961 / 1,127
三食昼寝、家族付き
第950話
しおりを挟む
その他大勢が闇に飲み込まれ、地面にポツンと残された卵。
走り寄る前にパキャと音がして手足が生え、立ち上がってこちらへと歩いて来た。
「がああちゃあああ」
涼玉、頭出すの忘れてる!
「はいはい、ここにいますよー」
「うおおおおおおん」
『涼ちゃんヨシヨシ』
えっちゃんの誘導で僕まで辿りついた涼玉が、お腹にしがみついて号泣。
卵を温めるようにシャムスが上に乗って慰めている。
マールスの様子は後回しかな。
血まみれな所申し訳ないけど、ちょっと待ってね。
周囲は相変わらず火の海、けど業火に包まれている割には被害らしき被害が見当たらない。
あとなんかいい匂いしてきた。
あれ?
なんか家の中に人いない?
こちらを見たのは刀雲よりは年上の男性、おっと目があった。
普通にお辞儀されましたよ、家が燃えてる緊迫感がないですね。
横から顔出したおじさん、昼間からお酒飲んでるのか顔が赤い。
そして殴られた!
「神子しゃまーー!」
マールスの後ろから小さな子供が飛び出し、こちらへと来ると炎を消してくれとお願いされた。
邪神の血を浴びたせいなのか、若干魔物化してないかなこの子。
「父ちゃんと母ちゃん家にいるの」
それは昼間からお酒飲んで怒られてるあの人かな?
今は説教されているっぽいけど、一応見せない方がいい?
話を聞いてあげながらチラッともう一度見たら、盛り上がったのかおじさんが説教していた人を押し倒したところでした。
保護者ぁぁぁぁっ!!
他の家、誰も顔を出さないのってもしや……あの、僕が言うのもなんですけど、刀国の風潮に馴染みすぎじゃないですかね!?
燃えている家の中で何やってんの!?
「申し訳ない、助けて貰ってもよろしいでしょうか」
「マールスごめん、忘れてないよ」
涼玉をシャムスに任せ、マールスに近付いて見たら、家と家の間にはまっていた。
なるほど、これなら背後の子供に手出し出来ない、ただし僕にもどうにも出来ないけどね!
「僕ら守るために壁にはまったの」
「小さくなればいいと思う」
「ああ、そうでしたな、どうにも血が、流れ過ぎました」
一度蛇になって壁から離れると、また人化して血を流したまま涼玉の元へと歩いて行く。
「涼玉様、お一人にして申し訳ありませんでした」
「……」
「涼玉様?」
「んが!?」
どうやら寝落ちしていたらしい涼玉がビクリと動いた。
「んーーー、おっマールス! 留守番出来たぞ!」
「はい、ご立派でした」
留守番?
ご立派!?
いや、泣き叫びながら僕を呼んだし、抱きついてきたよね?
「まずは火を消しましょう」
「どうするんだ?」
「本当にどうしましょうか」
マールスかなりお疲れ?
涼玉を抱き上げる気力もない感じ?
なんとなく見守っていたら、街のあちこちからマールスが集まって来た。
どうやら目の前にいたのは分身体の一つだったらしい。
地面に座るマールスに他のマールスが吸い込まれていく奇妙な光景が終わると、マールスの生命力が全快していた。
「涼玉様は世界一ーー!」
「イエーイ!」
『きゃーー』
待って、シャムスが卵の上で寝たままなの、乱暴に卵を振り上げないでぇぇ!!
何か二人の勢いに押されるように鎮火したし、何だったのあの炎!?
あとそうだよ、魔物化したっぽいあの子は?
アー君、夕食と言わず今ちょっと帰って来ない?
ツッコミ追いつかない!
走り寄る前にパキャと音がして手足が生え、立ち上がってこちらへと歩いて来た。
「がああちゃあああ」
涼玉、頭出すの忘れてる!
「はいはい、ここにいますよー」
「うおおおおおおん」
『涼ちゃんヨシヨシ』
えっちゃんの誘導で僕まで辿りついた涼玉が、お腹にしがみついて号泣。
卵を温めるようにシャムスが上に乗って慰めている。
マールスの様子は後回しかな。
血まみれな所申し訳ないけど、ちょっと待ってね。
周囲は相変わらず火の海、けど業火に包まれている割には被害らしき被害が見当たらない。
あとなんかいい匂いしてきた。
あれ?
なんか家の中に人いない?
こちらを見たのは刀雲よりは年上の男性、おっと目があった。
普通にお辞儀されましたよ、家が燃えてる緊迫感がないですね。
横から顔出したおじさん、昼間からお酒飲んでるのか顔が赤い。
そして殴られた!
「神子しゃまーー!」
マールスの後ろから小さな子供が飛び出し、こちらへと来ると炎を消してくれとお願いされた。
邪神の血を浴びたせいなのか、若干魔物化してないかなこの子。
「父ちゃんと母ちゃん家にいるの」
それは昼間からお酒飲んで怒られてるあの人かな?
今は説教されているっぽいけど、一応見せない方がいい?
話を聞いてあげながらチラッともう一度見たら、盛り上がったのかおじさんが説教していた人を押し倒したところでした。
保護者ぁぁぁぁっ!!
他の家、誰も顔を出さないのってもしや……あの、僕が言うのもなんですけど、刀国の風潮に馴染みすぎじゃないですかね!?
燃えている家の中で何やってんの!?
「申し訳ない、助けて貰ってもよろしいでしょうか」
「マールスごめん、忘れてないよ」
涼玉をシャムスに任せ、マールスに近付いて見たら、家と家の間にはまっていた。
なるほど、これなら背後の子供に手出し出来ない、ただし僕にもどうにも出来ないけどね!
「僕ら守るために壁にはまったの」
「小さくなればいいと思う」
「ああ、そうでしたな、どうにも血が、流れ過ぎました」
一度蛇になって壁から離れると、また人化して血を流したまま涼玉の元へと歩いて行く。
「涼玉様、お一人にして申し訳ありませんでした」
「……」
「涼玉様?」
「んが!?」
どうやら寝落ちしていたらしい涼玉がビクリと動いた。
「んーーー、おっマールス! 留守番出来たぞ!」
「はい、ご立派でした」
留守番?
ご立派!?
いや、泣き叫びながら僕を呼んだし、抱きついてきたよね?
「まずは火を消しましょう」
「どうするんだ?」
「本当にどうしましょうか」
マールスかなりお疲れ?
涼玉を抱き上げる気力もない感じ?
なんとなく見守っていたら、街のあちこちからマールスが集まって来た。
どうやら目の前にいたのは分身体の一つだったらしい。
地面に座るマールスに他のマールスが吸い込まれていく奇妙な光景が終わると、マールスの生命力が全快していた。
「涼玉様は世界一ーー!」
「イエーイ!」
『きゃーー』
待って、シャムスが卵の上で寝たままなの、乱暴に卵を振り上げないでぇぇ!!
何か二人の勢いに押されるように鎮火したし、何だったのあの炎!?
あとそうだよ、魔物化したっぽいあの子は?
アー君、夕食と言わず今ちょっと帰って来ない?
ツッコミ追いつかない!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
332
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる