【R18】転生?した先は、リアルよりもHな世界でした。

N.M.V

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交易都市にて?

眠いのにHするとか?

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「エム、大丈夫?」

ワタシは、前のめりにベッドに倒れ込むと、ルナリアが心配そうに声をかけてきた。

「……スゲー疲れた」

「でもまさか、騎士団に勧誘されるなんてね、凄いわエム」

「凄くない、はた迷惑」

「…もう」

「でも、問題はそこじゃないわ」

「『魔法剣士』のこと?」

「……ねえ、なんで魔法士と剣術士の両立はあり得ないの?」

「え?」

ルナリアが不思議そうにワタシを見てきた。

「いや、だからなんなのその反応?」

「なにを言ってるのエム、そんなの精霊が金属類を嫌うからじゃない、常識でしょ?」

「はぁ?」

「え?」

ワタシ達の間に沈黙が流れた

「…あのー、言ってる意味がわからないんだけど?」

「ちょ、ちょっと待って、エムは前にもそんな話しをしてたけど、あなたいったいどうやって魔法を発動させてるの!?」

「魔素から、元素のことわりを選択して、発動してるけど」

元素と言っても、物質の元素じゃなくて、魔素に含まれる複合されたあらゆる属性の元。
この世界の人達は、魔素がなんぞやと、理解してはいないみたい。

「元素の理?、選択?、精霊は?、精霊を介してないの?」

「え?、あ、うん、全然。いるの?、そんなもん」

「ウソでしょ!?」

ウソもなにも、知らんがな

「精霊と契約するって話しでしょ?、そんな事してないわ、そもそもそんな契約必要なの?」

ルナリアが愕然としてる

「精霊と契約なしで魔法を発動するなんて、それこそあり得ないわよ」

あり得ない、でも実際にワタシは魔法を使える。

ワタシは単純に、魔素が魔法の源だと思ってる。でもそれはこの世界では考えが違うみたい。

魔素は単なる魔力のエネルギー源、発動には精霊の媒介が必要になる、と言うのがこの世界の理。

精霊か……なんか怪しい存在よね。

「ワタシに認識できない精霊の話はおいといて、剣術士と両立できないってなんなの?」

ルナリアは納得できない的な顔してる。

「……精霊は金属を嫌うの、剣、斧、槍、その刃先は主に金属、金属も多種多様あるけど、その全てにおいて精霊は反応するわ。そんな物を持っている者に精霊は力を貸さない。だから魔法士は剣術士と両立できないし、剣術士は魔法士にはなれない」

じゃあ木刀とかならいけるのかしら?

「だったら並行して魔法を使わなければ良いだけじゃん」

「それもダメなのよ、一度でも金属製武器を使うと精霊には何故かわかるの、そうなったら2度と精霊は力を貸してくれなくなる」

「包丁とか果物ナイフも?」

「それは武器じゃないわ、関係ないわよ」

なんじゃそりゃ、定義がおかしくない?、単なる妖精のわがままで左右されてない?、皆んな騙されてんじゃね?

