愛 need you ーあなたに愛されなければ呼吸すらできないー

橋本しら子

文字の大きさ
上 下
24 / 41

23☆

しおりを挟む
「次はこちらかな」
「あ、……ひぁ、っ――!」

 口から開放された陰茎の先端の蜜を掬い、紫藤は律の後孔へそれを塗りつけながら指を一本挿入する。異物の侵入に孔がきゅっと締まるが、愛液のお陰で難なく指を飲み込んでしまう。

「キミのナカ、もう濡れてるじゃないか……そんなに俺のが欲しかった?」
「うぁ、拡げな……やぁ、あ!」

 更に指を増やして肉壁を押し拡げていく。グチュグチュと後孔から厭らしい水音が漏れ、紫藤の肉欲を受け入れる準備は出来ていると愛液を垂らしてシーツを汚す。
 指をバラバラに動かされれば、もっと欲しい、奥まで乱して欲しいと腰が動いてしまう。

「あ、あ! ……も、イかせ、っん、あぁ!」

 涙と涎でぐちゃぐちゃになった妖艶な顔で、紫藤にもう限界だと訴える。すると指が引き抜かれ、指とは比べ物にならない熱と硬さを持った肉棒の先端が後孔に充てがわれた。

「いいよ、今イかせてあげ、る」
「っんん! あぁぁっ、ひあぁ、ああぁん!」

 ビクビクと脈打ちながら強引に肉壁を押し進んでくる衝撃と熱に、紫藤の指から開放された律の陰茎は白濁を撒き散らす。

「あ、あ! だ、め……いま、イって!」

 射精直後の敏感な性器を握られ、律動に合わせて扱かれる。怒張した肉棒に乱暴に肉壁を擦られるが、苦痛などなかった。前と後ろを同時に責められて、律の口からは嬌声が絶え間なく上がる。

「はぁ、っ、凄い締めつけだね」

 荒い息を吐きながら眉を顰めている紫藤だが、口元は相変わらずの笑みを浮かべている。

「やぁ、また……イっちゃ、あ――!」
「ふふ、沢山出したね……気持ちよかった?」

 放たれた精は律の腹を汚す。

「はあぁん……きもち、い、ぁ…あっ! くっ、やぁ、あん! 気持ちっ良すぎてっ、あ、頭っおかしくなっちゃう……」

 恍惚とした表情で紫藤を見つめる姿に、紫藤は満足そうに口を歪ませた。
 律が達したことにより、後孔が紫藤の肉棒をキツく締め上げる。肉壁はビクビクと痙攣しており、その締めつけに顔を歪ませるが、抽挿は止めずに更に深いところを突き上げる。

「はぁ、はぁ、っ、ぁあん! おく、もっとぉ」
「はは、欲張りだね……こんなにぎゅうぎゅう締め付けて欲しがるなんて」
「しとうさ、の……ほし、っ、アッ! ほしぃ!」

 もっと奥へと誘うように肉壁が蠢く。その誘いに乗るように、肌と肌がぶつかり合う乾いた音と、結合部から卑猥な水音を響かせながら紫藤は腰を打ち付ける。

「あ、や……抜いちゃ!」

 紫藤は一度楔をずるりと引き抜いて、律に四つん這いの体勢を取らせた。身体に力の入らない律は腰だけ浮かせる形になり、今まで太い肉棒に犯されていた孔を物欲しそうにパクパクとさせている。

「自分で拡げてみせて?」
「ん……ぁっ、はや、く……ほし、ぃ」
「ふふ、奥までよく見えるね? いい子だ、よくできました」

 力の入らない手で懸命に後ろを拡げ、ぽっかりと開いた孔を見せて強請る淫猥な律の姿に、紫藤は至極満足そうな笑みを浮かべた。汗で張り付いた髪を掻き上げると、律の腰を掴んで蕩けた孔へ猛った肉棒を一気に押し込む。

「ああ! ふぁっ、んん! ひ、ァっ……!」

 より深いところを突き上げられ、律は目を見開きながら息を詰まらせた。熱く脈打つ陰茎は、それ以上に熱く包み込んでくる肉壁を押し拡げて、奥へ奥へと進む。
 先程の比ではない刺激に、怯えて逃げ腰になる。それを逃すまいと、指の跡が残るほど強く掴み、律が休む間も与えずに腰を動かして快楽の楔を打ち付ける。

