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三食昼寝、家族付き
第1053話
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なんか休憩中に田んぼのど真ん中で婚約破棄騒動があったらしいけど、誰かが止めたりツッコミ入れる前に通りすがりの邪神に食べられて終わったとか。
目撃者の話では気付いたらそこにいて、何やら言い争ってるなーと思ったら頭が消失、血が噴き出す間もなくペロッと食べられてしまったそうです。
ホラーかな。
「婚約破棄って一種の害虫だよな、どこにでも湧いて出る」
『参加者じゃないのに不思議よね』
「七不思議にカウントするか?」
「イネス、こっちのクレープ、サイコロステーキ入ってる」
「斬新ですねー」
いつも通りの賑やかなお昼を終え、大会再開のお時間です。
子供達も預り所に戻ってきて、お昼はあれ食べたこれ食べたと自慢大会、ゴブリン屋台の新作が美味かったと絶賛されているのを聞いたネヴォラがヘラ母さんの膝の上でドヤ顔してます。
「野営カレー美味かったなー、セティはデザートに何か食べてたけどあれなんだったんだ?」
「Gulab jamunと呼ばれるデザートだ、揚げドーナツを甘いシロップで漬け込んである。こちらで広めてくれと言われたが、甘すぎて屋台メニューから外された」
「テキビシー!」
「ああ、あれ、僕も食べたけど甘過ぎて思わずボスの口に突っ込んだね」
「ボスって甘いもの苦手じゃなかったっけ? うわぁ」
賑やかに再開される放送。
「おっと午後は比較的真面目に進めないとな!」
「でも午前のあれはあれで売り上げに貢献したらしいよ」
「朱……それ本当?」
「うん、何でも独身の人達がヤケ酒やらやけ食いに走っていい感じの売り上げになったって」
「よしちょっと待ってろ、くっつきそうな独身探してくる」
「止めてやれ」
動こうとしたアー君をセティが止めてくれたようだ。
危うく午後の放送もカオスになるところだったよ、セティお手柄、お手柄。
そんな感じで大会の内容が普通に実況されていくなか、ポツリとアー君が呟いた。
「ところで皆、この会場に朝からママ……ゲッフン、母上がいるんだ」
「うむ、把握している」
突然僕が話題に上がったのだけど、なんだろう?
ちなみにセティがお昼にここに来なかったのは、存在そのものがR指定だからとヘラ母さんに言われた。
咄嗟に否定できなかった僕を許してほしい。
「知る人ぞ知る母上の武勇伝、もれなく今日も発揮されてな、敵対する国の王子がバカップルになった。あと物産展で豆を仕入れていた某国の宰相が隣国の将軍とくっついた。なんでも同じものを取ろうとして指が触れた瞬間ビビッと来たらしい、その場で女神の祝福受けて夫婦になった」
テントの外から響く「畜生、酒もってこい!」の声、アー君、わざと? わざとなの!?
「えーー、こんな感じで政治的に面倒なカップリングが次々生まれちゃってるけど、その辺は女神が張り切ってどうにかするので、運命のまま好きな相手と結ばれるチャンスだと言っておく」
「女神的には政治より大事なものがあるだろうということだな」
女神様、切ない展開は好んでも悲恋嫌いだもんね。
この世界の男同士の恋愛においては女神様は万能、拗れたりすれ違っても最終的にはハッピーエンドになると思うので安心してください。
あれ、でも待てよ、謎能力が無双しているってことは、恋愛のイロハ全部すっ飛ばして、結婚エンドどころか生涯ハッピーが約束されてるんじゃ……。
「ああそうそう、最初に言った王子の仲を国が認めなかったらうちに亡命させると女神が言ってたので、優秀な王子を失いたくないならふわっといい感じにまとめるように」
「付け加えるなら子供もすぐ生まれるだろうから、数日以内に決着をつけないと女神の怒りを買う可能性が高いと言っておこう」
「まぁ廃嫡でもいいんだけどな! 俺が迎えに行くだけだし!」
「今日は我が国の女神と僕らの母上が味方です、ダメもとで想う相手に告白することをお勧めします」
朱が凄いこと言いだした。
選手の方はメンタル大丈夫だろうか、稲刈りする気力保ててる?
