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交易都市にて?
奴隷なH?
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マッサージ師にHなアンアンをされたその日、陽がちょうど天頂に差し掛かった頃に、ワタシは再び衛士隊に召喚された。
無論、例の件です。
前回と違うのは、ワタシ1人だけ。マティとケティの随伴は許されなかった。
何かヤバそうな気がする。
すぐさまスノウに念話で指示を出した。「自分の身は自分で守って」、そして「ワタシを見捨てなさい」、と
……スノウからの返答はなかった。
……
衛士隊庁舎、審問会室
場にはワタシの従者はなし、当然弁護人なし、そしてギルド関係者が不在。
予感的中ね
ギルドが衛士隊に呼ばれなかったのか、ギルドがワタシを見捨てたのか……、どちらにしても、前者だろうと後者だろうと、ワタシにはどうでもいい話。
この世界は悪意に満ち、なにも信用できない。なにを今更と思われるかもしれないけど
、今回の件でつくづく思い知った。
ここではアウェイ。
…いえ、この世界でワタシは完全なるアウェイなんだわ。
少し高い位置から見下ろす衛士隊の上級幹部の面々。その視線には、嫌悪、蔑み、そして下卑た感情が入り混じってる。
そして、その中に混ざるモノクル男子
オッペケペイ侯爵子息のフィロドロと、スガー家ご令嬢のルナリア。
そのルナリアは、ワタシを見据える目が兎に角おかしい。先日と違い、変に優しげな眼差し。
……不気味だわ。
カンカンカンと乾いた木槌の音、壇上の審問官議長が声を上げ宣言する。
「判決を言い渡す」
は?、前振りもなくいきなりですか!?
「冒険者エム・ビー、貴様は、清廉潔白なる衛士隊4名を、己が感情に任せ、理由もなく、個人の生活に支障をきたす程に心身共に傷を負わせた。件の行為は、衛士隊に対する侮辱であり……」
清廉潔白?、理由もなく?、心身共に傷を負わせた?、フザケンな、あの野郎共はワタシの人権を無視して囮に使って、クソエルフに犯らせたのよ、ケツの穴を破壊されたのは自業自得だし、今はピンピンしてやがりますが?……と、色々とツッコミたい所だけど、もはや何を言っても無駄よねー
「本来であれば、極刑に近しい行為ではあるが、先の山岳地帯に巣食う山賊を壊滅せしめた功績もある。よって、貴様を500年の犯罪奴隷の刑とする」
山賊討伐は認めるのね。それもなんか思惑がありそうだけど…奴隷ですか。
ワタシはチラリとルナリアを見た。なんとなく、ルナリアの眼差しの理由がわかった。
だけど500年ってナニ?
「”隷属の枷”をこれに」
ルナリアがここにいなければ、たとえ魔法結界があろうと、物理的な方法で何もかも吹き飛ばすところだけど。ワタシは大人しく様子を見ることにした。
“隷属の枷”
犯罪奴隷の、それも大罪を犯した者だけに使用される、最恐最悪な三種の悪器、とスノウから教えて貰ってる。
“戒めの腕輪”
全ての能力が10分の1以下に抑制される。
“隷属の足枷”
隷属契約した主人の半径20歩圏内から離れられない。
“支配の首輪”
契約した主人に精神を掌握され支配される。
一度嵌められたら簡単には外せない。無理に外そうとすれば、一瞬で焼き殺されるギミックになってるそうな。
何とまーエグい仕様ね。
だけど、ワタシは抵抗せずに、ルナリアを見つめながら、それら枷を甘んじて受けてやった。
嵌められた途端に力が失われて行くのがわかる、量的な能力やステータス系が弱体化して行くのがわかる。魔力も恐らく10分の1程度に、そして隷属への強制が始まる。精神が支配されていく、思考が止まる……
ワタシは急な変化に気を失った。
……
エムがそんな事になっていると、一切知らされていないギルドは、捜査に行き詰まっていた。衛士隊の協力が得られない状況で、”魔犬の匙”の行方が未だに掴めない。
執務室のギルド長は、上がって来る警務部の報告書に目を通して、唸っていた。
「これだけ目撃証言があるのに、”魔犬の匙”が誰一人見つからない……迷宮に入った痕跡も、街を離れた形跡もない…戦乙女が言う通り、魔犬の匙は…衛士隊員と見るのが打倒か……」
それは、ギルド長が築いて来た、衛士隊との”信頼”という協力関係を否定する事になる。
「いや、衛士隊とは協定がある。ギルドの意見を蔑ろにすることはないはずだ」
ドンドンドン
やや強めに執務室の扉がたたかれた
「入れ」
「失礼します」
慌てるように入って来たのは、女性ギルド職員
