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三食昼寝、家族付き
第1085話
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弟たちに良いところを見せようと張り切るイネス、イネスが張り切っているので一緒にテンションが上がっているネヴォラ。
アー君が止める暇もないほどの神速でダンジョンを突き進むので、僕の謎能力も出番がない状態です。
「アー君、アー君、このお部屋凄いです!」
「うしの気配すんのよ! 生きたまま持ち帰りたい! 養殖!」
中のボスの気配に興奮する二名の暴走特急、口元は涎が滲んでいるので目的が露骨ですね。
「よし、ここで休憩!」
「やーだーあぁぁぁ」
「突撃するのー!!」
アー君の休憩宣言にイネスとネヴォラが盛大に駄々をこね、それを見て帝国三兄弟とアテナもきゃっきゃと手足をバタバタ。
「可愛い……」
「きゃー、ママがママが和んでます!」
「わたしのうしー!」
絶叫する幼児を遠巻きにして帝国サイドの人間がそれぞれその場に座り込む、何せここまでほぼ休憩なしの駆け足だったからね、運動不足の老害数人は息をするのもやっと、他の人は「ダンジョン攻略ってこんな感じだっけ?」と混乱中です。
すみませんね、普段はピクニック気分なのですが、イネスとネヴォラがいつも以上に張り切った結果こうなりました。
「ここのボスはもう戦闘不能だろうなぁ」
「連れ帰りましょう」
「仲間にしよう」
『カルビが好きよ』
「俺はタンも好きだな」
扉の向こうのボスがすでに食糧扱いされている。
それにしても牛かぁ、牧場とかでよく見るあの白黒の牛かなぁ?
でもここ異世界のダンジョンの中だし、あれか、ミノタウロス?
「とりあえず行くか、さっきから扉が震えてるんだよ」
アー君の言葉に扉を見ると、本当にガタガタガタガタ震えていた。
しかも振動で周囲の土が落ちてきているね。
「邪魔するぞー」
気軽に開かれた扉の向こうにいたのは山のように大きな体をした牛の魔物だった。
ただし、こちらにお尻を向け、ボス部屋の隅っこで大きな体を小さく丸めてガタガタ震えているけど。
「ミノタウロスにしちゃ体がでかいよなぁ」
「関係ないです、牛ですよ牛」
「肉が引き締まってて美味そう!」
イネスとネヴォラのセリフに地震が酷くなった。
「とうちゃん、あいつ知ってる?」
「屠った敵を自らの兵として操る闇の眷属、牛魔王」
「オプちゃんの眷属!」
「キッシャーー!」
ガタガタガタガタ!!!!
オプちゃんの雄たけびに振動が激しくなり、そろそろ天井が崩れてきそうな勢いです。
今回の怯えは僕のせいじゃなかったようです、謎能力なかなか出番ないね。
「えっちゃん、あの子を落ち着かせること出来る? 生き埋めは困るんだ」
「キキ」
サッと動いてくれたえっちゃんのお陰で牛さんの震えは何とか止まり、今は壁になったえっちゃんの後ろからこちらを見ている。いや、ボスだよね?
