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保護者の居ぬ間に

第500話

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 双子と遠征隊の帰還を国王様に伝えようとして気付いた。どうやって伝えればいいの?

「任せろ!」

 そう言ってアー君がキーちゃんに飛び乗って王城までびゅーんと飛んで行った。
 伝令や魔法で伝えるではなく、自ら伝えに行ってくれた。

 ……いや、転移すればいいんじゃない?

「こんにちは」

 そして国王様と教皇様を連れて帰ってきました。
 皆さん動きが迅速ですね。

 部屋を用意しようと慌てたら、それより話し合いが大事だからと座敷で話し合いです。
 せめて高級お茶を!! と僕が茶菓子を用意している間にアー君が全部説明してくれました。

「祭りですな」
「では私は祈りを込めた食材の手配をしましょう」

 さくさくと進む話し合い、お迎えの儀はこうして国を挙げての行事になりました。
 国王様、もしかして双子が帰って来るからテンション高い?

 しかも国運営の行事なので国庫からお金が出るようです。
 まぁ国庫を圧迫している財宝、うちの子や邪神様が詰め込んだものが殆どだからね、ここで一つ派手に浪費するつもりのようだ。
 大丈夫かな、派手に使ったら浪費分の倍は嬉々として補充する気配がする。

 帰って来るのは早くて明日、遅くても明後日、食材調達が普通の方法じゃ間に合わないから食材は僕が用意するんだけど……野菜は裏庭菜園、肉類はアカーシャ経由、それ以外のものは僕とドリアンが業務用から出します。
 実質、アカーシャに頼むお肉にしかお金が動かない。

 派手に使うにしてもどこに使うんだろう?
 こういうのはよく分からないや、分かる人に任せておこう。

『かあしゃまー』
「援軍連れて来たぞー」

 さぁやるか、と腕まくりした所でシャムスと涼玉が人を引き連れて現れた。
 
 シャムスが連れて来たのはナーガを筆頭とした魔物集団、よく見たらマシュー君の所で料理番をしている子達だった。
 ナーガはシャムスをその腕に抱いて上機嫌、マシュー君はお仕事があるので置いてきたそうです。

 涼玉が連れて来たのは神薙さん専属の衛兵さん、あと境内でお店をやっている人達の姿も見えた。
 僕とドリちゃん、ドリアンだけでは手が足りないだろうからと、二人で手分けして人員を連れて来てくれたらしい。

 うちの子…………天使!!!!!!

「母上ー、タイガ連れて来たぞ!」

 感動した所でアー君が帰って来た。
 なぜかタイガに肩車された状態で。

「お二方が帰って来たすぐ後にアー君から話を聞いた。我の子供達も使ってくれ」
「よろしくお願いします」

 手伝いの人数が大変な事に。
 座敷だけじゃ作業出来ないなこれ、と思っていたらドリアンが庭に足の長い机を設置したり、特大のバーベキューコンロを置いたりし始めた。
 もう戦いは始まっているようだ。

「はいはいお邪魔しますよ」
「こっちに運んで、爺、ドリちゃんとの連携をお願い」
「承知しました」

 裏庭菜園のおじいさんが野菜を持ってきたと思ったら、アカーシャが肉や魚を持って来てくれた。

 待って、これ誰が指揮取るの?
 僕にそんな裁量ないからね!?

「イツキ、手伝いに来たよ! 子供達はガルーダに任せて来たから安心おし!」

 僕の困惑を察知したかのようなタイミングで大量の麺を持ったヘラ母さんが現れた。

「あとは任せな! イツキは賄い料理の担当を頼んだよ!」
「母さん……ありがとう」

 もう大好き!
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