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本編
51話 宴の始末 その1
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翌日早朝、レスタはユルユルと目を覚まし、ゆっくりと半身を持ち上げた、朝なのに暗いなと寝ぼけまなこを擦り、その部屋が寮の自室である事を思い出して、そっかそうだよねとボーッと室内を見渡す、勿論暗がりの中で何が見えるわけでもない、実家の子供部屋であれば、木戸の隙間と壁の隙間から差し込む朝日でほのかに明るくなるのであるが、この部屋は石造りの建物である、石壁には隙間が無く、木戸もかっちりとした上等な物で、閉め切ってしまえば外の灯りが入って来る事はない、しかし、石造りといっても外の物音は入って来るようで、特に昨晩は街中が全体的に騒々しかった、都会の夜が初めてのレスタはこんなものなのだろうなと特に不思議にも思わず、田舎とはやっぱり違うなと目を瞑ってあっさりと眠りに落ちた、レスタは寝付の良さは自慢できる娘なのである、他にも自慢できる事は多々あるが、それは本当の自慢になってしまって煙たがられてしまう、母や兄弟からからかわれる時や母の井戸端会議の時もその寝付の良さを引き合いにだされる事があり、レスタ自身も会話のネタにされる事に関しては特に抵抗は無く、自分の寝付の良さがやがて他の話題に移って、会話の中から消えていくのを感じると、少しは役に立てたのかなと誇らしく感じてもいた、実に素直で良い子なのである、
「んー」
もそもそと寝台から降りると、手探りで壁まで向かい木戸を開ける、冷たい朝の空気に触れ、ブルッと肩を揺らし、
「あー、凄いな、ホントにまだ光ってる・・・」
内庭側の木戸を大きく開いて顔を出すと光柱は堂々とその威容を未だに誇示していた、朝日と競り合うように輝くそれは、周辺の家屋が邪魔になっている為全容は見えないが、昨晩寝る前に同窓達と眺めたそのままの姿と輝きでもって屹立し、蠢いている、
「ホントに凄いな・・・どうやればできるんだろう・・・」
レスタは肩肘を着いてじっくりと光柱を見つめた、遠くに輝くそれは離れていても光の粒の流れが視認でき、螺旋を描いて天に昇るそれらはこの世にあって同じ光景を探す事は出来ないであろうと思える程に神秘的で神々しい、
「綺麗だなー、夜も綺麗だったけど、朝日と一緒でも綺麗だー」
静かに呟いた、レスタは特別に優秀な娘である、地方から学園に入学する為には定期的に勧誘と啓蒙の為に巡回している学園職員の試験に合格しなければならない、試験は数種に別れており、読み書きは当然として基本的な算学と何よりも大事とされる魔法適正がある、そして学科ごとに異なる適正試験と呼ばれる個別科目の試験に受かれば、晴れて入学が許可された、その試験においてレスタは試験を担当した学園職員の度肝を抜くほどの結果を見せる事になる、これらの試験は全てが半分も正解すれば上等なものとして作成されており、満点をとる事は学園生でさえ難しい代物なのであるが、レスタは読み書きの試験において、見事に満点を記録し、さらに算学においては七割正解という好成績であった、職員はこれには最初不正を疑ったが、レスタを見る限りその必要は全くない、なにせ兄と力比べ程度の意識で参加しており、自身が何を行ったのかも認識していなかった、職員はこれはと思い学園へ連絡すると、採用担当の責任者が折よく近くを巡回していた為合流し、再度試験を行う事になった、これにはレスタは何とも思わなかったが両親は難色を示し、兄も不満顔であったが、職員の説得によって実施され、そこでも読み書きはほぼ満点、算学も前回とほぼ同じ程度の成績を示した、これはと職員二人は学園に連絡しつつ、両親を説得する事になる、これほどの才は数年に一人生まれるかどうかであると二人は熱心に語り、さらに、入学金はおろか生活費も学園で賄うとの破格の待遇を提示した、レスタは隣りで聞いていて何が何やらと不安な顔であったが、両親はそこまで言うのであればと入学を許可し、そこから数か月経ってレスタはモニケンダムに立つ事となった、ちなみに魔法適正試験に関しては可もなく不可もなくである、これが全くの無であったなら魔法学園への入学は認められなかったであろう、
