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新たな災難の始まり?
狂気なH?
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エムがトランの邸宅に囲われている。
彼女は精神支配され、操られている可能性が高い
その情報を基に、結成されたエム救出部隊、リンナ、ネイル、シノ
なぜ三人はネイルの邸宅に来たのかというと、実はトランの邸宅が隣だったからだ。
シノはその事実を知って驚いたものの、それよりもネイルの屋敷の大きさに驚いた。その規模は隣のトラン邸と変わらないし、意匠もほぼ同じ。
それもそのはず、ネイルの屋敷はお隣トランの実家、辺境領主”伯爵家”からの借り物だったからだ。
だが、リンナはそれを知っていた様で、特に驚いてはいなかった。
ネイルの部屋に通されたシノとリンナ
「はぁ、凄い、お姫様みたい」
シノが惚れ惚れと部屋を見回している
「そお?」
対してリンナは何故か部屋の匂いをスンスンと嗅いでいる
「どうしたんですかリンナさん?」
「…仄かにお姉さまの匂いがする」
ギクッとネイル、え?なんでわかるの?って顔をしていた。ここにエムが侵入したのは10日ぐらい前だ。
リンナが豪華なベッドの前に立っていた
「ここでされたのですか?、お姉さまと」
「したと言うか…襲われたと言うか」
「なら私と同じですね」
『え?』
と、シノとネイルが驚いた。
「『夜のトバリ』のリンナさんを?、エムさんが襲ったんですか?」
シノは知っている、夜のトバリは隠れた娼館、リンナは冒険者の中でも名の知れた、高級娼婦。
街の有力なお偉方からは、絶大な信頼を得ている。もし彼女に手を出そうものなら、首を刎ねられてもおかしくない。そんな存在
エムはそんな彼女を襲ったと言う。
「お姉さまて、命知らず?」
「ふふ、ワタシはエルフの催淫魔法に操られて、お姉さまを陥れてしまったんです。それを知ったお姉さまに一晩中愛されました……エルフの呪具の力があったとは言え、凄かった、あんなの初めてでした」
うっとりとするリンナ
「そのおかげで、ワタシはエルフの呪いから解放されたんです、『呪具』とお姉さまの力によって」
「どう言う事ですか?」
「エルフの呪具は、呪いをかける道具、逆に呪いも消せたんです。でもその代償に、ワタシに掛かっていた呪いを、お姉さまが引き受けてしまったんです」
「それってお姉さまは?」
「恐らく気づいていないと思います。だからワタシは、気づかれない様、お姉さまの呪いを解くために色々と手を尽くしました。…でもトバリの『法具』では、エルフの呪いに打ち勝てなかった…」
「でしたら、エルフの呪具を使えば…」
ネイルは悲しい顔をしていふリンナに気づき、口を閉じた、それはすなわち…
「呪具を使えば、確かに呪いは解けたと思います。でもそれは、今度は私が呪いを受けることになる。私はアレには耐えられない、抗えない、怖かったんです。私には出来なかった」
「…ごめんなさい、リンナさん」
「いいえ、でも私の迷いが、今回の事件に繋がっています。私がされた事なんて、お姉さまのこれまでの苦痛に比べたら、些細な事なんです。今度は私がちゃんと助けないと……」
ネイルとシノがリンナの話を聞き、暗い顔をしていた。それを見て、リンナが話題を振った。
「ネイルさんはどうしてエムお姉様と?」
「え?、あ、えーと、私もエムさんに酷いことしちゃって…それで、逆恨み的感じで襲われたんです。彼女にした事と、同じことをされました。アレはもう思い出すだけでも、嫌です」
「ふふ、そこは『お仕置き』して、お姉さまに吐かせました。『影法師』とはまたすごい拷問ですね」
ネイルの顔が真っ赤になる。
「で、でも最後はとても優しくしてもらったんです、素敵だったんです。私はエムさんのお嫁さんになってもいいと思いました」
