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女神の呪い
第850話
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生まれたばかりの可愛い双子。
転生者の疑いが濃厚だったスピード狂、盲目でした。
「生まれ変わっても目が見えないのは残念だが、それを補う身体能力! 素晴らしい!!」
ただし悲壮感はゼロ。
なんて言っている場合じゃない、喋りながらテンションが上がって今にも走り出しそうなスピード狂を抱き上げて酔っ払いの群れにダッシュした。
「刀雲!!」
「ん?」
名前を呼びながら駆け寄ったらすぐにこちらを振り向いてくれた。
「この子、目が見えない!!」
「いぇい」
「!?」
「嘘ぉ」
驚愕に目を見開く大人に向かってピースをするスピード狂、この子、明るいな。
「見えないのにあのスピードで走っていたのか?」
「危なっ」
「この身体能力の高さがあれば何も怖くない!」
「あと、言いそびれていましたけど騎士様関係者です!」
「そうなの?」
「うむ!」
しかもちょっと偉そう。
「こっちおいで」
「酒臭い」
手を伸ばしたものの拒否された刀雲が動きを止めた。ショックを受けているようだ。
「俺の関係者で目が見えなかったのは一人しかいない」
「前世いぇーい」
「けど間違ってもこんな性格じゃなかった」
寡黙で知的、決してはしゃいで爆走するタイプではなかったそうです。
「知り合いではあったけど、仲間というほど親しいわけじゃなかったから、もしかしたら俺の知らない一面があったかもしれないけど」
「転生してはっちゃけたんじゃないですか?」
ネヴォラほどじゃないけどテンション高いままなんだよね、ご飯食べたらまた走り出しそうな感じ。
「七賢者・朱」
「久しぶりー! 前世では天涯孤独だったのに、転生したら大家族の末っ子だった件!」
このなろうにありそうな感じ……。
「……アー君、涼玉! 漫画読ませたでしょ!」
「漫画違う」
「ライトノベル」
『読み聞かせしたの』
「雷ちゃんのとこにお邪魔して爆走したら怒られました」
「てへ」
僕のお腹に宿った時点で確かに夢の世界へは行けるようになる、タイガとかイネスとも生まれる直前に夢の世界で会っている。
でも生まれる前からあそこで遊び倒し、いらん知識蓄えたのはこの子ぐらいかもしれない。
「えーっと、どうしよう、名前は前世のままがいいのかな?」
アー君は新たに名付け、カイちゃんはそのまま、双子もそのまま、この辺は本人次第なんだよね。
『朱ちゃん』
「朱で」
即答した。
「パパ私も名前ほしい!!」
「お、おお」
いい子で好き嫌いしないと宣言したゆえに、生ハムが嫌と言えず苦戦していたうちのエルフが涙目で刀雲に抱き着いた。
あっ、残りの生ハム刀雲に食べさせて証拠隠滅しおった。
転生者の疑いが濃厚だったスピード狂、盲目でした。
「生まれ変わっても目が見えないのは残念だが、それを補う身体能力! 素晴らしい!!」
ただし悲壮感はゼロ。
なんて言っている場合じゃない、喋りながらテンションが上がって今にも走り出しそうなスピード狂を抱き上げて酔っ払いの群れにダッシュした。
「刀雲!!」
「ん?」
名前を呼びながら駆け寄ったらすぐにこちらを振り向いてくれた。
「この子、目が見えない!!」
「いぇい」
「!?」
「嘘ぉ」
驚愕に目を見開く大人に向かってピースをするスピード狂、この子、明るいな。
「見えないのにあのスピードで走っていたのか?」
「危なっ」
「この身体能力の高さがあれば何も怖くない!」
「あと、言いそびれていましたけど騎士様関係者です!」
「そうなの?」
「うむ!」
しかもちょっと偉そう。
「こっちおいで」
「酒臭い」
手を伸ばしたものの拒否された刀雲が動きを止めた。ショックを受けているようだ。
「俺の関係者で目が見えなかったのは一人しかいない」
「前世いぇーい」
「けど間違ってもこんな性格じゃなかった」
寡黙で知的、決してはしゃいで爆走するタイプではなかったそうです。
「知り合いではあったけど、仲間というほど親しいわけじゃなかったから、もしかしたら俺の知らない一面があったかもしれないけど」
「転生してはっちゃけたんじゃないですか?」
ネヴォラほどじゃないけどテンション高いままなんだよね、ご飯食べたらまた走り出しそうな感じ。
「七賢者・朱」
「久しぶりー! 前世では天涯孤独だったのに、転生したら大家族の末っ子だった件!」
このなろうにありそうな感じ……。
「……アー君、涼玉! 漫画読ませたでしょ!」
「漫画違う」
「ライトノベル」
『読み聞かせしたの』
「雷ちゃんのとこにお邪魔して爆走したら怒られました」
「てへ」
僕のお腹に宿った時点で確かに夢の世界へは行けるようになる、タイガとかイネスとも生まれる直前に夢の世界で会っている。
でも生まれる前からあそこで遊び倒し、いらん知識蓄えたのはこの子ぐらいかもしれない。
「えーっと、どうしよう、名前は前世のままがいいのかな?」
アー君は新たに名付け、カイちゃんはそのまま、双子もそのまま、この辺は本人次第なんだよね。
『朱ちゃん』
「朱で」
即答した。
「パパ私も名前ほしい!!」
「お、おお」
いい子で好き嫌いしないと宣言したゆえに、生ハムが嫌と言えず苦戦していたうちのエルフが涙目で刀雲に抱き着いた。
あっ、残りの生ハム刀雲に食べさせて証拠隠滅しおった。
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