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「人類の勝利ね。魔物の王、貴方は、闇に帰りなさい。この世界は、貴方達、魔に連なる者がいていい場所じゃないわ。それに、気付いたかしら?貴方が、ここで私達と戦っている間、異能を持たない者達も各地で戦っていたことに。魔物の王という絶対的な統率者が、こちらを向いているこの好機を、私達が見逃すはずがないでしょう。ほら、分かる?世界から随分と魔物が消えたわ。」
異能者のフェイ様と共に現れた姫様は、両手を腰に当て、悠然と微笑んでいる。
その姿をミシャは、目を見開いて見ていた。けれど、それはすぐに、嘆きを含んだ怒りへと変わる。
「なんだと…?ああ、本当だ!魔の気配が減っている。我の声に反応する思念が少ない。なんということだ!これでは、再びこの世界に魔を呼び込めない!ああ!これは酷い。失敗だ!なんて悲劇だ!ああぁーーーー!」
ミシャは、両手で目を覆い、空に向かって恨み言を叫び出した。その呪詛の声が、風に乗って辺りに闇を運ぶ。すると、木々の影が濃くなり、異様な空気を醸し出し始めた。
その中を、ヴェイル様が、剣を片手に歩いていく。そして、ミシャの残りの核に剣先を突きつけた。
「これで、終わりだ、魔物の王。お前達、魔の負けだ。このまま、潔く散れ。」
静かに、けれど、力強くはっきりと終幕を告げたヴェイル様は、青炎を纏った剣を振り上げる。
これで終わると、そう思った瞬間、ミシャの微かな笑い声が私の耳に届いた。その声は、段々と大きくなり、辺りにこだまするまでになる。不気味な笑い声を上げるミシャの顔からは、怒りが消え、心底楽しそうな笑顔が浮かんでいた。
「いいだろう。我は、負けを認めよう。快く敗北を受け入れよう。だが…。」
ブワッとミシャの足元から影が広がり、闇が溢れる。
ヴェイル様は、すぐさまミシャから離れ、剣を構え直した。
それを闇の中から見ていたミシャは、笑いを止め、ゆっくり口を開く。
「我は、この世界に、深い、深い、闇をばら撒こう。次の魔物の王が、生まれるように。我らの悲願、魔の再臨を果たせるように。」
「そんな事はさせないわ!次の王が生まれることはない。貴方の死をもって、魔物は駆逐されるわ。残存する魔は、全て消えるのよ!」
「ハハハ!神の伝書鳩よ、随分とめでたい頭だな。ハハハハハハ!」
姫様の強い宣言に、ミシャは再び笑い出す。一頻り笑ったミシャが、突然、私に視線を向けた。
「魔は既に、この世界の生命に組み込まれた。世代を重ねるごとに深くな。もう浄化も分離も出来ない。つまり、いずれ魔はここへ来る。来るべき日にな。残念ながら、今はその時ではなかったのだろう。だから、我は、お前達に土産を残してやる。ハハハハハハ!」
ミシャが天高く両手を掲げた瞬間、ミシャから放たれた闇が、大地を黒く染めていった。
異能者のフェイ様と共に現れた姫様は、両手を腰に当て、悠然と微笑んでいる。
その姿をミシャは、目を見開いて見ていた。けれど、それはすぐに、嘆きを含んだ怒りへと変わる。
「なんだと…?ああ、本当だ!魔の気配が減っている。我の声に反応する思念が少ない。なんということだ!これでは、再びこの世界に魔を呼び込めない!ああ!これは酷い。失敗だ!なんて悲劇だ!ああぁーーーー!」
ミシャは、両手で目を覆い、空に向かって恨み言を叫び出した。その呪詛の声が、風に乗って辺りに闇を運ぶ。すると、木々の影が濃くなり、異様な空気を醸し出し始めた。
その中を、ヴェイル様が、剣を片手に歩いていく。そして、ミシャの残りの核に剣先を突きつけた。
「これで、終わりだ、魔物の王。お前達、魔の負けだ。このまま、潔く散れ。」
静かに、けれど、力強くはっきりと終幕を告げたヴェイル様は、青炎を纏った剣を振り上げる。
これで終わると、そう思った瞬間、ミシャの微かな笑い声が私の耳に届いた。その声は、段々と大きくなり、辺りにこだまするまでになる。不気味な笑い声を上げるミシャの顔からは、怒りが消え、心底楽しそうな笑顔が浮かんでいた。
「いいだろう。我は、負けを認めよう。快く敗北を受け入れよう。だが…。」
ブワッとミシャの足元から影が広がり、闇が溢れる。
ヴェイル様は、すぐさまミシャから離れ、剣を構え直した。
それを闇の中から見ていたミシャは、笑いを止め、ゆっくり口を開く。
「我は、この世界に、深い、深い、闇をばら撒こう。次の魔物の王が、生まれるように。我らの悲願、魔の再臨を果たせるように。」
「そんな事はさせないわ!次の王が生まれることはない。貴方の死をもって、魔物は駆逐されるわ。残存する魔は、全て消えるのよ!」
「ハハハ!神の伝書鳩よ、随分とめでたい頭だな。ハハハハハハ!」
姫様の強い宣言に、ミシャは再び笑い出す。一頻り笑ったミシャが、突然、私に視線を向けた。
「魔は既に、この世界の生命に組み込まれた。世代を重ねるごとに深くな。もう浄化も分離も出来ない。つまり、いずれ魔はここへ来る。来るべき日にな。残念ながら、今はその時ではなかったのだろう。だから、我は、お前達に土産を残してやる。ハハハハハハ!」
ミシャが天高く両手を掲げた瞬間、ミシャから放たれた闇が、大地を黒く染めていった。
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