【R18】転生?した先は、リアルよりもHな世界でした。

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ゴーレムは電気ウナギの夢は見ない?

テントを張ってHにリバース?

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村を襲撃した賊の残党は、12名。

遺体の数を確認した所、実に500人近くが襲撃してきたことがわかった。

「相手の10分の1の数の衛士だけで撃退するとか、中々できないわ」

「んだどもや、オレの不甲斐フゲーなさで、半分んだ」

「衛士長のせいじゃなわよ」

「そんでもや、おめさ達がおらねばそれこそ全滅してたどもなや、感謝すっど……」

衛士長は疲れた表情で眉根を摘んだ。

気持ちはわかる。

「これからどうするの?」

「幸い村は無事だ、まんず部下さ弔っで、再開だ」

部下を弔う。

この村に派遣されてる衛士は、皆独り身であり、親類縁者がこの世にいない者たちが派遣されてきているそうな。

この村の衛士や、わずかばかりの村人は、全員が家族同然の関係らしいわ、その家族を半分失った。

1人元気なのは工房長、早くもゴーレム工房の再起動に奔走してる。周りの者達に怒鳴り散らしてる。

「工房長は元気ね」

「そうでもねぇ、あん人もな、奥さんに先立たれてよ、今はもう村でのゴーレム作りしか拠り所がねぇがらよ、ああやっで、気さ紛らわしてんだろうよ」

「……そうなんだ、お子さんは?」

「いねぇな」

ごめんなさい工房長、全言撤回。

「そうだ、衛士長さん、この剣なんだけど…」

そう言ってウェポンコンテナから出した、剣2本

ギークのロングソードと、その兄が使っていた魔剣と

「おめさ、それどうやって出し入れしてんだぁ?」

「法具だけど」

「ほうぐ?、竜人族のけ!?」

「うん」

「はぁ、スゲーのもってんだなや、似たようなもん見たことあっだども、こーんな小さな小袋で、袋の口を通せるモンしか入れられね、そげな大きなもんはしまえんがったな」

「へー」

「剣は、おめさ持ってけ」

「いいの?」

「衛士のながに、大剣を使いつけえこなせるやづぁ、いねぇがらよ」

ロングソードはかなりの業物っぽい、折れてしまったワタシの剣の代わりに使わせてもらうわ。…でもギーク兄の剣が問題。

光属性の魔剣かと思いきやそうじゃない。そもそも、。妖精が魔法を支配している世界、妖精は鉄器系武器を酷く嫌う。

故に光属性の魔剣はあり得ない。

魔剣や魔闘具がどんなもなかというと、あれは神聖術。神聖術による『雷』が付与されたもの。荷電量を調整してさまざまな事象を発生させてるらしいわ。

雷の発生原理や、電気の定理を無視した、いわゆるチート武器。

神聖術は『魔法』の一種とされてはいるけれど、実のところ良くわかっていない。女神の加護による、無限に近い発電に物を言わせて電気による様々な物理現象を発現させている。

ではこのギーク兄の剣はなにか?

