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保護者の居ぬ間に
第501話
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賄いを出すにも座敷と庭は戦場と化し場所がない。
「こんな時は隠し部屋かな」
「俺も行く」
涼玉が羽をパタパタさせて付いてきた。
シャムスはナーガの応援係、アー君は成人化して力仕事の手伝い、涼玉だけがやる事がないみたいで僕に付いてきた。
「……」
隠し部屋に入ったらはんてんを着た春日さんがコタツに入っていたのですが。
机に顎を乗せ、アルビノ蝙蝠の雪ちゃんに蜜柑を食べさせてもらっていた。
「春日さん、こんにちは」
「おー邪魔してるよ」
言いながらもう一口。
なんだか雪ちゃん手馴れてる?
「えっと、今からここで賄い出したいのですが、いいですか?」
「俺と雪の事は気にしないでくれ」
すごい気になります。
それをぐっと堪えて春日さんの正面になる場所に座り、メニュー画面を開くと涼玉が一緒に見ようと横から首を伸ばしていたので、体をずらして足の間にご案内。
机の上や周りに出そうと思ってたけれど、この分だと出したらそのままアイテムボックス行きかな。
ゆっくり食べている暇はないだろうからおにぎりとサンドイッチを大量に発注、バイキング項目の使い方が違っている気がするけどまぁよし。
あれ?
このバイキング項目で死ぬほど出せば皆さんが苦労する事もなかったんじゃ……。
いや、数十人分ならまだしも、数百人単位とかはさすがに無理だな。
これは身内専用機能。
「あれ、何気にデザート項目がリニューアルしてる」
僕のもつあれこれを無断で弄れるのは女神様しかいない、いつの間にやったんだろう?
項目も季節ごととか種類ごととか現世とリンクなど細分化している……種類が増えるのは嬉しいけれども、項目増えすぎて分かりにくくなってきたな、アー君に頼んで今度整理してもらおう。
賄いは出し終えたし、手伝いに来てくれた人達に何かお礼をしたいな。
そう思ったら画面が勝手に動き、「女神のお勧め」という項目がトップに表示された。
ポチとしたらぶわっと画面が拡大され、正面にいた春日さんを通り過ぎ、その背後にスクリーン画面が現れた。
すげぇ、知らないうちに進化している。
「がぅ!」
涼玉が示した先で「高級料亭」の文字が押せとばかりにギラギラと自己主張している。
これ、自分が食べたいから出しておけって事かな?
画面が遠いから手が届かないけどどうすればいいんだろ、思いながら宙で指を動かしてみたらキチンと反応して次の画面に「おせち」や「仕出し」が表示された。
高級料亭のおせち……ああもうそんな時期なんだ。
はいはい出しておきますよ~、せっかくだから女神様好みのを数種類だしておいてあげよう。
仕方ない女神様だなぁ。
いや、騙されてはいけない。
お手伝いのお礼がしたかったのであって、女神様にご褒美あげたかったわけじゃない。
出したおせちは宴会で出そう。
「イツキ、イツキ」
「はい?」
「俺も土産に欲しい」
「はぁい」
春日さんの所はお子様が多いから、食べやすいサイズのがいいかな。
仕出し画面も確認したいからちょうどいいや。
「お寿司がついたセットがありますね」
「それだ! わさびは?」
「抜きと入りが選べるみたいです」
「わさび抜きで」
「はい」
有頭エビ、カボチャ、れんこん、ナスなどの天ぷらが入ったのを一つ。
串カツ、エビフライ、から揚げ、ローストビーフ、黒毛和牛のステーキ、ベーコン巻、卵焼きなどがぎっちり入ったのは一つじゃ足りないかな、二つにしておこう。
あとはサラダとお刺身セットをポチっと選んで出して春日さんに渡しました。
「美味そうだな、雪、ちょっと食ってくか」
「きゅー」
春日さんの案に雪ちゃんがふるふると首を振る。
春日一家の良心的ポジションか、苦労してそう。
そんないい子には追加で茶碗蒸しと高級茶をつけておくからね。
一仕事終えた気分でふぅと息を吐き、やけに静かだなと涼玉を見たら涼玉を支えている腕が涎まみれになっていました。
「こんな時は隠し部屋かな」
「俺も行く」
涼玉が羽をパタパタさせて付いてきた。
シャムスはナーガの応援係、アー君は成人化して力仕事の手伝い、涼玉だけがやる事がないみたいで僕に付いてきた。
「……」
隠し部屋に入ったらはんてんを着た春日さんがコタツに入っていたのですが。
机に顎を乗せ、アルビノ蝙蝠の雪ちゃんに蜜柑を食べさせてもらっていた。
「春日さん、こんにちは」
「おー邪魔してるよ」
言いながらもう一口。
なんだか雪ちゃん手馴れてる?
