Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

浅葱

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帰国

御褒美に…②

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真琴を横抱きのまま、エントランスに足を進める。
エレベーターホールまで進み、ポケットに入れてあった牛革のパスケースを器用に取り出しエレベーター横の機器にかざすとエレベーターが開き、目的階までノンストップで進んでいった。

司波理が住んでいるのはタワーマンションの最上階…。
2戸しか無い階だが、お隣は今の所空き家となっている。賃貸にしても、分譲にせよソコソコ値の張る最上階。
司波家が懇意にしている不動産屋が建てたタワーマンションなので、隣人については多少配慮されている事も事実だ。

エレベーターが最上階に到着し、エレベーターから降りると突き当たりまで歩みを進めた。
表札には、3501 O.SHIBAと…記載されている。
エレベーターに乗る際に取り出しておいたパスケースを玄関脇の機器にかざしオートロックを解除する。
器用に外開きの開き戸を開け、ドアが閉まるのも確認せず玄関に靴を脱ぎ捨て、リビングを目指した。リビングからは最上階のみに設置されている2階へと続くカーブ階段が目に入る。
その階段を、ゆっくり登り廊下の突き当たりにある寝室のベッドに真琴をそっと横たえた。
靴を脱がせ、一度玄関に置きに行けば、チャイムがなり荷物を届けに来た渡瀬さんから、真琴の荷物と自分の荷物、そして車のキーを受け取った。

「渡瀬さん、隣はまだ入居者決まってないんでしたよね?」

そう尋ねると、

「まだ、どなたの入居も決まってはおりませんよ。どなたか、ご入居をお勧めされるご予定でも?」

と返された。

「すぐじゃ無いんだが、引越しを考えている知り合いがいるので、出来ればここを紹介したいと思っているんだ…。」

そう伝えると、

「畏まりました。司波様のお知り合いの方が検討中と申し伝えて、キープしておく様に伝えておきます。それで宜しいでしょうか?」

と返された。

「あぁ。そうしてくれると助かるよ。いつも渡瀬さんには面倒をかけるね。」

と伝えると、

「滅相もありません。それが私の仕事ですので…。それでは、失礼いたします。」

と丁寧に頭を下げてドアを閉めていった。

さて、散々煽ってくれた愛しい運命の番に、ちょっとだけご褒美をもらおう…
足早にリビングのある方へと足を進めた。
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