「ダメです、それは許しません」
リンナの凄みに、たじろぐネイル
「あ、え?…」
「お姉さまには、素敵な殿方の下に嫁いでいただきます」
「え?」
「お姉さまは、カワイイ女性も好きですが、そちらの手合いでありません。殿方と愛し合うのが好きなんです。だから私が認めた殿方でなければなりません」
シノとネイルは顔を見合わせた。
「でもそれはあのトランとか言う、不尊な男ではいけません、絶対に」
リンナの暗殺者の目
シノとネイルはリンナの裏の顔を知って、その恐ろしさに身震いした。
…
3人はその後も女子バナに花を咲かせた。無論、エムのことでだ。
そして、夜遅くなり、作戦会議を始めた。
「この屋敷の見取り図です。隣もほぼ一緒、そして知られてないけど、地下に隠し通路があって建物同士繋がってます」
「ネイルさんの邸宅とトランさんの邸宅が隣同士で、それも地下で繋がってるなんて、思いもよらないかったですね」
「シノ、アイツに”さん”付けしなくていいわ。家が地下で繋がってるって考えただけでもキモイわ」
「ネイルさんは、以前からトラン…をなんか嫌ってましたよね?」
「アイツは、いつも聖人君子ぶってはいたけど、ギルドに加入した時からいけすかない奴だったのよ、伯爵家の三男坊ってだけで、いきなりランクCに飛び級だったし、今回に至ってはAよ?、まあ実力はあったんだけどね?、あ、シノ、今のは秘密よ?」
「あ、はい」
「ネイルさんの感は正しかったと言う事ですね」
「リンナさんも気づいてたんですよね?」
「はい、情報はありましたから。お姉さまも経験的直感で気づいてはいました。でも、あの男は、お姉さまが弱っている所を狙い接近し、卑しくも手をつけました。私がもっとしっかりお姉さまに警告しておけば良かった、後悔してます」
「とにかく、先ずはエム姉さまを奪還ですね」
フンスとシノが鼻息を荒くさせた。
「いえ、恐らくそれだけではダメでしょう」
「え?」
「お姉さまが、操られている、というのが問題です」
「そっか、助けに言ってもこちらの言うことを聞いてくれないかもしれませんね」
「向こうは放蕩息子だけど、仮にも伯爵家だからね、乗り込むからにはそれなりの大義名分を用意しておかないとこちらが犯罪者にされるわ」
「それもそうですが、問題はそこではありません」
「ん?」
シノとが首を傾げた。
「操られていると言うことは、敵になる可能性もある言うことです」
「あ!、そっか!、トランに命令されれば、私達を攻撃してくるって事か!?」
「……エムさんは、ギルド冒険者ランクDで登録されてるわ、でもその実力は私の見立てでは、恐らくA以上、ギルド本部を魔法一撃で吹き飛ばすとか、シェーダだって出来ないんじゃない?」
「でも、エム姉さまは、今魔法使えませんよね?、魔封印のせいで」
ネイルはシノを見て目を細めた。
「シノ、エムさんは確かに魔法は使うけど、魔法士じゃないわよ」
「はい?」
「…お姉さまは「剣士」ですね、ネイルさん」
ネイルはコクリと頷いた。
「え?、剣士、魔法を使うのに!?」
シノが驚く
「シノさんが驚かれるのは無理もありません。常識ではあり得ない話しです」
「魔剣士?」
「いいえ、剣術は剣術、魔法は魔法で使用しているみたいです。」
「たぶんそうだと思いますね。私受付だから依頼達成サインの時に、エムさんの手をよく見るけど、見事な剣ダコがあったわ、あれは相当な鍛錬を積んでる。それに、この間トランが刃を交えて、互角だったと言ってましたしね」
「互角!?、トランさ…トランは、西の街の冒険者からは剣術に関して一目置かれてます。誰も勝てる気がしないって……」
シノの言葉にネイルが肩をすくめた。
「魔法も使えて、剣士、普通ならあり得ない話だけど、1人だけいるわね、例外的そんな人が」
ネイルがそう言うと、リンナが口を開いた。
