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*ヴェイル視点 33
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ステラの前に出ると、俺は、直ぐ様、人の姿へと戻る。そして、魔物の王の喉元に、剣先を突き付けた。
それに続いて、次々と他の異能者達も魔物の王の前に立つ。
今世に存在するほぼ全ての異能者が、魔物の王を討伐せんと集結し、その首に鋭い刃を向けた。
そんな状況にあっても、魔物の王は余裕な態度を見せていた。
そこへ、フェーイレーン殿が、光の拘束魔法を強めて、ヤツの体を締め上げる。
更にその上から、樹人族とドワーフ族が、大地から力を借りて、拘束を増やしていった。
光の鎖で縛られ、木の根と岩に押し潰された魔物の王は、抵抗出来ずに地面に膝を突く。
そのまま、首を落としてやろうかと、剣を握る己の手に力を込めたその時、魔物の王が、高らかに笑い声を上げた。
そして、その目をステラへと向ける。
「ステラ!」
大きく傾いたステラの体を受け止めると、彼女の体は、驚くほど冷たく、微かに震えていた。
大丈夫、大丈夫だ、ステラ。
俺が側にいる。
自分の熱をステラに移すように、しっかりと抱きしめると、柔らかい笑みを浮かべた彼女と目が合った。
やはり、ステラには負担が大き過ぎたのだ。
戦闘は、他の異能者達に任せて、ステラをここから離脱させようと考えたその時、ステラが胸を押さえ苦しみだす。そして、その小さな口から真っ赤な血を溢れさせた。
俺の胸部を汚す吐血量からも、これが不味い状況であることは、すぐに理解出来た。
「巫女殿!」
ステラを失う恐怖に慄きながらも、冷静な判断を下した俺の一部分が、瞬時に巫女に助けを求めた。
「どう言う事!?どうして、こんな事に…。」
「巫女殿、ステラは!?」
「精神が、アイツに干渉されているわ!ステラの中に、アイツの核があるせいで、ある程度繋がってしまうのは仕方がないけれど、これは繋がりなんてものじゃない。なぜか、ステラと魔物の王の間に、強い絆があるのよ。」
「絆だと!?巫女殿、どうすればいい?どうすれば、ステラを救える!?」
「とにかく、今は貴方の魔力でステラの意識をこちら側に繋ぎ止めて。このままじゃ、ステラが闇に堕ちてしまうわ。」
「分かった。」
俺は巫女に言われた通り、自分の魔力をステラに送った。治療の時と同じ要領で、ステラの心臓部にゆっくり魔力を流す。
すると、魔物の王の不気味な声が頭の中に響いてきた。
駄目だ、ステラ!
ステラが居るべき場所は、あんな闇の中なんかじゃない。
貴女は、光の中で生きるべき人だ。
ここには、貴女を愛する人が沢山いるだろう。
俺とずっと一緒にいると約束したじゃないか。
ステラ、行くな!
魔物の王の声に抗うため、俺は精一杯の想いを込めて、ステラに呼びかける。
すると、俺を掴むステラの手に、一瞬、力が入った。
「ステラ、こっちだ。俺はここにいる。感じるだろう?」
俺の声に応えるように、瞑っていたステラの瞳が開いた。しかし、まだ意識が曖昧なのか、目の焦点が合わない。
「ステラ!」
頼む!
俺を見てくれ!