ワタシが柄を握る限り魔力も魔素も感じない、神聖術など微塵も発動しない。ただの大剣。

だけど、ギーク兄が放ったセリフは「お前魔剣使いか」、そして極め付けは、光属性と思しき魔法を使った分身技も披露して見せた。

可能性があるとすれば、魔剣士はフェイクで、彼は光属性の魔法士にして、ワタシと同じ『魔法剣士』。

西の大陸には、こちらとは違う魔法体系があるのかもしれない。

……すると、これは魔剣じゃないなと思い、剣を失ったマティに渡したら、あっさりと

「コレ、凄い剣ですね」

マティがブンブンと剣を振り回し、雷撃を落として見せた。

「なんでよっ!!」

ワタシ愕然、今までの考察が全く意味なし。

そうするとギーク兄の、光を使った分身技はなんやねん。

「ねぇマティ、神聖術は光属性魔法って使えるの?」

「え?、聞いたことありませんが?」

「ルナは?」

「何の話?」

「この剣の持ち主が、光属性っぽい魔法で分身技を見せたのよね」

「それ、神聖術ですね」

「神聖術だわ」

マティもルナリアも、同回答。

「はい?」

「特殊技能にはなりますけど、『無影迅』という、神聖術の技です」

なにそれ、ニンジャか。

「マティ達も使えるの?」

「いえ、私とケティは使えません。ルナさんは?」

「私も使えないわ」

「使える使えないの基準はなんなの?」

「女神から授けられる技能ですね」

「え?、武器は関係ないの?」

マティは手にした大剣を眺めた。

「……関係ないですね」

「でも、『無影迅』は乱戦とか初見でしか使えないわよ?」

と、ルナリア

「なんで?」

「影でバレちゃうから」

「あーなるほどね」

いきなりタイマンで使ってきたギーク兄は、脳筋だったと。

「それにしても、神聖術羨ましいわ。なんでワタシは使えないのかしら」

「この世に生を受けた者は、多少なりとも女神の祝福の恩恵があるものなんですが……恩恵がまるでないとか、エム姉は、女神様に対して過去に何かしたんじゃないですか?」

「……あり得過ぎて怖い」

ワタシがそう宣うと、皆に呆れた顔をされた。

この世界でのワタシの過去の記憶はほとんどない。何かやらかしててもおかしくはないけど……

「……どんだけワタシのことが嫌いなのよ、クソ女神」

「そんな事言ってるからよ」

ルナリアに突っ込まれた。

……

さて、ワタシ達は村を出ることに。

報酬の一貫として、食糧だのなんだのを用立ててもらった。

相変わらずチェレスタは村に入ることを拒むので、ワタシ達は村の外で旅支度をする事に……

でも、なんで村に入りたがらないのかは不明。

「なんじゃもう行くのか?」

荷物を馬車に積み込んでいたワタシ達に話しかけてきたのは工房長。衛士長のオジ様も一緒だった。

「これ以上ここにいたら、もっとヤラシイことされそうなんで」

「うむ、そうだな」

否定しろよ、おい。

「ワシとしては、もう少しゴーレムに関して協力してもらいたかったがな」

「嫌よ、シャドウのことは話したでしょ?、あれはゴーレムじゃないのよ」

「じゃが、操ることはできる」

「そんなのもうゴーレムじゃなくて、ただの操り人形じゃない、自律して動くのがゴーレムなんでしょ?」

「……うむ」

工房長は渋い顔を一瞬見せたけど、苦笑した。

「小娘に諭されるとはな…」

「小娘いうな」

「それで、オ型ゴーレムは本当にいらんのか?」

「いらないわよ」

「女ばかりの道中で、身体が寂しくなるんじゃないのか?」

「このエロじじい」

「エロってなんじゃ?」

「スケベって意味よ」

「女が悶えるのを想像するのは、男として普通の事じゃろうが!!」

「力説すんな!、なお悪いわ!!」

「…お前さんのお陰で、萎んでいたワシのサオが復活した」

「あっそう」

一度はちぎっちゃったけどね。

「ワシがもう少し若けりゃ、直接お前さんを抱いてやったんだじゃがな」

なにを言い出す。男ってなぜHになると上から目線になんのよ。

「おじいちゃんに跨る気はないわ、気持ち良過ぎて心臓発作で死なれても困るし」

「まさに昇天ですね」

スノウが上手いことを言う、皆がどっと笑った。

でも1つ訂正。

「このジジイが天国なんか行けるわけないじゃん」

「なんじゃとおおおっ!!」

衛士長が隣で笑ってる。

「そんことより、おめさに、渡しとくもんがあっど」

