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その後
【番外】オウマside13
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ミヤハル様の家に来てから10日がたった。
その日ミヤハル様は謎の行動をしていたのよ。
リビングのテーブルにいっぱい小さい紙があって、ソレを箱に入れている。
そして徐に紙を引くと、出て来た紙に書いてある字をメモ帳に写す。
出した紙をまた箱に入れ、また紙を引く。
そしてメモを。
「ミヤハル様、何やってんすか?」
「ん~そろそろ呼び名決めよ思うてなぁ」
カーペットの上で赤ちゃんのオムツを取り換えながら俺は質問した。
奴隷としてその態度はどうがと思われるだろうが、ミヤハル様相手だから大丈夫だ。
むしろミヤハル様は敬われる事を嫌う。
少しくらいフランクな言葉遣いの方が楽しそうでもある。
そして、呼び名。
呼び名、ねぇ。
「良かったなお前、名前つけてくれるってさ」
オムツが綺麗になって機嫌が良いのか、キャッキャと笑う赤ちゃんに俺は言った。
名前の付け方はどうかと思うが、それでも名前は親からの最初の贈り物何だって言う。
俺の”オウマ”って名前も爺ちゃんが付けてくれた。
だから俺自分の名前大好きなんだよね。
「チビ、来ぃや」
トタトタと可愛らしい足音を立てて兄がミヤハル様の座っているソファの横に座った。
兄の方は初めて抱っこして貰った相手であろうミヤハル様にべったりと懐いている。
表情筋が仕事しないけど、ミヤハル様と居る時はオーラが何か違う。
背景がほわほわして見える。
そして抱っこして貰ったからかミヤハル様との距離感がおかしい。
出来るだけ引っ付こうとしている。
「チビ、お前の名前は今日から”エントビースド”や」
「名前?」
「そう名前、今日からはエントビースドと呼ぶ。気に入らないか?」
「良かったな兄、名前は最高の贈り物だぞ」
俺も横から会話に加わる。
俺の言葉に兄ーエントビースドの目がキラキラ輝いた。
魅入られそうな綺麗な青銀の瞳に魅せられそうになる。
「ミヤハル様からのプレゼント?」
「そう、ウチからのプレゼントや。一生モンやから大切にしてや」
「プレゼント…エントビースド、エントビースド……」
ありゃかなり嬉しかったんだね。
エントビースドが自分の名前を噛み締めるように呟く。
「で、エントの弟は”シックスリ―”や」
「それもプレゼント?」
「そうプレゼント」
「シックスリ―…シックスリ―………」
「呼んだらちゃんと返事するんやで」
「分かった」
エントビースドがコクリ、と首を縦に振る。
そして俺の横に来ると弟ーシックスリ―の手を握って「シックスリ―」と名前を呼んだ。
可愛い兄弟だなぁ。
外見が良いのもあるけど、行動が一々可愛い。
この頃は可愛かったんだよね本当に。
後に魔王様と宰相様になるとは俺も想像もしてなかったね。
だって可愛いチビッ子が名前呼んで嬉しそうにしてんだもん。
絶対なって文官止まりだろうと思ってたよ。
まさか国のトップ1・2になるなんてねぇ。
まぁ俺も騎士団長になっちゃったんだけど。
その日は俺の訓練は無かった。
兄弟の面倒見るのがお仕事。
何でかな~と思ってたら夕食のときに分かったよ。
何時もより豪華なご馳走に、テーブルの真ん中に置かれた果実がいっぱい乗った美味しそうなケーキ。
チョコのプレートに”お誕生日おめでとう”の文字が書かれている。
「お前らは誕生日も分からへんからな。名前つけた今日を誕生日にすることにしたで」
ニッコリ笑うミヤハル様を見て、やっぱりここに来て良かったーて俺は思ったんだ。
その後、俺が爺ちゃんに誕生日付けて貰ってるのを会話の中でぽろっと言ってしまったら俺の誕生日も目一杯祝われたよ。
もう、俺の家族尊すぎ!!
今日はこれで終わり~。
次はちょっと年数進むね。
宰相さんがミヤハル様を意識しだした辺りかな?
