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三食昼寝、家族付き
第1011話
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白いゴリラはイグちゃんの瘴気を浴びた子で、ムキムキおじいちゃんはドラゴンの長老だった。
今はどちらも僕の前で土下座している。
「涼のお手柄」
『心臓ぱくぱくしてるの』
「俺を投げたマールスの判断力も腕力どっちもすげぇ」
「いやぁ」
僕がおじいちゃんの鼻息で吹っ飛ばされたあの時、マールスが涼玉を僕に向かって投げ、胴体にしがみついた涼玉の重みで落下、えっちゃんが僕らをキャッチしてくれた。
紐なしバンジーってああいう感じなのかなぁ。
それにしても僕って空を飛ぶたびに気絶してたけど、今回は意識あるよね、ちょっと成長した?
意識飛ばす暇もなかったのもあるけどね。
「涼は魔力操作上達したよなー」
『さすがドラゴンね!』
「うはは、珱じいちゃんの加護のおかげで風操作らっくらく!」
マールスの腕の中で涼玉がドヤ顔をしている。
それにしても。とアー君が大きくため息をついた。
「あの調子で作物吹っ飛ばしたらゴブリンじいちゃんに怒られるぞ」
「白天狗も吹っ飛びそうだな」
イグちゃんの呟きにアー君が神妙に頷き、遠巻きに聞いていた白いお猿達が身を寄せ合って震えている。
「寿命以外で死ねないから、腕が折れたり目が潰れたら残りの寿命ずっとそのままだからな?」
「面目ない」
「どうすっかな、ポーション効くか微妙なんだよなー、涼どうする?」
「備えはあった方がいいってにいちゃがいつも言ってるしな、経費で購入して親玉トレントに預けとく!」
『涼ちゃんえらーい』
「アー君が良いお手本になることもあるんだね」
「ママそれどういう意味!?」
だってアー君、悪戯のお手本の方が多いんだもの。
「しかしあれだな、視察に来て良かった。足りないものが分かったぞ」
「イツキ、腹減った。弁当食べようぜ」
「うん、じゃあ用意するね」
「チーズサンドある?」
『おにぎりー』
「肉があるならなんでも好き」
「たまごやき!」
うん、ネヴォラに付いてはもうツッコミいらないかな。
「わたしこれ知ってる、握らないおにぎり!」
「もぐもぐもぐもぐ」
『あぐあぐあぐ』
「うまい、うまいうまい……」
「シャムス、アー君、涼玉、神薙さんいないからゆっくり食べていいんだよ?」
「っは! そうだった!」
『ついくせで』
「うまい、うまい」
ハッとして正気に戻ったシャムスとアー君に対し、涼玉は焦点のあっていない目でロースカツサンドを機械的に食べ続けている。
これは食べ終わらない限り止まらないので放置、マールスに任せます。
「あ、このチクワ中にチーズが入ってる!」
『こっちは胡瓜よ』
「これアカーシャ商会のしんしょーひん! じいちゃんに言われてたいりょーこうにゅ、した! その日からじいちゃんの主食!」
「なぁママ、せっかく新機能付いたのにメニュー画面のネットスーパー使ってないのか?」
「僕はほとんど使ってないかなぁ、その代わりアカーシャが嬉々として利用してるよ」
もう僕から分離してアカーシャに与えたいぐらいの利用っぷり、商業ギルドのトップだし、僕より上手に使いこなせると思うんだよね。
女神様渾身のごますり、利用しないと勿体ない気がする。今度相談してみよう。
「フランクフルト!」
『あめぇりぇかんどっきゅ』
「ホットドッグ!」
「はぁ、食った食った」
「きゃふ~~」
シャムスとアー君、ネヴォラがきゃっきゃしながら食べ始めた横で、イグちゃんと銀狼親子が満足そうに息を吐いている。
会話より食べること優先してたもんね、のんびり食事を楽しめないなんて、これが邪神の弊害!?
