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第十楽章 駅コンサート

宝島

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「ワンツースリフォー!!」

アゴゴベルの音が響く。

絢辻がアゴゴベルのリズミカルな音楽でスタートする。

「アンコールありがとうございます。
最後の曲は宝島です。」

フォルテッシモで綺麗で大きな音を鳴らしていく。
観客席にいるお客様はそれにつられたのかみんな手拍子をする。

全員で合わせていく。
フォルテッシモで綺麗で大きな音を鳴らしていく。

ホルンのグリッサンドの最高音
High D。
文化祭のときも吹いたがやっぱり宝島は
吹奏楽の中でもメジャーな曲だ。

そして中畑先輩のアルトサックスのソロが始まる。
栗本先生に言われ最初はソロは吹くのは乗り気ではなかった。

だけどこの瞬間この時は今だけなんだと。
背筋を伸ばし会場に音が響き渡る。
ソロが終わりお辞儀をすると観客席にいるお客さんはみんな拍手をする。

「みなさんありがとうございます!!!
手拍子の方もう一度よろしくお願いします!!」

川村先生が観客席を盛り上げる。
観客席からの拍手の音が一段階大きくなった気がする。

トランペット、トロンボーン、ユーフォニアムのメロディーが始まる。
大きな音量で割れた音が学校中に響く。

そして全ての楽器の音が重なり会場全体が最高潮に達する。全てのものを出し切り演奏が終了した。

「ありがとうございました!」

「ありがとうございました!!!!」

部員全員は観客席に向かってお辞儀をする。

観客席から温かい拍手が鳴り止まなかった。

「終わったなぁ。」

ふとそんなことを思い
中畑は自分のサックスを見つめた。

そしてもう一度しっかり観客席の方を向き
軽く頭を下げ楽器を片付け始めた。







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