神様のポイント稼ぎに利用された２

三食昼寝、家族付き

第1108話

　幸いにもポイントの枯渇は免れたけれども補充は大事ですよね。

　まず騎士様に手伝ってもらって池で虹マグロを釣り、スラちゃんに捌いてもらいます。
　魔力を混ぜながら胡麻と和えたり、ご飯を持ったミニ丼に薄切りにしてもらったマグロをのせてもらったりし、用意したお盆に見栄えよく載せます。
　
　ちなみにブツ切りにしたマグロはすった長芋と生卵をかけ、刀雲と騎士様のお酒のつまみに出します。

「シンプルに切っただけのマグロ、漬け丼、たたき丼、山かけ丼、ごま和え、マグロステーキ、マグロカツ、マグロの照り焼きつくね、カルパッチョ、ちらし寿司、全て騎士様の魔力を通して完璧」
「俺、盛っただけだけどいいの？」
「騎士様が作った。その事実がポイント倍増の秘訣です、お礼はアー君の作った海鮮丼と黄金シリーズパフェになります」
「あの黄金シリーズってさ、どの実も百年や千年に一度実をつけるレベルのものばっかりなんだよね」

　ありがたみが薄れるわー。と言いながらお盆に添えるお茶にも魔力を通している。

「黄金パフェ、イネスに狙われると思うので気を付けてくださいね？」
「え、もしかして子供達の視線に耐えながら食べなきゃいけないの！？」
「こっそり食べて匂いでばれるか、目の前で食べてぎゃーぎゃー狙われるかのどっちかですよ」
「うぅーん」

　悩みますよね。
　でもうちの子達はみんながみんな鼻がいいからなぁ。

「全員分用意する、とか」
「パフェ一個分の果物確保するの大変なんですよ、子供達が独占しているから」

　自分達が食べるものを作ってもらいたい時は快く譲ってくれるけどね、一番手に入りにくいのは黄金のリンゴかな、イネスがほぼ独占してるんだよね。
　イネスが黄金シリーズの番人と化している気がする。

「寄ってくる子供達と一口ずつ仲良く食べることにするよ」
「刀雲にも一口あげてくださいね、アー君が言うには黄金シリーズを食べることによって刀雲に同化しているスライムがレベルアップする可能性があるそうです」
「わぁそんなことあるんだね」

　スライムを強化すると刀雲が人間から遠ざかるらしいけど、果たしてそれはいいことなのだろうか。
　僕としては、自分の寿命があるか怪しいので、刀雲が一緒に長生きしてくれると嬉しい。

「黄金シリーズを使ってさ、前に作ったあれ作ってほしいな。ほら、クッキーシューの中にホイップと果実を詰め込んだあれ」
「難易度が高いクエストですねー」

　涼玉のおかげで黄金シリーズは豊作だけど、手に入れるのは難しいと知っててのリクエストですか。
　うーん、どうやって手に入れようかな。

「イネスに対する賄賂が分からない」
「黄金の海老とかどうだろう」
「虹色の伊勢海老ならいるんですけど……」
「それ、黄金よりレアじゃない？」
「ヨムちゃんとヨムちゃんの家族に美味しく食べてもらうため、頑張って進化した結果らしいです」

　神に食べられることによって魂を昇華させるみたいな、なんかそんな感じのことを言っていたような？

「虹色伊勢海老に騎士様の魔力を通して――エビフライ作ろうかな」
「獲ってこようか？」
「うーん、獲るよりトラちゃんとお嫁さんにお願いした方がいいかな？　騎士様だと、伊勢海老じゃなくマグロが身を捧げるので」

　お嫁さんはこちらのドラゴンの挽肉を使った肉団子が好物です、シャムスが試しに与えたらドハマりしてこれを与えると何でもいうこと聞いてくれます。
　トラちゃんも好きらしいけれど、お嫁さんの方が強いので今のところ丸ごと食べられたことはないらしい。