「えっと、今からここで賄い出したいのですが、いいですか?」
「俺と雪の事は気にしないでくれ」
すごい気になります。
それをぐっと堪えて春日さんの正面になる場所に座り、メニュー画面を開くと涼玉が一緒に見ようと横から首を伸ばしていたので、体をずらして足の間にご案内。
机の上や周りに出そうと思ってたけれど、この分だと出したらそのままアイテムボックス行きかな。
ゆっくり食べている暇はないだろうからおにぎりとサンドイッチを大量に発注、バイキング項目の使い方が違っている気がするけどまぁよし。
あれ?
このバイキング項目で死ぬほど出せば皆さんが苦労する事もなかったんじゃ……。
いや、数十人分ならまだしも、数百人単位とかはさすがに無理だな。
これは身内専用機能。
「あれ、何気にデザート項目がリニューアルしてる」
僕のもつあれこれを無断で弄れるのは女神様しかいない、いつの間にやったんだろう?
項目も季節ごととか種類ごととか現世とリンクなど細分化している……種類が増えるのは嬉しいけれども、項目増えすぎて分かりにくくなってきたな、アー君に頼んで今度整理してもらおう。
賄いは出し終えたし、手伝いに来てくれた人達に何かお礼をしたいな。
そう思ったら画面が勝手に動き、「女神のお勧め」という項目がトップに表示された。
ポチとしたらぶわっと画面が拡大され、正面にいた春日さんを通り過ぎ、その背後にスクリーン画面が現れた。
すげぇ、知らないうちに進化している。
「がぅ!」
涼玉が示した先で「高級料亭」の文字が押せとばかりにギラギラと自己主張している。
これ、自分が食べたいから出しておけって事かな?
画面が遠いから手が届かないけどどうすればいいんだろ、思いながら宙で指を動かしてみたらキチンと反応して次の画面に「おせち」や「仕出し」が表示された。
高級料亭のおせち……ああもうそんな時期なんだ。
はいはい出しておきますよ~、せっかくだから女神様好みのを数種類だしておいてあげよう。
仕方ない女神様だなぁ。
いや、騙されてはいけない。
お手伝いのお礼がしたかったのであって、女神様にご褒美あげたかったわけじゃない。
出したおせちは宴会で出そう。
「イツキ、イツキ」
「はい?」
「俺も土産に欲しい」
「はぁい」
春日さんの所はお子様が多いから、食べやすいサイズのがいいかな。
仕出し画面も確認したいからちょうどいいや。
「お寿司がついたセットがありますね」
「それだ! わさびは?」
「抜きと入りが選べるみたいです」
「わさび抜きで」
「はい」
有頭エビ、カボチャ、れんこん、ナスなどの天ぷらが入ったのを一つ。
串カツ、エビフライ、から揚げ、ローストビーフ、黒毛和牛のステーキ、ベーコン巻、卵焼きなどがぎっちり入ったのは一つじゃ足りないかな、二つにしておこう。
あとはサラダとお刺身セットをポチっと選んで出して春日さんに渡しました。
「美味そうだな、雪、ちょっと食ってくか」
「きゅー」
春日さんの案に雪ちゃんがふるふると首を振る。
春日一家の良心的ポジションか、苦労してそう。
そんないい子には追加で茶碗蒸しと高級茶をつけておくからね。
一仕事終えた気分でふぅと息を吐き、やけに静かだなと涼玉を見たら涼玉を支えている腕が涎まみれになっていました。
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