上 下
455 / 1,127
保護者の居ぬ間に

第450話

しおりを挟む
 耐久値の落ちた装備品の廃棄方法。
 これもまた刀国オリジナル。

「お金を添えて賽銭箱に置けばうちの蔵に転送される」
「すげー神薙様すげー」

 まさかの神薙さんのおやつだった。
 装備の元になる素材をおやつ代わりに食べてるもんなぁ、壊れた装備品はちょっとボソボソした感じがするみたい。
 呪われた装備も同じ扱いなんだって。

 我が家の邪神様凄いな。

「神薙様って倒せるのか?」
「うーん、生きたまま僕が食べて、胃の中まで到達してから内側から攻撃すれば……どうかな?」
「それって意外に難しそう! 神薙様は口に入れた時に噛む癖があるからなぁ、多分その時絶命する」

 アー君それ何の会話。
 怖いよ。

「赤ん坊なら、シャムスやアルジュナぐらいなら生きたまま丸呑み出来ると思う」
「胃液で死にそうだなー」
『ひぃぃぃぃぃ』

 ストップ、ストップ、シャムスが震えて大変な事になってる。
 オムツしてるはずだけど大丈夫かな。

「涼はどうだろ」
「つい噛み砕いちゃいそう」
「ひぃぃぃ」

 涼玉とシャムスがぺとりとくっついて一緒に震えている。
 可愛い……ではなく、可哀想。

 食事の終わった三匹が両側と背後から二人を囲い、べろんべろんと舐めて慰めている。

「神薙様は武器とか使う?」
「使わないなぁ、必要ないもの」
「ナイフとフォークみたいに武器使うと思ってた」
「踊り食い最高」

 倒すの不可能な邪神かぁ、騎士様の周りってそんな方ばっかりだよなぁ。
 しかも神薙さんって進化する余地がある邪神、つまりまだまだ強くなれるという恐ろしい生き物。

「信仰が廃れた状態ならともかく、絶好調だもんなー」
「うん」
「あっ、そうだ。面白もの作れたから食べてみて」

 アー君がアイテムボックスから取り出したのは、透明に近いクリスタルだった。

「氷に聖属性をどこまで圧縮出来るか試したらクリスタルが出来た」
「ふぅん?」

 クリスタルを受け取った神薙さんはそれをグラスの中に入れ、ドリアンが素早く琥珀の液体を注ぎ込んだ。

「ジュワッとする、これいいね。晩酌に使いたいからもっと欲しい」
「おー!」

 あの、その『ジュワッ』ってダメージ……まぁいいか。

 アー君は数十個クリスタルを出すとドリアンに渡し、報酬として神薙さんの鱗をもらっていた。
 武器の素材に使うんですって。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

魔神と勘違いされた最強プレイヤー~異世界でもやることは変わらない~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:1,958

健気な美少年は大富豪に愛される

BL / 完結 24h.ポイント:2,002pt お気に入り:2,059

HERESY's GAME

E&C
SF / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:1

エンシェントドラゴンは隠れ住みたい

BL / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:1,692

stairs(完結)

BL / 完結 24h.ポイント:1,065pt お気に入り:46

マンガ喫茶でセフレとエッチする甘々な日々

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:37

ようこそ、追放村へ!~冤罪で婚約破棄され国外追放された4人の令嬢達

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:1,035

コンセプトルーム

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:16

処理中です...