神様のポイント稼ぎに利用された２

三食昼寝、家族付き

第1054話

　国際問題になりかねないカップリングが大量に生まれたけど、大会は進行し続けた。

「かー、やっぱりビールうめぇ！」
「イグって幾つだっけ？」
「俺邪神ダゾ？　人間の基準で考えちゃいけねーよ！」
「つまみにかぶと梅の浅漬けいる？　ボスのお手製」
「ひょーー！」

　ボスは相変わらず年下女房に激甘のようです、放送の間に何度かボスの手料理紹介されたし。

「寝て起きた！」
『くぁぁ、よく寝たの』

　預けられた子供たちもお昼を食べて戻ってきた後、しばらくして一斉にお昼寝していました。
　つられてネヴォラとシャムスらも寝ていたけど、涼玉はお昼寝しなくて大丈夫だろうか。

「でも今日ここにいる子達、みんないい子だね」
「それな、ばーちゃんの能力！　ばーちゃんの保護下にいる幼子な、みんな揺りかごの中にいるみたいにおとなしくなんのよ！　年齢制限あるけど！」
「対象年齢から外れた子は？」
「やんちゃするとばーちゃんの雷ばーんか、お尻ぺんぺんされんの」

　そりゃいい子にするわけだ。

「でも大体その年齢の子はお留守番よりお小遣い稼ぎに走るから、預けられる確率低いかな」
「あとはボーイフレンドとデートとかね」
「そう言えばヘラ母さん、旦那さんと息子さんは？」
「翼がしまえないから置いてきた」

　二人とも翼あるもんねー。
　でも終わった頃に迎えに来るそうです、親子してるなぁ。

「今一番成績いいのってどこのチーム？　俺知ってる奴かな？」
「実は将軍が受で宰相が攻な現実が衝撃的で情報が頭をすり抜けたかな！」
「朱、資料を」
「はいどーぞ」

　アー君がとんでもない情報をばら撒いているけどいいのだろうか。

「現在の一位は『悲劇の皇帝』と呼ばれてるチームか、このチームは他の選手も二つ名を持っているようだ」
「俺が音読してやろう！」
「よっしゃいけイグ！」

　女神様が好きそうな二つ名だなぁと思っていたら、イグちゃんが仲間の名前を読み上げ始めた。

「ユノの狂犬、氷の騎士、漆黒の死神、遊び人ジャック」
「一人だけなんか違う」
「遊び人……下半身が緩いのかな？」
「朱ストップ！　朱が下ネタ使うと保護者きちゃう！」
「ごめん」

　謝るポイントが違う気がするけどまぁいいか！

「悲劇の皇帝って……影でこそこそ嘲笑うための呼称だとしても、ちょっと恥ずかしくないか？　俺だったら呼ばれるたびに照れちゃう」
「だよなぁ、話題に出すたびにそれ呼ぶんだろ？　だいたい親兄弟全滅してるけど、今は信頼できる仲間に囲まれてるし悲劇要素ないよな、むしろ前よりハッピーそう」
「まぁ粛清したのは俺たちだけどな！　金を誘拐したから関わった人間全部踊り食いした！」
「でも金ちゃんって誘拐されても相手破滅させて自分で帰ってこれるよね？」
「そうなんだけどさー、銀のキレっぷりが怖くてさっさと迎えに行った」

　朱の疑問にイグちゃんが笑って答える。
　あんな内情をペラペラ喋って大丈夫なのかな、後で怒られない？

　金ちゃんは邪心を抱いて近寄ると魔が差しやすいというか、心が弱いとなんかこう、手に入れたくなってしまうらしいです。
　誘拐されないよう対策をとればいいと思うけど、人間を食べる機会を減らしたくないというはた迷惑な理由で、対策は見送られているんだよね。

「この者たちは皇帝も含め全員まだ十代だな、若すぎて侮られているのだろう」
「ふー、かっけぇ！　俺ちょっと震えちゃう！　よっしゃ、じゃあ狂犬に俺の加護をつけてやろう！　主人に仇をなす者は片っ端からかみ砕けるようにな！」
「イグの加護かー、大丈夫かな？」
「知らね！　俺も加護与えるの初めてだからな！」

　僕の隣に座っていたヘラ母さんがイグちゃんの言葉に頭を抱えた。
　うん、僕もちょっと頭痛がするよ。