「なんだ騒々しい。何かあったのか?」
「それが…エムさんが…」
……
オッペケペイ侯爵家の屋敷にて…
エムの身柄は、オッペケペイ家の預かりとなった。馬車にて連れ出され、屋敷へと移送された。
「これで、この者は貴方のモノですよ。ルナリア・スガー殿」
「ありがとうございます、フィロドロ様」
フィロドロは、ルナリアの頬を撫で、彼女に唇を重ねる。ルナリアは舌を入れて返し、息を荒げる。
「んぁ…フィロドロさまぁ」
そんなルナリアに対して、フィロドロは、口を離して微笑んだ。
「続きは今宵、エムも交えてしましょう」
「ハイ、フィロドロ様」
恍惚の顔で、そう受け答えたルナリア
「この部屋の近くをしばらく人払いしましょう。可愛がってあげてください」
そう言って、フィロドロは頭を下げた。その下では笑いながら部屋を出て行った。
ベッドに仰向けに横たわる下着姿のエム。その横に座りそっと頬を撫でるルナリア
「エムがいけないのよ、貴方は恐ろし人。存在するだけで人々を傷つけ、この世に混沌を撒き散らす。そして神をも恐れない……貴方はいつの日か世界を滅ぼす存在かもしれない。だから私が支配して上げるわ、永久に、私のモノに……」
ルナリアは、虚なエムに唇を重ねた。
エムの服を下着を乱暴に引き裂き、乳房を揉みしだく。
「ああ、エム、エムうぅ」
ルナリアは自らも着ているものを脱ぎ去り裸になると、ケダモノが獲物にむしゃぶりつくかの様に、エムの体を舐め回しながら体を重ねて行く。
その舌は、エムの股の間へ、秘穴口を舐め上げ舌を入れて吸う。
ビクビクと反応し出すエム。薄らと目を開けた。
「あ、んぁ」
ルナリアは、口から涎の糸を引きながら顔を離すと、今度は指をエムの秘穴に充てがった。
「起きなさい、エム」
エムはピクっと身体を震わせ、目を開け、ルナリアを見つめた。
「貴方は誰?」
「ワタシは……エム」
「貴方の主人は誰?」
「……ルナリア・スガー様…です」
ルナリアはウットリと笑みを浮かべる
「そうよ、今日から貴方は私の下僕、いついかなる時も一緒よ、エム」
「はい、ルナ……様」
「良い子ね、ご褒美をあげます」
「あ、ああ」
エムが身をのけぞらす、ルナリアの指がエムの秘穴を嬲り上げる。
「る、ルナ様ぁ、き、キモチイイ」
「イヤラシ子ね、私に身を委ねなさい」
「はい…ルナ様」
再びルナリアはエムにキスをした。2人は抱き合いベッドへと沈んでいく。
……
部屋の外、扉の前に立っていたフィロドロ
「くくく、愚かな女共だ」
そこに、屋敷の使用人がフィロドロの下へとやってきて会釈する。
「…フィロドロ様、ギルド長が来訪されました」
「思ったより早かったな」
「如何かいたしますか?」
「様子は?」
「今にも屋敷に立ち入らんばかりの勢いです……」
「ふむ……1人か?」
「いえ、フードを被り覆面をした見慣れぬ2人を伴っております」
フィロドロはニヤリと笑った。
「……離れの客間に通して待たせておけ」
「はっ」
……
オッペケペイ侯爵家の屋敷内にある寂れた古い邸宅。しかし、管理は行き届きホコリ臭くはなかった。その一室の執務室に通されたギルド長と従者の2人
「なぜこんな事になっているんだ」
ソファに座り思考するギルド長。
その背後には、ギルド長と同じく胸にギルド職員章を付けたローブを羽織り、フードを深く被り覆面した2人が立っている。様相からは女性のようだ。侯爵邸内ではあるため、3人とも武器類は預けてある。
冒険者エムが、山賊討伐の功労者である事実は確認できた。
しかし、その事はギルド内でも限られた者達だけに今は伏せてある。エムを救うための切り札とするために…。
その理由は、衛士隊員に対し傷害を働いたその理由についての調査はまだ終わっていないからだ。
なぜ、衛士隊はギルドの意向を無視して強硬手段に出た?、このままでは冒険者保護協定違反となる。
この案件は慎重に事を進めるべき内容のはずだ。衛士隊は何を考えている……
「お待たせした、ギルド長」
フィロドロが部屋に入って来た。ギルド長はソファから立ち上がり、胸に手を当て会釈する。従者の職員もそれに習った。
「何か飲まれますかな?」
フィロドロが穏やかな顔で、そう言った。
「いえ結構です。早速ですが説明をして頂きたい」
「例の冒険者の件ですかな?」
「侯爵家に移送されたと聞き及びました。嫌疑不十分でなぜ、結審されたのですか?、それも奴隷などと」
「衛士隊で聞かれたのでは?」
「”この案件は侯爵家の預かりとなった”、の一点張りで、彼らは情報開示しようとしません」