「あー、えっと、レスタだ、レスター、おはよー」
ミナが寮母宿舎から飛び出して来た、その後をのんびりとレインがついて来ている、
「わっ、おはよー、はやいねー」
「うん、はやいのー、あれ、まだ立ってるねー、すごいねー」
ミナは左手で光柱を指差す、
「そうだねー」
「レスタも見に行くのー」
「んー、そうだねー、みんなの邪魔にならなければねー」
幼いミナ相手の為にレスタの本心が口をつく、レスタはどちらかと言えば根暗な性分であり、人付き合いは苦手である、その為自分の事よりも他人を優先する引っ込み思案であった、友達も少ない、というかいない、レスタの村は中心部以外は農家が散在しており、隣近所との付き合いはあるが薄く、また子供となると皆兄とは同世代であったが、レスタの遊び相手になる者はいなかった、故に、レスタはその性分を深化する事はあっても改善する事は無く、結果、人との関わり方が至極下手なのである、それは本人も重々に理解している為、入学を機になんとかしなければとも思ってはいた、しかし、よくそんな娘を一人都会に出せたなと両親に対して訝しく思う、それは、職員達の必死の説得の賜物であり、職員から根回しされた村長の助言もあった、何とも大人らしい周到さである、
「えー、大丈夫だよー、ミナ、見たもん、凄いのよー、ピカピカでー、グルグルなのー」
「そっかー、ピカピカで、グルグルかー」
ピカピカは何度も聞いたし見ているから理解できるが、グルグルに関しては聞いてないなとレスタは思う、
「そうなのよー、綺麗で怖いのー」
「それは分かるかなー」
レスタはニコニコとミナを見下ろす、そこへ、
「おはようございます」
頭上から明るい挨拶である、
「ルルだー、おはよー」
「えっ、ルルさん?」
ミナは軽く飛び跳ね、レスタは上半身を捻って無理矢理上を見る、そこにはルルの顔が壁から生えており、何とも滑稽な有様であった、
「おはよう、レスタさん、ちゃんと眠れました?」
柔らかく微笑むルルに、
「はい、しっかりと」
レスタは自然に微笑んだ、少なくともレスタ本人はそう思った、
「そうですか、良かったです、じゃ、顔を洗って、おめかししましょう」
「おめかし?ですか?」
「はい、鏡を使うのは早い者順ですよ」
「あっ、そうなんですね、行きます、えっと、井戸ですか?」
「井戸ですよ」
レスタは昨日聞いた事を思い出した、ルルとグルジアから毎朝の支度について教えられ、初めて見たガラス鏡に度肝を抜かれた、さらに髪留めやらうるおいクリームやらと、都会はやっぱり違うなと思ったが、それらはこの寮で開発されたものと聞き、さらに肝をつぶしてしまった、レスタはサッと首を引っ込め食堂へ向かい、そのまま厨房から井戸へと出る、少ししてルルが合流し、オリビアも出て来た、3人はミナとレインが葡萄の世話をしている横でキャッキャッと朝から歓声を上げ、そこへ、
「あー、おはよー」
いつにもまして眠そうな顔のソフィアが宿舎からのそりと現れた、
「わっ、おはようございます」
「えっ、どうしたんですか?」
普段の朝とは違いあまりにも精彩の無いその表情にルルとオリビアは驚いて、レスタは言葉も無く立ち竦む、
「あー、寝てないのよ、まったく、男共がめんどくさくてね・・・」
ソフィアはまるで商売女のような口振りである、
「そうなんですか・・・」
「ほら、あれのお陰・・・というか・・・うん、ま、仕方がないんだけどね」