と思うわ。

「なんで金属武器を嫌うのよ」

「金属武器は、精霊の命を吸うからだと言われているわ」

「ふーん…」

「ねぇ、エムは一体何を媒介にして魔法を行使しているの?、それってひょっとして私にも出来るの?」

媒介ねー

やっぱりワタシの魔法体系は、この世界と違うという事か……

「どうなんだろう……試して……」

「エム?」

「…ごめんルナ……凄い…眠い……」

突然洒落にならないくらい眠くなった。マジで。

ルナリアがそんなワタシに毛布を掛けてくれた。

「まだ体調が万全じゃないものね、少し休んで、魔法の話はまた今度教えて」

「うん、ちょっと…寝る…ケティと昼食に行ってきて……」

「わかったわ、エムの分も持って来るわね」

「…お願い………」

ワタシはあっという間にまどろみに落ちた。

……

マキュロン、ゲドー以下副長2人と冒険者ギルド長ロベール達は、エムの部屋を後にして、雀のナミダ亭の最上階、5階に上がって来た。

そこにある貸し切り個室で、食事を取りながら会議をしようと言う話。

亭の給仕係に個室へ通され、席についた面々。

するとそこには2人の先客が皆を迎え入れるべく、立って待っていた。 1人は衛士隊上級長のドルガー、そしてもう1人は、少年姿のフィロドロ侯爵だった。

各々席の前に来ると、騎士4人がフィロドロに対し、騎士の礼を取る。

ロベールも続いて会釈した。

フィロドロがそれを見て戸惑っていたが、ドルガーが耳元で囁いた。

「先にお座り下さい」

「あ、うん」

フィロドロが着席すると、周りの全員も着席した。

席へ着くなりロベールが口を開く

「失礼ながら、ひょっとしてフィロドロ様ですか?」

「はい、そうです。貴方はたしか冒険者ギルド長のロベールさんですよね」

「はい……正直驚きです。先の姿が闇の魔物が取り憑いていたからだったというのを聞き及んでおります。私の事は覚えていらっしゃらないのですか?」

「ないわけではありません。ですが全てが夢の中のような……物語の本を読んだ後のような感覚なんです」

フィロドロが暗い顔して頭を下に向けた。

「……僕は貴方を殺そうとした。それは微かに認識しています」

ロベールが笑う

「それは闇の魔物が仕掛けた事、貴方のせいではありませんフィロドロ様、エムもそう言うでしょう」

「エムは、彼女は大丈夫なんですか?」

ロベールはそう問われ、マキュロンを見た。

「俺の顔を伺うな、好きに話せよ」

「…彼女は、だいぶ元気になってますよ」

ロベールの説明に、ほっとするフィロドロ

実は、フィロドロはエムが目覚めた後、未だ彼女と一度も面会できていない、騎士団にしばらく拘束されていたというのもあるが、スノウが接触を許してくれないのだ。

「元気ならいいです…」

フィロドロの落ち込みを見て、マキュロンが小さく舌打ちした。

「……もういいか?、本題に入りたい、その前にロベールさんよ、ここは本当に大丈夫なんだろうな?」

「会話は漏れません、保証します」

「ははは、しかし娼館で重要会議とはな、王都ではまずあり得んな」

ゲドーが苦笑する。

「本会議の議長は、俺、マキュロンが務める」

皆が頷く

「よし、まずオッペケペイ侯爵家の処遇を伝える」

フィロドロ、ドルガーは、マキュロンの次の言葉に固唾を飲んだ。

「…王都騎士団、および王都行政院は、オッペケペイ侯爵家の爵位維持を明示する。侯爵家は速やかに、トンデルダルトトロリアーナの行政機能を回復させよ、治安に関しては、引き続き衛士隊が担えように、以上だ」

呆気に取られているフィロドロとドルガー

「あの、お咎めは?」

「仕置きが欲しいのか?、フィロドロ侯」

「…あの、その、厳罰を覚悟していたので」

「そうかよ、沙汰は今の通りで、以上も以下もねーよ、喜べ、と、言いてぇが…テメェは不服そうだな、ドルガー」

マキュロンは、神妙な顔で考え込むドルガーーにそう言った。

「ふ、不服などとんでもない!、かような寛大な措置を頂き恐悦の限りです。ただ……審問会をどうすればいいのかと…」

「それな、衛士隊は解散させる」

「え?」

「新たに衛士隊を開設する。役員には市民も入れる。でだ、そこにいる熟女好きのオッサンを局長に据える。役員の選任はアンタがやれロベール、ドルガーはその監査役、侯爵家は選任に口出しをするな」

