婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

文字の大きさ
16 / 264

《14話》※

しおりを挟む
※BL(?)・スカ〇ロ(小)表現あり


 診療所にはミニキッチンの付いた狭い休憩室があった。
 壁の端に寝台が1つ。
 コレは医師が休憩中に午前診と午後診の間に昼寝をするためだと言う。
 そして4人掛けのテーブルと椅子。
 そしてロッカー。
 休憩室はサラの部屋より少し大きいくらいだ。

 コポコポとお茶の注がれる音がする。
 良い香りが部屋に漂う。
 アールグレイの香りだ。

 ベルガモットの香りだけでリラックスでき、それだけではなく紅茶に含まれるテアニンに加え、ベルガモットに含まれる酢酸リナリル、リナロールには気持ちを落ち着かせる効能が期待できる。
 精神安定や、リラックス効果が期待できるので、イライラした時や緊張している時に飲んむのがお勧めだ。
 アールグレイの効能の中で一番即効性のあるものだ。
 ミルクを加えるとリラックス効果がアップ、レモンを加えると疲労回復の効果も期待できる。

 紅茶に含まれるカフェインには、代謝を高めて脂肪燃焼を促す効果が期待できる。
 それに加えてベルガモットの方向成分であるリモネンには、血流をよくして体を温める効果がある。
 体温が上がるだけで消費カロリーが変わってくるので体を温めることはダイエットで重要だ。

 また、リモネンには腸の運動を活性化する働きもあり、下痢や便秘解消にもつながる。
 便秘の解消はダイエットの第一歩だともいわれている。
 バナナを一緒に食べたり、ハチミツを入れたりすると整腸作用がアップ。
 
 血行が良くなり、便秘解消されると、肌への効果も期待できる。
 便秘は体内に毒素が溜まっている状態だ。
 溜まっている毒素は便として排出されないと、毛穴から出ていく。
 つまり、肌荒れの原因になってしう。
 便秘を改善させることは美肌にもつながっていく。

 また、紅茶に含まれるカフェインやテアニンには抗酸化作用があるのでアンチエイジング効果も期待できる。

 レモンやオレンジを加えるとビタミンが摂取できるので美肌効果が高まる。

 ベルガモットにも紅茶にも抗菌作用がありますので風邪の予防にも効果的だ。

 また、ベルガモットはうがい薬や口内炎の治療薬としても使われてきた。
 爽やかな香りが喉にもよい効果を与えてくれる。

 このように、アールグレイにはさまざまな効能が期待できる。
 とはいえ、飲み過ぎは禁物なので紅茶は1日2~3杯を目安に飲むようにする。
 まさに診療場に相応しい紅茶だ。

 そしてクッキー。
 5種類ものクッキーがサラの皿の上に置かれていた。

 ココナッツ。
 サクッとしたやわらかい生地、ココナッツのつぶつぶ感とほんのり香る風味、適度な甘さが大変おいしい。
 軽い食感のクッキー生地で、それにココナッツのつぶつぶ食感が合っている。
 
 オールドファッションシュガー
 硬い食感、厚い生地にミルクのコクや卵感をダイレクトに味わえる。
 バニラが甘味を引き立ている。

 アーモンドチョコチップ
 サクッとしたやわらかい生地、甘さとこってりさを感じるチョコチップにアーモンドのつぶつぶ感と風味が際立ち、おいしい。
 チョコチップと香ばしいローストアーモンドの組み合わせも合っている。
 ローストアーモンドの存在感が強く、甘さがちょうどいい。

 ダブルチョコナッツ
 チョコ生地とチョコチップが使われていて、ガトーショコラのようなチョコ風味の強い。
 チョコの甘さ、苦味、香り、こってり感にアーモンドの香ばしさが合っている。
 生地は硬すぎずやわらかすぎずな感じで、アーモンドのつぶつぶ感が食感のアクセントになっている。
 ナッツが主張しすぎず、量のバランスがいい。
 甘さはチョコの風味や苦味がある分クッキーにしては控えめで、甘ったるくならずに食べやすい。

 オレンジマーマレード
 ザクザクとした硬めの食感の生地にオレンジの爽やかな香りと若干の酸味、甘さが合っている。
 オレンジピールのようなものの食感もあり、楽しい。
 ここまでチョコ系やカスタード系の味のクッキーを食べていて、箸休めのような感じでおいしく食べられる。