期待しないでのんびりまっててね♬
その日ミヤハル様は謎の行動をしていたのよ。
リビングのテーブルにいっぱい小さい紙があって、ソレを箱に入れている。
そして徐に紙を引くと、出て来た紙に書いてある字をメモ帳に写す。
出した紙をまた箱に入れ、また紙を引く。
そしてメモを。
「ミヤハル様、何やってんすか?」
「ん~そろそろ呼び名決めよ思うてなぁ」
カーペットの上で赤ちゃんのオムツを取り換えながら俺は質問した。
奴隷としてその態度はどうがと思われるだろうが、ミヤハル様相手だから大丈夫だ。
むしろミヤハル様は敬われる事を嫌う。
少しくらいフランクな言葉遣いの方が楽しそうでもある。
そして、呼び名。
呼び名、ねぇ。
「良かったなお前、名前つけてくれるってさ」
オムツが綺麗になって機嫌が良いのか、キャッキャと笑う赤ちゃんに俺は言った。
名前の付け方はどうかと思うが、それでも名前は親からの最初の贈り物何だって言う。
俺の”オウマ”って名前も爺ちゃんが付けてくれた。
だから俺自分の名前大好きなんだよね。
「チビ、来ぃや」
トタトタと可愛らしい足音を立てて兄がミヤハル様の座っているソファの横に座った。
兄の方は初めて抱っこして貰った相手であろうミヤハル様にべったりと懐いている。
表情筋が仕事しないけど、ミヤハル様と居る時はオーラが何か違う。
背景がほわほわして見える。
そして抱っこして貰ったからかミヤハル様との距離感がおかしい。
出来るだけ引っ付こうとしている。
「チビ、お前の名前は今日から”エントビースド”や」
「名前?」
「そう名前、今日からはエントビースドと呼ぶ。気に入らないか?」
「良かったな兄、名前は最高の贈り物だぞ」
俺も横から会話に加わる。
俺の言葉に兄ーエントビースドの目がキラキラ輝いた。
魅入られそうな綺麗な青銀の瞳に魅せられそうになる。
「ミヤハル様からのプレゼント?」
「そう、ウチからのプレゼントや。一生モンやから大切にしてや」
「プレゼント…エントビースド、エントビースド……」
ありゃかなり嬉しかったんだね。
エントビースドが自分の名前を噛み締めるように呟く。
「で、エントの弟は”シックスリ―”や」
「それもプレゼント?」
「そうプレゼント」
「シックスリ―…シックスリ―………」
「呼んだらちゃんと返事するんやで」
「分かった」
エントビースドがコクリ、と首を縦に振る。
そして俺の横に来ると弟ーシックスリ―の手を握って「シックスリ―」と名前を呼んだ。
可愛い兄弟だなぁ。
外見が良いのもあるけど、行動が一々可愛い。
この頃は可愛かったんだよね本当に。
後に魔王様と宰相様になるとは俺も想像もしてなかったね。
だって可愛いチビッ子が名前呼んで嬉しそうにしてんだもん。
絶対なって文官止まりだろうと思ってたよ。
まさか国のトップ1・2になるなんてねぇ。
まぁ俺も騎士団長になっちゃったんだけど。
その日は俺の訓練は無かった。
兄弟の面倒見るのがお仕事。
何でかな~と思ってたら夕食のときに分かったよ。
何時もより豪華なご馳走に、テーブルの真ん中に置かれた果実がいっぱい乗った美味しそうなケーキ。
チョコのプレートに”お誕生日おめでとう”の文字が書かれている。
「お前らは誕生日も分からへんからな。名前つけた今日を誕生日にすることにしたで」
ニッコリ笑うミヤハル様を見て、やっぱりここに来て良かったーて俺は思ったんだ。
その後、俺が爺ちゃんに誕生日付けて貰ってるのを会話の中でぽろっと言ってしまったら俺の誕生日も目一杯祝われたよ。
もう、俺の家族尊すぎ!!
今日はこれで終わり~。
次はちょっと年数進むね。
宰相さんがミヤハル様を意識しだした辺りかな?
期待しないでのんびりまっててね♬
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