「王国最大級クラン『シス』の創始者にして、王都騎士団総長、『精霊に祝福されし者』……」
『ルカード・ベイダー』
ネイルとリンナが、お互いに指差し、同じ名を同時に口にした。
「それって『勇者』じゃないないですか!」
「シノ!大きな声出さない」
「あ、ごめんなさい」
「シノさん、貴方は助け出される時、お姉さまの戦いを目の前で見ていたそうですね?」
「あ、はい、エルフを一刀に両断していました。もの凄い巨大な剣で……あ」
シノは思わず口を手で塞いだ。
「口が軽いわよシノ、エムさんに口止めされてたんでしょ?」
「す、スミマセン!、今のは忘れて下さい!!」
「シノさんに聞いたとは言いませんよ」
「あうう」
「ミーシャからは聞いてるけど、その巨大って、どの位なのよ?」
「持ち手がシェーダ姉様の頭の上ぐらいにあって……幅はこれくらいかなぁー」
シノが示した幅は、彼女の肩幅より更に広い。
シェーダの背は高い方だ、それよりも頭上の長さとは、どれだけ長いのかとリンナとネイルは驚きを隠せなかった。
「厚みは……分厚いってぐらいしか…もう鉄板?」
「そんなの振ったの?、エムさんが!?」
「魔法が使えないなら身体強化もしていなかったはず、なのにそんな巨大な剣を振るなんて、お姉さまの膂力ってどうなっているのかしら?」
「私達もビックリしちゃって、そもそも突然エム姉様の手に現れたんです、なにも無いところから忽然と」
「なにそれ?」
「わかんない、そうだ魔法といえば、魔力使わずにオークキングを爆炎で吹っ飛ばしてましたよ、確か『バクヤク』とか言う薬品で……」
「バクヤク?、爆ぜる薬ってことですか?」
「はい、そんな事言ってました」
「そんな物を…」
「あ、そういえば、ワタシへのお仕置きに使役していた影法師、あれはエムさんの召喚術だったわ」
そう言って頬を赤らめるネイル
「ええ!?、召喚って、エム姉さまは、一体何者なんですか!?」
「お姉さまは、未知の知識と能力をお持ちの様ですね」
リンナは、フフッと笑い、そして目つきを鋭くさせた。
「…何にしてもお姉さまと正面からやり合うのは危険と言うことですね」
……
ギッギッギッギッ
「エム、エム、ああ、エム」
夕食が終わり、私室に入った2人
トランは、途端に我慢できなくなり、エムをソファに押し倒すと。彼女のドレスのスカートを捲り上げた、トランの命令で、常に下を穿いていないエム。
トランはいきり勃つイチモツをエムに挿入した。
腰をズンズンと突き上げるトラン
だが、満たされない。
足りない。
エムは身体で答えてくれる、だが、心がない
虚しい。
トランの顔が怒りに歪み、突然乱暴にエムのドレスを引き裂いた。
アクセサリが壊れて弾け飛び、ドレスに押し込まれていたエムの豊満な胸がプルンと弾けた。
トランはそれにむしゃぶりついた。
エムは身をのけぞらす。
トランは狂った様に腰を突き上げた。
「あっ、あっ、あっ」
エムはあまりに乱暴なトランの責めに、身をよじる。
「違う……違うっ!、違ーう!!、エム!、こっちを見ろ!、僕を見ろ!、お前は誰のものだ!!、ああ!?」
「…トラン様の…ものです」
「違う!!」
トランは、エムから体を離すと、エムに平手打ちをする。そして髪の毛を掴むと、ベッドに引きずって行き、ベッドに上半身だけうつ伏せに押し倒すと、今度は後ろから突き込んだ。
「んぁっ!」
「クソッ、クソっ!、クソおぉぉおぉぉおっ!!」
もの凄い勢いで腰を突き上げるトラン。
エムの背中にのし掛かり、彼女を圧迫して犯す。
「く、苦しい、と、トラン…様ぁ」
「なにがトラン様だ!、おまえは!、おまえは!、あああ!!」
「あ、ああ、いや、あ……どうしてぇ」
その夜、トランは狂った様にエムに暴力をふるいながら凌辱しまくった。
部屋から聞こえてくる、狂気じみたトランの怒声、エムの悲鳴、そのあまりの様子に、侍女たちは怯え、侍従長へ報告した。
