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ダンジョン探検

第94話

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 殺殺殺殺殺殺とぶつぶつ呟き続けるルネさんをドリちゃん渾身の部屋に押し込んで隔離に成功。

 あっぶなーー、何あれ怖い。

『みゅー』
「母上、シャムスが赤ちゃん返りしてしまった」

 ぶるぶると震えながらアー君が教えてくれた。

 最近はいい子にしていたし、荒ぶる女神も降臨せず平穏だったから油断していたのだろう、薄暗い気に当てられてシャムスが言葉を喋らなくなってしまったようだ。
 僕はもともと何を言っているか理解できてなかったけどね、親の勘とも言えるあれで大体理解していただけで。

『あぶー』
「シャムスすまない、怖かったな、二度とないように消して来るからな」
「物騒な事を言わない」

 ほら抱っこ、ぎゅーー。

「っぐ、やめ、やめろ、気が抜ける!」
「はいマカロンでしゅよー、あーん」
「私はやる事が――むがっもぐもぐもぐ」
「はいもう一個~」
「あー」
『あー』
「シャムスもはいどーぞ」
『うふふー』

 よし誤魔化した。

「で、騎士様」
「はいすみません、ごめんなさい、だからおやつや夕食抜かさないで、デザートも」

 謝るの早っ。

「あのね、ルネは天空を司る女神で、天気が変わると性格変わる特性があるんだけど最近は穏やかだからうっかり忘れていたって言うか、本当ごめんね☆」
「まったく……どうするんですか……同じ世界に住んでいるのに……」

 ご夫妻を敷地内立ち入り禁止にするわけにもいかないし、最悪僕らが引っ越すしかないか。

「ごめんね、二人は俺が説得するからどこにも行かないでね?」
「……本当ですね、アー君が平穏に暮らせるようにしてください、でないと……」
「ごくり」
「二度と騎士様としない!!」
「それはいやっ! すぐ説得してくる! 最終手段として命令してでも説得してくるから!!」

 悲鳴のような声を上げて騎士様が部屋を飛び出して行った。
 謝るより素早かったなぁ、やっぱりエロの力って凄いわ。
 
「アー君も大丈夫?」
「うむ、まだ食べれる」
「違うからね」

 あとそのマカロン何個目かな? 食べ過ぎると夕食入らないよ?

「ん? あ、ああ、私個人は魔王に恨みは特にない、封印した理由も世界を破壊されない為だったような気がするからな」

 わぁ凄い曖昧、昔過ぎて記憶があやふやなのかな?
 お菓子より優先度は低そうだからアー君は大丈夫、多分魔王様も問題ないだろう、あとはルネさんかぁ、女神様達って旦那様に害になりそうな存在には容赦ないからなぁ、ちょっと心配。

「それにしても魔王が仲間とは恐ろしい父親だ。次はふわふわケーキが食べたい、な」
『みゃぅ!』

 シャムスは甘やかしていればそのうち元に戻るかなぁ。
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