「何やら誤解がありますな。当家は身柄を引き受けただけですよ」
「なぜ侯爵家が?、この顛末は貴方が指示したのではないのですか?」
「情報は出しましたがね、結審したのは衛士隊ですよ」
「……その情報とは?」
「彼女と行動を共にしていた者によると、かの者は非常に被虐的な性癖の持ち主で、その内に秘めたる残虐性も目に余るとの話しでした。早々に拘束し、人の手に委ね、監視すべき人物であると話を受けて、衛士隊に伝えました。最終的に判断したのは衛士隊です。あの者が、衛士隊員4人に重傷を追わせたのは事実ですし、それで十分でしょう」
「その情報源たる人物は、あの2人の従者ですか?」
「いいえ、ルナリア殿ですよ」
ギルド長は目を細めた。
冒険者ランクAの魔剣士ルナリア、先だってフィロドロと共に審議の場で、エムを糾弾していた。ギルド長も彼女の名は、南方領ギルドの実力者であることは把握している。
実はルナリアの存在が、山賊討伐の功績が事実であると、ギルド側で判断に至るのが遅くなった要因でもあった。
その理由は
ルナリアが、南方で活躍していた自分の徒党を解散までして、ランクDの冒険者エムに随伴してき思惑が見えなかったこと。それなのに審議の場では、エムに対し裏切りのような行為を取っていた。
ルナリアの真意がわからない。
「ルナリアという人物は、信用に足る者ですか?」
「彼女は、南方領主、ブンター・スガー殿の御令嬢ですよ」
「!?、スガー公の!?」
「ギルドは彼女に疑念を持たれている様ですが、間違いなくルナリア殿本人ですよ。彼女はエムを救いたい一心で、我々に協力を願い出たのです」
「救う?、私には逆にみえましたが?」
「ルナリア殿は、エムと一緒に旅をしてきて、彼女がいずれ取り返しのつかない問題を起こすと危惧していました。それを、今回のことで痛感したそうです。これはルナリア殿の慈悲ゆえの行動だと私は理解しました。それに彼女は嘘をつく人物ではない事は、彼女の家柄の通りです。我がオッペケペイ侯爵家も保証します」
ギルド長は顎に手をやり思考する。侯爵家名を持ち出されては、信用するしかない。
「……調査の結果、エムは山賊討伐の功労者でると、我々ギルドは認めました。交易都市の立場からその利益は計り知れません。こちらとしても彼女を保護する義務があります」
「ええ、それはわが侯爵家でも同じ考えです。ギルド長の言わんとしている事はわかりまよ。ですが、罪は罪です。
衛士隊に手をかけることは、王都騎士団、ひいては王家に弓を引いた事と同義、本来なら首を刎ねる厳罰モノですからね。山賊討伐の功労は、ルナリア殿も証人ですし、私も彼女の言うことならばと認めております。故に減刑するよう、衛士隊には陳情しました。その結果の、犯罪奴隷ですよ」
ギルド長は「そうではない」と言いたかったが、その言葉は飲み込んだ。
「それに、然るべき身請け人も既におりますしね」
「身請け人?、フィロドロ様ではないのですか?」
「当家で奴隷を扱うようなことはしませんよ」
「……身請け人は、ルナリア殿ですか」
「ええ、ルナリア殿は当家の客人、彼女の切な願いを叶えて差し上げたのです」
ギルド長は益々わからなくなった。なぜルナリアほどの人物が、一介の冒険者であるエムにそこまで肩入れをするのか。これはもう直接本人に確認するしかない。
「……フィロドロ様、エムに話を聞きたいのですが?」
「それは構いませんが、話は出来ないと思いますよ?」
「それはどういう……」
フィロドロが手を叩くと、扉が開いて、人が入ってくる。
それはエム本人だった。
真っ白なワンピース姿、全身が薄らと透けて見えており、下には何も身につけていないのがわかる。
目は虚に、視点が定まっていない。心ここに在らずの様相だ。
ギルド長は、それよりもよりも、彼女の手足と首につけられたモノを見て、驚きに目を散眼させた。
「まさか…隷属の枷!?」
「犯罪奴隷ですからね。この者はすでに身請け人と隷属関係にあります」
「フィロドロ様!、これは貴方の指示ですか!?」
「まさか、何度も言うように刑罰を結審したのは衛士隊ですよ。ですがこの者は危険な上に大罪を犯した犯罪奴隷、”隷属の枷”は必要でしょう」
エムをなぜそこまで危険視するのか、その証人たるルナリアも、助けるべき仲間をこんな目に合わせる理由がわからない。
更には、これではギルドが”仮身請け”する事も出来ない。何故ならば、奴隷契約した主人と移譲交渉と、最終的に衛士隊か、侯爵家の許可が必要になる。
たとえ主人と交渉が成立したとしても、衛士隊と侯爵家が許可を出すとは思えない。
