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湯水のごとくお金を使おう
第721話
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神薙さんをお風呂に送り出し、ドンへ奉納品のお礼と神薙さんが絶賛していたことを手紙に書き終えた所で気付いた。
「日本語で書いちゃった」
そう言えば僕、この世界の文字書けなかったんだっけ。
読むことは出来るからうっかりしていた。
前にも一度この問題で躓いたことあったなぁ、それで騎士様が代筆してくれたんだけど、書かれた文字がこの世界の言語じゃなかったんだよね。
あの時は……そうそう、副官さんが最終的に代筆してくれたんだった。
今回はどうしよう、伝言を届けてくれる魔力の鳥、あれどうやるんだろう?
鳥、鳥……あっ、センちゃんがいるじゃない、ああでも元が扇子だから伝言機能はないか。
「ふははは、お困りのようだなママ!」
ぴょーんと何もない所からアー君が現れた。
「お手紙書いたけど異世界の言語で書いちゃった」
この世界の文字を書けないことは黙っておこう、カイちゃんが飛んできて勉強会行われたら泣く。
「見せてー」
「はいどうぞ」
手紙を渡すとごく自然な動作で僕の膝の上に座った。
無意識に甘えるアー君が尊い。
「……春日の茶屋でたまに使われてる文字だな」
そういえば春日さん、ジャパニーズ愛好家だった。
「あとアカーシャが開いてた教科書にこの文字載ってた」
「えっ、日本語が?」
「確か刀国民はこの文字の習得が必須だとか言ってたな、女神が与えた言語で、刀国でしか使われてないから重要書類に使ったり、女神が与える聖書もこの文字らしいぞ」
女神様が与える聖書?
女神ヴィシュタルに仕える巫女のお姉さま方の愛読書……BL本のことだよね?
もしや女神様、薄い本を地球から輸入してるんですか?
さすがにないと思い込みたいけれど、重要書類に使えて便利な文字は後から考えた言い訳で、本命は薄い本の普及とか言いませんよね?
千年以上かけて何やってるのあの腐女神!
「もっとこう、普及すべき文化とかあると思う」
「妄想の普及に忙しいんだよ、きっと」
アー君が色々諦めている。
「しかし、俺も将来これ覚えなきゃいけないのかー、うへー」
「ちゃんと学園に通うんだ」
「うん、学生やってみたいからな! 青春は一度きりらしいぞ」
人生自体は十二分に楽しんでいると思うけど、それとは別腹なのね。
ちなみに僕の青春はもふもふに捧げました。
「学園に行ったら俺、早弁するんだ」
「普通にお家で食べて行こうね」
「学食もいいけど購買も憧れる。友達作って帰りに買い食いしたり、課外活動で屋台のアルバイトしたり、ちょっと楽しみ」
「もっと別のことも楽しんでね」
「うん」
アー君が学園に抱いているイメージが食に偏っているけど大丈夫だろうか。
「日本語で書いちゃった」
そう言えば僕、この世界の文字書けなかったんだっけ。
読むことは出来るからうっかりしていた。
前にも一度この問題で躓いたことあったなぁ、それで騎士様が代筆してくれたんだけど、書かれた文字がこの世界の言語じゃなかったんだよね。
あの時は……そうそう、副官さんが最終的に代筆してくれたんだった。
今回はどうしよう、伝言を届けてくれる魔力の鳥、あれどうやるんだろう?
鳥、鳥……あっ、センちゃんがいるじゃない、ああでも元が扇子だから伝言機能はないか。
「ふははは、お困りのようだなママ!」
ぴょーんと何もない所からアー君が現れた。
「お手紙書いたけど異世界の言語で書いちゃった」
この世界の文字を書けないことは黙っておこう、カイちゃんが飛んできて勉強会行われたら泣く。
「見せてー」
「はいどうぞ」
手紙を渡すとごく自然な動作で僕の膝の上に座った。
無意識に甘えるアー君が尊い。
「……春日の茶屋でたまに使われてる文字だな」
そういえば春日さん、ジャパニーズ愛好家だった。
「あとアカーシャが開いてた教科書にこの文字載ってた」
「えっ、日本語が?」
「確か刀国民はこの文字の習得が必須だとか言ってたな、女神が与えた言語で、刀国でしか使われてないから重要書類に使ったり、女神が与える聖書もこの文字らしいぞ」
女神様が与える聖書?
女神ヴィシュタルに仕える巫女のお姉さま方の愛読書……BL本のことだよね?
もしや女神様、薄い本を地球から輸入してるんですか?
さすがにないと思い込みたいけれど、重要書類に使えて便利な文字は後から考えた言い訳で、本命は薄い本の普及とか言いませんよね?
千年以上かけて何やってるのあの腐女神!
「もっとこう、普及すべき文化とかあると思う」
「妄想の普及に忙しいんだよ、きっと」
アー君が色々諦めている。
「しかし、俺も将来これ覚えなきゃいけないのかー、うへー」
「ちゃんと学園に通うんだ」
「うん、学生やってみたいからな! 青春は一度きりらしいぞ」
人生自体は十二分に楽しんでいると思うけど、それとは別腹なのね。
ちなみに僕の青春はもふもふに捧げました。
「学園に行ったら俺、早弁するんだ」
「普通にお家で食べて行こうね」
「学食もいいけど購買も憧れる。友達作って帰りに買い食いしたり、課外活動で屋台のアルバイトしたり、ちょっと楽しみ」
「もっと別のことも楽しんでね」
「うん」
アー君が学園に抱いているイメージが食に偏っているけど大丈夫だろうか。
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