衛士長がそう言って差し出してきたのは、木の札

「何これ?」

そくめんが焼いてあるけど、裏も表も何も書いてない。ただの木片にしか見えない。

「王都さついたら、騎士団の詰所でそれ見せれ」

「騎士団詰所??、え?、なんなのコレ?」

「見せればわがる、そのあどは、おめさの判断にまがせっがらよ」

「はぁ?」

「この村さ門は、おめえだづは自由に入れるよぅしどぐがらよ、いつでもこいや。したば、きぃつけてな」

「あ、ちょっ……」

衛士長は一方的に喋ると、工房長と共に、さっさと村に戻ってしまった。

「……もう、なんなのよ」

……

ワタシ達は、ゴーレム村を後にして出発した。

馬車に揺られながら衛士長にもらった、木札を繁々と眺めていると、それを覗き見たマティが言った。

「それ、王都騎士団の暗号符ですね」

「暗号符?」

「札の側面が茶色に焼けている所が暗号です」

言われて確かめる。焼き跡かと思いきや、不規則な幾何学模様だった。

「……ほんとだ、模様だわ。と、言うことはこれを暗号器にかけて読むのね」

マティが目を丸くした。

「さすがエム姉、御明察です。それだけで理解されるなんて。暗号符は200年前の大戦時に『賢者』によって編み出された技術だそうですよ」

「賢者?」

「あ、僕知ってるよ、王都の錬金技術院を作った人だよね?、錬技学院で習ったよ」

答えたのはニクだった。

「へー、200年前か」

「今では騎士団の必須道具です」

「じゃあ何が書かれているのか、暗号器を通さないとわからないって事ね」

「そうです」

衛士長がワタシに何を託したのかわからないけど、いま詮索しても仕方がないわね。

ワタシは札をしまった。

「ところでサン」

「ん」

「遺跡の地下でワタシにしたアレはなんだったの?」

その時瞑想していたスノウが、ピクリと反応した事にワタシは気づいていなかった。

サンは首を傾げキョトンとしてる。え?、ひょっとしてもう忘れてるの?

「吸ったでしょワタシから」

「『アイオール』からすった、『マグワル』か?」

「アイオール?」

サンは自分の股間に手を添えた。

エルフではソコをそう言うんだ

だんっ!、と床を踏み締める音、いつのまにか立ち上がったスノウが凄い形相でサンを睨み下ろしていた。

「エムさんの秘穴を、あなたは舐めたのですか」

うわああああああっ、しまった!

サンは、隣のマティの腕に手を回し彼女の腕で顔を隠した。マティがあははと、苦笑い。

「なめてない、すった」

「同じことです!、エムさんに手を出したら殺すと言ったはずです」

「スノウ、まって、サンはそれ以上何もしてないから」

「舐めたのでしょう?、吸ったのでしょう?、エムさんはそれで絶頂を覚えたのではないのですか?」

「そりゃまぁねぇ、凄い舌使いだったし……」

あ、ワタシ余計なこと言った?、スノウが怒りに肩を震わせてる。

「サンは、私との約束を反故にしました。殺します」

スノウが手刀を突き入れようと構えた。

「ちょ、スノウ!?」

「サン、言い残すことは?」

「サン、わるくない」

「そうですか、では 死ね」

「わーっ!、待った待った待った!!」

「止めないで下さい、こんな輩はやはり生かしておけません」

「サンはワタシを助けるために、やったことなのよ!、それ以上は何もしてないわよ!」

「助けるため?」

「サン、わるくない」

ちょっとサン!、煽んないでよ!

「とにかく話を聞いてスノウ!!」

ワタシはスノウをなんとかなだめ、その時の状況を説明した。

……

「と、言うことで舌を入れられてペロペロされたりはしたけど、サンが魔薬成分を吸い上げてくれたから、ワタシは助かったのよ」

要は、サンはワタシの身体から毒気を抜いてくれたのだ。

ただし、それはエルフであるサンには酷く負担のかかる行為だった。魔薬の根源を作り出したのはエルフらしいけど、本来それはエルフ族同士の抗争で使う毒薬として編み出されたモノらしい。ワタシに使用された魔薬量はアレでもわずかだったので、サンは体調不良だけで済んだ。量が多ければ死んでいた可能性もあるのよね……

「ちょ、ちょっと待って!、エルフ!?」

あ、しまった。ニクが居る事をすっかり忘れてた。

「サンがエルフ!?」

「いや、まあ…」

「メスのエルフって!、女王じゃん!!」

コレはマジでヤバイわ……え?