衛士隊は侯爵家の管理下にある。
ギルド長は心の中で舌打ちした。
「(クソっ!、ここまでやるとは思ってもいなかった)」
「当面は、ルナリア殿と共にその身柄を当家にて預かります。安心してください」
「……衛士隊は、ギルドと争いになっても良いと考えているのですか?」
フィロドロは、フッと鼻で笑った。
「協約の話ですか?、それはギルド次第でしょう?、たかが冒険者1人に、何をそこまでご執心されるのですか?」
ギルド長は、その物言いに憤慨する。ハラワタが煮えたぎる思いだった。しかしそこは平静を装った。
「フィロドロ様、勘違いされては困ります。冒険者ギルドは、冒険者を支援し互助する組織です。たかが冒険者という発言は、取り消して頂きたい」
「…ああ、そうでしたな、これは失言でした」
フィロドロは、ふっと笑った。
ギルド長は、エムを見た。虚な目でそこに立っている。
「ルナリア…殿は?」
「隣の部屋に居ますよ、彼女とは20歩圏内から離れられませんから」
「ここに呼んで頂きたい」
「それは、出来ませんな」
「何故?」
「彼女が望んでいないからです」
「(これでは埒があかない)」
歯軋りするギルド長、そんな彼に対し、思い出したかの様にフィロドロは…
「おおそうだ、ギルド長に一つ情報まで」
「情報?」
「先日、王都騎士団が勅命書を持って衛士隊庁舎に来ましたよ。エムとの面会を求めてね」
「王都騎士団が勅命書?」
「直接会えば良いものを、……とは思ったのですが、どうやらエム自身が、話も聞かず追い返したそうですよ」
ギルド長の従者が、彼に耳打ちした。
「……そんな事があったのか」
ギルド長の言葉に従者は頷いた。
フィロドロは、一瞬、ギルド職員と覆面越しに視線を合わせる。ギルド長はその事に気づいていない。和かな顔に戻るとギルド長に視線を戻した。
「ほう、ギルド諜報部でも把握しておられましたか」
「ウチにそんな部署はありませんよ」
「まあ、そう言うことにしておきましょう」
「……王都騎士団が何故エムに面会を申し出たのですか?」
「さあ?、理由は話せないとかで、衛士隊もそれでは面会させられないと、許可を出さなかったようですが?」
「勅命書を持った騎士団を追い返したのですか?」
「ええ、上位命令であろうと犯罪者の審議中ですからね。終わるまで待って頂く事にしました」
フィロドロがクククと意味深かに笑ったのを見て、ギルド長は顔を顰めた。
「(まさか、それで急いで犯罪奴隷にしたのか!!)」
騎士団はそもそも、何しに来た?、エムになんの用向きがある?
ギルド長は思考し、立ち上がった。
「わかりました、今日の所は一度引き上げます」
しかし、フィロドロはすっとギルド長に指を差した。
「?」
するとエムがギルド長の前に出て会釈した。
「彼女と話はされないのですか?」
「支配されているのにですか?」
「どこまで支配されているのか、私には測りかねますな」
ギルド長は、エムを見つめながらソファに座り直した。
「聞かれたくない事もおありでしょう、私は一旦失礼しますよ。執務が立て込んでますのでね」
そう言って、フィロドロは部屋を出て行った。その扉を見つめるギルド長
「……いったいどういうつもりなんだ」
エムは、そんなギルド長の隣に徐に座り、彼の太腿に手を添えた。上目遣いに見つめる目。しかしその目はやはり虚だった。
「君は本当に心を支配されているのか?」
するとエムは、ギルド長に唇を重ねて来た。
「!?」
顔を赤くして、エムの両肩を掴み引き剥がすギルド長。
「な!?、いきなりなんのつもりだ!!?」
「あなたの望むままに」
「何を言ってる!?」
エムは、艶やかな目でギルド長を見つめながら、そのままを彼をソファに押し倒した。全ての力を抑制されているはずなのに、力みもなくフワリと倒され、ギルド長は驚く。
従者2人も、突然のその行動に身構えた。
「待て!、俺に任せてくれ」
従者2人は、肩でため息をつくと構えを解き、後ろに下がった。
ギルド長はそっとエムの頬に手を充てた。実は審問会で一目見た時から、エムの事は気になっていた」
「俺としては、もう少し歳ををかさねてくれれた方が好みではあるよ……だがな…」
ギルド長は、エムの不思議な魅力に惹かれたていた。愛おしい、抱きたい、そう思っていた。
しかし、今は状況的にエム本人の意思が介在しているとは思えない。
「俺が必ず助けてやる」
ギルド長は、エムにキスをすべく、彼女を引き寄せ、唇を近づけた……
ドッ
突然ギルド長は、自分の左胸脇に衝撃と違和感を覚えた。そして直後に激痛が襲う。
