809 / 1,127
女神の呪い
第800話
しおりを挟む
朝方どころか昼過ぎまで宴会を続け、ちゃっかり夕食を食べてから帰っていった神様達。
神様の宴会って毎回長いけど、今回は本当に長かったなぁ。
それぞれ合間合間に席を立ってダンジョンや森に食料調達に行ったり、邪神一家がダンジョン周回に行ったり、女神様方がエステフルコース受けたりしてたけど、その間神薙さんはずっと飲んでいた。
ラーシャは母であるカーシャさんを満たすため唐揚げを揚げたり、イネスのために庭で海老狩りと忙しく動き回り、後半は目が死んでたかな。
ネヴォラとゴブリン部隊は早めに帰宅して正解だったね、あれ逃げ遅れたらダメなやつ。
冒険者がランダム効果目当てで神薙さんに鴨を納めたのも、宴会が予想以上に延びた原因の一環でもある。
レア度の高い肉を優先的に納めてくれたので我が家の邪神様もご機嫌で、その影響でダンジョンでレアなモンスターが出現したり、宝箱が出たりしたらしい。
調理班が屍のようになったけれど、神々、人間、どちらも鴨パーティーを楽しめたようでなにより。
ちなみに騎士様はご機嫌な神薙さんにずっと巻き付かれていました。
それが数日前の話。
宴会の跡片付けも終わり、日常に戻ってのんびりダラダラ過ごしていたんだけどなぁ。
神の宴がほぼ丸一日続いたことで、メニュー画面のポイントがとんでもない数値になっていたので、今夜辺り神薙さんにポイント還元としてスイーツ祭りしようと思ってたんだけど……さすがに無理だろうなぁ。
「召喚に成功したぞ!!」
「ははは、神はまだ我らを見放していなかったのだ!」
「おおおーーー!!」
床に描かれているのは定番の魔法陣ってやつだろう、アー君がたまに似たようなの使ってるから知ってる。
魔法陣の周囲にいるローブ姿の人はあれだ、あれ、ほら、魔術師とか魔法使いとかそういうの。
壁際に控えているのが騎士、金ぴか装束が王族とかの地位が高い人だろう。
僕はただ、社務所に鴨レシピの提供をしに行こうと鳥居をくぐっただけだったんだ。
歩いて行けばいいのに近道しようとしたのがいけなかったのかな、それともアカーシャに耳にタコが出来るほど言い聞かされた「一人で行動しない」をスルーしたのがいけなかったのか……。
「ようこそ異世界の者達よ」
僕の斜め前ぐらいにいるのは多分日本人だろう女の子。
可愛い感じの外見で、チワワみたいにぷるぷる震えている。
チワワ……うわぁ、女神様大好き王道属性だ。
ただ制服見ただけじゃ中学生か高校生かは僕には分からない、女神様なら一発で分かるんだろうな、制服の研究のために全国の制服からゲーム、漫画の制服まで頭に入ってるらしいし。
無駄な所で頭を使っているから、世界の管理がザルになるのではないでしょうか。
「どうぞ怯えないでください聖女様」
女の子に手を伸ばした金髪キラキラが王子かな、衣装的にここは――どこの土地だろうね?
肌の色で判断するにも女神様の妄想一つで人種コロッと変わるしなぁ、アカーシャなら特定出来るんだろうか、真面目に勉強してるし。
「聖女様だけでなく勇者様まで同時に召喚されるとは――神が我らに味方しているに違いない」
勇者と呼ばれたのは女の子の向こうにいたらしい高校生男子。
男子は二人いたけどどちらかが勇者なんだろう、でも女神様のトークに付き合わされた僕が見る限り、元気がよくて自信満々の方が勇者だろうな。
もう一人は王道転校生の気配がする。
ところで床冷たいし立ってもいいだろうか、お腹の子が冷えるのはちょっと。
でも不用意に行動して乱暴に扱われるのは困るのです、僕はポンチョ着てるからいいけど、お腹の子がブチ切れてお兄ちゃん呼んだら国が滅びます。
……もうちょっと様子見ようかな。
それにしても聖女と勇者召喚同時とか、設定詰込みすぎじゃない?
あちこちのストーリーに手を出しすぎて、設定が頭の中で混ざった結果だろうか。
迷惑だなぁ。
これってあれかなぁ。
旅先まで妄想が追いかけてきたことを根に持ったアー君が、女神様を宴会出禁にしてた腹いせ?