ソフィアはフラフラと井戸に辿り着くとルルが慌てて汲み上げた桶に礼を言いつつ顔を突っ込んだ、冷たい井戸水が皮膚を締め上げるのを感じながら、水を引いたら土砂崩れってこの事よねと内心で大きく溜息を吐く、
「ありゃ・・・」
「これは、流石に・・・」
ルルとオリビアは呆れつつもソフィアの身を案じているようで、
「ふぅ・・・目、覚めたわ・・・」
ザッと勢いよく顔を上げたソフィアは虚空を睨み呟くが、
「目は覚めても・・・」
「うん、大丈夫ですか?朝の支度手伝いますよ・・・」
「あー、そうね、お願いできるー、嬉しいわー」
顎先からポタポタと雫を垂らして尚、覚醒しきっていないソフィアは頼りなく微笑んだ。
「んー」
もそもそと寝台から降りると、手探りで壁まで向かい木戸を開ける、冷たい朝の空気に触れ、ブルッと肩を揺らし、
「あー、凄いな、ホントにまだ光ってる・・・」
内庭側の木戸を大きく開いて顔を出すと光柱は堂々とその威容を未だに誇示していた、朝日と競り合うように輝くそれは、周辺の家屋が邪魔になっている為全容は見えないが、昨晩寝る前に同窓達と眺めたそのままの姿と輝きでもって屹立し、蠢いている、
「ホントに凄いな・・・どうやればできるんだろう・・・」
レスタは肩肘を着いてじっくりと光柱を見つめた、遠くに輝くそれは離れていても光の粒の流れが視認でき、螺旋を描いて天に昇るそれらはこの世にあって同じ光景を探す事は出来ないであろうと思える程に神秘的で神々しい、
「綺麗だなー、夜も綺麗だったけど、朝日と一緒でも綺麗だー」
静かに呟いた、レスタは特別に優秀な娘である、地方から学園に入学する為には定期的に勧誘と啓蒙の為に巡回している学園職員の試験に合格しなければならない、試験は数種に別れており、読み書きは当然として基本的な算学と何よりも大事とされる魔法適正がある、そして学科ごとに異なる適正試験と呼ばれる個別科目の試験に受かれば、晴れて入学が許可された、その試験においてレスタは試験を担当した学園職員の度肝を抜くほどの結果を見せる事になる、これらの試験は全てが半分も正解すれば上等なものとして作成されており、満点をとる事は学園生でさえ難しい代物なのであるが、レスタは読み書きの試験において、見事に満点を記録し、さらに算学においては七割正解という好成績であった、職員はこれには最初不正を疑ったが、レスタを見る限りその必要は全くない、なにせ兄と力比べ程度の意識で参加しており、自身が何を行ったのかも認識していなかった、職員はこれはと思い学園へ連絡すると、採用担当の責任者が折よく近くを巡回していた為合流し、再度試験を行う事になった、これにはレスタは何とも思わなかったが両親は難色を示し、兄も不満顔であったが、職員の説得によって実施され、そこでも読み書きはほぼ満点、算学も前回とほぼ同じ程度の成績を示した、これはと職員二人は学園に連絡しつつ、両親を説得する事になる、これほどの才は数年に一人生まれるかどうかであると二人は熱心に語り、さらに、入学金はおろか生活費も学園で賄うとの破格の待遇を提示した、レスタは隣りで聞いていて何が何やらと不安な顔であったが、両親はそこまで言うのであればと入学を許可し、そこから数か月経ってレスタはモニケンダムに立つ事となった、ちなみに魔法適正試験に関しては可もなく不可もなくである、これが全くの無であったなら魔法学園への入学は認められなかったであろう、
「あー、えっと、レスタだ、レスター、おはよー」
ミナが寮母宿舎から飛び出して来た、その後をのんびりとレインがついて来ている、
「わっ、おはよー、はやいねー」
「うん、はやいのー、あれ、まだ立ってるねー、すごいねー」
ミナは左手で光柱を指差す、
「そうだねー」
「レスタも見に行くのー」
「んー、そうだねー、みんなの邪魔にならなければねー」
