
「せ、セブン、さん」
「大丈夫だアラ、相手にする必要はない」
セブンがアコロ王子を睨む。
実の父が病で臥せっている時に女を求めるアコロ王子に腹が立った。
国王はセブンにとって大切な兄だ。
そして自覚は無いがサラはセブンにとって1番大事な女だ。
2人を同時に侮辱されたことでセブンは表に出さないが怒り狂っていた。
その黒い瞳がアクアマリンのような湖色の瞳に変わる。
後ろにいるサラにだけその変化は見られない。
アクアマリンの瞳には怒気の冷たい炎が宿っていた。
「な、何だ…不敬罪で訴えられたいのか!私はこの国の第1王子だぞ!!」
「ならこちらは国王様の主治医だ。国王様の命を縮めたいのか?俺が居なくなれば治療できるものは居ない。間接的にお前が国王様を殺したことになるぞ?」
「な、詭弁をっ!」
「詭弁ですむと思うか?」
セブンの怒気にアコロ王子が竦む。
こんなに表立って殺気をぶつけられた事が初めてなのだ。
「ちょ、ドクター、色!色!」
「!」
ナナがサラに気付かれないように小声でセブンに言う。
その言葉にセブンは怒りのあまり【色彩変化】の魔術が解けそうになっているのだと気づいた。
改めて魔術をかけ直す。
アクアマリンの瞳は元の凡庸な黒の瞳に戻った。
「お前…魔術師か……?」
「魔術も使える医者だ」
「不審者め」
「で、国王様の主治医の俺を訴えるのか?訴えないのか?」
「お前などどうでも良い。俺はそこの女に話があるんだ」
ガッ
グイッ!
アコロ王子がセブンの白衣を掴むサラの手を力ずくで握り、体を引っ張る。
その思いがけない力にサラの身体がアコロ王子の胸へ転がった。
「あ、アコロ、王子、痛い、です…」
涙目のサラがアコロ王子を上目遣いで見る。
幼さの残るその愛らしい顔立ちの涙目は、S気がある者にはたまらないご馳走だ。
アコロ王子もゴクリと唾をのみ、そして記憶に残るその声と喋り方で気付いた。
「お前、サラ・ジュソウか!?」
「ウチの従業員に手を出すな!」
グイッ
セブンがサラの腕を掴み己の方へ引こうとする。
反対の手をアコロ王子が掴み、2人によりサラの取り合いになる。
「いたい、です………」
サラの瞳から涙が零れそうになる瞬間、思いもよらないところから救いの手はさし伸ばされた。
「あっれ~セブンとアコロ王子何してんの?」
レオンハルトが現れたのだ。
「レオンハルトさん!」
「レオ、サラちゃんを助けてよ!」
「どう言う状況か分からないけどOK、俺は女の子の味方だからね♡」
バチン☆と音のなりそうなウインクをかます。
様になるから手に負えない。
「ちっ、今日の所は引いてやる」
「あれ、行っちゃうの?」
「宰相如きが気軽に私にため口をきくな!」
怒りながらアコロ王子は姿を消した。
「何あれ?」
「害虫よ害虫」
「今からドロドロ愛憎劇見れると思ったのに残念」
「お前には人の心は無いのか?と言うか愛憎劇ってなんだ?」
「う~ん天然、でもサラちゃんが無事で良かったな」
「レオンハルトさん、ありが、とう、ございます………」
ふにゃ、とサラが笑う。
レオンハルトもサラの頭を優しい笑顔で撫でてやる。
(こいつ危機管理能力が低すぎないか?)
気安く頭を撫でさせるサラと、珍しく大人のお兄さんをしているレオンハルトを見てセブンは何故かイラついた。
原因は、セブンとサラだけが気付いてない。
「でもあっさり引いたな~」
「そりゃ男として上位互換が出てきたら居辛いでしょうからね♡」
美形で色気があって仕事が出来て逞しくて雄々しいレオンハルト。
アコロ王子も隣には並びたくないのだろう。
「ま、何でもいーや。とりま帰って飯食おう。セブン、この前神様に出したって言ってた”まーぼーどうふ”食いたいわ俺」
「今回はお前のお陰で大事にならなかったみたいだしな、良いだろう、舌鼓を打ちすぎて舌を麻痺させるが良いわクックックッ」
「まーぼー」
サラがキラキラしている。
すっかり中華の虜である。
「食いながらアホロ王子対策でも話そうや」
「だな」
こうして本日の夕食は麻婆豆腐に決まった。
そしてナナは気付いてないが、レオンハルトの頼みを聞いたことでデザートになること確定だった。
傲岸不遜な態度の美青年がセブンに声をかけた。
そう美青年である。
アコロ王子は見栄えだけは良いのだ。
女2人も自分に見惚れているだろう。
そう思いアコロ王子はナナとサラを見た。
「!?」
ナナは溜息をついていた。
アコロ王子の租〇ンに本能で気付いたのだ。
サキュバスのナナはどうせ食べるなら生命力の強い男、または見事な物を持っている男が良い。
残念ながらアコロ王子はどちらにも当てはまらない。
冷めた目のナナを見てアコロ王子は戸惑った。
(私を見て欲情しないだと!?)