「おっとここで稲刈り宰相がラミアの義父と豆の交易契約を締結!! 現場の混乱に乗じた素早い取引! やるなおっちゃん!」
「一方コートでは選手の一人が売り子に告白! 玉砕したぁ!」
「あれはうちの神官だな、あやつらは我が基準、一歩でも近付けるよう努力して再び挑むと良い」
「物産展でアカーシャに一目惚れした某国の大臣の息子がギレンの目の前で愛の告白して、最終的に下僕として侍ることを許されたからうちに留学するって」
情報量の多い放送ですね。
あと試合の実況が一瞬なのは仕様なのだろうか。
謎能力もお祭りテンションだったのか、その日は運命の出会いや真実の愛が大量発生しました。
目撃者の話では気付いたらそこにいて、何やら言い争ってるなーと思ったら頭が消失、血が噴き出す間もなくペロッと食べられてしまったそうです。
ホラーかな。
「婚約破棄って一種の害虫だよな、どこにでも湧いて出る」
『参加者じゃないのに不思議よね』
「七不思議にカウントするか?」
「イネス、こっちのクレープ、サイコロステーキ入ってる」
「斬新ですねー」
いつも通りの賑やかなお昼を終え、大会再開のお時間です。
子供達も預り所に戻ってきて、お昼はあれ食べたこれ食べたと自慢大会、ゴブリン屋台の新作が美味かったと絶賛されているのを聞いたネヴォラがヘラ母さんの膝の上でドヤ顔してます。
「野営カレー美味かったなー、セティはデザートに何か食べてたけどあれなんだったんだ?」
「Gulab jamunと呼ばれるデザートだ、揚げドーナツを甘いシロップで漬け込んである。こちらで広めてくれと言われたが、甘すぎて屋台メニューから外された」
「テキビシー!」
「ああ、あれ、僕も食べたけど甘過ぎて思わずボスの口に突っ込んだね」
「ボスって甘いもの苦手じゃなかったっけ? うわぁ」
賑やかに再開される放送。
「おっと午後は比較的真面目に進めないとな!」
「でも午前のあれはあれで売り上げに貢献したらしいよ」
「朱……それ本当?」
「うん、何でも独身の人達がヤケ酒やらやけ食いに走っていい感じの売り上げになったって」
「よしちょっと待ってろ、くっつきそうな独身探してくる」
「止めてやれ」
動こうとしたアー君をセティが止めてくれたようだ。
危うく午後の放送もカオスになるところだったよ、セティお手柄、お手柄。
そんな感じで大会の内容が普通に実況されていくなか、ポツリとアー君が呟いた。
「ところで皆、この会場に朝からママ……ゲッフン、母上がいるんだ」
「うむ、把握している」
突然僕が話題に上がったのだけど、なんだろう?
ちなみにセティがお昼にここに来なかったのは、存在そのものがR指定だからとヘラ母さんに言われた。
咄嗟に否定できなかった僕を許してほしい。
「知る人ぞ知る母上の武勇伝、もれなく今日も発揮されてな、敵対する国の王子がバカップルになった。あと物産展で豆を仕入れていた某国の宰相が隣国の将軍とくっついた。なんでも同じものを取ろうとして指が触れた瞬間ビビッと来たらしい、その場で女神の祝福受けて夫婦になった」
テントの外から響く「畜生、酒もってこい!」の声、アー君、わざと? わざとなの!?
「えーー、こんな感じで政治的に面倒なカップリングが次々生まれちゃってるけど、その辺は女神が張り切ってどうにかするので、運命のまま好きな相手と結ばれるチャンスだと言っておく」
「女神的には政治より大事なものがあるだろうということだな」
女神様、切ない展開は好んでも悲恋嫌いだもんね。
この世界の男同士の恋愛においては女神様は万能、拗れたりすれ違っても最終的にはハッピーエンドになると思うので安心してください。
あれ、でも待てよ、謎能力が無双しているってことは、恋愛のイロハ全部すっ飛ばして、結婚エンドどころか生涯ハッピーが約束されてるんじゃ……。
「ああそうそう、最初に言った王子の仲を国が認めなかったらうちに亡命させると女神が言ってたので、優秀な王子を失いたくないならふわっといい感じにまとめるように」
「付け加えるなら子供もすぐ生まれるだろうから、数日以内に決着をつけないと女神の怒りを買う可能性が高いと言っておこう」
「まぁ廃嫡でもいいんだけどな! 俺が迎えに行くだけだし!」
「今日は我が国の女神と僕らの母上が味方です、ダメもとで想う相手に告白することをお勧めします」
朱が凄いこと言いだした。
選手の方はメンタル大丈夫だろうか、稲刈りする気力保ててる?
「おっとここで稲刈り宰相がラミアの義父と豆の交易契約を締結!! 現場の混乱に乗じた素早い取引! やるなおっちゃん!」
「一方コートでは選手の一人が売り子に告白! 玉砕したぁ!」
「あれはうちの神官だな、あやつらは我が基準、一歩でも近付けるよう努力して再び挑むと良い」
「物産展でアカーシャに一目惚れした某国の大臣の息子がギレンの目の前で愛の告白して、最終的に下僕として侍ることを許されたからうちに留学するって」
情報量の多い放送ですね。
あと試合の実況が一瞬なのは仕様なのだろうか。
謎能力もお祭りテンションだったのか、その日は運命の出会いや真実の愛が大量発生しました。
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