フィロドロとドルガーが、そしてロベールさえも初耳だったらしく、驚きに目を丸くさせた。

「このオッサンは、性癖に難があるようだが、ギルド長としては優秀だと俺は判断した、衛士隊は公民の架け橋として、オッサンに協力してくれや」

「性癖は余計ですが…」

「うるせーよ、だったら悔い改めろ」

「……善処します」

「次に冒険者ギルドだが……そっちは民間組織だ、俺は知らん、好きにしろ」

「丸投げですか?」

ロベールが眉根を寄せた。

「丸投げじゃねーよ、王都騎士団も行政院も、民間組織に直接手を出す事はしねーんだ、そう言う決まりなんだよ」

「しかし、衛士隊審理局長とギルド長の兼任は……」

「テメェがこの間強姦した優秀な五十路のババアがいるだろ?、そいつにギルド長をやらせとけ、推薦の際は裏から根回しだけはしといてやる」

「な、何をおっしゃいますか!?」

「根回しだけじゃ足りねーってか?」

「いや、そっちではなくて……」

その場の全員が白い目でロベールを見ている。

「くっ、り、リンファを次のギルド長に推薦します」

「黙ってそうしとけ。…最後に冒険者エムの処遇だ」

マキュロンはそこで言葉を切り、一旦全員を見回した。

そして、告げる。

「王都騎士第三軍団は、奴にかけられた嫌疑と罪状は無効と判断する。衛士隊上級長ドルガー、異論は?」

「ありません」

「フィロドロ侯、異論は」

「彼女が解放されるなら、同意します」

「ゲドー隊長、第五軍団は何か意見はあるか?」

「……問題を解決した功績を讃えるべきであり、罪に問うべきではないと判断する」

「満場一致だな、ではあのクソアマは、無罪放免だ、畜生め!」

マキュロンが、ドンっ!とテーブルを拳で殴った。

「マキュロン、お前は納得していないようだな」

「当たり前だ!、ああ言う手合いは、この先問題ばかり起こすだろうよ!、だいたいなんなんだよあのアマ!」

マキュロンがこれでもかと悪態をつく

「まあ、非常識というか、面白いというか、エムという冒険者は、型破りだな」

そう言ってゲドーが笑う。

総長オヤジの考がわからん、なんであんなアバズレを騎士団に引き入れようとするんだ、女だぞ、戦乙女でもねーのによ!」

「能力だけ見れば逸材ですよ」

そう言ったのはルウ

「ルウ、お前、アイツと互角にやり合ったと言ってたな、本当なのか?」

「実力は確かですよ。冒険者ランクA、いやAAでもおかしくない」

そんなルウの言葉に、ドルガーとロベールが驚いていた。

「それは本当ですか?、ルウ殿」

ロベールがルウに問うた。

「ロベール殿、逆に聞きたい、冒険者ギルドは、なぜエムを正当に評価しない?、なぜ等級がDのままなのですか?」

「彼女は西の街で冒険者登録しています。問い合わせないと経緯まではわかりかねます。ただ山岳回廊の山賊を討伐した実績がある。こちらの手続きで昇級させてもいいと考えていますよ。そこは新ギルド長に進言しておきます」