彼は震えながらその部位を見た。
そこには、エムの手に握られたナイフが、その刃が自分の脇腹に根元まで深々と刺さっていた。
……
無論、例の件です。
前回と違うのは、ワタシ1人だけ。マティとケティの随伴は許されなかった。
何かヤバそうな気がする。
すぐさまスノウに念話で指示を出した。「自分の身は自分で守って」、そして「ワタシを見捨てなさい」、と
……スノウからの返答はなかった。
……
衛士隊庁舎、審問会室
場にはワタシの従者はなし、当然弁護人なし、そしてギルド関係者が不在。
予感的中ね
ギルドが衛士隊に呼ばれなかったのか、ギルドがワタシを見捨てたのか……、どちらにしても、前者だろうと後者だろうと、ワタシにはどうでもいい話。
この世界は悪意に満ち、なにも信用できない。なにを今更と思われるかもしれないけど
、今回の件でつくづく思い知った。
ここではアウェイ。
…いえ、この世界でワタシは完全なるアウェイなんだわ。
少し高い位置から見下ろす衛士隊の上級幹部の面々。その視線には、嫌悪、蔑み、そして下卑た感情が入り混じってる。
そして、その中に混ざるモノクル男子
オッペケペイ侯爵子息のフィロドロと、スガー家ご令嬢のルナリア。
そのルナリアは、ワタシを見据える目が兎に角おかしい。先日と違い、変に優しげな眼差し。
……不気味だわ。
カンカンカンと乾いた木槌の音、壇上の審問官議長が声を上げ宣言する。
「判決を言い渡す」
は?、前振りもなくいきなりですか!?
「冒険者エム・ビー、貴様は、清廉潔白なる衛士隊4名を、己が感情に任せ、理由もなく、個人の生活に支障をきたす程に心身共に傷を負わせた。件の行為は、衛士隊に対する侮辱であり……」
清廉潔白?、理由もなく?、心身共に傷を負わせた?、フザケンな、あの野郎共はワタシの人権を無視して囮に使って、クソエルフに犯らせたのよ、ケツの穴を破壊されたのは自業自得だし、今はピンピンしてやがりますが?……と、色々とツッコミたい所だけど、もはや何を言っても無駄よねー
「本来であれば、極刑に近しい行為ではあるが、先の山岳地帯に巣食う山賊を壊滅せしめた功績もある。よって、貴様を500年の犯罪奴隷の刑とする」
山賊討伐は認めるのね。それもなんか思惑がありそうだけど…奴隷ですか。
ワタシはチラリとルナリアを見た。なんとなく、ルナリアの眼差しの理由がわかった。
だけど500年ってナニ?
「”隷属の枷”をこれに」
ルナリアがここにいなければ、たとえ魔法結界があろうと、物理的な方法で何もかも吹き飛ばすところだけど。ワタシは大人しく様子を見ることにした。
“隷属の枷”
犯罪奴隷の、それも大罪を犯した者だけに使用される、最恐最悪な三種の悪器、とスノウから教えて貰ってる。
“戒めの腕輪”
全ての能力が10分の1以下に抑制される。
“隷属の足枷”
隷属契約した主人の半径20歩圏内から離れられない。
“支配の首輪”
契約した主人に精神を掌握され支配される。
一度嵌められたら簡単には外せない。無理に外そうとすれば、一瞬で焼き殺されるギミックになってるそうな。
何とまーエグい仕様ね。
だけど、ワタシは抵抗せずに、ルナリアを見つめながら、それら枷を甘んじて受けてやった。
嵌められた途端に力が失われて行くのがわかる、量的な能力やステータス系が弱体化して行くのがわかる。魔力も恐らく10分の1程度に、そして隷属への強制が始まる。精神が支配されていく、思考が止まる……
ワタシは急な変化に気を失った。
……
エムがそんな事になっていると、一切知らされていないギルドは、捜査に行き詰まっていた。衛士隊の協力が得られない状況で、”魔犬の匙”の行方が未だに掴めない。
執務室のギルド長は、上がって来る警務部の報告書に目を通して、唸っていた。
「これだけ目撃証言があるのに、”魔犬の匙”が誰一人見つからない……迷宮に入った痕跡も、街を離れた形跡もない…戦乙女が言う通り、魔犬の匙は…衛士隊員と見るのが打倒か……」
それは、ギルド長が築いて来た、衛士隊との”信頼”という協力関係を否定する事になる。
「いや、衛士隊とは協定がある。ギルドの意見を蔑ろにすることはないはずだ」
ドンドンドン
やや強めに執務室の扉がたたかれた
「入れ」
「失礼します」
慌てるように入って来たのは、女性ギルド職員
「なんだ騒々しい。何かあったのか?」
「それが…エムさんが…」
……
オッペケペイ侯爵家の屋敷にて…
エムの身柄は、オッペケペイ家の預かりとなった。馬車にて連れ出され、屋敷へと移送された。
「これで、この者は貴方のモノですよ。ルナリア・スガー殿」
