結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん

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本編後ストーリー

あの人は誰

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 倒れたヤングから離れて、銃声が聞こえた方をよく見ると、馬で駆けてくる人が見える。

「エドワード……何で…?」
「ニーナ、よかった!!」
「……今のはレオンが撃ったの…?」
「はい、殺してはいませんので」

 そうじゃなくて、下手したら私が死んでたわよ…

「……やぁ、ヤング侯爵。これはどういう状況なのか話して貰おうか。…レオン、全員連れていけ」
「ハッ!」

ヤングとパリス、毒で痺れて動けない手下たちをレオンが縄で縛って、その場は収まった。

「エドワード、どうしてここに?」
「怪我はない?」
「うん。来るのは明日だったんじゃ……」
「ちょっと早く着いてね」
「そう…」

 何故早く着くのか解らないけど、来てくれてよかった。

「そうだ!クリフ、これ。貴方に渡しておくわ」
「これはっ!!」

 赤い花束をエドワードの隣にいたクリフに手渡した。

「使い方さえ間違えなければ、役に立つと思うわ」
「はい」

 これで、私の役目は一先ず終了かな。あとは街の人達の事を話さないと。

「ニーナ、あの斜面にいる人達はシロブ語しか話せないのか?」
「ええ」
「では、こう言ってくれ。『ヤングはこちらで裁く。裏側の街について話をしよう』…て」
「わかったわ。あっ!そうだ。私の事は『エドワードと会った事がある』程度の関係で対応してほしいの。あと、出来ればニナと呼んで」
「はぁ…、了解だ」
「ありがとう」


 話し合いの場はエドワード達が滞在する、この観光地にある王家の邸。
 私と一緒に来たのは、シスターとブロギー君、私に花束を作ってくれたおじさん。その3人。これはシスターの人選。

『でっけー家だな…。』

 そう言って、ブロギー君はポカンとしている。

 テーブルにエドワードとクリフ、その2人の前に私達4人は腰かけた。

『ヤング侯爵のした事を今から私が話します。いいですか?シスター』
『ニナ、お願いします。』

 私はコクリと頷いた。

「裏側の街に住んでるのは、ヤングに何らかの形で土地を追われた人達よ。明日一緒に見に行って貰いたいの。どれだけ悲惨な目にあってるのか…。すぐにでも改善策を考えなくては駄目だわ」
「ニナ様。この赤い花はどこから」
「それも明日見せるわ」

 何故かエドワードから返事はない。

「……」
「エドワード?」
「右手…どうしたんだ」
「え…?」
「さっきからずっと隠してる……」
「……その話は後で」
「レオン、応急処置を頼む。耐えられてるから折れてはないだろうけど」
「ちょっと!それは後でいいって…」
「いいわけないだろ……。話は聞く、けど優先順位が違う。どれだけ心配したと思ってるんだ」

「ごめんなさい…」

 自分勝手すぎたわ。

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