だけど、ニクは予想だにしない行動に出た、興奮気味にサンの両手を取った。

「ハジメマシテ、ボクは、ニク」

は?、なにソレ、なんで片言やねん、サンも困惑してるじゃん。

「ニク?、エルフが怖くないの?」

「エルフの女王様だよ!?、こんな出会い普通はないよ!!、ボク襲われたっていいよ!」

えー?

「襲われたって良いって……」

なにを言い出す。錬金術士って皆こうなのかしら?

「ニク、そんなこと言うけど、一度エルフに襲われると、しつこく狙われて、物凄く酷い目に遭うわよ?」

ルナリアがそう諭す。しかしニクは……

「それはオスの話だよ、メスは基本的に巣から出てこないし、オスみたいに見境なく襲わないし、気に入った相手としか交わらないんだよ」

なにその情報。

「そうなのスノウ?」

「……初めて知りました。エルフ研究本にはそんな事書かれていません」

「ああ、あの本はオスの事しか書いてないからね」

『え?』

スノウとルナリアが驚いてる。いやぁ、あんた達の知識、浅いわー。

サンは両手を握るニクの首筋に徐に顔を近づけるた。

「え?」

何をするのかと思いきや、匂いを嗅いでる。

すると、サンは顔を上げてニクに告げた。

「ニク、メスのにおい、オスのにおい、どっちも、しない」

「え?……」

ニクが目をシパシパさせた。

「『男知らず』だからじゃない?」

そう言ったのは、ルナリアだった。

「エルフは、経験済みの者しか狙わないらしいわ」

「ルナ、それもエルフ本に書いてあるの?」

「う、うん、そうだけど……」

本の内容不備を指摘されて、ルナリアはバツが悪そう。

「で、でもこれは実際の話だから確かよ」

バージン喰うと、後々面倒臭いと言う男も世の中にはいるけど、エルフにとっては関係無い話。バージンは喰わないって、エルフも妙な性癖ね。

「そうなの?サン」

「わからない、ニク、メスのにおいしない、だから、サン、たべたくない」

やっぱりそうなんだ。

「好みじゃないってさ」

ニクがショックのあまりに、落ち込んだ。

襲われたいんかい。

でも、サンは積極的にスノウと交わってるわよね?

「と、言う事は、サンはスノウを気に入ってるって事?」

サンはコクリと頷いた。

「愛の告白?」

「あい?」

「人族的に言うと、好きだ、一緒に居たいたいってとこね」

「いっしょにいたい」

そう言う事なのね、魔族だからとかじゃないのね。

「だ、そうよスノウ」

「んな、何を言っているのですかアナタは!」

真っ赤になって怒鳴るスノウ。はは、狼狽えてらっしゃる。最近どうも魔族っぽく無くなってきた。

「スノウ、サンとまじわるの、いやか?、Hするの、いやか?」

「い、いやよ……」

そういいながらも、視線を逸らした。

まんざらでもなさそう。

「サン、スノウいやがること、しない」

スノウは、黙ったままストンと座席に座り、両手で顔を隠した。

「サン、メスだから、いやか?」

「……」

スノウは答えない、でも耳は真っ赤。

そりゃまあ、魔族の天敵とも言えるエルフからの愛の告白だもんね、複雑な心境でしょうよ。

スノウは顔を少し上げギロリと鋭い視線でサンを睨んだ

「……エルフは…信じられません」

「サン、ス、まもるため、エム、たすけた」

「ス?、ここを『巣』だと言いたいのですか?」

サンがコクリと頷く

「スのおさ、エム。エム、きえたら、スノウ、かなしむ、マティ、かなしむ、ケティ、かなしむ、サンも、かなしむ」

「ボクは?」

「ニクも、かなしむ?」

サンはそう答えつつ首を傾げた。

「……なんでボクだけ疑問形」

マティの腕にしがみついたままのサンは、彼女の腕に顔を埋めた。そのサンの頭を、マティが優しく撫でた。

そんな様子を見て、ワタシはスノウに言った。

「……スノウ、エルフを信じられないのはしょうがないわ、ワタシもそうだもの。でもサンは確かにワタシを助けてくれたし、現状はお互いの利害は一致してる。どお?」

「……」

スノウは答えない。不満げな顔を見せるだけだった。

………



何事もなければ後3日ほどで、王都にたどり着く。チェレスタの馬脚なら、本気出せば半日でも辿り着いちゃうのでしょうけど、そんな速度でブッ飛ばされても、ワタシ達が保たない。

