あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第九楽章 ドタバタの文化祭

文化祭

いつも通りの時間に登校すると
まだ早いはずなのにすでに多くの生徒が準備をしていた。

「早いなぁ。」

雨宮は自転車置き場に自転車を置き
部室に向かっていた。

「お、おはよう。雨宮くん。」

「ん？あ、おはようございます。」

すると後ろから声をかけられた。
振り返ると生徒会長の百瀬隆介に話しかけられた。

「あ、、生徒会長の百瀬さん。
おはようございます。」

「もう生徒会長じゃないんだけどね。」

「あ、、そうか。すみません。」

そういえば確か生徒会長はこの前任期が終了したんだっけ。今選挙やってるもんな。

「いや、いいんだよ。どう文化祭は？」

「うーん。どんなもんかもわからなくて。」

「楽しいよ。」

「うーんそうですかね。あまり中学までは学校行事楽しかった思い出なかったんで。」

「、、わかる。」

「え？百瀬先輩が？」

「うん。合唱コンクールってあったじゃん？中学の時とか。」

「はい。」

「あれ、好きじゃなかったんだよね。
強制的にやらされて吹奏楽部だからって指揮者やらされてそれでクラスはバラバラだし。」

「、、、ぐす。」

「え？雨宮くん？何泣いてんの？」

「わかります、、、。男子がちゃんとうたってくれないっ！って女子が泣く。
一致団結って言葉が大嫌いで。なんで好きでもない奴らと一緒にやらなくちゃいけないんだって！」

雨宮はなぜだろうか
中学での思い出がフラッシュバックし
涙が溢れてきた。

「もうわかった！泣かなくていいから。
そう。雨宮くんもわかるんだ。」

「、、はい。朝に妹に言われたことも自分に刺さってさらにダメージ喰らうなぁ。」

「は、、はぁ？で、、でも！！！
きっと今の雨宮くんならこの文化祭。すごく楽しく感じるんじゃないかな？」

「そうですかね？」

「うん。絶対そうだよ。だって嫌々で動いてないだろ。」

「あ、、。」

「自分で動いて楽しいならそれでいいと思う。」

「そうですね。」

「僕も北浜での最後の文化祭楽しむよ。
じゃあ行くね！」

「あ、あの。」

「ん？」

「あ、、ありがとうございました。」

「うん！！」

雨宮と百瀬先輩はそれぞれの場所へ向かうのだった。