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湯水のごとくお金を使おう
第722話
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その後、リンゴ畑から帰ったシャムス達も混ざって第二回文字書き大会が開催された。
シャムスはワンコ化して肉球言語、ペタペタ肉球の跡を付けているだけに見えて意味があるらしい。
女神様が分からないから僕もこれは理解できない、でもネリちゃんは読めるとか、すげぇ。
「涼ちゃんは?」
「俺はこれー」
読めない。
ミミズが這ったような文字でもなく、象形文字とかルーンとかでもない、こう、丸が重なった絵に見えなくもない?
頑張れ僕、心の目で見るんだ!
「まるい、食べ物?」
「今日のお昼のデザート、アイスのせー」
よし、当たった!
セーフ、セーフ。
「こっちがバニラで、チョコー」
「こっちの棒は?」
「フォーク」
アイス貫通してる、待てよ、もしや丸がぐしゃぐしゃに見えるこれは……。
「ではこのフォークを持っているのは涼玉様ですな」
「マールス当たり!」
先を越された。
しかもマールスは僕をチラリと見て得意げに笑った。おのれっ。
「かーしゃま、みてー」
「どうしたのシャムス?」
呼ばれてそちらを見たら、毛玉くんがシャムスの横でスラスラと文字を書いていた。
多分、文字だと思う。
ただ書道家が書く達筆が極まったみたいな文字で、当然読めない、漢字っぽいけどちょっと違うような?
女神様が授けてくれた自動翻訳、文字に対しては刀国の言葉に対してしか仕事しない。
関わる種族が増えると粗が目立つな、この翻訳機能。
「これ、古語だよ。主様が暴れてた時代より前の文字」
マッサージを受け、艶々な神薙さんが毛玉くんの書く文字を覗いてそう教えてくれた。
そんなに古い文字をなぜこの子が知っているんだろう?
「アー君は読める?」
「俺の前世は読み書きを必要とするような文明的な人生送ってない」
そうだった忘れがちだけどアー君の前世って壮絶なんだっけ。
「イツキ」
「はい、忘れていません」
神薙さんに呼ばれてサッとドリアンに合図を送ると、巨大プリンアラモードを取り出して神薙さんの前に置いた。
でかいね、神薙さんがプリンの向こう側に消えたよ。
まぁ一瞬でプリンも消えたけど。
一個は瞬きする暇もなく食べ終え、二個目以降はちょっと味わって食べているようだ。
「そいつ、外の世界から来たみたいだね」
三個目もぺろりと食べ終えた神薙さんが追加情報をくれた。
味わっても早かったな。
「異世界転移か!」
『ママとお揃い?』
「トラック転生か?」
多分違うと思う。
「世界に入った歪に落ちたか、世界を彷徨って辿り着いたか……理由は何であれ、主様に報告した方がいいと思う。アルジュナ」
「はい! 行ってきます!」
神薙さんのご指名にアー君がビシリと敬礼を返した。
「騎士様に会うならもうちょっと見栄えよくなった方がいいかな、アー君、行く前にお風呂を聖水で満たすことって出来る?」
「俺使いが荒い! 対価を要求したい!」
「膝枕とお食事あーん」
「ちょっとお風呂に聖水入れてくるな!」
アー君が甘えん坊で良かった。
シャムスはワンコ化して肉球言語、ペタペタ肉球の跡を付けているだけに見えて意味があるらしい。
女神様が分からないから僕もこれは理解できない、でもネリちゃんは読めるとか、すげぇ。
「涼ちゃんは?」
「俺はこれー」
読めない。
ミミズが這ったような文字でもなく、象形文字とかルーンとかでもない、こう、丸が重なった絵に見えなくもない?
頑張れ僕、心の目で見るんだ!
「まるい、食べ物?」
「今日のお昼のデザート、アイスのせー」
よし、当たった!
セーフ、セーフ。
「こっちがバニラで、チョコー」
「こっちの棒は?」
「フォーク」
アイス貫通してる、待てよ、もしや丸がぐしゃぐしゃに見えるこれは……。
「ではこのフォークを持っているのは涼玉様ですな」
「マールス当たり!」
先を越された。
しかもマールスは僕をチラリと見て得意げに笑った。おのれっ。
「かーしゃま、みてー」
「どうしたのシャムス?」
呼ばれてそちらを見たら、毛玉くんがシャムスの横でスラスラと文字を書いていた。
多分、文字だと思う。
ただ書道家が書く達筆が極まったみたいな文字で、当然読めない、漢字っぽいけどちょっと違うような?
女神様が授けてくれた自動翻訳、文字に対しては刀国の言葉に対してしか仕事しない。
関わる種族が増えると粗が目立つな、この翻訳機能。
「これ、古語だよ。主様が暴れてた時代より前の文字」
マッサージを受け、艶々な神薙さんが毛玉くんの書く文字を覗いてそう教えてくれた。
そんなに古い文字をなぜこの子が知っているんだろう?
「アー君は読める?」
「俺の前世は読み書きを必要とするような文明的な人生送ってない」
そうだった忘れがちだけどアー君の前世って壮絶なんだっけ。
「イツキ」
「はい、忘れていません」
神薙さんに呼ばれてサッとドリアンに合図を送ると、巨大プリンアラモードを取り出して神薙さんの前に置いた。
でかいね、神薙さんがプリンの向こう側に消えたよ。
まぁ一瞬でプリンも消えたけど。
一個は瞬きする暇もなく食べ終え、二個目以降はちょっと味わって食べているようだ。
「そいつ、外の世界から来たみたいだね」
三個目もぺろりと食べ終えた神薙さんが追加情報をくれた。
味わっても早かったな。
「異世界転移か!」
『ママとお揃い?』
「トラック転生か?」
多分違うと思う。
「世界に入った歪に落ちたか、世界を彷徨って辿り着いたか……理由は何であれ、主様に報告した方がいいと思う。アルジュナ」
「はい! 行ってきます!」
神薙さんのご指名にアー君がビシリと敬礼を返した。
「騎士様に会うならもうちょっと見栄えよくなった方がいいかな、アー君、行く前にお風呂を聖水で満たすことって出来る?」
「俺使いが荒い! 対価を要求したい!」
「膝枕とお食事あーん」
「ちょっとお風呂に聖水入れてくるな!」
アー君が甘えん坊で良かった。
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