日が落ちる前に、ワタシ達は適当な所で馬車を止め、早めに野営の準備を始めた。

今日は、ワタシとマティで食事の用意。2人で用意してると、マティがボソリと言った。

「先ほどのエム姉の物言いは、少し棘がありましたね」

「そお?」

「エム姉自信、サンを信じていないのですか?」

どうなんだろう?、と、考える。エルフには散々レイプされて煮湯を飲まされた。挙句には死にかけもした。

…レイプされたのはオスにではあるけれど、元女王のメスにも、弱冠酷い目には遭わされた。

でも…、全てのエルフがそうではないと知ることができた。

とは思いつつも、腹落ちは出来ない。

エルフはエルフ。

「……信じるとか、信じないとか、皆どうして白黒ハッキリさせようとするのかしらね?」

「普通はそうじゃないですか?、そうしなければ、怖くて他人と一緒にはいられません」

「マティから見れば、ワタシも他人だけど?」

「あれ?、エム姉は私を信じてないんですか?」

「うん」

「え?」

「隙あらばHしようとか考えてるじゃん」

「そ、それは……別の話です」

ワタシはフフフっと悪戯っぽく笑って見せた。

「もう、エム姉って意地悪ですね」

「さっきの様子だと、マティはサンを信じてるみたいね」

「ええ、エルフは信じていません。サンを信じてます」

って、なぜにドヤ顔?

「随分と都合がいい話ね」

「いけませんか?」

「いいんじゃない?、スノウもそんな感じで柔軟になってくれると助かるんだけどなー」

「魔族ですから、相手は天敵とも言えるエルフ、頭でわかっていても納得できないのでしょう」

そんなスノウと、サンの姿が見えない。

テントを設営してたはずだけど…

「あ、ん、あ……」

何やら艶かし声が聞こえてきた。

ワタシとマティは声のする方、テントの方を見た。

「いや、サン……あっ」

おいおいおいおい、食事前なんですけどー!?