迷惑だなぁぁ。
結局その場にいたのは聖女、勇者、神子の三人。
魔王を討伐するために異世界から召喚したらしい、誰か女神様の上司呼んでください、ちょっとこう、説教をしてもらいたいのです。
ちなみに僕は最初獣人に間違われて剣を向けられました。
柴犬の耳がついたポンチョ着てただけなのに物騒な国だね。
そういう訳で聖女・勇者・神子召喚に巻き込まれました。
魔王がどうの、魔物がどうの言っているけれど、国を救いたければ僕を今すぐ家に帰してください。
家族が僕の不在に気付いたら国の未来は終了です。
神様の宴会って毎回長いけど、今回は本当に長かったなぁ。
それぞれ合間合間に席を立ってダンジョンや森に食料調達に行ったり、邪神一家がダンジョン周回に行ったり、女神様方がエステフルコース受けたりしてたけど、その間神薙さんはずっと飲んでいた。
ラーシャは母であるカーシャさんを満たすため唐揚げを揚げたり、イネスのために庭で海老狩りと忙しく動き回り、後半は目が死んでたかな。
ネヴォラとゴブリン部隊は早めに帰宅して正解だったね、あれ逃げ遅れたらダメなやつ。
冒険者がランダム効果目当てで神薙さんに鴨を納めたのも、宴会が予想以上に延びた原因の一環でもある。
レア度の高い肉を優先的に納めてくれたので我が家の邪神様もご機嫌で、その影響でダンジョンでレアなモンスターが出現したり、宝箱が出たりしたらしい。
調理班が屍のようになったけれど、神々、人間、どちらも鴨パーティーを楽しめたようでなにより。
ちなみに騎士様はご機嫌な神薙さんにずっと巻き付かれていました。
それが数日前の話。
宴会の跡片付けも終わり、日常に戻ってのんびりダラダラ過ごしていたんだけどなぁ。
神の宴がほぼ丸一日続いたことで、メニュー画面のポイントがとんでもない数値になっていたので、今夜辺り神薙さんにポイント還元としてスイーツ祭りしようと思ってたんだけど……さすがに無理だろうなぁ。
「召喚に成功したぞ!!」
「ははは、神はまだ我らを見放していなかったのだ!」
「おおおーーー!!」
床に描かれているのは定番の魔法陣ってやつだろう、アー君がたまに似たようなの使ってるから知ってる。
魔法陣の周囲にいるローブ姿の人はあれだ、あれ、ほら、魔術師とか魔法使いとかそういうの。
壁際に控えているのが騎士、金ぴか装束が王族とかの地位が高い人だろう。
僕はただ、社務所に鴨レシピの提供をしに行こうと鳥居をくぐっただけだったんだ。
歩いて行けばいいのに近道しようとしたのがいけなかったのかな、それともアカーシャに耳にタコが出来るほど言い聞かされた「一人で行動しない」をスルーしたのがいけなかったのか……。
「ようこそ異世界の者達よ」
僕の斜め前ぐらいにいるのは多分日本人だろう女の子。
可愛い感じの外見で、チワワみたいにぷるぷる震えている。
チワワ……うわぁ、女神様大好き王道属性だ。
ただ制服見ただけじゃ中学生か高校生かは僕には分からない、女神様なら一発で分かるんだろうな、制服の研究のために全国の制服からゲーム、漫画の制服まで頭に入ってるらしいし。
無駄な所で頭を使っているから、世界の管理がザルになるのではないでしょうか。
「どうぞ怯えないでください聖女様」
女の子に手を伸ばした金髪キラキラが王子かな、衣装的にここは――どこの土地だろうね?
肌の色で判断するにも女神様の妄想一つで人種コロッと変わるしなぁ、アカーシャなら特定出来るんだろうか、真面目に勉強してるし。
「聖女様だけでなく勇者様まで同時に召喚されるとは――神が我らに味方しているに違いない」
勇者と呼ばれたのは女の子の向こうにいたらしい高校生男子。
男子は二人いたけどどちらかが勇者なんだろう、でも女神様のトークに付き合わされた僕が見る限り、元気がよくて自信満々の方が勇者だろうな。
もう一人は王道転校生の気配がする。
ところで床冷たいし立ってもいいだろうか、お腹の子が冷えるのはちょっと。
でも不用意に行動して乱暴に扱われるのは困るのです、僕はポンチョ着てるからいいけど、お腹の子がブチ切れてお兄ちゃん呼んだら国が滅びます。
……もうちょっと様子見ようかな。
それにしても聖女と勇者召喚同時とか、設定詰込みすぎじゃない?
あちこちのストーリーに手を出しすぎて、設定が頭の中で混ざった結果だろうか。
迷惑だなぁ。
これってあれかなぁ。
旅先まで妄想が追いかけてきたことを根に持ったアー君が、女神様を宴会出禁にしてた腹いせ?
迷惑だなぁぁ。
結局その場にいたのは聖女、勇者、神子の三人。
魔王を討伐するために異世界から召喚したらしい、誰か女神様の上司呼んでください、ちょっとこう、説教をしてもらいたいのです。
ちなみに僕は最初獣人に間違われて剣を向けられました。
柴犬の耳がついたポンチョ着てただけなのに物騒な国だね。
そういう訳で聖女・勇者・神子召喚に巻き込まれました。
魔王がどうの、魔物がどうの言っているけれど、国を救いたければ僕を今すぐ家に帰してください。
家族が僕の不在に気付いたら国の未来は終了です。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
332
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる