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ダンジョン
第366話
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プレオープン午前の部が終了して参加者がぞろぞろと出てきた。
ここでお昼休みを挟み、午後はまた別の参加者が挑む予定。
ざっと見た限り反応は様々。
初心者冒険者は目を輝かせてキャッキャウフフ、中堅PTは健闘を称えあいながらもどこかホッとしているし、刀雲PTはげっそり、騎士様PTはボロボロだ。
何があった。
「ままー」
「イネスお帰り」
自慢の毛並みが傷んでしまったイネスにクリーンをかけて見た目だけ整える。
「あとはおうちに帰ってお風呂に入ろうね」
「はーい」
「イツキ俺もー」
「はいどーぞ」
ラーシャにも魔法をかけて綺麗にし、イネスを返す。
「お腹空きました」
「今出すね」
催促されたのでお昼用のお弁当を取り出します、ドリちゃんが張り切って色々な種類を作っていたけど、中身は開けてのお楽しみ。
スタミナ回復料理もあるし、大人用に果実酒も一杯ずつ用意してあるんだ。
子供はミックスジュースです。
「竹の入れ物が和風、木製が中華、四角の箱が洋風、4段重ねが多国籍」
「ほぁぁぁ」
「選べねぇよ」
まぁそうだよね、僕もそう思う。
ドリちゃんって実はイベントが好きみたいでね、行事に合わせた料理をお披露目する機会を虎視眈々と狙っているんだ。
「うーんうーん」
「イネス、早く選ぼう、神薙が近付いてくる気配がある」
「ままヒント!」
「和風はおにぎり、中華は炒飯、洋風はサンドイッチ、多国籍はカレー」
「きゃーー!」
迷っちゃうよねぇ。
「和風と洋風で」
「えー、でも、うーー」
「半分こしような」
「はい!」
迷い続けるイネスの代わりにラーシャが選び、お弁当を受け取って少し離れた場所に移動していった。
うん、神薙さんが来たら落ち着いて食べれないもんね。
イネスとラーシャと入れ替わりに刀雲が近付いてきた。
「イツキぃ~」
「刀雲もお帰りなさい」
『ぱーぱー』
「土産あるか?」
「漁ってしまえ」
敷布に上がった途端、幼児三人組の襲撃を受けて荷物を漁られている。
「刀雲は対して汚れてないけど、疲れてるね。何があったの?」
「食べながらでいいか? 腹減った」
「うん、刀雲はお重があるからね、あと三匹とルークが狩りから戻ったらお肉もつくよ」
まずは軽く前菜からどうぞ。
え、刀雲だけ特別扱い?
家族だし当然です。
あとこのお重、子供達と僕の分も詰めてあるからね。
「ぱーぱ!」
「ぱぱー」
「ぱぱどの!」
「アカーシャ、幼児を回収してー」
「はぁい」
食べようと座り直した刀雲の横で口を開けた三人は素早くアカーシャに回収された。
「父様疲れてるんだから、ゆっくり食べさせてあげようね?」
「「はーい」」
「皆さんもどうぞ、残ったら全て神薙さんの分です」
「そんな樹、容赦ない!」
騎士様も嘆いてないで早く選んでください、食べ物に関しては皆さん遠慮ないから。
同じ説明を繰り返すのも面倒なのでメインだけ選んでもらおう。
「私とギルバートは洋風で」
「え、俺らもいいのか?」
「はい大丈夫ですよ、神薙さんが席に着いたら配布終了です」
「神薙様は……」
「今は屋台で貢がれています、チャンスですね」
教皇様も大分俗世に慣れてきたなぁ。
目を鋭く光らせてお礼を言いつつ和風弁当、ギルマスは中華弁当を選んだ。
ギレンは強制的にアカーシャの愛妻弁当です。
嬉しくて泣いていたよ。
「えっと、じゃあ俺は――」
「ごはーん」
騎士様残念!
神薙さんのご到着です!