「あーっ!!、あっあっあっ!、い、いい、んああっ!」

艶かしい声の主はスノウ、激しい喘ぎ声に変わった。どうやら相手はサン。

「ちょ、な、なに始めちゃってんのよあの子達!?」

「言ってる事とヤってる事がメチャクチャですね」

野営地に響き渡る、スノウの悶絶喘ぎ声。

簡易風呂を用意していたルナリア達も、なんだなんだと集まって来た。

ワタシから説明する。

「え、ええ?、スノウが?、サンに襲われてるの?」

「サンは襲ったりしてないと思うな」

ケティが覗きに行こうとしたのを、マティが頭を叩いて止めた。

「痛いなーもう」

自らの頭をさすり口を尖らすケティ

「放っておきなさいよ」

「気になるじゃん」

「ルナー、アンタもよ」

抜足でテントに近づこうとしたルナリアを、今度はワタシが止めた。

「だって気になるじゃない、どんな事してんのか、シャドウじゃなさそうよね?」

「ワタシに答えを求めんな。とにかくワタシ達は順番に沐浴済ませて、夕飯待機」

『はーい』

それぞれが返事する。

……

各位、沐浴は済ませた。

食事もできた。

そして日が落ちた。

焚き火を囲み、鍋で煮込んだ食事を前に皆が『待った』の状態。

あれから、2時間。

「まだやってる」

「んああっ!、あい、い、イクっ、ああ、ひっ」

スノウの喘ぎ声が、永遠と続いてる。サンの声はほとんど聞こえてこない。スノウが一方的に嬲られてる。

スノウは何度も絶頂を迎え、終わったかと思うと再び始まる。

「良く続くわね」

ルナリアが呆れてる。

「いいなー」

とニクが言う

「ニク、サンはエルフのメスよ?、どうやって初めてを捧げる気なのよ?」

「エムさんから法具を借りて……」

「バっカじゃないのニク、変態?」

ワタシは、思いっきり言ってやった。

「な、そんな事言ったら、普段から法具使ってるエムさんは、ド変態じゃないか!!」

「そうよ?、今更なによ?って話ね、誤解のないように言っとくけど、ワタシは法具よりホンモノのチンPの方が好きよ?」

「開き直らないでよ!」

「ニク、1つ言わせてもらうと、ワタシはド変態だけど、更に『超』が付くド変態がいるんだから。ね?、ルナ」

ルナリアが目を細めた。

「……私だと言いたいわけ、エム」

「うん」

「人の事棚に上げて何を言ってんのよ!!、誰彼かまわず股を開いてるのは誰よ!」

「そんな事ないわ、ワタシはちゃーんと選んで開いてるつもり、ヤロー共があの手この手で無理やりHしてくるだけよ」

「私だってそうよ!」

「その割にはホイホイと、不用心に男について行くじゃん、ロジャーとかムーア君とかさ」

「こ、この間のアレは、エムが誘導したんじゃない!!」

「そうだけど?」

「ひどっ!?」

ワタシはルナリアのその反応にニヤニヤと笑って見せた。

「くっ!、このビッチ!」

「フフ、最高の褒め言葉ね」

「なんて不毛な…」

マティが呆れてる。

でもコレでいいわ、こんな寸劇でもしてないと、あんな激しくも艶かしい声を聞かされ続けては、悶々としてくる。このままだと乱交が始まりかねない。

「そんなことより、お腹空いたー」

ケティが宣う。ケティは性欲より食欲か

サンとスノウのおかげで、夕飯がお預け状態。

Hもお預けだし、ソロソロ限界だわ。

「んなあっ!!、イクっ!!、イっちゃう!!、ああっ!!、サン、ダメェ、わたし、もうダメェええ!!……」

スノウの一段と激しい絶頂の声、そして喘ぎが止まり、静かになった。

沈黙

……終わった?

するとバッと、テントの天幕が開き、下半身丸出し半裸のサンが出てきた。

足取りも軽くスタスタとこちらにくると、ワタシの隣にストンと座った。

サンは平然とし、皆唖然としてる。

「……ちょっとサン、下を履いてきなさいよ」

サンがキョトンとして、ワタシを見た。

色々と教育が必要なのはわかってる。

「…まぁいいわ、スノウは?」

「ねてる」

「気絶したのね」

サンがコクリと頷いた。

一体どんなHをしてるのか、魔族のスノウを一方的に責め立てるエルフ。事後のサンは何事もなかったかのように平然としてるし……

エルフ恐るべし。

「お腹空いたー、もう食べようよ」

ケティはどこまで行ってもケティ。すると、ニクがいきなり立ち上がった。

「……ボク、やっぱりサンに初めてを捧げたい!」

コイツはコイツで何を言い出すかな。

「ニク、いらない、においしない」

「だから、ボクの乙女を…」

「におい、したらする」

ニク、再びがっくりと肩を落とした。

「ニク、サンの性別は人族で言う女よ?」

「男は怖いんだもん!」

その気持ちはわかる。

「じゃあ、ビッチのエムにしてもらったら?、喜んで喰べるんじやない?」

ルナリアが皮肉混じりにワタシに向かって言う。

「ワタシはそっち系じゃないってーの、お断りだわ」

「ボクだってエムさんは嫌だよ、だって笑いながらボクのお尻を犯したもん」

「アレは、あくまでもニクが悪さをしたお仕置き、乙女を奪わなかっただけ感謝するのね。本当なら、ケツの穴が再起不能になるぐらいぶっ壊れるまでヤッてたわ」

ニクが青ざめる

ウソだけど。

「とにかく、スノウは寝てるようだから食べちゃいましょう」

「スノウ、みなで、たべるのか?」

おい。

「違うわよ、コレ」

ワタシは鍋を指差した。

「はーい、それじゃあ、いただきまーす」

野営の夜は過ぎていく。

……

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