「ありがとうございます、フィロドロ様」
フィロドロは、ルナリアの頬を撫で、彼女に唇を重ねる。ルナリアは舌を入れて返し、息を荒げる。
「んぁ…フィロドロさまぁ」
そんなルナリアに対して、フィロドロは、口を離して微笑んだ。
「続きは今宵、エムも交えてしましょう」
「ハイ、フィロドロ様」
恍惚の顔で、そう受け答えたルナリア
「この部屋の近くをしばらく人払いしましょう。可愛がってあげてください」
そう言って、フィロドロは頭を下げた。その下では笑いながら部屋を出て行った。
ベッドに仰向けに横たわる下着姿のエム。その横に座りそっと頬を撫でるルナリア
「エムがいけないのよ、貴方は恐ろし人。存在するだけで人々を傷つけ、この世に混沌を撒き散らす。そして神をも恐れない……貴方はいつの日か世界を滅ぼす存在かもしれない。だから私が支配して上げるわ、永久に、私のモノに……」
ルナリアは、虚なエムに唇を重ねた。
エムの服を下着を乱暴に引き裂き、乳房を揉みしだく。
「ああ、エム、エムうぅ」
ルナリアは自らも着ているものを脱ぎ去り裸になると、ケダモノが獲物にむしゃぶりつくかの様に、エムの体を舐め回しながら体を重ねて行く。
その舌は、エムの股の間へ、秘穴口を舐め上げ舌を入れて吸う。
ビクビクと反応し出すエム。薄らと目を開けた。
「あ、んぁ」
ルナリアは、口から涎の糸を引きながら顔を離すと、今度は指をエムの秘穴に充てがった。
「起きなさい、エム」
エムはピクっと身体を震わせ、目を開け、ルナリアを見つめた。
「貴方は誰?」
「ワタシは……エム」
「貴方の主人は誰?」
「……ルナリア・スガー様…です」
ルナリアはウットリと笑みを浮かべる
「そうよ、今日から貴方は私の下僕、いついかなる時も一緒よ、エム」
「はい、ルナ……様」
「良い子ね、ご褒美をあげます」
「あ、ああ」
エムが身をのけぞらす、ルナリアの指がエムの秘穴を嬲り上げる。
「る、ルナ様ぁ、き、キモチイイ」
「イヤラシ子ね、私に身を委ねなさい」
「はい…ルナ様」
再びルナリアはエムにキスをした。2人は抱き合いベッドへと沈んでいく。
……
部屋の外、扉の前に立っていたフィロドロ
「くくく、愚かな女共だ」
そこに、屋敷の使用人がフィロドロの下へとやってきて会釈する。
「…フィロドロ様、ギルド長が来訪されました」
「思ったより早かったな」
「如何かいたしますか?」
「様子は?」
「今にも屋敷に立ち入らんばかりの勢いです……」
「ふむ……1人か?」
「いえ、フードを被り覆面をした見慣れぬ2人を伴っております」
フィロドロはニヤリと笑った。
「……離れの客間に通して待たせておけ」
「はっ」
……
オッペケペイ侯爵家の屋敷内にある寂れた古い邸宅。しかし、管理は行き届きホコリ臭くはなかった。その一室の執務室に通されたギルド長と従者の2人
「なぜこんな事になっているんだ」
ソファに座り思考するギルド長。
その背後には、ギルド長と同じく胸にギルド職員章を付けたローブを羽織り、フードを深く被り覆面した2人が立っている。様相からは女性のようだ。侯爵邸内ではあるため、3人とも武器類は預けてある。
冒険者エムが、山賊討伐の功労者である事実は確認できた。
しかし、その事はギルド内でも限られた者達だけに今は伏せてある。エムを救うための切り札とするために…。
その理由は、衛士隊員に対し傷害を働いたその理由についての調査はまだ終わっていないからだ。
なぜ、衛士隊はギルドの意向を無視して強硬手段に出た?、このままでは冒険者保護協定違反となる。
この案件は慎重に事を進めるべき内容のはずだ。衛士隊は何を考えている……
「お待たせした、ギルド長」
フィロドロが部屋に入って来た。ギルド長はソファから立ち上がり、胸に手を当て会釈する。従者の職員もそれに習った。
「何か飲まれますかな?」
フィロドロが穏やかな顔で、そう言った。
「いえ結構です。早速ですが説明をして頂きたい」
「例の冒険者の件ですかな?」
「侯爵家に移送されたと聞き及びました。嫌疑不十分でなぜ、結審されたのですか?、それも奴隷などと」
「衛士隊で聞かれたのでは?」
「”この案件は侯爵家の預かりとなった”、の一点張りで、彼らは情報開示しようとしません」
「何やら誤解がありますな。当家は身柄を引き受けただけですよ」
「なぜ侯爵家が?、この顛末は貴方が指示したのではないのですか?」
「情報は出しましたがね、結審したのは衛士隊ですよ」
「……その情報とは?」