かなりの自信家である。
アコロ王子は己の美貌と性技に自信があるのだ。
抱いた女の人数は数知れず。
泣かせた女の人数も数知れず。
それが女の演技の上に成り立っているものだとは気付いていない。
ならば法術師の方はどうだと視線を向けた。
法術師ーサラはセブンの後ろに隠れていた。
少しプルプル震えてアコロ王子に目線を合わせないようにしている。
(ほう、こちらの女は男慣れしていないようだな。私を直視する勇気もないとは。初心な反応で嫌いではないぞ。普段からこのモヤシみたいな草臥れたオヤジと居るから、私のような美貌は見る勇気がないのだろう)
ニヤリとアコロ王子が笑う。
「そこの法術師、今晩私の相手を務めさせてやるぞ」
「ヒィッ」
サラがますますセブンの後ろに隠れる。
ギュ、と白衣を握る手に力が篭る。
アコロ王子の言った意味が分かったのだ。
それ故に恐怖に身を竦ませた。
何故自分を捨てたアコロ王子が今さらになって自分にそんな事を言うのだろうと。
サラにとってはアコロ王子の中で自分は女にカテゴリーされていない筈だったのだ。
確かに1年前はそうだった。
だが今は事情が違う。
サラは今は美少女に成長したのだ。
本人には自覚が無いが。
「せ、セブン、さん」
「大丈夫だアラ、相手にする必要はない」
セブンがアコロ王子を睨む。
実の父が病で臥せっている時に女を求めるアコロ王子に腹が立った。
国王はセブンにとって大切な兄だ。
そして自覚は無いがサラはセブンにとって1番大事な女だ。
2人を同時に侮辱されたことでセブンは表に出さないが怒り狂っていた。
その黒い瞳がアクアマリンのような湖色の瞳に変わる。
後ろにいるサラにだけその変化は見られない。
アクアマリンの瞳には怒気の冷たい炎が宿っていた。
「な、何だ…不敬罪で訴えられたいのか!私はこの国の第1王子だぞ!!」
「ならこちらは国王様の主治医だ。国王様の命を縮めたいのか?俺が居なくなれば治療できるものは居ない。間接的にお前が国王様を殺したことになるぞ?」
「な、詭弁をっ!」
「詭弁ですむと思うか?」
セブンの怒気にアコロ王子が竦む。
こんなに表立って殺気をぶつけられた事が初めてなのだ。
「ちょ、ドクター、色!色!」
「!」
ナナがサラに気付かれないように小声でセブンに言う。
その言葉にセブンは怒りのあまり【色彩変化】の魔術が解けそうになっているのだと気づいた。
改めて魔術をかけ直す。
アクアマリンの瞳は元の凡庸な黒の瞳に戻った。
「お前…魔術師か……?」
「魔術も使える医者だ」
「不審者め」
「で、国王様の主治医の俺を訴えるのか?訴えないのか?」
「お前などどうでも良い。俺はそこの女に話があるんだ」
ガッ
グイッ!
アコロ王子がセブンの白衣を掴むサラの手を力ずくで握り、体を引っ張る。
その思いがけない力にサラの身体がアコロ王子の胸へ転がった。
「あ、アコロ、王子、痛い、です…」
涙目のサラがアコロ王子を上目遣いで見る。
幼さの残るその愛らしい顔立ちの涙目は、S気がある者にはたまらないご馳走だ。
アコロ王子もゴクリと唾をのみ、そして記憶に残るその声と喋り方で気付いた。
「お前、サラ・ジュソウか!?」
「ウチの従業員に手を出すな!」
グイッ
セブンがサラの腕を掴み己の方へ引こうとする。
反対の手をアコロ王子が掴み、2人によりサラの取り合いになる。
「いたい、です………」
サラの瞳から涙が零れそうになる瞬間、思いもよらないところから救いの手はさし伸ばされた。
「あっれ~セブンとアコロ王子何してんの?」
レオンハルトが現れたのだ。
「レオンハルトさん!」
「レオ、サラちゃんを助けてよ!」
「どう言う状況か分からないけどOK、俺は女の子の味方だからね♡」
バチン☆と音のなりそうなウインクをかます。
様になるから手に負えない。
「ちっ、今日の所は引いてやる」
「あれ、行っちゃうの?」
「宰相如きが気軽に私にため口をきくな!」
怒りながらアコロ王子は姿を消した。
「何あれ?」
「害虫よ害虫」
「今からドロドロ愛憎劇見れると思ったのに残念」
「お前には人の心は無いのか?と言うか愛憎劇ってなんだ?」
「う~ん天然、でもサラちゃんが無事で良かったな」
「レオンハルトさん、ありが、とう、ございます………」
ふにゃ、とサラが笑う。
レオンハルトもサラの頭を優しい笑顔で撫でてやる。
(こいつ危機管理能力が低すぎないか?)
気安く頭を撫でさせるサラと、珍しく大人のお兄さんをしているレオンハルトを見てセブンは何故かイラついた。
原因は、セブンとサラだけが気付いてない。
「でもあっさり引いたな~」
「そりゃ男として上位互換が出てきたら居辛いでしょうからね♡」
美形で色気があって仕事が出来て逞しくて雄々しいレオンハルト。
アコロ王子も隣には並びたくないのだろう。
「ま、何でもいーや。とりま帰って飯食おう。セブン、この前神様に出したって言ってた”まーぼーどうふ”食いたいわ俺」
「今回はお前のお陰で大事にならなかったみたいだしな、良いだろう、舌鼓を打ちすぎて舌を麻痺させるが良いわクックックッ」
「まーぼー」
サラがキラキラしている。
すっかり中華の虜である。
「食いながらアホロ王子対策でも話そうや」
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こうして本日の夕食は麻婆豆腐に決まった。
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