「ん、あっ! そこ、すき! っあ、も、入らなっ…やあああっ!」
「まだ、入るだろう? もっと奥までいこうか」
「っ……あ、あ、くっ、きもちいいっ……!」

 腰を支えていなければ崩れ落ちそうな身体を容赦なく揺さぶられる。良いところを突かれる度にふるふると揺れる性器から密が滴り、シーツに染みを拡げていく。
 もう何度も吐精しているはずなのに、熱は収まることを知らずに再び性を解放したいと反り勃って主張する。

「はっ、ぁ! おっき、い……きもち、ぃ、ぁあんん! お腹、あつい……」
「キミは、男を煽るのが上手だね……っ、くっ」

 紫藤も限界が近いのか、荒々しく腰を打ち付けて律の中を犯す。

「はぁ、はぁ……あぁ! っ……も、もっとっ、おく……あっ…!」
「奥が好き?」
「あぁんっ! あ、あっ! す、きっ……」
「じゃあ、一番奥に、っ、出してあげるよ」

 蕩けた顔で孕みたいと貧欲に紫藤を求める姿はオメガの本能そのもので、その姿に煽られたアルファもまた本能に従い、孕ませたいと欲望のままにオメガを貪り尽くした。

「ふっ、んんっ! うなじ、噛んで、っ!」
「っ!」

 懇願されるがままに晒された項に噛み付いてしまいたい衝動を、紫藤は唇を噛み締めてグッと耐える。代わりに腰の動きを速め、どうにかそれをやり過ごした。

「んぅ……お、おねがっ、ア、んっ! 中に……ほし、い!」
「くっ、出すよ」
「ぁあ! あ、あっ! ひあぁんっ! んあっ、んうっ、イく、ぁ――――!」

 ドクドクと胎の奥に放たれる熱い精を受け入れ、一滴も逃すまいと搾り取るように中が収縮を繰り返す。
 明け方近くまで続いた獣染みたセックス。もう何度達したかわからない律は、糸が切れた人形のようにぐったりと汚れたシーツに沈んで意識を手放した。


―――――
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

元ベータ後天性オメガ

桜 晴樹
BL
懲りずにオメガバースです。 ベータだった主人公がある日を境にオメガになってしまう。 主人公(受) 17歳男子高校生。黒髪平凡顔。身長170cm。 ベータからオメガに。後天性の性(バース)転換。 藤宮春樹(ふじみやはるき) 友人兼ライバル(攻) 金髪イケメン身長182cm ベータを偽っているアルファ 名前決まりました(1月26日) 決まるまではナナシくん‥。 大上礼央(おおかみれお) 名前の由来、狼とライオン(レオ)から‥ ⭐︎コメント受付中 前作の"番なんて要らない"は、編集作業につき、更新停滞中です。 宜しければ其方も読んで頂ければ喜びます。

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

幸福奇譚

安馬川 隠
BL
『僕はとても幸せです』 気に入られたら終わりな人に気に入られてしまった彼の話。 ※倫理的ではないシーンがあります

Ωの不幸は蜜の味

grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。 Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。 そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。 何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。 6千文字程度のショートショート。 思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。

すずらん通り商店街の日常 〜悠介と柊一郎〜

ドラマチカ
BL
恋愛に疲れ果てた自称社畜でイケメンの犬飼柊一郎が、ある時ふと見つけた「すずらん通り商店街」の一角にある犬山古書店。そこに住む綺麗で賢い黒猫と、その家族である一見すると儚げ美形店主、犬山悠介。 恋に臆病な犬山悠介と、初めて恋をした犬飼柊一郎の物語。 ※猫と話せる店主等、特殊設定あり

【完結】運命の番に逃げられたアルファと、身代わりベータの結婚

貴宮 あすか
BL
ベータの新は、オメガである兄、律の身代わりとなって結婚した。 相手は優れた経営手腕で新たちの両親に見込まれた、アルファの木南直樹だった。 しかし、直樹は自分の運命の番である律が、他のアルファと駆け落ちするのを手助けした新を、律の身代わりにすると言って組み敷き、何もかも初めての新を律の名前を呼びながら抱いた。それでも新は幸せだった。新にとって木南直樹は少年の頃に初めての恋をした相手だったから。 アルファ×ベータの身代わり結婚ものです。

オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜

トマトふぁ之助
BL
 某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。  そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。  聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。

処理中です...