しかし、侍従長は彼女達にこう言ったのだ。
「放っておけ」
と
………
彼女は精神支配され、操られている可能性が高い
その情報を基に、結成されたエム救出部隊、リンナ、ネイル、シノ
なぜ三人はネイルの邸宅に来たのかというと、実はトランの邸宅が隣だったからだ。
シノはその事実を知って驚いたものの、それよりもネイルの屋敷の大きさに驚いた。その規模は隣のトラン邸と変わらないし、意匠もほぼ同じ。
それもそのはず、ネイルの屋敷はお隣トランの実家、辺境領主”伯爵家”からの借り物だったからだ。
だが、リンナはそれを知っていた様で、特に驚いてはいなかった。
ネイルの部屋に通されたシノとリンナ
「はぁ、凄い、お姫様みたい」
シノが惚れ惚れと部屋を見回している
「そお?」
対してリンナは何故か部屋の匂いをスンスンと嗅いでいる
「どうしたんですかリンナさん?」
「…仄かにお姉さまの匂いがする」
ギクッとネイル、え?なんでわかるの?って顔をしていた。ここにエムが侵入したのは10日ぐらい前だ。
リンナが豪華なベッドの前に立っていた
「ここでされたのですか?、お姉さまと」
「したと言うか…襲われたと言うか」
「なら私と同じですね」
『え?』
と、シノとネイルが驚いた。
「『夜のトバリ』のリンナさんを?、エムさんが襲ったんですか?」
シノは知っている、夜のトバリは隠れた娼館、リンナは冒険者の中でも名の知れた、高級娼婦。
街の有力なお偉方からは、絶大な信頼を得ている。もし彼女に手を出そうものなら、首を刎ねられてもおかしくない。そんな存在
エムはそんな彼女を襲ったと言う。
「お姉さまて、命知らず?」
「ふふ、ワタシはエルフの催淫魔法に操られて、お姉さまを陥れてしまったんです。それを知ったお姉さまに一晩中愛されました……エルフの呪具の力があったとは言え、凄かった、あんなの初めてでした」
うっとりとするリンナ
「そのおかげで、ワタシはエルフの呪いから解放されたんです、『呪具』とお姉さまの力によって」
「どう言う事ですか?」
「エルフの呪具は、呪いをかける道具、逆に呪いも消せたんです。でもその代償に、ワタシに掛かっていた呪いを、お姉さまが引き受けてしまったんです」
「それってお姉さまは?」
「恐らく気づいていないと思います。だからワタシは、気づかれない様、お姉さまの呪いを解くために色々と手を尽くしました。…でもトバリの『法具』では、エルフの呪いに打ち勝てなかった…」
「でしたら、エルフの呪具を使えば…」
ネイルは悲しい顔をしていふリンナに気づき、口を閉じた、それはすなわち…
「呪具を使えば、確かに呪いは解けたと思います。でもそれは、今度は私が呪いを受けることになる。私はアレには耐えられない、抗えない、怖かったんです。私には出来なかった」
「…ごめんなさい、リンナさん」
「いいえ、でも私の迷いが、今回の事件に繋がっています。私がされた事なんて、お姉さまのこれまでの苦痛に比べたら、些細な事なんです。今度は私がちゃんと助けないと……」
ネイルとシノがリンナの話を聞き、暗い顔をしていた。それを見て、リンナが話題を振った。
「ネイルさんはどうしてエムお姉様と?」
「え?、あ、えーと、私もエムさんに酷いことしちゃって…それで、逆恨み的感じで襲われたんです。彼女にした事と、同じことをされました。アレはもう思い出すだけでも、嫌です」
「ふふ、そこは『お仕置き』して、お姉さまに吐かせました。『影法師』とはまたすごい拷問ですね」
ネイルの顔が真っ赤になる。
「で、でも最後はとても優しくしてもらったんです、素敵だったんです。私はエムさんのお嫁さんになってもいいと思いました」
「ダメです、それは許しません」
リンナの凄みに、たじろぐネイル
「あ、え?…」
「お姉さまには、素敵な殿方の下に嫁いでいただきます」
「え?」
