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本編後ストーリー

あの人は誰

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『ニナ!お前何だよその手!何で黙ってたんだ!動かなくなったらどうすんだっ!骨とか筋ってのは、ちゃんとしないと上手く戻らない事もあるんだぞ!』
『ごめんなさい…』

 ブロギー君に物凄く怒られたわ。


 コンコン
「お話し中失礼します。テイラー様がお見えです」

 その名前を聞いて、私は体が冷たくなった。

「通してくれ」

 優しく見える笑顔で登場したのは、クール様。あの顔、絶対に怒ってる!

「ニーナ、何をしてるんだ?」
「クール様…何故ここに?」
「何故じゃないだろ。ステーシーの店から俺宛の手紙。俺はラドクリフ伯爵と話をしに来たが、訳を話して日を改めてもらったんだ!」
「ごめん…なさい……」
「おい、ニーナが怪我をしてるように見えるのは気のせいか?」

 クール様がエドワードを睨んでる!

「クール様っ!これは私が突っ走ったからで、エドワードは助けてくれたのよ!」
「……」

 クール様の目が『やっぱり』って言ってるように見える…。きっと最初からエドワードを疑ってなかったんだわ。

「通訳の話だが、ラクロスがいるかは調べてるところだ。別に登録していなかったとしてもそれは罰せられない。個人的な契約もある。ただ、どんな事をしていたか…それによって刑罰はくだる」

 たぶん何らかの罪にはなるよね。

「ニーナ、この人達がシロブ語を話す民族なのか?」
「ええ」

『お騒がせして申し訳ありません。この度はがご迷惑をおかけしたようで。私は兄のクールです。今から私も一緒に話を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?こういう話し合いには疎いので、は。』

 妹扱い…
 これは怒りの裏返しだわ…。

 それからの話し合いは、エドワードとクール様が進めて私の出番は全くなかった…。なんだか悔しい。

『ニナ、お前の兄ちゃん凄い奴なのか?』
『ブロギー君、凄い怖い人なの。私のお兄様は…』

 本当に怖いのよ…。

 話し合いを終えたのは0時近く。ブロギー君は既に寝てる。私を助けにくるのが怖くなかった訳がないし、精神的にもきっと疲れたよね。

『シスター、今日はここに泊まって下さい。もう日付も変わりましたし』
『いえ、教会に戻ります。そこで街の人がまっていますので』

 …そうだよね。3人が帰って来なかったらどうしようって、みんな心配してるはずだもの。

『そうでしたか。では、無理に引き留めるのも悪いので、また明日会いにいきますね』
『ニナさん、ありがとう』
『いえ、みんなで協力して手にした勝利ですよ』


 そう言うと、隣りにいたおじさんが笑い出した。

『お嬢さんはやっぱりあの赤い花のようじゃな。』
『その意味をお伺いしても?』
『赤い花の園、そこに立つ女神リオン。戦いの女神じゃよ。今はそういう捉え方をするもんはおらんが、わしらには代々伝わっている』

 女神は嬉しいけど…戦い…?
 何だか複雑だわ…。
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