「お猿さんは何を食べるの?」
「トレントの実、味は普通だけど栄養値高いからそれを主食に設定してある」
『涼ちゃんの恵みを受けてふっさふさね』
「ゲッフーーー」
「涼玉様、お水を」
「おう!」
「涼玉、今ゲップと一緒に炎出てたよ」
「テヘ」
後日、アー君がアカーシャに農業経験者の手配を依頼したらしい。
そう言えば何が足りないか分かったって言ってたね。
今はどちらも僕の前で土下座している。
「涼のお手柄」
『心臓ぱくぱくしてるの』
「俺を投げたマールスの判断力も腕力どっちもすげぇ」
「いやぁ」
僕がおじいちゃんの鼻息で吹っ飛ばされたあの時、マールスが涼玉を僕に向かって投げ、胴体にしがみついた涼玉の重みで落下、えっちゃんが僕らをキャッチしてくれた。
紐なしバンジーってああいう感じなのかなぁ。
それにしても僕って空を飛ぶたびに気絶してたけど、今回は意識あるよね、ちょっと成長した?
意識飛ばす暇もなかったのもあるけどね。
「涼は魔力操作上達したよなー」
『さすがドラゴンね!』
「うはは、珱じいちゃんの加護のおかげで風操作らっくらく!」
マールスの腕の中で涼玉がドヤ顔をしている。
それにしても。とアー君が大きくため息をついた。
「あの調子で作物吹っ飛ばしたらゴブリンじいちゃんに怒られるぞ」
「白天狗も吹っ飛びそうだな」
イグちゃんの呟きにアー君が神妙に頷き、遠巻きに聞いていた白いお猿達が身を寄せ合って震えている。
「寿命以外で死ねないから、腕が折れたり目が潰れたら残りの寿命ずっとそのままだからな?」
「面目ない」
「どうすっかな、ポーション効くか微妙なんだよなー、涼どうする?」
「備えはあった方がいいってにいちゃがいつも言ってるしな、経費で購入して親玉トレントに預けとく!」
『涼ちゃんえらーい』
「アー君が良いお手本になることもあるんだね」
「ママそれどういう意味!?」
だってアー君、悪戯のお手本の方が多いんだもの。
「しかしあれだな、視察に来て良かった。足りないものが分かったぞ」
「イツキ、腹減った。弁当食べようぜ」
「うん、じゃあ用意するね」
「チーズサンドある?」
『おにぎりー』
「肉があるならなんでも好き」
「たまごやき!」
うん、ネヴォラに付いてはもうツッコミいらないかな。
「わたしこれ知ってる、握らないおにぎり!」
「もぐもぐもぐもぐ」
『あぐあぐあぐ』
「うまい、うまいうまい……」
「シャムス、アー君、涼玉、神薙さんいないからゆっくり食べていいんだよ?」
「っは! そうだった!」
『ついくせで』
「うまい、うまい」
ハッとして正気に戻ったシャムスとアー君に対し、涼玉は焦点のあっていない目でロースカツサンドを機械的に食べ続けている。
これは食べ終わらない限り止まらないので放置、マールスに任せます。
「あ、このチクワ中にチーズが入ってる!」
『こっちは胡瓜よ』
「これアカーシャ商会のしんしょーひん! じいちゃんに言われてたいりょーこうにゅ、した! その日からじいちゃんの主食!」
「なぁママ、せっかく新機能付いたのにメニュー画面のネットスーパー使ってないのか?」
「僕はほとんど使ってないかなぁ、その代わりアカーシャが嬉々として利用してるよ」
もう僕から分離してアカーシャに与えたいぐらいの利用っぷり、商業ギルドのトップだし、僕より上手に使いこなせると思うんだよね。
女神様渾身のごますり、利用しないと勿体ない気がする。今度相談してみよう。
「フランクフルト!」
『あめぇりぇかんどっきゅ』
「ホットドッグ!」
「はぁ、食った食った」
「きゃふ~~」
シャムスとアー君、ネヴォラがきゃっきゃしながら食べ始めた横で、イグちゃんと銀狼親子が満足そうに息を吐いている。
会話より食べること優先してたもんね、のんびり食事を楽しめないなんて、これが邪神の弊害!?
「お猿さんは何を食べるの?」
「トレントの実、味は普通だけど栄養値高いからそれを主食に設定してある」
『涼ちゃんの恵みを受けてふっさふさね』
「ゲッフーーー」
「涼玉様、お水を」
「おう!」
「涼玉、今ゲップと一緒に炎出てたよ」
「テヘ」
後日、アー君がアカーシャに農業経験者の手配を依頼したらしい。
そう言えば何が足りないか分かったって言ってたね。
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