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何も見えない状況でも、ヴェイル様は攻撃の手を緩めなかった。ヴェイル様は、ミシャにとどめを刺すべく、更に強く魔力を注いだ青炎を生み出した。
その炎は、大空のような青に、ヴェイル様の瞳と同じ黄金色が煌めく。
青炎は、大地を優しく撫でながら広がり、霧を払っていった。まるで闇に穢れた大地を浄化するかのように。
闇が燃やし尽くされ、空気が清められると、湖から温かな息吹を感じた。
「綺麗…。」
青空の下に燃え広がる青炎の大地は、天国のように美しい。
私は戦いを忘れ、一時、目を奪われていた。
すると、ポツンと1箇所、炎が燃える中央に、暗い影が現れた。そこから、影が、空に向かって伸び、人の形を作る。それはやがて、金の髪を持つかつての異能者の姿を形作った。
「ミシャ。」
精霊族の異能者の姿に戻ったミシャの体は、ボロボロで、額と右手、心臓部の三箇所に黒い核を露出させていた。そして、その顔には、怒りが剥き出しになっている。
ミシャは、再び影から剣を作ると、ヴェイル様にその剣先を向けた。
「やられた、やられた、やられた!お前、何だその力は!?なぜ、そんな魔力を持っている!?あれだけ疲弊していたというのに!クソッ!クソッ!クソッ!」
「この魔力は、魔力枯渇寸前だった俺に、ステラが譲渡してくれたものだ。俺は、ステラの体を治すために、日々、魔力を彼女に渡してきた。ステラの体は、その魔力を時間をかけて浄化し、濃縮していたんだよ。今、俺の中には、普段の魔力保有量の数十倍に匹敵する濃縮された魔力が存在している。だから、俺は、決して負けはしない。覚悟しろ、魔物の王!」
「ハッ!出来損ないの番から得た魔力に何の価値がある!我に勝つだと?ハハハハハハ!やれるものならやってみろ!」
今度は、ミシャが、ヴェイル様へ一直線に向かっていった。迫る影の刃を、ヴェイル様が受け止めると、大地に広がった青炎が、ミシャの纏う影を燃やしていった。
ヴェイル様の炎が、次々に影を消していくことで、ミシャの攻撃の数が減っていく。
それを見逃さなかったヴェイル様が、ミシャの右手に鋭い一撃を入れた。
「ぐあぁぁぁーーー!」
核の一つが壊れ、ミシャが叫び声を上げた。そこへ、ヴェイル様が、再び剣を振り下ろし、額の核も潰した。
「ぐぅっ!クソッ!ここまで、我が追い詰められるとはな。ああ!憎らしい炎だ!」
二つの核を一気に壊され、ミシャは、すかさずヴェイル様から離れる。
警戒心を剥き出しにしたミシャは、影を集めて守りの体勢を取った。それに対して、ヴェイル様は、ジリジリと攻めの体勢を取る。
そんな緊迫した空気の中に、カナリアのような美しい声が聞こえた。
その炎は、大空のような青に、ヴェイル様の瞳と同じ黄金色が煌めく。
青炎は、大地を優しく撫でながら広がり、霧を払っていった。まるで闇に穢れた大地を浄化するかのように。
闇が燃やし尽くされ、空気が清められると、湖から温かな息吹を感じた。
「綺麗…。」
青空の下に燃え広がる青炎の大地は、天国のように美しい。
私は戦いを忘れ、一時、目を奪われていた。
すると、ポツンと1箇所、炎が燃える中央に、暗い影が現れた。そこから、影が、空に向かって伸び、人の形を作る。それはやがて、金の髪を持つかつての異能者の姿を形作った。
「ミシャ。」
精霊族の異能者の姿に戻ったミシャの体は、ボロボロで、額と右手、心臓部の三箇所に黒い核を露出させていた。そして、その顔には、怒りが剥き出しになっている。
ミシャは、再び影から剣を作ると、ヴェイル様にその剣先を向けた。
「やられた、やられた、やられた!お前、何だその力は!?なぜ、そんな魔力を持っている!?あれだけ疲弊していたというのに!クソッ!クソッ!クソッ!」
「この魔力は、魔力枯渇寸前だった俺に、ステラが譲渡してくれたものだ。俺は、ステラの体を治すために、日々、魔力を彼女に渡してきた。ステラの体は、その魔力を時間をかけて浄化し、濃縮していたんだよ。今、俺の中には、普段の魔力保有量の数十倍に匹敵する濃縮された魔力が存在している。だから、俺は、決して負けはしない。覚悟しろ、魔物の王!」
「ハッ!出来損ないの番から得た魔力に何の価値がある!我に勝つだと?ハハハハハハ!やれるものならやってみろ!」
今度は、ミシャが、ヴェイル様へ一直線に向かっていった。迫る影の刃を、ヴェイル様が受け止めると、大地に広がった青炎が、ミシャの纏う影を燃やしていった。
ヴェイル様の炎が、次々に影を消していくことで、ミシャの攻撃の数が減っていく。
それを見逃さなかったヴェイル様が、ミシャの右手に鋭い一撃を入れた。
「ぐあぁぁぁーーー!」
核の一つが壊れ、ミシャが叫び声を上げた。そこへ、ヴェイル様が、再び剣を振り下ろし、額の核も潰した。
「ぐぅっ!クソッ!ここまで、我が追い詰められるとはな。ああ!憎らしい炎だ!」
二つの核を一気に壊され、ミシャは、すかさずヴェイル様から離れる。
警戒心を剥き出しにしたミシャは、影を集めて守りの体勢を取った。それに対して、ヴェイル様は、ジリジリと攻めの体勢を取る。
そんな緊迫した空気の中に、カナリアのような美しい声が聞こえた。
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