「お姉さまは、カワイイ女性も好きですが、そちらの手合いでありません。殿方と愛し合うのが好きなんです。だから私が認めた殿方でなければなりません」
シノとネイルは顔を見合わせた。
「でもそれはあのトランとか言う、不尊な男ではいけません、絶対に」
リンナの暗殺者の目
シノとネイルはリンナの裏の顔を知って、その恐ろしさに身震いした。
…
3人はその後も女子バナに花を咲かせた。無論、エムのことでだ。
そして、夜遅くなり、作戦会議を始めた。
「この屋敷の見取り図です。隣もほぼ一緒、そして知られてないけど、地下に隠し通路があって建物同士繋がってます」
「ネイルさんの邸宅とトランさんの邸宅が隣同士で、それも地下で繋がってるなんて、思いもよらないかったですね」
「シノ、アイツに”さん”付けしなくていいわ。家が地下で繋がってるって考えただけでもキモイわ」
「ネイルさんは、以前からトラン…をなんか嫌ってましたよね?」
「アイツは、いつも聖人君子ぶってはいたけど、ギルドに加入した時からいけすかない奴だったのよ、伯爵家の三男坊ってだけで、いきなりランクCに飛び級だったし、今回に至ってはAよ?、まあ実力はあったんだけどね?、あ、シノ、今のは秘密よ?」
「あ、はい」
「ネイルさんの感は正しかったと言う事ですね」
「リンナさんも気づいてたんですよね?」
「はい、情報はありましたから。お姉さまも経験的直感で気づいてはいました。でも、あの男は、お姉さまが弱っている所を狙い接近し、卑しくも手をつけました。私がもっとしっかりお姉さまに警告しておけば良かった、後悔してます」
「とにかく、先ずはエム姉さまを奪還ですね」
フンスとシノが鼻息を荒くさせた。
「いえ、恐らくそれだけではダメでしょう」
「え?」
「お姉さまが、操られている、というのが問題です」
「そっか、助けに言ってもこちらの言うことを聞いてくれないかもしれませんね」
「向こうは放蕩息子だけど、仮にも伯爵家だからね、乗り込むからにはそれなりの大義名分を用意しておかないとこちらが犯罪者にされるわ」
「それもそうですが、問題はそこではありません」
「ん?」
シノとが首を傾げた。
「操られていると言うことは、敵になる可能性もある言うことです」
「あ!、そっか!、トランに命令されれば、私達を攻撃してくるって事か!?」
「……エムさんは、ギルド冒険者ランクDで登録されてるわ、でもその実力は私の見立てでは、恐らくA以上、ギルド本部を魔法一撃で吹き飛ばすとか、シェーダだって出来ないんじゃない?」
「でも、エム姉さまは、今魔法使えませんよね?、魔封印のせいで」
ネイルはシノを見て目を細めた。
「シノ、エムさんは確かに魔法は使うけど、魔法士じゃないわよ」
「はい?」
「…お姉さまは「剣士」ですね、ネイルさん」
ネイルはコクリと頷いた。
「え?、剣士、魔法を使うのに!?」
シノが驚く
「シノさんが驚かれるのは無理もありません。常識ではあり得ない話しです」
「魔剣士?」
「いいえ、剣術は剣術、魔法は魔法で使用しているみたいです。」
「たぶんそうだと思いますね。私受付だから依頼達成サインの時に、エムさんの手をよく見るけど、見事な剣ダコがあったわ、あれは相当な鍛錬を積んでる。それに、この間トランが刃を交えて、互角だったと言ってましたしね」
「互角!?、トランさ…トランは、西の街の冒険者からは剣術に関して一目置かれてます。誰も勝てる気がしないって……」
シノの言葉にネイルが肩をすくめた。
「魔法も使えて、剣士、普通ならあり得ない話だけど、1人だけいるわね、例外的そんな人が」
ネイルがそう言うと、リンナが口を開いた。
「王国最大級クラン『シス』の創始者にして、王都騎士団総長、『精霊に祝福されし者』……」
『ルカード・ベイダー』
ネイルとリンナが、お互いに指差し、同じ名を同時に口にした。
「それって『勇者』じゃないないですか!」
「シノ!大きな声出さない」
「あ、ごめんなさい」