「おいひい…おいひい、れふ……クッキーと紅茶、最高れふぅ~~~グスン」

「な、何故泣く…?」

 泣きながらクッキーを貪るサラに医師が少し引いている。

「私、紅茶もクッキーも、初めて、なんですぅ~~ウッウッ」

「それは随分辛い人生を歩んできたのね。これからはお姉さんが守ってあげるから大丈夫よ♡」

「隙をついて身を寄せるなエロナース」

「あん、ドクターこわ~い♡」

「甘いものでこれだけ感動できるとか、本当に蟻みたいだな…まぁ旨い物食わせておけば激務にも耐えれそうで良い人材だ。クックックッ」

「ドクタ~、悪い人にしか見えませんよ~♡」

「ウッウッ、おいひい、おいひ~グズグズ」

 何ともカオスな光景だ。

「で、アラ。お前何して神殿をリストラされたんだ?」

「新しい聖女が就任するから出て行け、と言われまして~グスン」

「悲しみの涙なのか、クッキーに感動しているのか分からんが、取り合えず鼻水を拭け…」

 医師がサラにテッシュを渡す。

「ズビバゼン…チーンッ!」

「女子力も神殿に置いて行きたのか…?」

「やーん無垢で可愛い~♡」

「お前は黙れエロナース。で、アラ。俺がこの診療所の主治医のドクターセブンだ。こっちのエロナースがナナ。ナナはナースと薬師の二刀流だ。あっちの方も二刀流だ。せいぜい食われないように気を付けろ」

「セブンさんとナナさん、ですね。で、ナナさんはサキュバス、ですね」

「「なっ!?」」

「処置中に痛みを快楽に変えて麻酔、ですか?それは痛くなくてとても良い、ですね」

「成程…腐っても聖女と言う訳か……良い拾い物をした」

「元聖女、気にならない、ですか?」

「まぁ、そんな事もあるだろう。神殿は腐っているからな。ソレに比べて此処は良いぞ~これから毎日クッキーが食えるぞ~美味しい紅茶も飲めるぞ~月に1回はケーキバイキングにも連れて行ってやるぞ~」

「はぅぅぅ、ケ、ケーキバイキング!?何という甘美な言葉!!此処に居れば毎日甘いモノ食べれる、ですね!!」

「サラちゃん”お菓子あげるから付いといで”て言うオジサンに無暗に付いて行ったら駄目だって、子供の頃教えて貰える生活じゃなかったのね…」

 ナナの垂れ目が捨てられた子犬を見る憐みの視線でサラを見る。

「ドクターはオジサンじゃないから甘いもの貰っても付いて行って良い、ですね」

「おーそうだぞ、俺はオジサンじゃないからな!アラ、俺の分のクッキーも食って良いぞ」

「ドクターはやっぱり良い人、です!!」
 
 三十路になってからオジサン扱いが耐えないセブンに、サラの言葉は気持ちよく突き刺さった。
 そう、自分はまだ”お兄さん”なのだと。
 紅茶とクッキーでサラはすっかりセブンとナナに懐いてしまった。
 安い女である。
 だがサラの未来はどうやら甘い生活に満ち溢れているらしい。

 :::

「ヒィッ!痛い、もっと優しくしろ!!」

「はぃぃ殿下!!」

 今日もアコロ王子は女豹のポーズで臀部に軟膏を塗られていた。
 医師も今度こそアコロ王子のアナルに指を挿入させないよう、慎重な手つきだ。
 他の介助者もアコロ王子の尻が動かないようガッツリと掴んで、1ミリも動かさないよう必死だ。
 何と言ってもまた脱糞されたら堪ったものでは無い。

 ヌルッ
 ニュルッ
 ヌチュッ

 軟膏はアコロ王子の秘孔を刺激する。

「おぅお、お、お、……」

 最近ではアコロ王子が怪しげな声をあげる様になった。
 是非開発される前に傷を治して貰いたいものだ。
 医療班一丸の想いである。

「はぁ~はぁ~、お、終わったか?」

「はい、終わりました……」

「では私は部屋に帰るぞ」

 キリッ、とした表情をして言っては見るが、先程まで涎を垂らしてアヘッていた表情を見ていた者にとってはまが抜けて見えてしょうがない。
 ズボンを上げ、ベルトを締める。
 
 医師も今日は無事に終わったとマスクを外した。

 しかし、快楽と痛みに身をゆだねていたアコロ王子の下半身は力が入らず、腰と膝はガクガクだった。
 ベルトを締めようとした瞬間、アコロ王子の膝から力が抜けた。

「うおっ!!」

「ひぃいっ!!」

 ズダーーーーーッン!!

 ブチュゥ~

 倒れたアコロ王子は初老の医師を下敷きにした。
 そしてその唇はマスクを外した初老の医師の唇へと重ねられていた。

「「「「「なぁぁぁぁっぁっ!!!」」」」」

 医療者から悲鳴が上がる。

「うっ、おえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

「ひぃぃぃぃぃお許しください殿下ぁぁぁ!!」

「私の!私の穢れなき唇がぁぁぁぁぁっ!!!極刑だ!貴様、極刑だ!!」

「殿下、お許しください!!」

 ジョロロロロロロ

 医師の股間が水で濡れていく。
 ちなみにアンモニア臭を発している。

「汚らわしい爺がぁ――――っ!」

 アコロ王子は椅子を手にとり、医師を殴りかかろうとする。

「おやめください殿下!」

 医療者の1人がアコロ王子の服の裾を掴んだ。

「うわっ!」

 ズルッ!

 バシャーーーーーンッ!!

