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湯水のごとくお金を使おう

第765話

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 さつま芋料理の研究会という名の暇つぶし続行中です。

「おやつレシピは茶屋に提供するという事で、社務所の食事処で出せる料理を考えよう」
「このさつま芋の甘煮うんまい」
「ドリちゃんの作ったものは何でも美味しいからね」

 メニュー画面でポンポン出していたら、子供達の口に合うように調節された同じ料理が出された。
 消費できない量が並べられていくのだけど、神薙さんいないのにどうしよう。

「俺、おやつでお腹ポンポン」
『僕も』
「さすがに俺もちょっと」

 幼児にリタイアされた、本当にどうしよう。

「ドリアン、アイテムボックスに入れて後で神薙さんに届けてもらっていい?」
「ハイ」

 食材を無駄にしない為にもこれが一番いい解決方法だよね。

「僕はいも羊羹が気に入ったけど、これも茶屋向きだしなぁ」

 食事処向きのメニューってなんだろう、神薙さん神社は老若男女問わず参拝してるから誰でも美味しく食べれるものが理想かな?
 グラちゃんが仕切ってる食事処は一般の食堂よりちょっと敷居を高くしてあるんだけれど……だからこそ余計にデートや祝い事に使われる頻度が高い。
 
 もう全部ドリちゃんにプロデュースしてもらいたい!
 でもそれだとアー君の暇潰しにならないからね、満腹になっちゃったけど。

「ご飯食べたい」
『ほこほこ~』
「おお、空腹感が再来してきたぞ」

 消化されるの早っ。

「僕が考え事してる間に何かした?」
「アカーシャにこれ譲ってもらったんだ」

 アー君が取り出したのは宝物庫でアカーシャが使った鑑定スクロールだった。

「改良版?」
「いや、あえて改良前、こんな時のためにもらっておいた!」

 わざと魔力枯渇を引き起こすことで空腹を引き起こすとは、うちの子の食に対する執着が神薙さんに似てきた気がするよ。

「さぁママ続けよう!」
「ごっはーん」
「焼き芋でもいいぞー」
「ご飯っ!」

 唐突にネヴォラが登場した。
 しかもマイスプーンを持って正座までしている。うちの子より行儀が良い気がするのは気のせいだろうか。

 でもそうか、さつま芋ご飯美味しいよね。
 ドリちゃんにお願いしておにぎりで出してもらったら大喜びされました。

「レモン使おう!」
「さつま芋のレモン煮もいいね、レモン国から大量に送ってきたからちょうどいいや」

 ついでにグラちゃんの所で消費してもらおう。

『おもち』
「ママ、シャム兄が餅食べたいって」
「私も食べる!」
「さつま芋餅か、あるかなー」

 ありました。
 そしてドリちゃんが改良して何とも上品な出来栄えになりました。
 ご婦人が喜びそうです、ありがとうドリちゃん。

「天ぷらもいいんじゃないか?」
「アー君ナイス」

 お味噌汁に入れたり、煮物に入れたり、たまにリクエストに応えておやつを出して楽しく時間は過ぎていった。
 僕としてはさつま芋のドーナツが一番のヒットかも。

 最終的に焼き芋が一番美味いという結論になったようで、幼児三人とネヴォラは庭で焼き芋食べ放題をしてました。
 もしあれでネヴォラが夕食はいらなかった場合、僕が怒られそうですね。
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