「シノさん、貴方は助け出される時、お姉さまの戦いを目の前で見ていたそうですね?」
「あ、はい、エルフを一刀に両断していました。もの凄い巨大な剣で……あ」
シノは思わず口を手で塞いだ。
「口が軽いわよシノ、エムさんに口止めされてたんでしょ?」
「す、スミマセン!、今のは忘れて下さい!!」
「シノさんに聞いたとは言いませんよ」
「あうう」
「ミーシャからは聞いてるけど、その巨大って、どの位なのよ?」
「持ち手がシェーダ姉様の頭の上ぐらいにあって……幅はこれくらいかなぁー」
シノが示した幅は、彼女の肩幅より更に広い。
シェーダの背は高い方だ、それよりも頭上の長さとは、どれだけ長いのかとリンナとネイルは驚きを隠せなかった。
「厚みは……分厚いってぐらいしか…もう鉄板?」
「そんなの振ったの?、エムさんが!?」
「魔法が使えないなら身体強化もしていなかったはず、なのにそんな巨大な剣を振るなんて、お姉さまの膂力ってどうなっているのかしら?」
「私達もビックリしちゃって、そもそも突然エム姉様の手に現れたんです、なにも無いところから忽然と」
「なにそれ?」
「わかんない、そうだ魔法といえば、魔力使わずにオークキングを爆炎で吹っ飛ばしてましたよ、確か『バクヤク』とか言う薬品で……」
「バクヤク?、爆ぜる薬ってことですか?」
「はい、そんな事言ってました」
「そんな物を…」
「あ、そういえば、ワタシへのお仕置きに使役していた影法師、あれはエムさんの召喚術だったわ」
そう言って頬を赤らめるネイル
「ええ!?、召喚って、エム姉さまは、一体何者なんですか!?」
「お姉さまは、未知の知識と能力をお持ちの様ですね」
リンナは、フフッと笑い、そして目つきを鋭くさせた。
「…何にしてもお姉さまと正面からやり合うのは危険と言うことですね」
……
ギッギッギッギッ
「エム、エム、ああ、エム」
夕食が終わり、私室に入った2人
トランは、途端に我慢できなくなり、エムをソファに押し倒すと。彼女のドレスのスカートを捲り上げた、トランの命令で、常に下を穿いていないエム。
トランはいきり勃つイチモツをエムに挿入した。
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だが、満たされない。
足りない。
エムは身体で答えてくれる、だが、心がない
虚しい。
トランの顔が怒りに歪み、突然乱暴にエムのドレスを引き裂いた。
アクセサリが壊れて弾け飛び、ドレスに押し込まれていたエムの豊満な胸がプルンと弾けた。
トランはそれにむしゃぶりついた。
エムは身をのけぞらす。
トランは狂った様に腰を突き上げた。
「あっ、あっ、あっ」
エムはあまりに乱暴なトランの責めに、身をよじる。
「違う……違うっ!、違ーう!!、エム!、こっちを見ろ!、僕を見ろ!、お前は誰のものだ!!、ああ!?」
「…トラン様の…ものです」
「違う!!」
トランは、エムから体を離すと、エムに平手打ちをする。そして髪の毛を掴むと、ベッドに引きずって行き、ベッドに上半身だけうつ伏せに押し倒すと、今度は後ろから突き込んだ。
「んぁっ!」
「クソッ、クソっ!、クソおぉぉおぉぉおっ!!」
もの凄い勢いで腰を突き上げるトラン。
エムの背中にのし掛かり、彼女を圧迫して犯す。
「く、苦しい、と、トラン…様ぁ」
「なにがトラン様だ!、おまえは!、おまえは!、あああ!!」
「あ、ああ、いや、あ……どうしてぇ」
その夜、トランは狂った様にエムに暴力をふるいながら凌辱しまくった。
部屋から聞こえてくる、狂気じみたトランの怒声、エムの悲鳴、そのあまりの様子に、侍女たちは怯え、侍従長へ報告した。
しかし、侍従長は彼女達にこう言ったのだ。
「放っておけ」
と
………
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