 アコロ王子が医師の作った黄金の聖水の水溜まりに顔からダイブした。

「うわぁぁぁぁっ口に!口に小便がぁぁぁっ!!」

 トン

 ドタッ

「こっちの方が早そうだからな…」

「騎士団長!」

 医務室に入って来ていた大柄な彫りの深い顔立ちをした男が、アコロ王子の延髄に手刀を叩き込みアコロ王子の意識を刈り取った。

「有難うございます騎士団長!」

「医師様!無事ですか!?」

 医師は泡を噴いて倒れていた。

「んじゃ俺が殿下を連れて行くから医師の爺さん頼んだぞ」

「有難う御座います騎士団長!」

「助かりました騎士団長!」

 騎士団長は片腕でアコロ王子を抱え、医務室を出て行った。

「悲鳴が聞こえるから何かと思ったが…最近何か変じゃないか……?」

 加護がある者には、この城内で起こっている最近の異様な出来事に違和感を覚える者が出始めていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 色んなプレイがありましたが、R-18タグは必要ですか?(笑)
しおりを挟む
感想 951

あなたにおすすめの小説

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

王子よ、貴方が責任取りなさい

天冨 七緒
恋愛
「聖女の補佐をしてくれないか?」  王子自ら辺境まで訪れ、頭を下げる。  それほど国は、切羽詰まった状況なのだろう。  だけど、私の答えは……  皆さんに知ってほしい。  今代の聖女がどんな人物なのか。  それを知った上で、私の決断は間違いだったのか判断してほしい。

【完結】何でも奪っていく妹が、どこまで奪っていくのか実験してみた

東堂大稀(旧:To-do)
恋愛
 「リシェンヌとの婚約は破棄だ!」  その言葉が響いた瞬間、公爵令嬢リシェンヌと第三王子ヴィクトルとの十年続いた婚約が終わりを告げた。    「新たな婚約者は貴様の妹のロレッタだ!良いな!」  リシェンヌがめまいを覚える中、第三王子はさらに宣言する。  宣言する彼の横には、リシェンヌの二歳下の妹であるロレッタの嬉しそうな姿があった。  「お姉さま。私、ヴィクトル様のことが好きになってしまったの。ごめんなさいね」  まったく悪びれもしないロレッタの声がリシェンヌには呪いのように聞こえた。実の姉の婚約者を奪ったにもかかわらず、歪んだ喜びの表情を隠そうとしない。  その醜い笑みを、リシェンヌは呆然と見つめていた。  まただ……。  リシェンヌは絶望の中で思う。  彼女は妹が生まれた瞬間から、妹に奪われ続けてきたのだった……。 ※全八話 一週間ほどで完結します。

お父様、お母様、わたくしが妖精姫だとお忘れですか?

サイコちゃん
恋愛
リジューレ伯爵家のリリウムは養女を理由に家を追い出されることになった。姉リリウムの婚約者は妹ロサへ譲り、家督もロサが継ぐらしい。 「お父様も、お母様も、わたくしが妖精姫だとすっかりお忘れなのですね? 今まで莫大な幸運を与えてきたことに気づいていなかったのですね? それなら、もういいです。わたくしはわたくしで自由に生きますから」 リリウムは家を出て、新たな人生を歩む。一方、リジューレ伯爵家は幸運を失い、急速に傾いていった。

私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか

あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。 「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」 突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。 すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。 オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……? 最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意! 「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」 さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は? ◆小説家になろう様でも掲載中◆ →短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます

【完結】大聖女は無能と蔑まれて追放される〜殿下、1%まで力を封じよと命令したことをお忘れですか?隣国の王子と婚約しましたので、もう戻りません

冬月光輝
恋愛
「稀代の大聖女が聞いて呆れる。フィアナ・イースフィル、君はこの国の聖女に相応しくない。職務怠慢の罪は重い。無能者には国を出ていってもらう。当然、君との婚約は破棄する」 アウゼルム王国の第二王子ユリアンは聖女フィアナに婚約破棄と国家追放の刑を言い渡す。 フィアナは侯爵家の令嬢だったが、両親を亡くしてからは教会に預けられて類稀なる魔法の才能を開花させて、その力は大聖女級だと教皇からお墨付きを貰うほどだった。 そんな彼女は無能者だと追放されるのは不満だった。 なぜなら―― 「君が力を振るうと他国に狙われるし、それから守るための予算を割くのも勿体ない。明日からは能力を1%に抑えて出来るだけ働くな」 何を隠そう。フィアナに力を封印しろと命じたのはユリアンだったのだ。 彼はジェーンという国一番の美貌を持つ魔女に夢中になり、婚約者であるフィアナが邪魔になった。そして、自らが命じたことも忘れて彼女を糾弾したのである。 国家追放されてもフィアナは全く不自由しなかった。 「君の父親は命の恩人なんだ。私と婚約してその力を我が国の繁栄のために存分に振るってほしい」 隣国の王子、ローレンスは追放されたフィアナをすぐさま迎え入れ、彼女と婚約する。 一方、大聖女級の力を持つといわれる彼女を手放したことがバレてユリアンは国王陛下から大叱責を食らうことになっていた。

処理中です...