「彼女と行動を共にしていた者によると、かの者は非常に被虐的な性癖の持ち主で、その内に秘めたる残虐性も目に余るとの話しでした。早々に拘束し、人の手に委ね、監視すべき人物であると話を受けて、衛士隊に伝えました。最終的に判断したのは衛士隊です。あの者が、衛士隊員4人に重傷を追わせたのは事実ですし、それで十分でしょう」
「その情報源たる人物は、あの2人の従者ですか?」
「いいえ、ルナリア殿ですよ」
ギルド長は目を細めた。
冒険者ランクAの魔剣士ルナリア、先だってフィロドロと共に審議の場で、エムを糾弾していた。ギルド長も彼女の名は、南方領ギルドの実力者であることは把握している。
実はルナリアの存在が、山賊討伐の功績が事実であると、ギルド側で判断に至るのが遅くなった要因でもあった。
その理由は
ルナリアが、南方で活躍していた自分の徒党を解散までして、ランクDの冒険者エムに随伴してき思惑が見えなかったこと。それなのに審議の場では、エムに対し裏切りのような行為を取っていた。
ルナリアの真意がわからない。
「ルナリアという人物は、信用に足る者ですか?」
「彼女は、南方領主、ブンター・スガー殿の御令嬢ですよ」
「!?、スガー公の!?」
「ギルドは彼女に疑念を持たれている様ですが、間違いなくルナリア殿本人ですよ。彼女はエムを救いたい一心で、我々に協力を願い出たのです」
「救う?、私には逆にみえましたが?」
「ルナリア殿は、エムと一緒に旅をしてきて、彼女がいずれ取り返しのつかない問題を起こすと危惧していました。それを、今回のことで痛感したそうです。これはルナリア殿の慈悲ゆえの行動だと私は理解しました。それに彼女は嘘をつく人物ではない事は、彼女の家柄の通りです。我がオッペケペイ侯爵家も保証します」
ギルド長は顎に手をやり思考する。侯爵家名を持ち出されては、信用するしかない。
「……調査の結果、エムは山賊討伐の功労者でると、我々ギルドは認めました。交易都市の立場からその利益は計り知れません。こちらとしても彼女を保護する義務があります」
「ええ、それはわが侯爵家でも同じ考えです。ギルド長の言わんとしている事はわかりまよ。ですが、罪は罪です。
衛士隊に手をかけることは、王都騎士団、ひいては王家に弓を引いた事と同義、本来なら首を刎ねる厳罰モノですからね。山賊討伐の功労は、ルナリア殿も証人ですし、私も彼女の言うことならばと認めております。故に減刑するよう、衛士隊には陳情しました。その結果の、犯罪奴隷ですよ」
ギルド長は「そうではない」と言いたかったが、その言葉は飲み込んだ。
「それに、然るべき身請け人も既におりますしね」
「身請け人?、フィロドロ様ではないのですか?」
「当家で奴隷を扱うようなことはしませんよ」
「……身請け人は、ルナリア殿ですか」
「ええ、ルナリア殿は当家の客人、彼女の切な願いを叶えて差し上げたのです」
ギルド長は益々わからなくなった。なぜルナリアほどの人物が、一介の冒険者であるエムにそこまで肩入れをするのか。これはもう直接本人に確認するしかない。
「……フィロドロ様、エムに話を聞きたいのですが?」
「それは構いませんが、話は出来ないと思いますよ?」
「それはどういう……」
フィロドロが手を叩くと、扉が開いて、人が入ってくる。
それはエム本人だった。
真っ白なワンピース姿、全身が薄らと透けて見えており、下には何も身につけていないのがわかる。
目は虚に、視点が定まっていない。心ここに在らずの様相だ。
ギルド長は、それよりもよりも、彼女の手足と首につけられたモノを見て、驚きに目を散眼させた。
「まさか…隷属の枷!?」
「犯罪奴隷ですからね。この者はすでに身請け人と隷属関係にあります」
「フィロドロ様!、これは貴方の指示ですか!?」
「まさか、何度も言うように刑罰を結審したのは衛士隊ですよ。ですがこの者は危険な上に大罪を犯した犯罪奴隷、”隷属の枷”は必要でしょう」
エムをなぜそこまで危険視するのか、その証人たるルナリアも、助けるべき仲間をこんな目に合わせる理由がわからない。
更には、これではギルドが”仮身請け”する事も出来ない。何故ならば、奴隷契約した主人と移譲交渉と、最終的に衛士隊か、侯爵家の許可が必要になる。
たとえ主人と交渉が成立したとしても、衛士隊と侯爵家が許可を出すとは思えない。
衛士隊は侯爵家の管理下にある。
ギルド長は心の中で舌打ちした。
「(クソっ!、ここまでやるとは思ってもいなかった)」
「当面は、ルナリア殿と共にその身柄を当家にて預かります。安心してください」
「……衛士隊は、ギルドと争いになっても良いと考えているのですか?」
フィロドロは、フッと鼻で笑った。
「協約の話ですか?、それはギルド次第でしょう?、たかが冒険者1人に、何をそこまでご執心されるのですか?」
ギルド長は、その物言いに憤慨する。ハラワタが煮えたぎる思いだった。しかしそこは平静を装った。
「フィロドロ様、勘違いされては困ります。冒険者ギルドは、冒険者を支援し互助する組織です。たかが冒険者という発言は、取り消して頂きたい」
「…ああ、そうでしたな、これは失言でした」
フィロドロは、ふっと笑った。
ギルド長は、エムを見た。虚な目でそこに立っている。
「ルナリア…殿は?」
「隣の部屋に居ますよ、彼女とは20歩圏内から離れられませんから」
「ここに呼んで頂きたい」
「それは、出来ませんな」
「何故?」
「彼女が望んでいないからです」
「(これでは埒があかない)」
歯軋りするギルド長、そんな彼に対し、思い出したかの様にフィロドロは…
「おおそうだ、ギルド長に一つ情報まで」
「情報?」
「先日、王都騎士団が勅命書を持って衛士隊庁舎に来ましたよ。エムとの面会を求めてね」
「王都騎士団が勅命書?」
「直接会えば良いものを、……とは思ったのですが、どうやらエム自身が、話も聞かず追い返したそうですよ」
ギルド長の従者が、彼に耳打ちした。
「……そんな事があったのか」
ギルド長の言葉に従者は頷いた。
フィロドロは、一瞬、ギルド職員と覆面越しに視線を合わせる。ギルド長はその事に気づいていない。和かな顔に戻るとギルド長に視線を戻した。
「ほう、ギルド諜報部でも把握しておられましたか」
「ウチにそんな部署はありませんよ」
「まあ、そう言うことにしておきましょう」
「……王都騎士団が何故エムに面会を申し出たのですか?」
「さあ?、理由は話せないとかで、衛士隊もそれでは面会させられないと、許可を出さなかったようですが?」
「勅命書を持った騎士団を追い返したのですか?」
「ええ、上位命令であろうと犯罪者の審議中ですからね。終わるまで待って頂く事にしました」
フィロドロがクククと意味深かに笑ったのを見て、ギルド長は顔を顰めた。
「(まさか、それで急いで犯罪奴隷にしたのか!!)」
騎士団はそもそも、何しに来た?、エムになんの用向きがある?
ギルド長は思考し、立ち上がった。
「わかりました、今日の所は一度引き上げます」
しかし、フィロドロはすっとギルド長に指を差した。
「?」
するとエムがギルド長の前に出て会釈した。
「彼女と話はされないのですか?」
「支配されているのにですか?」
「どこまで支配されているのか、私には測りかねますな」
ギルド長は、エムを見つめながらソファに座り直した。
「聞かれたくない事もおありでしょう、私は一旦失礼しますよ。執務が立て込んでますのでね」
そう言って、フィロドロは部屋を出て行った。その扉を見つめるギルド長
「……いったいどういうつもりなんだ」
エムは、そんなギルド長の隣に徐に座り、彼の太腿に手を添えた。上目遣いに見つめる目。しかしその目はやはり虚だった。
「君は本当に心を支配されているのか?」
するとエムは、ギルド長に唇を重ねて来た。
「!?」
顔を赤くして、エムの両肩を掴み引き剥がすギルド長。
「な!?、いきなりなんのつもりだ!!?」
「あなたの望むままに」
「何を言ってる!?」
エムは、艶やかな目でギルド長を見つめながら、そのままを彼をソファに押し倒した。全ての力を抑制されているはずなのに、力みもなくフワリと倒され、ギルド長は驚く。
従者2人も、突然のその行動に身構えた。
「待て!、俺に任せてくれ」
従者2人は、肩でため息をつくと構えを解き、後ろに下がった。
ギルド長はそっとエムの頬に手を充てた。実は審問会で一目見た時から、エムの事は気になっていた」
「俺としては、もう少し歳ををかさねてくれれた方が好みではあるよ……だがな…」
ギルド長は、エムの不思議な魅力に惹かれたていた。愛おしい、抱きたい、そう思っていた。
しかし、今は状況的にエム本人の意思が介在しているとは思えない。
「俺が必ず助けてやる」
ギルド長は、エムにキスをすべく、彼女を引き寄せ、唇を近づけた……
ドッ
突然ギルド長は、自分の左胸脇に衝撃と違和感を覚えた。そして直後に激痛が襲う。
彼は震えながらその部位を見た。
そこには、エムの手に握られたナイフが、その刃が自分の脇腹に根元まで深々と刺さっていた。
……
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