「良きに計らってあげて下さい」

「…しかし冒険者の癖になんであのアマは、自分の手柄にしようとしねーんだよ…」

「それは、エム姉がとてもめんどくさがりで、自分の力をひけらかしたくないからよ。一番は権力ハゲな人と関わりたくないからね」

そう言い放ち、部屋に入って来たメイド服の女性

「ハゲは関係ねーだろ!、ノックをして入って来い、ったく…マティ、テメェはここで何してやがる」

「臨時で給仕してるのよ、この店で」

「はぁ?、戦乙女のテメェがか?」

「悪い?、ご注文は?」

「……酒7つと適当なツマミを持ってこい」

「昼間っから酒?」

「うるせーよ、いいから持ってこい」

「マキュロン、その物言いは騎士団として感心せんぞ」

とゲドーに嗜められる

「クソ戦乙女に、敬意なんざ払えるか」

「ヤレヤレ」

マティは、そんなマキュロンを尻目にゲドーに対しお辞儀した

「ゲドー隊長、此度は御助力ありがとうございました」

「礼はルウにするといい、この者の進言がなければ、それなりの処罰を課すために、君たちの首に賞金をかけていたよ」

「私達が賞金首ですか?」

ゲドーが苦笑する。

「…私の隊列に真正面から馬車で突入しただろう?、こちらは被害を被った、本来なら騎士団への攻撃は、反逆罪に当たる」

「あ……」

マティが手にしたお盆で口元を隠した。

「お前ら、そんな事したのか?」

マキュロンが呆れかえる。そんな彼を無視して、マティはルウに向き直ると、無言で深く会釈した。

「マティ殿、たしか君もあの温泉の野営地にいましたね?」

「はい」

「入浴中にもかかわらず、その節は失礼した」

「お、おい、ルウ、こ、コイツの裸を、み、見たのかよ!?」

なぜかマキュロンが狼狽えるが、マティはそれでもマキュロンを無視する。

「あれは事故みたいなものです、気にしないで下さい、ルウ様」

しかしそう言いながらマティは目を細めた。

「それよりもルウ様、あなたは西の街の森でエム姉様と一緒でしたか?」

「あ、ああ、彼女を追って…」

冷ややかな目でルウを見下ろすマティを見て言葉を詰まらせるルウ。

「そうですか、貴方がエム姉と…」

「……」

ルウは、冷や汗を垂らし目を逸らした。

マティとルウの間に沈黙が流れる。

「なんだルウ、あのクソアマと何かあんのか?」

マティはギロリとマキュロンを睨みつけた。

「うるさい、アンタには関係ないわ、ハゲ」

「ハゲじゃねー!」

マティはマキュロンに対し、ふんっとソッポを向いた。

そこにゲドーが割って入る。

「それにしてもマティもケティも、息災で何よりだ。君たちが騎士団を去って、心配していたのだよ」

「ご心配をおかけしました。今はエム様の従者をしています」

「コイツが心配する様なタマかよ」

パンっ!!

「イテっ!!」

マティはマキュロンの後頭部を平手ではたくと、足早に部屋を去って行った。

「マティ!、テメェ!!」

席を立ったマキュロンだったが、追わずに座り直した。

「あのクソアマが!」

「マキュロン隊長、彼女達はなぜ騎士団を抜けたのですか?」

ルウの質問にマキュロンは露骨に嫌そうな顔をする。

代わりにゲドーが答えた。

「とある事件がきっかけでな、それは騎士団にとって非常に不名誉な話だ、語ることを許されていない」

「ならば聞きません」

「ただし、彼女達の名誉のために1つ言えることは、マティとケティは王都と騎士団を守るために退団したと言うことだ。そうだろ?、マキュロン隊長」

「……知らねーよ、あんなクソアマ共の事なんざ」

「……お前はまだ裏切られた、とか思っているのか?」

「ふんっ」

ゲドーはヤレヤレと肩をすくめた

……

そんな事がここ『すずめの涙亭』で話し合われているなど露知らず。

ワタシは、眠りが浅くなったり、深くなったり、ウツラウツラとしていた。

眠い、凄く眠い…瞼が重い…なんだコレ

会話する声が聞こえる

ルナ、ケティ……

声が出ない

「しばらく眠らせときましょ、今のうちに食事に行きましょうか」

「うん、そうだね」

2人は部屋を出て行こうとしてる。

ダメ

行かないで

1人にしないで

……ナニをイッテルの、はイママデもずっとヒトリだったじゃない。

そうだ、1人だった。

ワタシは1人だった、ナニをイマサラ…

……でも嫌だ

1人はもうイヤ

誰か、お願い……

……

「あらぁん、こんな状態でほっとくなんてぇ、あの子達もひどいわねぇ」

誰?、その声……カスティア…さん?

目が見えない、光しか感じない。

「かわいそうにねぇ、泣いちゃってるじゃなあぃ?」

泣いてる?、ワタシが?

頬に手が触れてきた。

「ごめんなさぁいねぇ、私のがアナタの魂と身体の接続を、今もぉ阻害してるのょぉ」

え?、ナニを言ってるの?

体が……動かせない…

「だからねぇ……」

寝衣を剥ぎ取られてる?

「あらぁ、貞操帯?、コレは酷いわぁ、愛の営みは自由なのにねぇ」

貞操帯も外された。魔法でロックが施されているのに、いとも簡単に……

この人一体……

「私が何者かってぇ?、交わって見ればわかるわよぉ?」

顔にかかる熱い吐息、触れる肌の熱。

口に、柔らかいものが押しつけられてきた。

唇…そして舌

舌だわ、カスティアさんのディープなキス

ふわりと甘い匂い、絡みつく唾液

「ん、んふ、ん…」

カスティアさんの手が、露わにされた私の胸を包むように揉んで来る。

んあっ

手が…

その手がワタシの下腹部へ……

ああ

指の腹で秘穴を……なじられて……

こ、こんな、あ、凄っ、あ

「さあ、身を委ねてぇ」

カスティアさんが耳元で囁いてきた、痺れる…

抗おうにも体が動かない。

「ウフフ」

カスティアさんのイヤラシイ笑い声、ベッドに上がって来た。衣擦れの音、たぶん衣服を脱いでる。

ああ、この人、ワタシを犯す気なんだわ。

「大丈夫、アナタを助けてあげるだけよぉ」

股を割られ、カスティアさんの腰が入って来た。

ワタシより大きい双房が、ワタシの乳房に押しつけられてきた。

乳首が擦られる。

んなぁ

「さあ力を抜いてぇ」

何かが秘穴に当たる……ウソでしょ?

秘穴の口が押し広げられて太くて硬いものがヌルリと入って来た。

「ああっ!!」

あまりの衝撃に、ワタシの目が一瞬覚めた。

ワタシの股間にズブズブと入ってくる、えも言われぬ感触。

あのエロスライムに近い。

奥の奥まで侵入されて、ワタシの身体が自分の意思とは関係なしに反射的にのけぞった。

「ひあっ!」

「ああん、エムちゃんの中は凄く良いわぁ」

カスティアさんの腰つかいがネットリとしてる。大きくネットリと波打つようにワタシの秘穴を穿つ。

「吸い付いてくるぅ、こんなぁ、ああん、初めてぇ」

カスティアさんのコレ、法具とか呪具じゃない。

かと言ってフタナリチンPでもない。

アレだわ……闇ドロの

さっき彼女はって言った、確かに言った

そんな…まさか

「ウフフ、やっと気づいたぁ?、でももう遅いわぁ」

カスティアのチンPが一段と大きく膨らむ。

ああ、いやっ

そしてワタシの体内で何かが弾けた。

……

その頃スノウは、街外れにある森の中の自然迷宮にいた。

彼女は、臨時のパーティーアライアンスに魔法士として参加している。

パーティーの目標は、迷宮の低階層主『大蜘蛛』の討伐とそこから得られる素材の回収。
そして、スノウ自身は冒険者のランクアップ。

この数日、目まぐるしいまでのクエストをこなし、スノウの等級はF→Eになっていた。

現在、その大蜘蛛と交戦中。

スノウは前衛で飛び込みたい衝動を我慢して、魔法士として後方支援に徹している。

剣士が2人に、拳闘士が1人、斥候が1人に
弓術士1人、そしてスノウを入れた魔法士2人と、僧侶が1人

皆の冒険者ランクは駆け出しで高くはないが、中々に腕が立つ、要領も良い。

大蜘蛛は低レベル帯の魔物であり、このパーティーの布陣ならそこまで必死になるほどの相手ではない。慎重に攻略すれば良い。

ほとんど練習台みたいなもの。

スノウはそう見繕っていた。いざとなったら……

「……?」

スノウは、突然魔法の詠唱を止めて後を振り返った。

「スノウさん集中して!!」

このパーティーのリーダーを買って出たもう1人の魔法士の女子が叫んだ。

前衛組が獅子奮迅の働きで、大蜘蛛に食らいついている。

このままいけば、倒し切るだろうとスノウは判断した。

「大変申し訳ありませんが、急用が出来ました。帰ります」

「あ、アナタ!、何を言ってるの!?」

スノウが大蜘蛛に向かって両手を上下にかざした。

土柱破槌マッドパイルハンマー

地面と天井から大きな土の柱が勢いよく飛び出し、大蜘蛛をズドンっと挟んだ。

「ギャキキキキっ!!」

潰れはしなかったものの、身動きが取れなくなる大蜘蛛。

「え?」

「んなっ!?」

突然何が起きたと、剣士2人は後衛組を見た。

「土の柱なので、すぐに壊れます。即トドメを、後はよろしくお願いします。あ、報酬は結構です」

口早くそう言って、スノウは呆気に取られているパーティーを尻目に、足速にその場を後にした。

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