無しは可哀想なので多国籍弁当を渡しました。
ギレンと並んで哀愁を漂わせながら食べていたよ。
ここでお昼休みを挟み、午後はまた別の参加者が挑む予定。
ざっと見た限り反応は様々。
初心者冒険者は目を輝かせてキャッキャウフフ、中堅PTは健闘を称えあいながらもどこかホッとしているし、刀雲PTはげっそり、騎士様PTはボロボロだ。
何があった。
「ままー」
「イネスお帰り」
自慢の毛並みが傷んでしまったイネスにクリーンをかけて見た目だけ整える。
「あとはおうちに帰ってお風呂に入ろうね」
「はーい」
「イツキ俺もー」
「はいどーぞ」
ラーシャにも魔法をかけて綺麗にし、イネスを返す。
「お腹空きました」
「今出すね」
催促されたのでお昼用のお弁当を取り出します、ドリちゃんが張り切って色々な種類を作っていたけど、中身は開けてのお楽しみ。
スタミナ回復料理もあるし、大人用に果実酒も一杯ずつ用意してあるんだ。
子供はミックスジュースです。
「竹の入れ物が和風、木製が中華、四角の箱が洋風、4段重ねが多国籍」
「ほぁぁぁ」
「選べねぇよ」
まぁそうだよね、僕もそう思う。
ドリちゃんって実はイベントが好きみたいでね、行事に合わせた料理をお披露目する機会を虎視眈々と狙っているんだ。
「うーんうーん」
「イネス、早く選ぼう、神薙が近付いてくる気配がある」
「ままヒント!」
「和風はおにぎり、中華は炒飯、洋風はサンドイッチ、多国籍はカレー」
「きゃーー!」
迷っちゃうよねぇ。
「和風と洋風で」
「えー、でも、うーー」
「半分こしような」
「はい!」
迷い続けるイネスの代わりにラーシャが選び、お弁当を受け取って少し離れた場所に移動していった。
うん、神薙さんが来たら落ち着いて食べれないもんね。
イネスとラーシャと入れ替わりに刀雲が近付いてきた。
「イツキぃ~」
「刀雲もお帰りなさい」
『ぱーぱー』
「土産あるか?」
「漁ってしまえ」
敷布に上がった途端、幼児三人組の襲撃を受けて荷物を漁られている。
「刀雲は対して汚れてないけど、疲れてるね。何があったの?」
「食べながらでいいか? 腹減った」
「うん、刀雲はお重があるからね、あと三匹とルークが狩りから戻ったらお肉もつくよ」
まずは軽く前菜からどうぞ。
え、刀雲だけ特別扱い?
家族だし当然です。
あとこのお重、子供達と僕の分も詰めてあるからね。
「ぱーぱ!」
「ぱぱー」
「ぱぱどの!」
「アカーシャ、幼児を回収してー」
「はぁい」
食べようと座り直した刀雲の横で口を開けた三人は素早くアカーシャに回収された。
「父様疲れてるんだから、ゆっくり食べさせてあげようね?」
「「はーい」」
「皆さんもどうぞ、残ったら全て神薙さんの分です」
「そんな樹、容赦ない!」
騎士様も嘆いてないで早く選んでください、食べ物に関しては皆さん遠慮ないから。
同じ説明を繰り返すのも面倒なのでメインだけ選んでもらおう。
「私とギルバートは洋風で」
「え、俺らもいいのか?」
「はい大丈夫ですよ、神薙さんが席に着いたら配布終了です」
「神薙様は……」
「今は屋台で貢がれています、チャンスですね」
教皇様も大分俗世に慣れてきたなぁ。
目を鋭く光らせてお礼を言いつつ和風弁当、ギルマスは中華弁当を選んだ。
ギレンは強制的にアカーシャの愛妻弁当です。
嬉しくて泣いていたよ。
「えっと、じゃあ俺は――」
「ごはーん」
騎士様残念!
神薙さんのご到着です!
無しは可哀想なので多国籍弁当を渡しました。
ギレンと並んで哀愁を漂わせながら食べていたよ。
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