ボスの震えが止まったのに、微かに聞こえてくる振動音、どこからかなーと思ったら、老害さん達が発生源でした。あと足元にちょっと水溜りがありますね、刺激が強すぎたのかもしれない。
「牛さん、牛さん、仲間を呼ぶで牛を呼ぶことって出来ますか? 品質はノーマルぐらいで」
高速で首を縦に振って頷いている。
「皇帝さん良かったですね、牛肉が安価で手に入るようになりましたよ!」
「主しっかり!」
「皇子達を見て精神安定を図ってる場合じゃない!」
「教会も一口乗りましょう、でも出来れば豚も欲しいところですね」
「トンカツ美味しいです!」
「ヒレカツも好き! ポークソテーに豚肉の生姜焼きでしょ、あと豚しゃぶにー、豚バラ丼、豚キムチ丼……じいちゃん連れて来よっか!」
階層ボス・牛魔王の再就職先が決定しました。
ちなみにここに来るまでイネスとネヴォラ以外、誰も戦闘していません。
アー君が止める暇もないほどの神速でダンジョンを突き進むので、僕の謎能力も出番がない状態です。
「アー君、アー君、このお部屋凄いです!」
「うしの気配すんのよ! 生きたまま持ち帰りたい! 養殖!」
中のボスの気配に興奮する二名の暴走特急、口元は涎が滲んでいるので目的が露骨ですね。
「よし、ここで休憩!」
「やーだーあぁぁぁ」
「突撃するのー!!」
アー君の休憩宣言にイネスとネヴォラが盛大に駄々をこね、それを見て帝国三兄弟とアテナもきゃっきゃと手足をバタバタ。
「可愛い……」
「きゃー、ママがママが和んでます!」
「わたしのうしー!」
絶叫する幼児を遠巻きにして帝国サイドの人間がそれぞれその場に座り込む、何せここまでほぼ休憩なしの駆け足だったからね、運動不足の老害数人は息をするのもやっと、他の人は「ダンジョン攻略ってこんな感じだっけ?」と混乱中です。
すみませんね、普段はピクニック気分なのですが、イネスとネヴォラがいつも以上に張り切った結果こうなりました。
「ここのボスはもう戦闘不能だろうなぁ」
「連れ帰りましょう」
「仲間にしよう」
『カルビが好きよ』
「俺はタンも好きだな」
扉の向こうのボスがすでに食糧扱いされている。
それにしても牛かぁ、牧場とかでよく見るあの白黒の牛かなぁ?
でもここ異世界のダンジョンの中だし、あれか、ミノタウロス?
「とりあえず行くか、さっきから扉が震えてるんだよ」
アー君の言葉に扉を見ると、本当にガタガタガタガタ震えていた。
しかも振動で周囲の土が落ちてきているね。
「邪魔するぞー」
気軽に開かれた扉の向こうにいたのは山のように大きな体をした牛の魔物だった。
ただし、こちらにお尻を向け、ボス部屋の隅っこで大きな体を小さく丸めてガタガタ震えているけど。
「ミノタウロスにしちゃ体がでかいよなぁ」
「関係ないです、牛ですよ牛」
「肉が引き締まってて美味そう!」
イネスとネヴォラのセリフに地震が酷くなった。
「とうちゃん、あいつ知ってる?」
「屠った敵を自らの兵として操る闇の眷属、牛魔王」
「オプちゃんの眷属!」
「キッシャーー!」
ガタガタガタガタ!!!!
オプちゃんの雄たけびに振動が激しくなり、そろそろ天井が崩れてきそうな勢いです。
今回の怯えは僕のせいじゃなかったようです、謎能力なかなか出番ないね。
「えっちゃん、あの子を落ち着かせること出来る? 生き埋めは困るんだ」
「キキ」
サッと動いてくれたえっちゃんのお陰で牛さんの震えは何とか止まり、今は壁になったえっちゃんの後ろからこちらを見ている。いや、ボスだよね?
ボスの震えが止まったのに、微かに聞こえてくる振動音、どこからかなーと思ったら、老害さん達が発生源でした。あと足元にちょっと水溜りがありますね、刺激が強すぎたのかもしれない。
「牛さん、牛さん、仲間を呼ぶで牛を呼ぶことって出来ますか? 品質はノーマルぐらいで」
高速で首を縦に振って頷いている。
「皇帝さん良かったですね、牛肉が安価で手に入るようになりましたよ!」
「主しっかり!」
「皇子達を見て精神安定を図ってる場合じゃない!」
「教会も一口乗りましょう、でも出来れば豚も欲しいところですね」
「トンカツ美味しいです!」
「ヒレカツも好き! ポークソテーに豚肉の生姜焼きでしょ、あと豚しゃぶにー、豚バラ丼、豚キムチ丼……じいちゃん連れて来よっか!」
階層ボス・牛魔王の再就職先が決定しました。
ちなみにここに来るまでイネスとネヴォラ以外、誰も戦闘していません。
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