幼いミナ相手の為にレスタの本心が口をつく、レスタはどちらかと言えば根暗な性分であり、人付き合いは苦手である、その為自分の事よりも他人を優先する引っ込み思案であった、友達も少ない、というかいない、レスタの村は中心部以外は農家が散在しており、隣近所との付き合いはあるが薄く、また子供となると皆兄とは同世代であったが、レスタの遊び相手になる者はいなかった、故に、レスタはその性分を深化する事はあっても改善する事は無く、結果、人との関わり方が至極下手なのである、それは本人も重々に理解している為、入学を機になんとかしなければとも思ってはいた、しかし、よくそんな娘を一人都会に出せたなと両親に対して訝しく思う、それは、職員達の必死の説得の賜物であり、職員から根回しされた村長の助言もあった、何とも大人らしい周到さである、
「えー、大丈夫だよー、ミナ、見たもん、凄いのよー、ピカピカでー、グルグルなのー」
「そっかー、ピカピカで、グルグルかー」
ピカピカは何度も聞いたし見ているから理解できるが、グルグルに関しては聞いてないなとレスタは思う、
「そうなのよー、綺麗で怖いのー」
「それは分かるかなー」
レスタはニコニコとミナを見下ろす、そこへ、
「おはようございます」
頭上から明るい挨拶である、
「ルルだー、おはよー」
「えっ、ルルさん?」
ミナは軽く飛び跳ね、レスタは上半身を捻って無理矢理上を見る、そこにはルルの顔が壁から生えており、何とも滑稽な有様であった、
「おはよう、レスタさん、ちゃんと眠れました?」
柔らかく微笑むルルに、
「はい、しっかりと」
レスタは自然に微笑んだ、少なくともレスタ本人はそう思った、
「そうですか、良かったです、じゃ、顔を洗って、おめかししましょう」
「おめかし?ですか?」
「はい、鏡を使うのは早い者順ですよ」
「あっ、そうなんですね、行きます、えっと、井戸ですか?」
「井戸ですよ」
レスタは昨日聞いた事を思い出した、ルルとグルジアから毎朝の支度について教えられ、初めて見たガラス鏡に度肝を抜かれた、さらに髪留めやらうるおいクリームやらと、都会はやっぱり違うなと思ったが、それらはこの寮で開発されたものと聞き、さらに肝をつぶしてしまった、レスタはサッと首を引っ込め食堂へ向かい、そのまま厨房から井戸へと出る、少ししてルルが合流し、オリビアも出て来た、3人はミナとレインが葡萄の世話をしている横でキャッキャッと朝から歓声を上げ、そこへ、
「あー、おはよー」
いつにもまして眠そうな顔のソフィアが宿舎からのそりと現れた、
「わっ、おはようございます」
「えっ、どうしたんですか?」
普段の朝とは違いあまりにも精彩の無いその表情にルルとオリビアは驚いて、レスタは言葉も無く立ち竦む、
「あー、寝てないのよ、まったく、男共がめんどくさくてね・・・」
ソフィアはまるで商売女のような口振りである、
「そうなんですか・・・」
「ほら、あれのお陰・・・というか・・・うん、ま、仕方がないんだけどね」
ソフィアはフラフラと井戸に辿り着くとルルが慌てて汲み上げた桶に礼を言いつつ顔を突っ込んだ、冷たい井戸水が皮膚を締め上げるのを感じながら、水を引いたら土砂崩れってこの事よねと内心で大きく溜息を吐く、
「ありゃ・・・」
「これは、流石に・・・」
ルルとオリビアは呆れつつもソフィアの身を案じているようで、
「ふぅ・・・目、覚めたわ・・・」
ザッと勢いよく顔を上げたソフィアは虚空を睨み呟くが、
「目は覚めても・・・」
「うん、大丈夫ですか?朝の支度手伝いますよ・・・」
「あー、そうね、お願いできるー、嬉しいわー」
顎先からポタポタと雫を垂らして尚、覚醒しきっていないソフィアは頼りなく微笑んだ。
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