声に魔力を込めて、彼女の名前を呼ぶ。俺が側にいる事を、ステラが気付けるように。
けれど、ヤツはそんな俺の声を押し退けて、ステラに甘く囁いた。
「フローラ。」
その言葉を聞いたステラの瞳から色が消える。森の息吹を感じさせる深緑色の瞳が、光りを通さない漆黒に染まった。
そして、俺の腕の中に確かにあったステラの体が、影の中に溶けて消え去った。
「ステラぁあーーー!」
ステラが消えた影に向かって、手を伸ばす俺の姿を、魔物の王は、心底愉快そうに笑って見ていた。
それに続いて、次々と他の異能者達も魔物の王の前に立つ。
今世に存在するほぼ全ての異能者が、魔物の王を討伐せんと集結し、その首に鋭い刃を向けた。
そんな状況にあっても、魔物の王は余裕な態度を見せていた。
そこへ、フェーイレーン殿が、光の拘束魔法を強めて、ヤツの体を締め上げる。
更にその上から、樹人族とドワーフ族が、大地から力を借りて、拘束を増やしていった。
光の鎖で縛られ、木の根と岩に押し潰された魔物の王は、抵抗出来ずに地面に膝を突く。
そのまま、首を落としてやろうかと、剣を握る己の手に力を込めたその時、魔物の王が、高らかに笑い声を上げた。
そして、その目をステラへと向ける。
「ステラ!」
大きく傾いたステラの体を受け止めると、彼女の体は、驚くほど冷たく、微かに震えていた。
大丈夫、大丈夫だ、ステラ。
俺が側にいる。
自分の熱をステラに移すように、しっかりと抱きしめると、柔らかい笑みを浮かべた彼女と目が合った。
やはり、ステラには負担が大き過ぎたのだ。
戦闘は、他の異能者達に任せて、ステラをここから離脱させようと考えたその時、ステラが胸を押さえ苦しみだす。そして、その小さな口から真っ赤な血を溢れさせた。
俺の胸部を汚す吐血量からも、これが不味い状況であることは、すぐに理解出来た。
「巫女殿!」
ステラを失う恐怖に慄きながらも、冷静な判断を下した俺の一部分が、瞬時に巫女に助けを求めた。
「どう言う事!?どうして、こんな事に…。」
「巫女殿、ステラは!?」
「精神が、アイツに干渉されているわ!ステラの中に、アイツの核があるせいで、ある程度繋がってしまうのは仕方がないけれど、これは繋がりなんてものじゃない。なぜか、ステラと魔物の王の間に、強い絆があるのよ。」
「絆だと!?巫女殿、どうすればいい?どうすれば、ステラを救える!?」
「とにかく、今は貴方の魔力でステラの意識をこちら側に繋ぎ止めて。このままじゃ、ステラが闇に堕ちてしまうわ。」
「分かった。」
俺は巫女に言われた通り、自分の魔力をステラに送った。治療の時と同じ要領で、ステラの心臓部にゆっくり魔力を流す。
すると、魔物の王の不気味な声が頭の中に響いてきた。
駄目だ、ステラ!
ステラが居るべき場所は、あんな闇の中なんかじゃない。
貴女は、光の中で生きるべき人だ。
ここには、貴女を愛する人が沢山いるだろう。
俺とずっと一緒にいると約束したじゃないか。
ステラ、行くな!
魔物の王の声に抗うため、俺は精一杯の想いを込めて、ステラに呼びかける。
すると、俺を掴むステラの手に、一瞬、力が入った。
「ステラ、こっちだ。俺はここにいる。感じるだろう?」
俺の声に応えるように、瞑っていたステラの瞳が開いた。しかし、まだ意識が曖昧なのか、目の焦点が合わない。
「ステラ!」
頼む!
俺を見てくれ!
声に魔力を込めて、彼女の名前を呼ぶ。俺が側にいる事を、ステラが気付けるように。
けれど、ヤツはそんな俺の声を押し退けて、ステラに甘く囁いた。
「フローラ。」
その言葉を聞いたステラの瞳から色が消える。森の息吹を感じさせる深緑色の瞳が、光りを通さない漆黒に染まった。
そして、俺の腕の中に確かにあったステラの体が、影の中に溶けて消え去った。
「ステラぁあーーー!」
ステラが消えた影に向かって、手を伸ばす俺の姿を、魔物の王は、心底愉快そうに笑って見ていた。
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